伊東温泉競輪場で開催された第6回施設整備等協賛競輪in伊東温泉「花と海といで湯賞」 でGIII初優勝を決めた山口拳矢選手(岐阜117期)に喜びの声と、ウィナーズカップへ向けての意気込みなどを伺いました。
大津:GIII優勝おめでとうございます。
山口:ありがとうございます。
大津:優勝したお気持ちを教えてください。
山口:S級S班の選手が居ない大会でしたけどグレードとしてはGIIIなんで素直に嬉しいです。
大津:今シリーズに臨むにあたって状態はいかがでしたか。
山口:広島FIの時に良い感じで踏めているなって感触があったので楽しみな状態で入れました。
大津:今回はシリーズリーダーとして臨む一戦でした。
山口:GIII以上でシリーズリーダーになることはないので変な緊張感はありましたね。
大津:伊東競輪場はS級で初優勝を決めています。
山口:9車で伊東競輪場を走るのは初めてだったので、あまりそこは意識はしていなかったです。
大津:バンク相性は気にしますか。
山口:あまり気にしないですね。普段は400バンクで練習をしているので333バンクはまだまだ難しいなって思っています。
大津:初日特選では竹内選手(竹内智彦選手・宮城84期)が「追い込み選手として山口君の強さに興味がある」と山口選手マークを選択されました。
山口:他地区の強い選手にそう言ってもらえるのは嬉しいですが、初日に関して何もできなかったので歯がゆい気持ちがありました。
大津:レースは接触があり車体故障のアクシデントに泣かされました。
山口:青野さん(青野将大選手・神奈川117期)が行くだろうなって作戦だったので位置取りは良かったのですが、あそこでの接触は仕方なかったのであまり気にしてはいません。
アクシデントがなければ行けるって感じもありました。
大津:身体や自転車は大丈夫でしたか。
山口:前輪が壊れてしまったので交換しなくてはいけなくなりました。
競輪場にある予備の車輪を貸してもらったので自分がいつも組んでいるタイヤの組み方と違うやつで走らなければいけなかったので、そこが一番不安でした。
大津:それはとてもレースに影響がありそうですね。
山口:宇都宮記念の時も二次予選でタイヤがダメになってしまい準決勝で予備の車輪で走ったのですが全く進まなくて、そのイメージがあったので本当に不安でした。
大津:実際に走ってみて今回はいかがでしたか。
山口:元々の車輪と違いは感じたのですが、それでもまだ戦えるなと感じました。
大津:アクシデントの影響を感じさせないくらい2日目3日目と鋭いスピードでねじ伏せました。
山口:準決勝は阿部君(阿部将大選手・大分117期)が先に仕掛けてくれた分、楽にといったら語弊がありますが少し展開が向いた感じはありました。
大津:連日、別線が山口選手をかなり警戒していたように感じます。
山口:僕は捲りが苦手ではないのでタイミングさえ間違わなければと落ち着いてレースが見えていました。
大津:決勝戦を迎えるにあたって心境はいかがでしたか。
山口:タイヤも馴染んでましたし、ここで獲らないとずっと獲れないんじゃないかと思いながら過ごしてました。
大津:決勝戦は青野選手、阿部選手との同期対決となりました。
山口:元々今回は斡旋されていた117の人数も多かったですし、青野さんも阿部君も養成所の頃から強かったので、いまGIやGIIに出場している117期も固定されてきているので、ここからもう少し117期の対戦が増えてきたら見ている人も面白いのかと思います。
大津:養成所でも一年間一緒に過ごしてますし相手の性格や癖も分かるので戦いやすかったりするのでしょうか。
山口:性格や癖はわかるのですが変に意識をしちゃうので僕は考えないようにしています。
養成所時代に強かったイメージもあって余計に相手のことを自分の中で強くしてしまうので、競走得点だけ見て気にしないようにしています(笑)
大津:レース以外での117期の皆さんの交流はいかがですか。
山口:他の期の方たちからは117期は仲が良いねってよく言われます。年齢もバラバラなのですが登録地も関係なく仲が良いと思います。同期って良いなって思います。
大津:今シリーズは隅田選手(隅田洋介選手・岡山107期)も仕上がっていたように思います。
