
―女子オールスター競輪(GI)ガールズ決勝Aの優勝おめでとうございます。
中野選手(中野咲選手・愛知・110期)が人気でしたが、好位置から差しましたね。
ありがとうございます。
誰かしら動くとは思っていましたけど、良い位置が取れて良かったです。
―途中で併走になった時はどんな心境でしたか?
早くタレてくれ!って思いながら、(先行していた)咲ちゃん頑張れ!と思っていました。
―最後は抜けるだろうという感触はありましたか?
意外に脚は溜まっていましたし、こういう時じゃないと優勝はできないと思って頑張りました!
―連日いつも通りSを取ってのレースでしたね。S取りがかなり多いですが、その組み立てがご自身の戦略ですか?
そうですね。自分が1番戦いやすい戦法なんです。Sを取って誰かを迎え入れて追走するか、誰も来なければ腹をくくって自分で行くかのどっちかですね。デビュー当時から上手いことSが取れて、自分でも「出れちゃった」みたいな感じだったんです。最初は学校(日本競輪選手養成所)の競輪の練習で色々試しましたし何をして良いか分からなかったんですけど、結果的に今の戦法に辿りつきました。
―勝率や連対率も上がってきていますね。
今年は6月の静岡に続き2回目の優勝ですが、心境はいかがですか?
裏開催が多かったり、メンバーが薄かったりして運が良かったのもあると思います。
でも年に2回優勝するのは初めてなので、すごく嬉しいです!
―個人的には6月の防府の2日目に、五味田選手(五味田奈穂選手・千葉・124期)相手に飛びつくかと思ったら突っ張って押し切ったレースが印象的でした!
ありがとうございます。五味田さんはダッシュが苦手って聞いていたので、あそこで出させたら逆に内に詰まって終わっちゃうと思いました。突っ張れるところまで頑張ろうと。33バンクだし何とかなるだろうと思って走りました。
―かっこよかったです。今後もチャンスがあれば自力で戦いたいですか?
いえ、正直そこまで出したくないです(笑)
誰かに頑張ってもらって良い位置を取りたいですね。いつも通りのスタイルで、でも自力もいつでも出せるように準備はしておいて、出せるところでは出して、良い着を獲りたいですね。
―レース以外の休日はどんな風に過ごすことが多いですか?
趣味はあまりないので、たまに飲みに行くことを生きがいに頑張ってますね(笑)
本当に丸1日空いている時でないとできませんが、お昼から飲むのも好きです!
―小学校から陸上をやっていたそうですが、卒業後は講師としても働かれていたんですよね。
はい、陸上は趣味でやっていて正直あまりやりがいはなかったです。でも体力はあったので、どこかで活かせないかと思い、競輪にたまたま出会ったので挑戦してみました。
―選手を目指した時の周囲の反応はいかがでしたか?
あまり競輪に馴染みのない地域だったので、「へ~そうなんだ、頑張れ~」といった感じでした。目指した頃はもう大人でしたし、両親は競輪の危なさもあまり知らなかったようなので、反対や心配はありませんでした。自分で目指す前に下調べをしたら、競技人口も少なくて、選手の層も薄めで、挑戦できるなって軽い気持ちでした。始めてみたらキツかったですけどね(笑)
―デビューした2013年からガールズケイリンの変化は感じますか?
女子のレベルがすごく上がっていて、ついていくのに必死です。振り落とされないよう頑張るしかないです。新人選手も増えているので、過去の映像を見て研究しています。
レースの戦い方はあまり変えていないですが、ウエイトを前よりしっかりやるようになりました。あとは自転車に力を伝える方法が少しずつ分かってきたのは大きいですね。もともとモチベーションはあまり上下がない方なので特に意識せず、淡々と仕事だと思ってやってるイメージですね。
―小坂選手と言えば柴崎淳選手(三重・91期)の応援のイメージも強いです!応援しようと思ったきっかけや好きなところを教えてください!
最初はあまり競輪界や選手のことを知らずに競輪界に入って、岐阜の開催の時に初めて見たらビビッと来て調べたら「柴崎あっちゃん」でした。
好きなところは見た目も含めて全てです!
―同じ競輪選手同士で応援するというのは珍しいですよね。
そうですね、でも最近でもやっと周りでも増えてきましたね!
競輪界はイイ男がいっぱいいますからね(笑)
―SNSで大きな横断幕を用意して応援しているのを見ました。
ファンの方って結構色んなことにお金をかけてるじゃないですか。私は同業者なので車券も買えなくて見ることしかできないので、そういうところしかないなって思って自分が貢献できることを考えました。
―ご主人(元競輪選手の吉田将成さん)公認での応援とのことですが、ご主人とはレースの話はされますか?
最近はあまりないですね。自分が比較的いい感じで走れているから特にないんですかね?
着外のレースとか変なレースをすると「やっぱりあそこは」とか言われて話すぐらいです。たまに相談することもありますが、レースというより練習の内容を聞いて参考にしたりアドバイスをもらうことが多いです。
―現在の練習環境はいかがですか?
環境は良いと思います。慎平さん(元競輪選手の加藤慎平さん)のジムを自由に使えて、岐阜はウエイトルームやバンクも使えますし不自由はしていません。ジムでは1人だけですけどトレーナーとして見たり、元陸上部なので中学校の陸上部を見ています。教えることで勉強になりますし、自分でも考えさせられることもあります。講師の時とはまた別の感覚ですね。
―やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?
練習で上手く漕げた時や、追走でも捲りでもちゃんと決めた内容ができた時はやってて楽しいです。女子が少ないので基本男子と一緒に練習することが多くて、ちゃんとついていけた時はやっぱり嬉しいです。キツいですけど、男子と練習をやることで、レベルは上がると思います。ただ脚力って意味では男子選手とやって強化はできるんですけど、たまに自力を出す練習もしないとって感じです。
―ガールズは男子ではルールが違いますが、そのあたりはレースになったらご自身の戦略で対応できていますか?
ここで横をやれたらいいのになって思う場面は多々あります。併走されて詰まりそうな時に横ができれば良いだろうなとか。
―レース中に併走になりそうな時は、どう考えて走っていますか?
併走していてタレてきそうな子であれば我慢(して併走)することもあります。相手がカマしてくる場合は、その番手の選手がついてきそうだったら前に踏んで千切れるようにしたり飛びついたりと、考えながらやっています。上手くいく時といかない時がありますが、相手を見ながら特性や過去のレースを見て対応しています。
―今年の残りのレースへの意気込みと、これからの目標をお願いします。
地元に貢献できる走りをしたいので、地元の岐阜競輪で1着を獲って優勝もできるよう頑張ります!
まだ完全優勝をしたことがないので、今後の目標は完全優勝をしてみたいです!
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※インタビュー / 太田理恵
東京大学 大学院卒、GIでは自力選手のタイムを計測。 モデル出身で、現在は競輪MCや毎月のコラム執筆を中心に活動する。 ミス・ワールド日本大会2014,2015,2020特別賞受賞。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
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