4月高知記念で行われる『第5回ガールズフレッシュクイーン』このレースはガールズケイリン120期、122期の選手のうち、選考期間内の競走得点上位者だけが出られます。
選考順位1位で出場となった吉川美穂選手(和歌山120期)。昨年も平塚でのフレッシュクイーンを走り、惜しくも2着でした。こちらに向けての意気込みや、近況のご自身のレースの振り返りを中心にお話をお聞きしました。
山口:まず今年の成績についてお伺いします。ここまで二度の優勝がありますが、振り返っていかがですか?
吉川:今年最初のレース(広島)で胃腸炎になってしまい欠場することになりました。また2走目いわき平の後も体調を崩してコンディションを落としてしまい、なかなか流れに乗り切れていなかったです。そんな中2月名古屋、3月松山で優勝できたので、良かったです。
山口:前回吉川選手にインタビューさせてもらったのは11月でした。その時は「オッズパーク杯ガールズグランプリ出場の賞金争いにここまで自分が絡めると思っていなかったので、1月から意識しておけば良かった」というお話が印象に残っています。今年はその辺りは既に意識されていますか?
吉川:今年は3月にベトナムで行われたロードレースに出ることが昨年末には決まっており、その期間はガールズケイリンは走れないのはわかっていました。なので「賞金争い」や「ガールズグランプリ出場」という大きな目標よりも、目の前の1レースをしっかり走ろうと意識しています。一つ一つ勝てるように、ですね。
山口:直近のレースを意識されているんですね。
吉川:はい。その中で7月のガールズケイリンフェスティバルであったりGIに出られたら良いなと思っています。GIは今年から新設されたので、まだしっかり把握はしていないんですけどね。
出られたら良いなとは思いますが、先日ガールズケイリンコレクションを優勝した佐藤水菜選手(神奈川114期)や児玉碧衣選手(福岡108期)、ナショナルチームを卒業してガールズケイリン1本に絞った小林優香選手(福岡106期)など強い選手がたくさんいて、私じゃまだまだ太刀打ちできないかなと感じています。GIを優勝したらグランプリ出場ですが、そこの大きな目標は直近ではなく、いずれその優勝争いに絡めるように脚をつけていきたいです。
山口:今、ご自身で強化することは何ですか?
吉川:昨年1年ガールズケイリンを走って、ベースの能力が落ちていると感じました。体調不良などもありましたが、今は基礎的なレースの能力を戻してから、スピードの強化をしたいと思っています。
山口:ベース、というのは具体的にはどんなところですか?
吉川:体力面もそうなのですが、わかりやすく言うと「レースの周回中に脚を使うか使わないか(消耗するかしないか)」ですね。勝負所よりも前に脚を使ってしまう(消耗してしまう)と、勝負所で自分の思った仕掛けができません。ベースが上がれば高い出力で踏んでいても疲れない状態にもっていけます。
以前、私は中長距離のナショナルチームに所属していたので、ある程度ベースは高いところを保っていられました。周回スピードがどれだけ速くてもペースが上がっても余裕があったんです。ベースが下がったことで、周回中に「きついな」と感じたり、勝負所で脚がなくなってしまったり(消耗してしまったり)するのが最近の状態です。そこを戻していくことが最優先ですね。
山口:ナショナルチームから練習環境を和歌山に移したことで違いはありますか?
吉川:和歌山も練習はとてもしやすい環境です。ただナショナルチームの時は練習スケジュールがキッチリ決まっていてある程度の強制力がありました。今は自分で練習をしているので、どうしても甘えてしまう部分があるんです(苦笑)しっかり考えてトレーニングを頑張ろうと思っています。
山口:ベトナムのロードレースに出場したというのも、ベースを上げたいという思いですか?
吉川:そうです。去年の半ばから「ベースが落ちてきている」と感じていました。そんな中ベトナムから「10日間のロードレースに出ないか」とお誘いがありました。実はナショナルチームにいた時も走ったことのあるレースだったので、ベースを戻すのには良い機会なんじゃないかと思って出場しました。
帰国して中4日で松山を走ったんです。疲れはありましたが、ベースは少し戻ったと感じているので行って良かったと思いました。
山口:長距離を乗り込むような練習も増やす予定ですか?
吉川:やらないといけないなと感じます(笑)
山口:ずっとやってきたロードレースの能力がベースで"ガールズケイリン"の吉川選手がいるんですね。
吉川:基礎的な脚力がないとだめなので、そうかもしれません。
山口:貴重なお話でした。ありがとうございます。では次が高知記念での『ガールズフレッシュクイーン』ですね。昨年は2着でしたね。
吉川:そうでした。昨年は走り方一つで優勝もあったかなと自分でも思いましたし、師匠(稲毛健太選手)にも言われたので悔しい思いがありました。今年も同期を含めた強い選手ばかりなので、勝てるかどうかはわかりませんが一生懸命頑張りたいです。
山口:吉川選手は今年のフレッシュクイーンの選考順位が1位でした。フレッシュクイーンの選考は意識していましたか?