山口:そうですね、阿部君-隅田さんのラインが一番気になっていました。隅田さんがどのタイミングで番手から出ていくのかなってのが僕の中でポイントでした。
大津:山口選手はスタートで前を選択しました。
山口:風が強くてバンクコンディションが悪かったので変に中団とかに拘って脚を使うくらいなら、前を取って準決勝みたいに一発溜めていこうと思ってました。
大津:勝負所では山口選手が内で併走する場面がありました。
山口:石塚輪太郎さん(和歌山105期)が単騎だったんですが、そこは勝負しようっていう話だったので入れませんでした。
輪太郎さんを入れなかったことが大きかったと思います。あの1車がなかったら結果届いてなかったんじゃないですかね。
大津:隅田選手が番手から出た時はいかがでしたか。
山口:隅田さんが思ったより早めに踏んだので最後自分のコースが空いた感じでした。
大津:手応えとしては捉えられるぞっという感じだったのでしょうか。
山口:脚は余ってたのですが、4コーナーで先頭を見た時に「思ったより遠いな。」とは感じて、そこからはめちゃくちゃ踏みました。
大津:ゴール後はガッツポーズが飛び出しましたね。
山口:自分が1着だというのは分かりましたし、他地区にも関わらず連日声援も多かったのでガッツポーズをしました。
大津:ガッツポーズ姿も山口選手は非常に画になりますね。
山口:アハハ!本当ですか(笑)もうちょっと大きい舞台でやれれば嬉しいです。
大津:表彰式では山口幸二さん(岐阜・引退)のインタビューと村上義弘さん(京都・引退)から花束贈呈がありました。
山口:父とのインタビューは何回もあるので慣れたものですが、義弘さんから「最初に花束を渡すのが拳矢で良かった。」って言われたのはグッときました。
家を出るときも「拳矢に花束を渡してくる」って言ってくださってたみたいで。村上さんの目の前で優勝出来て良かったです。
大津:3月は大切なレースが続きますね。
山口:そうですね、地元記念がありますから(3月4日から7日が大垣記念)
中3日や中4日でレースが詰まっているのですがコンディションを崩さないように気を付けます。
大津:この記事が出るのは大垣記念の後かもしれませんが、結果はどうなっていますかね。
山口:毎年大垣記念は別地区のメンバーが強力なイメージがあるので、去年は中部地区で僕一人だけだったので決勝戦で中部の皆で連携出来てたら嬉しいです。
大津:地元を走るときはいつもと違う思いもありますか。
山口:走る前はそこまで気負わずに楽に整えてって感じなんですが、レースの5分前とかになると緊張してきますね。やらなきゃって気持ちになりますし。
大津:その後のウィナーズカップへの思いを教えてください。
山口:2月末に走った別府の初日特選でバランスを崩してしまって、そのイメージをかなり引きずっていますね。優勝は出来たのですが・・・。
そのイメージをまずは払拭したいです。
大津:2021年は別府記念で決勝戦まで進んでいます。
山口:その時に先行のイメージを掴めたってのはあるので、良い感じでウィナーズカップにはのぞみたいですね。
大津:最後にオッズパークの読者の皆様にメッセージをお願います。
山口:去年のウィナーズカップでは失格してしまったので、まずは初日をきっちりとクリアして毘沙門天賞に勝ち上がって戦っていきたいと思います。応援よろしくお願い致します。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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連日、スタンドから大きな歓声が湧き上がった奈良競輪・開設72周年記念春日賞争覇戦(GIII)は地元の三谷竜生選手(奈良101期)の優勝で幕を閉じました。地元記念を5年ぶりに制覇、しかも完全優勝を果たした三谷選手にシリーズを振り返っていただきました。
大村:地元記念の完全優勝、おめでとうございます。
三谷:ありがとうございます。
大村:GIII参戦の前に昨年末の小倉から続き、1月は3場所(豊橋・松戸・京王閣)連戦を経ての地元記念でした。
三谷:そうですね。(1月の連戦は)決まっていた開催でしたし、しっかり走れた実感はありました。記念直前の京王閣は優勝できたので、コンディションは良くて手ごたえを感じていました。練習も普段通りにしました。何日か凍結でバンクに入れないことはありましたが他にもやれることはありますし、調整面は問題なかったですね。
