
―ガールズフレッシュクイーン、優勝おめでとうございます!
突っ張り先行での逃げ切りでしたが、やはり先行で戦いたいという意識が強かったんですか?
ありがとうございます。
養成所の競争訓練で逃げて勝つのがかっこいいなって思って、その時からずっと逃げるのを意識して頑張ってました。
―優勝直後はご自身では分からなかったとコメントされてましたよね。
そうなんです!必死過ぎて周りが全然見えてなくて、、
先頭の方にいるのは分かったんですけど、残ってたか全然分からなくて、お客様からおめでとうとか優しい言葉をもらって気付いた感じでしたね。
圧倒的な優勝が分かったらガッツポーズできると思うんですけど、結構接戦だったので分からなくて、、未だに「ガッツポーズすれば良かった~!!」って思ってます。それは心残りです(笑)
―今回は仲澤春香選手(福井 126期)が人気を集めていましたけれども、これまで先着されていた中で今回はしっかり先着して優勝できて自信になりましたか?
はい!フレッシュクイーンと言ってもすごく強いメンバーだったので、その中で勝てたっていうのはだいぶ自信になりました。
―養成所で最初は苦戦された時期もあったと思うんですけど、デビューしてルーキーシリーズでは優勝もありましたよね。養成所やデビュー後に苦しい時期もありましたか?
そうですね、養成所の全体的な成績を見てもずば抜けて良かったわけでもなくて、卒業時の成績の順位も8位でした。トップ3を目指して頑張ってたから残念だったし、悔しい思いをしました。
デビューして最初の頃は頑張って逃げても6着ぐらいになってしまって、確定版に乗れないレースでした。でも成績が悪くてもとにかく逃げることを意識して、成績というよりそのスタイルをちゃんと極めていきたいなと思って頑張ってました。
―その中でメンタル面の変化はありましたか?
はい、結構変わりましたね。高校でも自転車をやってたんですけど、その時は1回ダメだったら落ち込んで泣いてた記憶があります。その頃からよく母に支えてもらってました。養成所に入ってからもハァーってなる(落ち込む)こともあったし、デビュー後はレースのスパンが短いので成績が悪くても切り替えをしなきゃいけなかったです。母が「落ち込んでる暇はないよ!」って言って支えてくれて、メンタルが強くなったと思います。
レースの話もして、「あーもうどうしよう」とか言っても、「大丈夫。次があるよ」って感じで励ましてもらえて、母から切り替えを学びました。本当にいつも母が1番の支えになっています。
―Instagramのハイライトにいる自転車競技の小原乃亜選手は高校の先輩で、一緒に競技をやっていたんですよね。今でも仲が良さそうですよね。
そうです。本当に特別過ぎる存在です!フレッシュクイーンの時も連絡が来て、本当に感動したって言ってくれて嬉しくなりました!「乃亜さんのおかげで私がいるんだよ~」って思いました(笑)デビューした年(2023年)に乃亜さんとチームスプリントで組んで、最初で最後の国体を優勝で終わることができて本当に良かったです。乃亜さんも今年(養成所に)入所のはずなので、早く出てきてほしいです!ナショナルなので多分静岡で(練習を)やると思うんですけど、早く同じ開催になりたいです!
―お話しされている感じはすごく可愛らしい印象ですけど、負けず嫌いだったり、気の強さはあると思いますか?
はい、めっちゃ負けず嫌いだと思います。
この世界をはそもそも負けず嫌いな方がほとんどだとは思うんですけど、その中でもやっぱり私は競走成績というより、同じスタイルの方が一緒のレースの時は特に先行したい気持ちが強いです。
―同じ先行タイプの選手が一緒のレースの時は、勝つよりも自分のレースをしたい気持ちが強いですか?
今までのレースを振り返ると、そういう思いが強いかもしれないです。でもそこで自分からちゃんと仕掛けられた時は、良い結果に繋がったレースもあったと思います!もちろんダメな時はダメですけど、、
例えば今まで奥井さん(奥井迪選手 東京 106期)と一緒のレースになることも多かったんですけど、やっぱり自力の選手だし憧れなので、しっかり力勝負したいっていう気持ちがありました。他にも加瀬さん(加瀬加奈子選手 新潟 102期)や小林優香さん(福岡 106期)も憧れの選手です。
―先行をどんどん繰り返していく中で脚力も増していると思うんですけど、レースの動き方もご自身では含めていかがですか?
