本デビューから9連勝で123期2人目の特進を決めた青木瑞樹選手(岡山123期)。
その後A級1-2班でも初優勝を果たし勢いに乗っている青木選手に、選手を目指したきっかけやこれまでの振り返り、今後の目標を伺いました。
ナッツ:まず青木選手が自転車競技を始めたきっかけを教えてください。
青木:中学校まで柔道をしていたのですが、全国で戦いたいという気持ちがあって、柔道の経験が何か活きるものはないかなと思って、そこで自転車を始めました。
ナッツ:柔道では、全国で戦うのはなかなか厳しかったんですか?
青木:全国にも行けたのは行けたのですが、小1からずっとやる中で壁を感じましたね。なので、ちょっと違うものにっていう風に思っていました。
ナッツ:そこで柔道から自転車へ、というのもなかなか面白いなと感じるのですが、どうやって自転車競技を知ったのでしょうか。
青木:近くの高校に強いところがあったので行ってみようと思って行った感じですね。笑
ナッツ:そんな経緯で!笑
そして実際にその高校に行かれて、自転車競技で好成績も残されていますが自転車をやって良かったなと感じますか。
青木:そうですね。まあ成績自体はぼちぼちかなあという感じでしたけど、ある程度は自分が思っていたような活躍ができたなとは思います。
ナッツ:そこから次は競輪選手へ、ということになりますがそのきっかけは。
青木:高校まで自転車競技をやって、その後やりたいことが見つかれば違う道も考えて大学に入ったんですけど、特に自転車以外にやりたいことってのが見つからなかったんですよね。あとは大学の先輩方が活躍してるのも知っていたので、それを見ていいなと思って、自分も選手を目指そうと。
ナッツ:具体的にはどなたが先輩にあたるんですか。
青木:同年代だと、村田瑞季選手(京都117期)、山根将太選手(岡山119期)あたりですね。(自転車競技の名門である中央大学出身)もう自分が大学に入った時には活躍していたのですごいなと思っていました。
ナッツ:先輩の背中を追いかけたのですね。そしてその後入った養成所では在所19位という上位の成績でした。振り返ってはいかがですか。
青木:ゴールデンキャップを獲得したわけではないですし、そんなに目立った感じでもなかったですね。
ナッツ:ただ、記録会では上位の成績を上げていましたし、成績を見ると、ホームやバックも比較的取ってるような印象があります。どういった意識で養成所では過ごされてたんですか。
青木:めちゃくちゃ多い数字ではないのですが、デビューに向けて特にバックに関してはしっかりと取ろう、仕掛けていこうという気持ちではいたのでその点は良かったかなと思います。
ナッツ:青木選手含め同期4人の師匠が櫻井太士選手(岡山94期)ですが、師匠との出会いはどういうきっかけだったのでしょうか。
青木:個人的に何か繋がりがあったわけではなくて、鳥取出身の同期4人が競輪選手になりたいとなった時に、誰が面倒みるかってなったらしく、そこで櫻井さんが見てくれるようになった感じです。
ナッツ:その後、ルーキーシリーズを走って2回とも決勝に乗りました。ファンのお金がかかっているレースという部分が養成所とは異なりますが、その辺りは走ってみて実感はありましたか。
青木:自分に対してではないんですけど、同期が飛ばされていた野次でちょっと実感したような感じですね。笑
ああ、自分も競輪選手になったんだなあと。
ナッツ: 本デビューしてからは負けなしの9連勝を達成しました。ルーキーシリーズと本デビューの違いは、一走目に感じましたか。
青木:やっぱり先輩が後ろに付いているので、自分だけではなくラインでしっかりと決まるようにしないといけないという部分があって緊張しましたね。
ナッツ:その本デビュー戦は後ろに3車付いての4車ラインとなりました。一度相手のラインに突っ張られるレースでしたが、ジャン前から巻き返していきましたね。
青木:はい、あの辺りは緊張感ある中でもしっかりラインで決まるような仕掛けはできたなと感じます。
ナッツ:本当に落ち着いたレースをされていて、新人離れしてるような印象を受けました。初勝利を上げてから先輩たちから何か声をかけられましたか。
青木:おめでとう、だったり良かったな、ということは言われたと思うのですが緊張していたのであまり覚えていないです。笑
ナッツ:更にデビュー節で完全優勝を果たしました。そのあたりの気持ちはいかがでしたか。
青木:優勝出来ないと思っていたわけじゃないんですけど、相手も強かったですし、展開によってはできないこともあるだろうなって感じていたので、優勝出来て嬉しかったですね。
ナッツ:そこから更に連勝を伸ばして、9連勝での特進を達成しましたが、特進はどのあたりで意識しましたか。
青木:特進自体はデビューした時から意識していました。
ナッツ:え、そうなんですね!