大村:そして今回はお兄様の三谷将太選手(奈良92期)と同じあっせんでした。
三谷:兄弟でのあっせんは気合が入りますね。5年前の記念優勝では兄とワンツーできてとても嬉しかったです。今年は獲りたい、獲れる状態で地元記念に入った分だけ気持ちも違っていました。
大村:仕上げて臨んだ地元記念の初日の番組をごらんになっていかがでしたか?同期の山本伸一選手(奈良101期)と同じ番組でした。どちらが前を回るかという話しあいはありましたか。
三谷:伸一さんがケガ明けでしたし、僕もまだまだ自力でやっていますし。選択肢というよりも僕が前を回る考えしかなかったですね。
大村:その自力=捲りでまずは一次予選を1着で突破しました。捲りが決まりだしている、というのはすでに昨年から専門紙やプレスの話題にも上がっていましたね。
三谷:ええ。とはいえ去年はまだ結果が出て・・・って迄はいかなかったんです。けれど調子が上がってきて、良くなっていた感覚はありましたね。
大村:初日が終わって、脇本雄太選手(福井94期)が途中欠場されました。
三谷:うーん。腰痛が出てるのは聞いていたんですが・・・、正直なところ予想外でした。けれどそれは本人の走れるか走れないかの判断ですから・・・。一年を通した戦いもまだまだ始まったばかりですし残念ではありましたけど、彼自身としてもしようがなかったのでしょう。
大村:さて明けて迎えた2日目。このあと最終日の競走までラインの先頭を回る中西大選手(和歌山107期)の番手でした。
三谷:大(中西選手)が頑張っているのは見ていましたし、これまでも何度も連携があっていつも頑張ってくれるので信頼して任せました。
大村:レースは近畿ラインの初手は中団でした。まず後方の渡口選手(渡口勝成選手・山口119期)からの中国ラインが赤板ホームで金子選手(金子幸央選手・栃木101期)を抑えました。中西選手が仕掛けたのは2コーナーでした。
三谷:後手に回らないように仕掛けてくれましたね。
大村:最終HSでは諸橋選手(諸橋愛選手・新潟79期)のけん制と飛付くような動きがありました。
三谷:そうですね。諸橋さんの動きはレースの中でも見えていました。直後に金子君が発進して、大(中西選手)が合わされそうになったのを見た上でこの後はどんな風にも対応できるように準備しました。
大村:最終的には三谷選手が自力にシフトチェンジなさいました。これも道中の選択肢にあったんでしょうか。
三谷:いえいえ。番手を回る、大(中西選手)に任せる以上は何よりしっかりと付いていくことが一番大事です。(二次予選は )金子君がサラ脚からの捲りだったのもあり、状況判断からやむを得ずに踏みました。
大村:2日目の12レースでは古性選手(古性優作選手・大阪100期)が失格しました。脇本選手と古性選手が途中欠場となり、特に地元ファンの皆さんが三谷選手にかける期待が一層大きくなったと思います。
三谷:連日ファンの皆さんに来場していただいて応援していただいて、声援も大きくなっていましたから、そういうプレッシャーはもちろんありました。
大村:そして連勝で3日目を迎えました。つづく準決勝も中西選手と一緒でした。
三谷:ええ。もちろん迷うことなく再度任せました。
大村:レースは残り2周で前団が先頭の晝田選手(晝田宗一郎選手・岡山115期)と後方から仕掛けた飯野選手(飯野祐太選手・福島90期)でもつれました。
三谷:そうですね。あの展開で晝田君と飯野さんで前がゴチャゴチャっとなったのは見えていました。
大村:そこからは飯野選手が下がると同時に中西選手が捲って、ゴールは三谷選手の絶好でした。
三谷:大(中西選手)はこれ以上ないタイミングで仕掛けてくれました。展開も向きましたし、おそらく2日目みたいにならないように行こうとイメージしていたんだと思います。
大村:そして迎えた最終日でした。ここまで3連勝、優勝は意識されましたか。
三谷:3連勝で(決勝へ)来れて近畿勢4車で上がれて正直なところ優勝も見えてきた。もうここまでくれば完全優勝を目指そうという気持ちで走りました。
大村:お話しにありました近畿勢4車のメンバーの中西大選手・山田久徳選手(京都・93期)・栗山俊介選手(奈良103期)との並び順は?