吉川:いえ、特に意識はしていなかったです。
山口:では日々のレースの積み重ねがあっての出場だったんですね。今年は122期の選手もいますが、昨年のメンバーと比較していかがでしょうか?
吉川:普段の開催ではここまで同期と一緒に走ることはないです。ルーキーシリーズ以来かもしれません。小泉夢菜選手(埼玉122期)と河内桜雪選手(群馬122期)がそこに加わるので、まだどんなレースになるのかなかなかイメージは出来ないですね。
山口:7選手の中では得点最上位です。警戒されるかと思いますがいかがですか?
吉川:私自身が先行主体のレースをそこまでしていないので、警戒されないんじゃないかな(笑)
山口:500バンクは数も少ないですが、それについてはいかがでしょう?
吉川:他の選手に比べたら走っている方かもしれません。大宮は2回、宇都宮や、今回の高知も走った事があります。苦手意識はないですね。直線も長いから追い込みも届くイメージがありますし、逆に追い込まれやすいというのもあると思います。レース勘を活かして頑張りたいですね。
山口:一度走った高知競輪のレースは覚えていますか?(昨年6月ミッドナイト)
吉川:はい、追加で大久保花梨選手(福岡112期)がおり「来てほしくなかったな(笑) 」と思ってました。優勝もしていきましたしね。私自身の印象では優勝はできなかったですが、悪い印象はないです。
山口:フレッシュクイーンへ向けての調整や練習はどんなことをしますか?
吉川:ギリギリまでベースを上げて、少しスピード練習も追加したいです。
山口:単発レースは記念の3日目に前検日があります。雰囲気や集中の仕方は去年は問題なかったですか?
吉川:全然問題ないです。ただ去年は、テレビで見る男子のトップ選手がいる開催は初めてだったので威圧感はありましたね。でも入ってから走るまで1日なので、勢いで乗り切れたかなと思います。
山口:今年はその経験がいきますね。
吉川:はい。単発レースは1日走って終わりなので、個人的にはモチベーションを保ちやすくて好きかなと思いました。去年のフレッシュクイーンしか走ったことないんですけどね(笑)
山口:でも初めて単発レースを走る選手もいますから、それは大きな経験ではないですか。
吉川:そう思って頑張ります。
山口:では最後にフレッシュクイーンへ向けての意気込みを、オッズパーク会員の皆様へお願いします。
吉川:昨年は2着でしたが、今年は優勝できるように精一杯頑張ります。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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3月12日の松山競輪・金亀杯争奪戦の最終日に<第121回生ルーキーチャンピオンレース(若鷲賞)>が行われました。混戦の残り200mを制して優勝した安彦統賀選手(埼玉・121期)にレースを振り返っていただきました。
大村:ルーキーチャンピオンレース優勝おめでとうございます!
安彦:ありがとうございます!
大村:今年1月末に出走予定選手が発表されました。まず対戦メンバーをご覧になった印象はいかがでしたか?
安彦:同期は皆んな強いですし、養成所時代からのタイムなど脚力の面で自分が一番下だったので厳しいレースになるだろうと感じました。
大村:今回は同県の山口多聞選手(埼玉121期)と連携し、番手を回りました。2人の並び順はいつごろ決まりましたか?
安彦:決めたのは本当にギリギリでした。多聞と僕にお互いの師匠を交えて相談しました。
大村:去年の10月の単発レース(熊本記念in久留米で行われたルーキーシリーズ2022)はそれぞれ自力で走りましたね?
安彦:ええ。今回も多聞は「自力でやりたい」とのことでした。なので自分が付くか、それとも自力でやるか...。4人でかなり時間をかけて話して番手を回ることに決めました。
大村:事前の練習や調整はいかがでしたか?
安彦:師匠(太田真一選手・埼玉75期)にお願いしてセッティングを見てもらいました。かなりの時間を割いてくださったんです。 練習はひとつ前の開催から2週間あったのでしっかりできました。ただ(山口選手の)後ろに付くと決めるのは直前だったので、やったのは自力の練習ばかりでした。本当に普段通りでした。
大村:松山競輪場のイメージは?
安彦:海が近くて潮風が吹き込むので風の強いバンクだと聞きました。それをのぞけば比較的走りやすい400mバンクだと教わりました。レース当日の指定練習では風が出ていて感触は重かったですね。
大村:レース展開のイメージや作戦はどうでしたか?
安彦:9人中5人が単騎だったので作戦は立てづらかったです。多聞が2番車だったので九州ラインよりも前の位置は取れそうでした。初手は前中団からレースを進めていく作戦でした。
スタートはおそらく五十嵐(五十嵐綾選手・福島121期/単騎)()がまず出てきそうなのと、真鍋(真鍋智寛選手・愛媛121期/単騎)(智寛選手/単騎)もいくかもしれない。真鍋はいわき平で対戦したときに単騎でもスタートとっていたので、前々に居たいかもしれないなと多聞と話していました。
大村:実際に真鍋選手と五十嵐選手がSを取りにいきました。
安彦:ええ。それで自分達の初手は3・4番手で、初手は作戦通りでした。
大村:そこからの展開はどのように読んでいましたか?
