競輪養成所での在所順位は40位ながらも、123期で最初の特別昇班を達成した新潟の牧田悠生選手に今後の目標を含めお話を伺いました。
大津:123期では一番乗りで特別昇班を決めたお気持ちはいかがですか。
牧田:デビューする時には、まさか自分が特別昇班が出来るなんて全く想像もしていなかったので信じられなかったです。
大津:9連勝出来た要因ってのはどのようにお考えですか。
牧田:養成所を出てからの練習内容や新車に変えたのとか色々な面で噛み合ったからじゃないかと思います。
大津:競輪養成所の生活はいかがでしたか。
牧田:いやぁ、大変でした。苦しかったです。初めの頃は滝澤所長のT教場に入っていたんですが「こんなに苦しい練習があるんだ。」ってくらい辛くて、それがまず一番印象に残っています。養成所の中でもなかなか成績を残すことが出来なくて、そういう意味でも苦しかったです。
大津:競走訓練では課題をもってのぞまれていたんですか。
牧田:課題っていっても何をやっても本当にダメで・・・。僕、ホームバックが0本で卒業してきてるんです。先行回数がゼロで1着だけ2回。それも250競走の6車とかだったので。2周で切りに行ったら残り1周で叩かれて末着になっちゃうし、中団を取ろうとしても取れなくて後方になって中間着で終わっちゃうことが多かったので、課題とかっていうよりも全然ダメでした。
大津:本人としては「先行してやろう」という気持ちもあったのですか。
牧田:そういう時期もありましたけど、ただホームやバックを取るどころか末着ばっかりだったので、それだったら着を取りに行こうとかするんですけど、良くて3着とかそんな感じでした。
大津:そのような感じだと、僕が牧田さんの立場であればデビューするのが怖くなったりしそうなのですが。
牧田:全くその通りで「この成績でデビューして1・2班の成績取れるのかな。」「最悪70点も取れないんじゃないか。」って気持ちでした。
大津:そこから何か掴んだきっかけはあったのですか。
牧田:養成所を卒業してから弥彦のバンクは使えなくて街道練習ばかり行ってたのですが、バンクでの練習がない中で宇都宮のルーキーシリーズで1着が取れて、その次の福井でも決勝に乗ることが出来て「あっ、勝てた。」みたいな気持ちでした。改修工事が終わってからはバンクに入れるようにはなって本デビューを迎えたって感じです。きっかけっていうのは、あまり思い浮かばないです。
大津:パワーアップしてるなって実感もなかったですか。
牧田:6月7月はタイムも1番上がってはいましたね。練習内容とフレームが噛み合ったのかもしれません。
大津:本デビューを迎えるにあたっての心境はどうでしたか。
牧田:ルーキーシリーズでそこそこ結果を残すことが出来たので「なんとか決勝くらいには乗れるんじゃないかなぁ。」って感じでした。最初は弥彦でデビューの予定でした。その開催には同期の篠田幸希さん(群馬123期)がいたんでキツイなぁ、とその次の小田原で初優勝出来たら良いなぁくらいの気持ちだったんですけど弥彦の前に富山の追加が来て走ってみたら完全優勝出来ちゃって、地元も走ってみたら3連勝で「あれ?次で特別昇班じゃん。」ってなりました。
大津:デビュー戦走ってみて「戦えるぞ」って感じでしたか。
牧田:初日は捲りの展開だったのですがゴールをした後に後ろを見たら、けっこう離れてて「あー、千切っちゃった。」ってなって、この脚ならイケるのかなぁって思いました。決勝も同期の山元大夢(石川123期)と斉藤樂(宮城123期)がいたんでキツイと感じてたのですが僕は単騎だったんで気楽に走れて、そこで優勝出来たのが次の弥彦や小田原に繋がったような気がします。
大津:決勝終わった後は同期の選手とは話はしましたか。
牧田:いや、先輩方が待っていたので話をせずにシャワーを浴びて直ぐに帰りました。
大津:レース後のコメントを見ていると非常に落ち着いている印象を受けます。
牧田:チャレンジの勝ち上がりに関してはけっこうあたふたしていたんですが、決勝に関しては全部自分の頭の中で描いてた通りになってました。自分が勝つならコレかなって感じが全部ハマりました。
大津:それってめちゃくちゃ気持ち良いんじゃないですか。
牧田:そうですね、気持ち良かったです。
大津:レースのシミュレーションはけっこうするのですか。
牧田:ある程度って感じです。初手位置が変わる可能性もあるので臨機応変にやってます。
大津:なかなか養成所に受からない時期もあったからこそ、デビュー出来た思いはひとしおなのではないですか。
牧田:浪人生活が長かったので、デビューした時はやっとここまで来たかって気持ちが強かったです。ルーキーシリーズで初めてお客さんの前で車券を賭けてもらった時は感慨深かったですね。
大津:ご家族の反応はいかがでしたか。
牧田:テレビで観てたのですが宇都宮の最終日に1着を取った時は喜んでました。
大津:賞金は何に使ったのですか。
牧田:家族でご飯を食べに行きました。
大津:ご自分へのご褒美はしなかったのですか。
牧田:車が買いたいんですよね。ただ、自転車を新車で2台買ったので、そこまではなかなか。あとは自転車の部品やサプリメントとか買いました。
大津:同期の人たちはけっこう車買ってますよね。
牧田:いやぁ、多いですね。本当に多いです。競輪場に行くたびに車を買ったって話を聞いてます。そういうの聞くと欲しくなっちゃいますね。
大津:仲の良い同期や意識している同期の選手はいらっしゃいますか。
牧田:仲が良いのは福岡の丸林駿太(123期)や群馬の浮島知稀(123期)です。意識してるのは1・2班に上がってきてる同期は全員ですかね。
大津:今の目標を教えてください。
牧田:ルーキーチャンピオンに出たいですね。そしてしっかり優勝したいです。
大津:それでは最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
牧田:1・2班に上がってから、まだ勝ちきれない競走が多いのですが、11月の西武園で1着を2回取れて良い流れになってきてるので、ここからしっかり巻き返して上位戦でも優勝出来るように頑張るので応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
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