三谷:いろいろ話をして決めました。特に北日本ラインが二段掛けの並びになるだろうという予想をしながら僕らも並び順を考えましたね。
大村:いよいよ決勝戦。近畿ラインの初手は前団ではありませんでした。
三谷:北日本ラインに前を取られてしまったんですが、それでも中西がここしかないってタイミングで行ってくれました!それによって大につづいて久徳も出やすい流れになったんだと思います。栗山が後退して結果的に近畿4車で出切ってしまえなかったんですけれど、ともかく前にしっかり付いていくことを考えて走っていました。
大村:そして新田選手(新田祐大選手・福島90期)の捲りが来ました。このときの感覚はいかがでしたか?
三谷:残り2周からスピードが相当上がっていて、それでも来るんだな、凄いなと感じました。(新田選手の)準決勝の走りは見たことがないような逆転劇でしたから。でも新田さんの準決の捲りを見たので、どんな流れでもどこからでも必ず来るぞというイメージを事前に持って決勝を走れました。
大村:迫った新田選手を三谷選手は2コーナー過ぎにブロックしました。
三谷:あの瞬間は本当に体が考えるよりも先に反応しました。それでも新田さんは止まらなくて、むしろさらに力強く踏んでいて・・・。だったらもう出るしかない!となって踏みました。
大村:3コーナーを超えてのちに佐藤選手(佐藤龍二選手・神奈川94期)が切り替えて三谷選手の後ろに変わりました。
三谷:もうあの時は後ろは見えていなかったですね。目の前のゴール線をめがけて走りきるんだとしか考えてなかったです。
大村:そして完全優勝のゴールインでした。ゴール後は何度もガッツポーズが出ましたね。
三谷:そうですね。地元記念はやっぱり特別な想いがありますから、嬉しかったです!嬉しさといっしょに込み上げてくるもの、気持ちがそのままガッツポーズになりましたね。
大村:今回の地元記念は三谷選手ご自身からもラインのお蔭、ラインのチカラというお話がありました。その中で三谷選手自身の力も充実していたように見えました。
三谷:うーん。まぁ、調子のいい状態で地元記念を走れましたね。緊張がある中でも、余裕があったというか。緊張してプレッシャーも抱えた4日間でしたけどそれでも力を出し切れたなという実感はありました。
大村:優勝インタビューではグランプリへの想いも出ました。
三谷:競輪選手として走る以上はグランプリを走りたい、勝ちたいという気持ちは強いですね。ここ数年はGIやグランプリが遠のいていましたけれど常に目標はグランプリを走って勝つことですし、そこへ向けてしっかりと頑張っていくことが大事なんだと思っています。
大村:優勝のあと、お兄様とはどんな話をされましたか。
三谷:兄からは「さすがやな!やったな!」と言ってもらえました。「優勝しなければならないレースでしっかり結果を出したのは良かったぞ!」とも言ってくれました。
大村:完全優勝を経て、これからに向けたお気持ちはいかがですか。また新しい取り組みはありますか。
三谷:そうですね。今年に入って結果が出せているので特別競輪・ビッグレースでも同様に結果を出せるようにしていきたいですね。新しい取り組みは・・・特にありません。どちらかというと今までやってきたことがコンディション・調子の上昇につながっていると思いますし、普段(の練習)から今なにかを変えるつもりはありません。積み上げてきたモノに更に積み上げていくことで一戦一戦をより良いものにしたい、結果を出したいというのが現状です。
大村:普段の練習はどのようになさっていますか。私やファンの皆さんにとって"普段の練習ってどんなのだろう"という疑問がありまして・・・。また息抜きの時間はどんな風に過ごしていますか。
三谷:僕らの場合は朝はバンクに入って仲間と練習しています。昼からはバイク誘導とか。あとは自転車について、又いろんな競輪場を走った感想やお互いに気づいたことを話しあったりしますね。それから息抜き・・・ですか?難しい質問だなぁ(笑)
今は一日中競輪場にいますから。まぁたまにゲームするぐらいかな?