安彦:駆けるのは村田(村田祐樹選手・富山121期/単騎)か常次(常次勇人選手・大阪121期/単騎)か後藤(後藤大輝選手・福岡121期/九州前回り)のうちの誰かだろうと。
インを斬られたら、そこを更に抑えて前に出ないと9車なので後方になってしまいます。なので流れに乗って前を叩く作戦でいました。
大村:常次選手が打鐘から先行しました。
安彦:単騎の常次が駆けて、彼を出して番手に入った後藤が車間を切っていつでも発進する態勢でした。すぐ前には真鍋と五十嵐がいましたので、(打鐘前後の)バック線あたりで「これはかなり厳しいな。」と覚悟しました。
大村:埼玉ラインは6・7番手で最終HSを通過します。
安彦:ホームで多聞が車間を切ったことで最後尾まで一度ギュッと詰まってから縦長に延びたので自分や8・9番手の村田と纐纈(纐纈洸翔選手・愛知121期)は一度バックを踏んで、またホームから踏んだので脚は結構キツかったですね。
大村:村田選手が打鐘4コーナーで仕掛けようとしていました。
安彦:あのとき村田が捲っていたら多聞と僕が8・9番手だったので行かれちゃってたらホントに厳しかったです。
大村:最終2コーナーでは後藤選手と真鍋選手が捲り、山口選手はBSで仕掛けました。
安彦:多聞が無理やりでも仕掛けてくれました。3コーナーは彼のさらに外を行っては確実に届かない、内しかないと思いました。
前では五十嵐が内に斬り込んで東矢(東矢圭吾選手・熊本121期/九州番手)をどかそうとしていたのが見えました。そのもつれがどうなるかを見極めて踏みました。
大村:あの一瞬で前の状況を把握したんですか!?
安彦:高校・大学で自転車競技は中距離をやっていました。 短距離と違ってゴチャゴチャしたレースが多いので人との距離が近いことに恐怖心はあまりないです。
大村:そしてゴールは雁行状態の5人を抜いての優勝でした。
安彦:しっかり脚が溜まっているわけではなかったんですが、外から内に斬りこむことで加速できたので、バックを踏まないようにしてスピードを維持してコースを探しました。
大村:ゴール直後は右手を上げてガッツポーズ!
安彦:接戦ではなくしっかり突き抜けたのは分かりました。直線で五十嵐が外をどかそうとしてスピードが鈍ったので、その分だけ車が伸びたんだと思います。
大村:優勝の報告はどなたになさいましたか?
安彦:師匠と妻、家族にしました。いい報告ができて良かったです。
大村:ちなみに優勝賞金の使い道は決まりましたか?
安彦:やっぱり聞かれちゃいますか・・・(笑)実は養成所を出てから大きな買い物をしたことがないんです。
まだ何も決めてないんですけど・・・、実は4月に子どもが生まれるんですよ。なので、生まれてくる子と頑張ってくれてる妻のために使おうかなぁって思います。
大村:さて話は変わりますが、デビューからここまで振り返っていかがですか。
安彦:チャレンジを4場所で特別昇班したんですが、思っていたよりも早く1・2班戦で走ることになりました。(チャレンジとの)レースの流れも違っていて決勝に乗れないことが続いたんですが、今年最初の静岡戦で初優勝できました。嬉しかったです!
大村:今の課題は?どのようなことに取り組んでいますか?
安彦:自分はダッシュが他の人より少ないので、前に出られず中途半端になることが反省点です。
カマシて前に出られるように。またトップスピードも周りの選手にまだまだ及びません。なので(中距離で)今までやってこなかったダッシュを強化することに取り組んでいます。
大村:今後の目標はなんでしょう?
安彦:まずは先行選手としてS級に上がるのが目標です!
師匠の太田さんは先行してグランプリを獲った方ですし、仰ることをしっかり聞いて力をつけて結果を出したいです。
大村:最後にここまで読んでくださったファンの皆さまに向けてメッセージをお願いします。
安彦:ルーキーチャンピオンレースを優勝しましたが自力で動いて力を出し切った優勝ではないので、ルーキーチャンピオンとして先行して勝てる一人前の選手を目指します。これからも応援をよろしくお願いいたします。
大村:本日はありがとうございました。
A級1・2班戦でも赤板先行をいとわない大きなレースで戦っている安彦選手。ルーキーチャンピオンレースは熟慮した上での番手戦でした。優勝は的確な判断とコース取りの賜物でしたが、これからについて尋ねると〈先行して〉というフレーズが繰り返し出ました。
力を出し切り、風を切る。関東地区の若手けん引役としての活躍が期待されます。安彦選手の走りにどうぞご注目ください!