青木:はい、やっぱり早く1-2班には上がりたいなと思っていたので、それを実際に叶えられたのは良かったです。
ナッツ:その特進がかかる中でのレースは高知で同期の中岡海選手(愛媛123期)との対決でした。やはり特進がかかるレースとなると、捲りにどっぷり構えて、みたいなイメージがある中で、しっかりとホームで巻き返していきました。大きいレースをされたなっていう印象がありますが、振り返っていかがでしょうか。
青木:2分戦でしたし、中岡選手の反応が少し遅れた感じもあったので、逃さずに行きました。出切れたかなと思ったのですが、少し番手がもつれる感じになってしまったことが反省点ですね。
ナッツ:番手に中岡選手がハマって最後の直線は迫ってきましたが、1着でゴールして特進が決まった瞬間は、気持ちはいかがでしたか。
青木:ほっとしましたね。もちろん嬉しさもあったのですが、やっぱり500バンクで脚を結構使っていたこともありましたし、最後はきつかったのでほっとした気持ちが大きかったです。笑
ナッツ:同期の中では2人目の特進でした。他の同期と比較すると早くにA級1-2班に上がりましたがそのあたりの気持ちとしては。
青木:何番目に上がるとかの意識はなかったのですが、なるべく年内には上がりたいと思っていたのでそれは良かったですね。
ナッツ:そしてそこからA級1-2班でも数場所戦いましたが、チャレンジと1-2班の違いは感じますか。
青木:やっぱり違いますね。チャレンジなら行こうと思ったところで行けるのが、1-2班だとずっと相手に睨まれていてプレッシャーを感じますね。なので結構そのあたりは思い通りに行かないというか。
ナッツ:それに加えて番手の選手の仕事もあったりしますもんね。
青木:あーそれが、結構厳しいですね。やっぱり捲って行った時に結構持ってこられたりするのが、チャレンジとは違って、そこがまだ対応できていないですね。
ナッツ:青木選手の走りとしては地脚を活かしたレースのイメージですが、逃げだけじゃなく、鋭い捲りも出ていますよね。ご自身の中で戦法としてはどちらが得意、というものはあるんですか。
青木:やっぱり地脚を活かして逃げた方が持ち味は出るのかなと思いますけど、まだ組み立てが甘くて、そうなった時は捲っている感じですね。
ナッツ:その中でも小倉では後方から大外捲りで優勝しました。特進して3ヶ月程で1-2班で優勝したっていうのは、本当にすごいんじゃないかなと思います。
青木:ここは強い選手がいる中でも自分にもチャンスがあるメンバーかなと思っていたので、優勝できて嬉しかったです。
ナッツ:青木選手は、事前にしっかりメンバーも確認されているんですね。
青木:はい、行く時は一通りメンバーを見ますね。そして番組が出たら自分の頭の中で作戦を考えます。
ナッツ:ラインの先輩方と立てるというよりは、まずご自身の中でイメージされるんですか。
青木:そうですね。出走前にはラインの方と作戦を考えるんですけど、自分の中でしっかりとイメージ出来る時は良い結果になっていますね。でも時々どうしたらいいのか全く思い浮かばない時もあって、その時は中途半端な走りになってしまいます。
ナッツ:じゃあその時はもう先輩方に頼って。
青木:はい。どうすればいいですかっていう感じで。 あんまり考えがまとまっていない状況だと走りにも影響が出てしまうので、そこはしっかりと先輩方に確認して作戦を立てます。
ナッツ:これから更に上を目指していく上で、青木選手が目標とする選手はいらっしゃいますか。
青木:特にこの選手、という方はいないのですが、中四国は強い先輩方も沢山いるので頑張っていきたいですね。
ナッツ:普段の練習はどのようにされているのでしょうか。
青木:ずっと玉野バンクで、その時にいる方と一緒にその都度考えて練習をしています。なので、しっかりとメニューを組んでいるわけではないんです。
ナッツ:その中で、ご自身の中で重点的に取り組んでいることはありますか。
青木:スピード強化ですね。まだそこが足りないですね。
ナッツ:レースを見ていると、青木選手はスピードも十分にあるなっていうイメージなのですが、まだまだご自身の中では納得いかれてないんですね。
青木:すんなりの展開だったらまだ良いのですが、やっぱり展開が縺れた時にスピードが足りないというか、捲れないことがあるので、そういった時にもしっかりと結果を残せるような練習をしています。
ナッツ:青木選手はお休みは作っていますか。
青木:それが割と毎日のようにバンクに入ってますね。
ナッツ:すごいですね。自分に負けずにというか、疲れてちょっと今日はもうやめようかな、みたいなふうに思っちゃう時もありそうですが。笑
青木:そう思うこともあります。笑
でもそこはやっぱり練習していかないと強くなれないので頑張っています。
ナッツ:デビュー初勝利や特進を決めた時の賞金でご自身へのご褒美は何かされましたか。
青木:全部貯金に回してますね。笑
まだ養成所の返済もありますし、自分の為に使うのはもう少し先かなと。
ナッツ:更に稼げるようになった時に欲しいものは何かあるんですか。
青木:物欲自体が無くて、車くらいですね。笑
同期は結構もう買ってる人もいますが、もっと強くなって、更に稼いでからという感じですね。
ナッツ:堅実ですね。それと最近の若手選手はSNSも積極的に活用されていますが青木選手はされる予定は。
青木:いや~プライベートで持っているアカウントはあるんですが、選手用のを作る予定は今はないですね。やっぱりDMで言われたりするのはメンタルやられるので。笑
ナッツ:インタビューを見ても落ち着いていますし、結構どっしりとしている印象だったんですが。笑
青木:あれは緊張してガチガチなだけなんです。笑
良いメッセージばかりだったら良いんですけど、そういうわけにもいかないですし、メンタルは弱いので今は考えていません。笑
ナッツ:今後も戦いが続いていきますが、ご自身の中での目標を教えてください。
青木:まだ少し先の話にはなりますが、S級でしっかりと逃げて結果を残せるようになりたいです。
ナッツ:それでは最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをいただければと思います。
青木:しばらくはA級での戦いですが、まずはしっかりと逃げて勝てるように脚力を付けていきます。これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / ナッツ山本(なっつやまもと)
公営競技の実況に憧れ、一年発起し脱サラ。今年別府競輪と飯塚オートレースの実況でデビューを果たすことになった期待の新星。
まだデビューから間もないが、競輪中継の司会も経験し徐々に活躍の場を広げつつある。星の観測と手品が趣味。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
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