大村:お答えくださってありがとうございます。ところで昨年から調子が上がったきっかけは練習の中から生まれたんでしょうか。また情報交換の中で印象に残ったものは?
三谷:皆で練習する時間が増えたのは影響があったと思います。大型感染症の心配がピークのときはどうしても個別の練習になりがちでした。練習仲間でお互いを刺激しあえる環境は大きい。それと・・・印象に残った情報交換ですか?けっこう昔の話にはなるんですがワッキー(脇本選手)が奈良に練習にきてくれた時があって、当時ナショナルチームではこんな練習や調整方法をしているとか聞けたのは憶えています。
大村:脇本選手のお話が出ました。2018年は脇本選手との連携で2つのタイトルとグランプリ制覇でした。今の脇本選手の強さについてはいかがですか。
三谷:去年のグランプリから今年に入ってのレースを見ているとこれまでにない、強いなと思わされる走りです。それでも回れる機会があればしっかり付いていきたいですし、抜けたら優勝に近い位置ですからね。
大村:さて特別競輪といえば次回は高知・全日本選抜ですね。高知バンクのイメージはいかがですか。
三谷:特殊なバンクって印象がありますね。500バンクですけど捲りが効くわけでもない、かといって先行(先手ライン)が必ず残るわけでもないし。難しいバンクだなと思います。
大村:全日本選抜へ向けた意気込みをお聞かせください。
三谷:今年は初日に特選を走れるので、まず初日に向けて。そして二次予選、準決勝、決勝へ進めるように、結果を出せるように頑張ります。
大村:今日はご対応頂いてありがとうございました。最後にファンの皆さまへメッセージをお願いします。
三谷:はい。今回の地元記念はお客様からのたくさんの声援と拍手が結果に、完全優勝につながりました。ありがとうございました!これからも応援していただけるように頑張っていきたいです。よろしくお願いします!
ここ数年は"なかなか波に乗れない"と評されながらも諦めずに上昇のきっかけをつかんだ三谷竜生選手。
雌伏の時を終え、いよいよ飛翔の刻を迎えたようです。地元記念の後は全日本選抜、ウィナーズカップのビッグレースに参戦予定です。これからの三谷選手の活躍から目が離せません。
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※インタビュー / 大村篤史(おおむらあつし)
2012年4月から小倉競輪場を中心にレース実況を担当。名前と同様の"熱い"実況スタイルでレースのダイナミズムを伝えることが信条。2022年7月からは小倉ミッドナイト競輪CS中継の二代目メインMCとしても出演中。
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昨年デビューした又多風緑(まただ・ふつか)選手(石川112期)。在所1位という成績でルーキーシリーズから注目を集めましたが、なかなか結果が出ませんでした。近況は1着や決勝進出も続いています。 又多選手に、デビューからここまでの振り返りや今後の目標などをお伺いしました。
山口みのり:又多選手がガールズケイリン選手を目指したきっかけは何でしたか?
又多風緑選手:元々陸上をしていたんですが、太ももの筋肉がしっかりしていました。私はスターバックスコーヒーがとても好きなんです。中学3年生の時に父に「競輪選手になったら毎日スタバ飲めるよ」と言われて目指そうと思いました。
山口:すごいきっかけだったんですね。陸上はいつまでされていたんですか?
又多:小学校4年生から高校3年生までです。
山口:将来を考えた時に、ガールズケイリンもありだなと思ったんですね。
又多:そうです。なので高校から自転車競技も始めました。
山口:プロに教わるようになったのはいつからですか?
又多:高校時代にもプロの選手と一緒に練習する機会もありました。競技場でも練習させてもらいました。
山口:養成所に合格されて、不安と期待、どちらの方が大きかったですか?
又多:気持ちは整っていたので、不安などはありませんでした。
山口:養成所での目標は何でしたか?
又多:在所1位での卒業と、記録会で全部の種目で1位を取ることを目標にしていました。
山口:在所成績1位というのは拝見したのですが、記録会はどうでしたか?