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※インタビュー / 大村篤史(おおむらあつし)
2012年4月から小倉競輪場を中心にレース実況を担当。名前と同様の"熱い"実況スタイルでレースのダイナミズムを伝えることが信条。2022年7月からは小倉ミッドナイト競輪CS中継の二代目メインMCとしても出演中。
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4月に高知競輪場で行われる『第5回ガールズフレッシュクイーン』に出場する飯田風音選手(埼玉120期)にお話を伺いました。
このレースはガールズケイリン120期、122期の選手のうち、選考期間内の競走得点上位者だけが出られます。こちらに向けての意気込みや、近況のご自身のレースの振り返りを中心にお話をお聞きしました。
山口:今年はインタビュー時点で、優勝を2回されています。最近の調子はご自身ではどう感じていますか?
飯田:優勝した2回のレースはどちらも決まり手が「差し」でした。追い込みの戦法だったから優勝できたのかなと思います。
山口:理想のレースはどんな感じでしょう?
飯田:自力を出して勝つことがやっぱり理想です。
山口:昨年から大きく変わったことはありますか?
飯田:全く何も変えていないんです。なので、ただ戦法がうまくかみ合っただけなのかな、という感じです。
山口:今年の目標は何でしょうか?
飯田:ビッグレースに出場して、勝てるようになることです。
山口:デビューしてまもなく2年ですが、いかがですか?
飯田:少しずつ慣れてきたのかなと感じています。
山口:最初は苦戦しましたか?
飯田:はい。養成所での競走訓練と実際のレースでは、全く展開やスピードが違うので、それで苦戦したと思います。
養成所は、最終ホーム線を先頭で通過しようという意欲のある方が多かったんですが、実際のレースは皆さんが1着を目指しています。それが大きく違うように思います。
山口:飯田選手は自転車競技の経験も長いですが、それでも違いは大きかったんですか?
飯田:そうですね。競技とも全く違います。
山口:練習環境はどのような感じですか?
飯田:デビューから変わらず父(威文選手・67期)と一緒にしています。ただ一緒に練習はしますが、私がいろいろと言われるのはあまり好きではないんです。なので父は、私が質問をしたら答えてくれるという感じですね。
山口:得意な戦法は何ですか?
飯田:捲りや差しが得意なんですが、いろんな戦法をできるようになりたいので、先行もしています。
山口:現在も逃げ、捲り、差し、マークと全ての決まり手がついていますが、それも意識しますか?
飯田:はい。「何をするのかわからない、戦法が読めない」という選手になりたいです。
山口:目標の選手はいますか?
飯田:小林優香選手(福岡106期)です。
山口:ではここからはフレッシュクイーンへのお話を伺います。高知競輪場は初めて走りますが、それは気になりますか?
飯田:「高知は丸いバンクで、他とは違うよ」という話を聞くので、それがどんな感覚なんだろうと思っています。ホームバンクの大宮も500ですが、あまり同じ印象を持たないように注意したいです。
山口:メンバーを見て、印象はいかがですか?
飯田:強い選手ばかりなので頑張りたいです。
山口:フレッシュクイーンに選ばれた時はいかがでしたか?
飯田:去年は自分の調子が悪く出られなかったんです。なので目標にしていたレースだったから嬉しかったです。
山口:単発レースも初めてですが、緊張などはありますか?
飯田:一発で力を出し切れるのかという不安と、どんな雰囲気なんだろうという緊張はあります。
山口:お父様に記念の雰囲気を聞いたりはしましたか?
飯田:それはしていないです(笑)
山口:レースの間が少し詰まっていますが、それはいかがでしょうか?
飯田:私は全く気にならないので、問題ないです。疲れを取りながら入るという感じでしょうか。
山口:調整などはしますか?
飯田:それは全くしないです。いつも通りにレースへ行きます。
山口:フレッシュクイーンへの意気込みはいかがですか?
飯田:全力を出し切れるように頑張りたいです。
山口:では、ここからは今年のレースについて内容面を伺っていきます。まずは今年の初優勝が2月の立川でした。決勝は地元の奥井迪選手(東京106期)などもいて強力なメンバーでしたね。
飯田:参加した時は、私が優勝できるとは全く思っていませんでした。
山口:初日が5着からのスタートでしたね。
飯田:はい、初日は先行をして残れなかったので、2日目は良い着を取らないと決勝に上がれませんでした。そこは慎重にいきました。
山口:決勝は奥井選手の捲りを追い込んでいきましたが、優勝の核心はどのあたりでありましたか?
飯田:最終バックでは差せるかなと思いました。流れにものれていたと思います。
山口:プロフィールには「33バンクが得意」とありましたが、周長の相性はありますか?
飯田:今はどこのバンクだから得意、苦手というのはないです。
山口:先ほど「今年はビッグレースに出たい」というお話がありました。今年はガールズケイリンにGIが出来ましたが、意識はしますか?
飯田:まだ全然していないですね。私は優勝も経験はありますが、着外も結構とってしまうので、まずはそれをなくしたいです。一戦一戦大切に走りたいです。
山口:戦法のお話で、何でもできるようなということを仰っていましたが、相手によって戦法を選ぶというイメージでしょうか?