そうですね。やっぱり最初のデビューの頃は脚力、持久力がなくて、、今もまだまだ足りてはないんですけど、そこから比べるとだいぶついてきてると思います。
落ち着いて頭を使ってレースを考えるっていうのが、今もまだちょっと足りてない部分はあるんですけど、前より周りは見えてるとは思います。レース内で予想外の動きがあった時は、余裕があれば冷静に捲りに構えようとは思いますけど、まだ焦りはありますね。
―デビューして今年は3年目ですが、どのように戦っていきますか?
今年も逃げたいですし、しっかり自力を出して頑張りたいです。
―今回は同期の選手もいますよね。Instagramのハイライトにいる宇野選手(宇野紅音選手 岐阜 124期)とは仲が良いんですか?
仲良いですね!今は私が冬季移動で岐阜にいるので練習も一緒にやっていて、一緒に住んでるんです!ご飯も一緒に作って、家族みたいな感じです。
今日も宇野がレースを走ってるので、帰りを待ってます(笑)ご飯を作って待ってようかなって(笑)
―宇野選手との出会いはいつだったんですか?
高校の時にお互いに自転車をやっていて合宿で初めて会って、特に養成所に入ってからすごく仲良くなりました!とにかくもう私のツボで、本当に毎日笑ってるし面白いんです(笑)
練習になると宇野メインで練習メニューを組み立ててもらってて、私も一緒に頑張ってやってます!
―宇野選手も含めて、同期の選手と仲が良さそうですよね。
そうですね。「あのレースはどうしたら良かったかな」とか言ったら、宇野がちゃんと返してくれるので先生的な存在ですし、本当に良い友達です。
それに124期はみんな仲良しだと思います。高橋美沙紀さん(愛知 124期)も仲が良くて一緒に遊びますし、うちに遊びに来る人もいっぱいいます!舞夏さん(金田舞夏選手 福岡 124期)とか山口優依さん(愛知 124期)も来てくれましたし、一緒に練習もします。
―冬季移動中のオフの日は宇野選手と過ごすことが多いですか?
そうですね、一緒に出掛けたり、家にいる時はよく一緒にアニメを見てます。宇野とショッピングも行くんですけど、私たちはアニメが好きなのでグッズも買います!「何が出るのかな」って感覚がすごい好きなので、ランダムグッズが大好きなんです!
最近は宇野と一緒に2周目の進撃の巨人を観てます。あとは最近忍たま(乱太郎)の映画があったんですけど、それにドハマりしてそのグッズもめっちゃ買います。本当に毎日楽しいです。
なので(宇野選手がレース中で)今寂しいんですよ。(笑)寂しいから早く帰ってきてほしい(笑)
―冬季移動が終わったら、宇野選手とも離れてしまいますよね。
そうなんです。期間が空いていて一緒のレースの予定があったら、こっち(岐阜)にみんなを集めて合宿みたいな感じで練習させてもらおうかなって、勝手に思ってます(笑)
岩手と岐阜だと遠いのでなかなか会えないんですけど、ちょこちょこ連絡は取ってます。
―GIオールガールズクラシックはGI競輪祭女子王座戦に続いて2回目のGIですが、調整はいかがですか?
今は調整っていう調整はせずにいつも通りやってるんですけど、脚の状態は良い方向に持っていけてると思ってます。
最終的な目標はグランプリだし早く出たいと思ってるので、GIは獲りたいし燃えてきますね!
―競輪祭の時は緊張されたと思いますが、奥井選手を相手に先行して確定版に乗るレースもありましたよね。
はい、普段の開催も未だに緊張しますけど、競輪祭はGIが初めてで同期もいない開催でしたし、いつも以上に本当に緊張しました!!緊張の記憶が強いんですけど、そのレースは自分でもびっくりしました。まさか確定版に乗れるとは正直思ってなくて、しかも頑張って逃げて3着だったので自信になってます。
―今は冬季移動で岐阜にいらっしゃるとのことですが、バンク特性を理解している面で有利になりそうですか?
はい、冬季移動で使わせてもらっている岐阜競輪場は第2の故郷と言っても過言ではないですし、慣れてる方だと思います。やっぱりそこで成績を残したいので頑張ってます。
ーGIオールガールズクラシックへの意気込みを教えてください。
今回は同期の宇野とか竹野さん(竹野百香選手 三重 124期)もいるし、楽しみです。自力の逃げで頑張ります!冬季移動でも使わせてもらっている岐阜競輪場での開催なので、やっぱり爪痕を残したいと思います。自力で頑張りますので、応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 太田理恵
東京大学 大学院卒、GIでは自力選手のタイムを計測。 モデル出身で、現在は競輪MCや毎月のコラム執筆を中心に活動する。 ミス・ワールド日本大会2014,2015,2020特別賞受賞。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
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