又多:第3回の記録会で全種目1位が取れました。
山口:そうでしたか!では目標達成された養成所時代だったんですね。ではデビューするにあたりルーキーシリーズはどういう意識で臨みましたか?
又多:結果を出したかったですが、本調子ではなかったので悔しい気持ちだけが残っています。嫌な思い出です...。
山口:そうでしたか...。在所成績1位で、周囲からの期待も大きかったのではないですか?
又多:それはすごく感じていました。期待に応えられずに本当に悔しかったです。
山口:本デビューは地元の富山に決まりました。ルーキーシリーズからの気持ちの切り替えはできましたか?
又多:1か月あいたので、絶対勝ちたいと思っていました。予選2は先行できて、粘れたので良かったと思います。
山口:決勝戦は自力強力な太田美穂選手(三重110期)と対戦でしたが一緒に走っていかがでしたか?
又多:先行させてしまって、自分は仕掛けられずに悔しかったです。
山口:デビュー戦を終えた率直な感想は?
又多:手応えを感じたので、このまま頑張っていこうと思いました。
山口:ここまでレースを重ねてきて感じる、自分の強みはどんなところですか?
又多:強い選手と戦うとまだまだですが、タテ型なので長い距離はそこまで踏めませんが、ダッシュをいかした走りができたら結果はついてきているなと思います。
山口:初優勝は京王閣競輪場での単発レース『ルーキーシリーズ2022プラス』でしたね。優勝は意識しましたか?
又多:はい、優勝しか見てなかったです。
山口:そうでしたか。
又多選手に有利な展開にもなったのではないですか?
又多:思った通りの展開になり、踏み出したときには捲れるなと思いました。
山口:優勝を一つして、どんなお気持ちでしたか?
又多:3日間の開催ではまだ優勝できていません。1月の和歌山で予選の1着がやっと取れたので、このままの勢いで頑張りたいです。
山口:私もちょうど中継司会を担当していたのですが、吹雪で大変でしたね...。
又多:はい、大変なレースでした。前の選手が踏んでいるのを確認して、ホームストレッチがすごい向かい風だったので2センターから捲りに行きました。もっと予選で勝てるようにしたいです。
山口:プロデビューしてまもなく1年を迎えます。練習状況はいかがですか?
又多:今はレースの日程がつまっていて、なかなか練習ができないのですが、1本1本しっかりと走りたいなと思っています。今は冬で石川県は雪がたくさん降り練習ができないので、冬季移動をしています。埼玉にいるのですが、外でも充実した練習ができています。
山口:そうでしたか。バンクにも入れますか?
又多:はい、大宮競輪場で練習させてもらっています。
山口:プロになって稼ぐようになり、楽しみは何ですか?
又多:もっと両親に恩返しをしたいです。
山口:ご家族も応援してくださっているみたいですね!
又多:はい、めちゃくちゃ支えになっています。
山口:お休みの日は何をしているんですか?
又多:基本的に休みの日はないです。少しでもトレーニングに繋がるようなことをしています。
山口:今年の目標は何ですか?
又多:完全優勝をすることです。
山口:そのための強化したいところは何ですか?
又多:地脚をもっと強化したいです。長い距離を踏めるようにしたいですね。
山口:誰かにアドバイスはもらいますか?
又多:開催でお会いした方に、いろいろアドバイスをいただいています。
山口:目標の選手はいますか?
又多:佐藤水菜選手(神奈川114期)です。
山口:どんなところが目標ですか?
又多:ビッグレースで優勝など結果を出しているところです。私もそういうレースに出られるように頑張りたいです。
山口:SNSなどでは同期との仲の良さを感じます。デビューして、同期との関係は変化しましたか?
又多:相変わらず仲は良いと思います。たまに電話するのが楽しいです。でも養成所の時より成績が上がっているのを見ると意識しますね。自分も負けないようにと思います。
山口:では最後にオッズパーク会員のファンの皆様へメッセージをお願いいたします。
又多:最近はどんどん声援をもらうことが多くなり、絶対に勝ちたいという気持ちが強くなりました。これからも応援に応えられるように頑張りたいです。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
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6年ぶりに出場した『オッズパーク杯ガールズグランプリ2022』で2着、また先日伊東温泉競輪で行われた『ガールズケイリンコレクション2023平塚ステージ』のトライアルレースでは決勝2着と、コレクションへの切符を掴み取った山原さくら選手(高知104期)。ガールズグランプリ、トライアルレースの振り返りと今後の意気込みをお伺いしました。
山口:まずは6年ぶりのガールズグランプリ出場はいかがでしたか?