飯田:そうですね。でもまだそれは全然できません。私は追走が得意ではないので、まだまだです。
山口:成績に結びついているのは、自分でレースを作っていく方ですかね。
飯田:そうですね。3月の取手では予選は両方捲りで1着だったので、そっちの方が結果には結びついています。
山口:取手の決勝は一番外を乗り越えていきましたね。
飯田:前にも強い選手が仕掛けていたので、それで優勝できたのは自信になりました。
山口:ありがとうございます。ではここからはプライベートのお話も伺わせてください。レースとプライベートの流れなどはできてきましたか?
飯田:はい。今は、レースが終わった直後はしっかり遊ぶことを意識しています。自転車に乗らずにしっかり遊んで、また練習に向かうという流れです。
山口:どんなことをされますか?
飯田:旅行に行ったりするのが好きです。
山口:選手になったら仕事でいろんな場所へ行けるのは一石二鳥ですね(笑)
飯田:そうですね(笑)遠征に行った時はそのまま観光へ行けるのは嬉しいです。フレッシュクイーンのある高知も楽しみです。結構調べたりするのも好きで、高知ではひろめ市場に行きたいと思っています。
山口:ご飯もおいしそうですね。
飯田:それも楽しみです!
山口:では再びガールズケイリンのお話を伺います。埼玉はガールズの選手もたくさんいらっしゃいますが、一緒に練習をしたりすることはありますか?
飯田:皆さんグループが別だったりするので、特に決まって一緒にしようというのはないです。私は小泉夢菜選手(122期)とは一緒のグループです。
山口:小泉選手はフレッシュクイーンは一緒に走りますが、やりにくさはありますか?
飯田:いえ、私は特に誰かに対して「やりにくい」や「あの選手に勝ちたい」などはいつも意識はしていません。
山口:一番レースで意識していることはなんですか?
飯田:もちろん1着を目指しているのは全員一緒ですが、それ以外では全力を出し切るレースを心掛けています。
山口:コロナもだんだん緩和されてきています。お客様のご声援はいかがでしょう?
飯田:応援の声が届くのはとても嬉しいです。
山口:ミッドナイトなどの無観客開催よりは、お客様のいるレースの方が良いですか?
飯田:無観客の時は、それはそれで静かで集中して走れるので、どっちもどっちですね。
山口:時間帯はいかがでしょうか?
飯田:朝が苦手なので、モーニング開催は本当に憂鬱です。頑張らないといけないです。
山口:今の強化ポイントは何でしょうか?
飯田:最近は捲りや差しのレースが増えていて、先行しても残れないことが多いので、そこを強化したいです。
山口:では最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
飯田:いつも応援ありがとうございます。これからも全力を出し切れるように頑張ります。応援よろしくお願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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3月4~7日に大垣競輪場で開催された開設70周年記念GIII・水都大垣杯で犬伏湧也選手(徳島119期)がGIII初優勝を果たしました。
決勝は最終HSめがけて大カマシからの独走V!2着の古性優作選手(大阪100期)に5車身差の圧勝ゴールが鮮烈だった犬伏選手にシリーズを振り返っていただきました。
大村:大垣記念優勝おめでとうございます!GIII初優勝から一週間が経ちました。今の実感はいかがですか?
犬伏:ありがとうございます!(GIIIを優勝したことで)やっと上位の人たちとのボーダーラインに立てたかなと思います。
大村:直前の全日本選抜競輪(高知)では3勝されました。どれも犬伏選手らしい強い勝ち方でした。
犬伏:1月に斡旋が止まっていました。そのときにしっかり練習を出来たんです。それが高知では最終バックをとる競走に活かされたなと思います。
大村:GIを振り返って「やりたいレース」はやれた?
犬伏:そうですね。しっかり自信がつきましたし・・・。今回につながる手ごたえがありました。
大村:大垣へはどのような調整で臨みましたか?
犬伏:うーん。あんまり間がなかったのでケアが中心でした。プラス普段通りの練習をしました。調子は変わらずに前検に入れて、それが良かったのだと思います。
大村:前検日に収録したインタビューを拝見しました。その中で「一瞬のスキを逃さないようにしたい。」とのコメントが印象的でした。
犬伏:初日は皆さん強い人ばっかりでしたから。前を斬らせてもらえない展開もありそうだなと。なのであれは純粋に初日特選の番組を見た感想ですね。
初日から気を引き締めてかからなければいけないと思いました。
大村:初日から大師匠・小倉竜二選手(徳島77期)の前でした。
犬伏:まずは先行が出来ればいいと考えていました。なのでレースの形も無理やりの先行でした。着は悪かったんですけど見せ場は作れたかなと。レース前に思っていたより手応えはありました。
大村:吉田有希選手(茨城119期)との同期対決でもありました。
犬伏:そうですね。展開は吉田君が突っ張って次に僕が抑えて...というレースになりましたね。けれど(レースのスタンスは)、誰かひとりを意識するのではなくて全体的な流れの中でしっかりと自分のやるべきことをやろうと考えていました。レース後、小倉さんからは「逃げたのは良かったぞ」と言われました。
大村:二次予選の初手は前受けでした。
犬伏:誰も出なかったら前からいこうと。たぶん誰もいかないだろうなと思ってはいたので前で受けたのはある意味で作戦通りでした。
大村:後続の反撃を許さず逃げ切りましたね。
犬伏:構えてしまっては勝てないメンバーでした。とにかく力の出し惜しみはしないように走りました。
初日はペース配分に問題がありましたが2日目は修正できました。同県の小川(真太郎)さん(小川真太郎選手・徳島107期)と決まりましたし、感触も初日より良かったです。
大村:続く3日目、準決勝は古性選手との対戦でした。
犬伏:ええ。けど正直なところ古性さんの存在以上に自分のレースが出来るかどうかに意識を向けました。自分の力が出せないほうが嫌でした。
大村:初手は中団でした。
犬伏:中団は一番取りたくなかった位置で想定外でした。しかも周回中はずっとフタをされて・・・あれはしんどいレースでした。
大村:7番手になってすぐ打鐘で一度仕掛けました。
犬伏:動いたタイミングは悪くなかったんですが・・・。昇りで仕掛けたもののペースが上がったので前までは出られないだろうなと思って引きました。
(小倉選手の)切替えは仕方がないし、8番手にはハマれたのでここは小倉さんについていこうと気持ちを落ち着かせました。
大村:終盤は捲り追込みで3着のリカバリーでした。
犬伏:大外を回りましたが車は思った以上に伸びました。自分で最近練習に取り組んでいることのひとつが形にはなったなと。それは収穫でした。
大村:そして迎えた最終日。いよいよ決勝です。決勝メンバーが発表されて犬伏選手の後ろを山口拳矢選手(岐阜117期)が回るのかどうかが注目されましたが・・・。
犬伏:単騎になったのは仕方がないなと思いました。ですが却って単騎だったので、準決勝のような"どうにかしないといけないな"という気持ちはなく気楽に走れました。
大村:小倉選手から決勝の作戦などアドバイスはありましたか?
犬伏:小倉さんからは「魅せるレースをしてこい!」と。続けて「最低限の目標が優勝やな」とも言われました。
大村:これまた凄いプレッシャーをかけられましたね!?
犬伏:そうなんです。小倉さんに「優勝してこいよ!」と言われたので気合が入りました!ただ今になって思い返すとプレッシャーというよりも背中を押してもらえた感じでした。
大村:レースは埼玉勢の並びがなかなかまとまりませんでした。
犬伏:それは見えていました。とはいえ僕は単騎だったので、周りを気にするよりも全ては自分が仕掛けるタイミングでした。
岩谷君(岩谷拓磨選手・福岡115期)が出たとしてもすぐには駆けないだろう踏み上げないだろうと思ってはいたので、とにかく緩んだところで行こうとしか考えていませんでしたね。
大村:打鐘過ぎの2センターから一気にカマシました!踏み出しで優勝へつながる手応えはありましたか?
犬伏:ゆるんでいたので前まで出られるだろうと思いました。イエローラインの上を行って、BSで伸びているイメージはありました。残り半周まできて「このまま垂れなければ大丈夫かな?」とはなりましたが・・・。
大村:出切ってからは独走状態でした。
犬伏:実際、走っている最中は分からなかったですね。古性さんがとにかく仕上がっていたので、ずっと古性さんに抜かれるかもって思いながら走っていました。
ゴールした僕の前で(客席からの)歓声がものすごく大きくて、そこで始めて「優勝したのかな?!」と思いました。
大村:上がりタイムが10秒8。一周タイムは21秒7でした。
犬伏:ええ。いいタイムが出せました。そこは最近の中でも一番良かったかなと感じています。小倉さんだけでなく周りの皆さんから「おめでとう!」「やったな!」と言ってもらえました。
大村:今後の目標はなんですか。ファン視点では脇本選手(脇本雄太選手・福井94期)への挑戦も注目のひとつです。
犬伏:優勝インタビューでも言いましたGIの決勝進出です。脇本さんは本当に強い方なので対抗するにはもっともっと自分自身レベルの底上げが必要です。いつか対抗できるように頑張って力をつけたいです。
大村:今、練習で取り組んでいらっしゃることは?
犬伏:まずは地脚の強化です。他にもレースの組立など。これまで山積みだった課題に徐々に取り組めています。これから精度を上げて改善して技術をもっと高めていきたいですね。
大村:さて、これからビッグレースがつづきます。5月には平塚ダービーに参戦ですね。
犬伏:本当に強い人たちがあつまる場です。気合が入ります。そこで目立てるように、しっかり結果が出せるように意識しています。
師匠たちと一緒ですし、徳島勢がみんなで勝ち上がれるよう頑張っていきたいですね!
大村:では最後にファンの皆さまにメッセージをお願いします。
犬伏:大垣記念はたくさんのご声援ありがとうございました。まだまだ未熟ですが、本当に少しずつですがレベルアップはしているのでこれからも応援をよろしくお願いいたします!