山原:久しぶりに走らせてもらえるので、すごく緊張しました。
山口:前夜祭の配信の時にもお話伺いましたが、動くタイプの選手も多くいらっしゃいましたね。
山原:自力の選手が多く、先行をしたいという選手もいたと思います。「どの位置なら自分の持ち味が出せるんだろう」と逆算した時に、やっぱり皆さん強いので、たとえ私が展開を上手く組み立てられても脚が足りない分、なかなか自分が優勝できる想定ができませんでした。
山口:前検日入られた時は雰囲気はいかがでしたか?
山原:「やっぱりグランプリは違うな」と久しぶりにこの雰囲気を味わえた嬉しさと、緊張感が混ざっていました。
山口:昨年はビッグレースも何度か走られましたが、また違いますか?
山原:そうですね。やっぱりグランプリは特別です。入る前から、いや出場が決まった時から実は緊張していました。いざ競輪場へ向かおうという移動中も緊張しましたね。前検日は、忙しすぎてあっという間に終わってしまったんですけどね。
山口:取材などが詰まっていたんですか?
山原:そうですね。「こんなに取材があるんだ!」と思ってびっくりして、あっという間に1日が終わりました。今年は前検日の27日に入り、28日は走らない日で空いていたんですがそこも緊張してました。一番は当日の特別選手紹介の時にお客さんの前に立った時です。本当にたくさんの数のお客さんがいたので、死ぬほど緊張しました。
山口:6年前のグランプリと比べていかがでした?
山原:6年ぶりに出場できた嬉しさもあったんですが、実は自分の中では「これが最後のグランプリかもしれない」という思いだったんです。だからその二つの感情に加えて、今、防府競輪場で練習でお世話になっているのですが、皆さんにギリギリまで練習やアドバイスをしてもらったので、何とか結果で応えたいという思いと、たくさんの感情が交錯しての緊張感でした。
山口:そうでしたか。たくさんの思いを背負ってのグランプリだったんですね。ではレースを振り返っていきます。打鐘で後方から動いていきました。一旦は前に行こうという感じだったんですか?
山原:スタートではもう少し前の位置にいられるかなと思っていたんですが、予想が外れて6番手になってしまい、更に前では尾方選手ー奥井選手の順で並んでいたのを見て「あ、もう終わったな」と思いました(笑) 「競輪祭が終わってから1か月間、作戦めちゃくちゃ考えたのに、私の作戦を考える力が甘かったのかな」と反省しました。
山口:そうですよね、メンバーが出てからはずっと考えますもんね(笑) でも、その二人の後ろに入り、尾方選手の先行を奥井選手が番手から捲りに行きました。後方の仕掛けも警戒していたと思うのですが、あの時はいかがでした?
山原:捲りがちょうど奥井さんの仕掛けと合ってしまったんですよ。事前の想定練習では、2コーナーから捲りに行くというイメージでやっていたんですが、いざそうなった時に「どうしよう、捲りたいけど後ろの仕掛けも気になる。もう少し待った方が良いかな、でも捲りに行きたい」と葛藤がすごくありました。
山口:奥井選手の捲りを追い、4コーナーから追い込んで行く時は優勝も見えていたのではないですか?
山原:必死でしたね。とにかく。
山口:外から誰かが来ているなというのはわかったんですか?
山原:すごい勢いで誰かが飛んできた、というのはわかりました。スピードにびっくりしました。
山口:そうでしたか。結果は2着でしたが、ご自身で内容や結果を振り返っていかがですか?
山原:初めてグランプリで確定版に乗れた(3着以内に入れた)ので、すごく嬉しかったです。でももう少しで優勝というのもあったので、優勝は難しいんだなと思いました。
山口:ただグランプリ1着~3着の選手は、今年2023年のGIは有利になるんですよね?