昔から競輪選手にとっての目標はまずS級へ上がること、そして記念競輪を優勝することとされてきました。
記念制覇を果たして、"上位へのボーダーラインに立った"犬伏選手の前に強敵たちが待ち受けています。
「力の出し惜しみはしたくない」と語ってくれた自身の競走スタイルを貫く犬伏選手のファイティングスピリットが大きな舞台を熱く湧かせてくれそうです。
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※インタビュー / 大村篤史(おおむらあつし)
2012年4月から小倉競輪場を中心にレース実況を担当。名前と同様の"熱い"実況スタイルでレースのダイナミズムを伝えることが信条。2022年7月からは小倉ミッドナイト競輪CS中継の二代目メインMCとしても出演中。
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3月9~12日に松山競輪場で行われた開設73周年記念GIII・金亀杯争覇戦。決勝は4mの強風が吹く中で争われた激闘の一戦でした。
栄冠を手にしたのはGIII2回目の優勝を果たした山田庸平選手(佐賀94期)でした。九州地区の中堅レーサーとして活躍が注目される山田選手にシリーズを振り返っていただきました。
大村:松山記念の優勝、おめでとうございます!大逆転の捲り一撃から数日が経ちました。
山田:ありがとうございます。このあとも大事なレースが続くのでこの優勝はモチベーションアップに繋がります。
大村:どのような調整で参戦しましたか?
山田:武雄のバンクが使えない(2023年4月8日初日のFII<オッズパーク杯>から本場開催を再開する)間は佐世保へ練習に行きましたが、地元バンクで練習が出来ないため感覚が掴みきれないままでした。調子も上がらず不安を抱えた中の前検でした。
大村:今回の松山記念は新車を投入されたそうですね。
山田:ええ、そうなんです。別にもう一台用意していたんですが、結局は4日間を新車で走りました。なので毎日セッティングを微調整しながらでした。
このフレームがいいのか?セッティングはこれで合っているのかどうか?ハッキリしないまま決勝まで走っていました。
大村:初日特選は単騎戦でした。
山田:まずは仕掛けて動いて自分の状態と調子やフレームの特徴とか調べたかったんですが...、なかなか思うようにいかなかったですね。
道中は前がごちゃついて、咄嗟の判断で郡司君(郡司浩平選手・神奈川99期)の後ろへいってしまいました。≪こういった競走のときにどう走るか≫が今後の課題に加わりました。
大村:つづいて二次予選です。このあと最終日までいっしょになる伊藤颯馬選手(沖縄115期)との連携でしたね。
山田:伊藤君はレースの流れに沿って仕掛けたり順番がきたらすぐさま行ってくれます。自分としては付きやすいタイプです。
前々勝負に行ってくれたり、先行するべきところでは思い切って仕掛けてくれるのでいつも安心して連携していますね。
大村:どんな作戦でしたか?
山田:詳細な作戦を練るというよりは「こういう風にレースは展開するよ」ってアドバイス程度にしています。
二次予選は根田君(根田空史選手・千葉94期)のカマシ先行があるかないか、ポイントを彼に話して後は任せました。
大村:赤版周回で前を抑えて打鐘から根田選手が来ました。
山田:予想よりも早くこられて対処しきれなかったですね。反応してブロックはしましたが乗り越えられました。このレースでは自分自身の甘さを感じました。
大村:レース後にハンドルのにぎり方を変えたという話でしたが具体的にはどのように変えましたか?
山田:腕を内側に絞るように握っていたんですが、今回使った新フレームには合いませんでした。前のフレームとの違いを確かめたのは発見でした。
これからハンドルのにぎり方やペダリングを微調整していきます。
大村:ちなみに新しいフレームの特徴ってなんですか?
山田:硬さが違います。柔らかいんです。新車といっても実は以前使っていたものを作り直したものなんです。去年の10月ごろに使っていたフレームが落車でダメになりました。
直前まで使っていたものはより硬いフレームでした。それに合わせた乗り方を松山記念までは探りながら走っていました。
大村:では満を持してフレームが復活したのですね?!
山田:ところが走ってみると(フレームを)戻しただけなのにペダリングなどに違いがあって・・・。
事前にバンクで調整できれば良かったんですがそれも出来なかったのでどこか嚙み合わないまま持っていきました。
大村:自転車の微調整と向き合いながら2日間が過ぎ、迎えた準決勝は細切れ戦でした。
山田:松浦君(松浦悠士選手・広島98期)が中心のレースになるので、彼のスタートの出方次第で全て変わってきます。なのでスタートは少し待ちました。すると松浦君が出てくれたので僕らにとって一番いい位置(初手4・5番手)がとれたのが良かったのだと思います。
大村:伊藤選手が2車でも先行してくれましたね。
山田:ええ!打鐘から掛けてくれました。
大村:その後、松浦選手の反撃がやってきました。
山田:松浦君の仕掛けるだいたいのポイントは分かっていたので備えました。
中団に坂井君(坂井洋選手・栃木115期)がいて踏みあってくれたので、前のかかりと自分の横の動きが1コーナーくらいで折り合ったので捲りのスピードが止まったと思いましたね。
大村:ゴールは山田選手が1着。そして伊藤選手を2着に残しました。
山田:これは大きかったですね。今まで2車で駆けてくれたときに2着に残せたことがあまりなかったのでワンツーだと知ったときは嬉しかったです。
これからの目標として出来るかぎりラインで勝ち上がる、そのために出来ることをやるんだと考えています。今年やってきたことがレースで形になったのは良かったと思います。
大村:そしていよいよ最終日、決勝です。決勝戦はかなり強いBS向い風でした。
山田:うーん。カマシ先行のほうがいいんじゃないかなという話は伊藤君としましたね。
理想は前をとってカマシて出切ってから勝負できるようにレース展開を持っていきたいねと話していたんですが・・・。なにしろ車番が悪かったので前をとれないだろうとも話していました。
大村:初手は後方でした。まず九州ラインが渡邉一成選手(福島88期)を抑えます。
山田:はい。ここで郡司君が乗ってこなかったのは想定外でしたね。てっきり次は神奈川ラインがやってくるものだと。一成さんがジャンのところで飛んできたのには「あっ?!」と思いました。
大村:神奈川カルテットがカマシ捲り。ホームでは九州ラインは内に被りました。郡司選手からの4車は脅威でしたか?
山田:脅威に感じるよりも郡司君はどう仕掛けるのだろうかを深く考えていました。
同県の4人で並ぶからにはラインから優勝者を出したいですよね?でもS班である自分は勝たなければいけない立場でしょう?そんなことをずっと考えていましたね。
大村:そして最終2コーナーを回って山田選手が捲りました!
山田:HS過ぎにすぐ伊藤君が引いてくれてその後の流れに対処できました。あのときは颯馬がインに詰まっていて、前はごちゃついてて、僕は初日特選で仕掛けたかったができなかったのが頭にあって、それらが線で結ばれたのかもしれないですが自然に体が動きました。
大村:バンクに吹く強風は感じましたか?
山田:仕掛けたときのBS向い風はあまり感じなかったです。それよりも2センターを過ぎて急に車が伸び始めて直線での追い風を強く感じましたね。
大村:背中に吹く追い風で勝利を確信しましたか?
山田:いや~、まず仕掛けたときが半信半疑でした。なので最後まで油断できないぞと気を引き締めました。外を踏んでくる選手は多いでしょうしモチロン内からも。真後ろには松本君(松本貴治選手・愛媛111期)がいたし、守澤さん(守澤太志選手・秋田96期)も必ず来ますから!
大村:見事な大逆転の優勝ゴールでした。同県の選手からお祝いなどありましたか?
山田:なにせ武雄のバンクが使えないので同県の先輩の皆さん、後輩の皆んなに会えていないんです。あ!でも井上昌己さん(長崎86期)からLINEで「おめでとう!」ってきました!
上位の人たちと戦うようになると段々とFIやGIIIさえも取って当たり前になっていくと思うんです。それでも昌己さんのような強い人からメッセージが来たのは(井上選手の)寡黙なイメージもあってすごく嬉しかったです。
大村:西九州ラインの繋がりを感じるエピソードですね。
山田:佐賀ー佐世保でも九州でもこれからは皆んなで勝ち上がっていけるよう力をつけていきたいです。他地区、例えば関東と比べて個々のレベルでも差を感じることがあります。
確かに勝ちにいかなければいけない時もあるでしょうけれど、特別競輪ではひとりでも多く勝ち上がらないと戦いにならないですから。
そのために何をやるか、何ができるかを求めるのが今の課題です。戦法の幅を広げて、それに合うフレームやセッティングを試していくのもそのひとつなんです。
大村:この後はウイナーズ、地元の武雄記念の次は平塚競輪場でダービーに参戦ですね。地元記念とダービーは英明選手(山田英明・佐賀89期)との兄弟あっせんです。
山田:GIの決勝を走るのは今の大きな目標です。これからは人の後ろを回るレースが増えるでしょう。九州ラインで決勝をめざす、走れるように頑張りたいです。
兄とはレースの組立に関する話をします。兄がレースを見てると思うと、ちゃんとしなきゃ!って気持ちが引き締まりますね(笑)
大村:では最後にファンの皆さまへメッセージをお願いします。
山田:近頃は・・・、特に去年から応援してくれる方が増えてくださってます。こんな自分でも大きな応援を送ってもらっているなと感じています。なので決して最後まで諦めずに...頑張りたいと思います!これからもよろしくお願いいたします。
去年は賞金ランキングでも上位に加わった山田庸平選手。一層の活躍が期待される中、どのようにすれば結果を出せるのか。自ら仕掛けるスタイルと番手戦で走るレースそれぞれを柔軟にこなす。
求道者であり探求者でもある山田庸平選手の視線をお話の中に感じました。飛躍のカギは個と線の両立にあり。山田選手が求める答えの中に九州地区躍進の道筋があるのかもしれません。その走りと戦いぶりにどうぞご注目ください!
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※インタビュー / 大村篤史(おおむらあつし)
2012年4月から小倉競輪場を中心にレース実況を担当。名前と同様の"熱い"実況スタイルでレースのダイナミズムを伝えることが信条。2022年7月からは小倉ミッドナイト競輪CS中継の二代目メインMCとしても出演中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
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