山原:そうですね。GIの出場権はあるみたいなので、気持ちは楽になりました。
山口:また今年もグランプリへ!という気持ちはいかがですか?
山原:昨年は最後かもしれないと思い頑張っていたんですが、今年も頑張ればチャンスがあるかもしれないと思えるので、もうひと頑張りしたいです。出られるだけでもありがたいし、しかも初めてのGIという大会なので嬉しいですね。
山口:年明け、伊東温泉ではビッグレースの出場権はご自身で勝ち取りましたね。グランプリが終わり、トライアルレースがすぐあるというのはどうでしたか?
山原:新年初戦からしっかり走りたいと思い練習はしっかり取り組んでいたんですが、グランプリの疲れが思いのほかありました。終わった直後から疲れすぎて「こんなに疲れるんだ・・・」と思いました。体も頭も、脳も疲れて出し切ったみたいです。初戦の松山には疲れが取り切れないまま参加してしまい、「こんなんじゃダメだ」と反省して以降はしっかり走れたと思います。優勝はできませんでしたが、走り切れました。
山口:伊東温泉のトライアルレースもグランプリで戦った奥井選手をはじめ、先行が得意な選手たちがたくさんいましたね。
山原:皆さん「私が先行!」という自力で強い選手たちばかりでした。私も先行をしたいけど、すんなり先行はさせてもらえないメンバーだなと思っていたので、結構しんどかったです。
山口:予選2では前で一気にスピードがあがり、石井貴子選手(東京)が逃げ切りました(山原選手は追い上げて2着)直前・松山の決勝のような形(見合っている中、先行した高木佑真選手が逃げ切り優勝)になったのかなと思ったのですが、振り返っていかがですか?
山原:最近はあのように牽制されるレースが増えてきており、慌てて前を追っても届かない事が多くなってしまいました。今まではそこまで牽制されなかったので、戸惑いながらも対策をしないとなと思います。
山口:きっと今後は、ビッグレースを中心に山原選手に対する作戦を取ってくる選手もいるのではないでしょうか。
山原:そうかもしれません。牽制されても、気にせず自分の走りをしたら良いのかなとは今思っています。伊東温泉の予選2では、前とタイヤ差まで迫れたので悪くはなかったのかなと思います。
山口:続いて決勝ですが、スタートでは最後方になってしまいましたね。
山原:そうなんです。奥井選手がスタートを取って私は位置がありませんでした。それだと厳しいなと思い、一か八か上がっていったら奥井選手が前に入れてくれた形で前からの組み立てになりました。助かりました。
山口:もし上がっていってどこにも入れなければ、下がって後ろからの組み立てと思っていたんですか?
山原:そうですね。でも奥井選手がスタート行くような気がしていたので、一か八かでした。
山口:荒牧選手が2番手の外で並走をしていました。「前を切りに行くかな」という予想だったんですか?
山原:はい。でも結果が出てから振り返ると、私が荒牧選手を突っ張って出させなければ、石井貴子選手(東京)が行き、その上を久米選手がかましにいったので、私は3番手が取れたんですよね。そうしたら、もっと久米選手とゴール前で良い勝負が出来たんじゃないかと思いました。
山口:なるほど。一車でも前にいたら、もっと捲りで迫れていたということですね。
山原:はい。石井選手や久米選手も出させないくらい突っ張れるのが一番良いですが、もしいかれたとしても2車で、自分は優勝の射程圏の3番手だったと思うと「ちゃんと突っ張れたら良かった」とすごく後悔しています。
山口:1着の久米選手との着差が【3/4車輪】ですもんね。
山原:そうですね。前との車間もあいていましたが、脚は悪くなかったのであの展開でも行けるかなというのはあったんですけどね。
山口:コレクションの絶対権利は決勝2着でしたが、権利は取れるかなというのはありましたか?
山原:はい、最終ホームストレッチでは確定版はいけるかなと思いましたし、感じも良かったので優勝まで!とも思いましたが、久米選手が強かったです。
山口:コレクション出場をご自身の手で掴みました。結果が出て改めていかがですか?
山原:コレクション自体も久しぶりなので、グランプリ同様しっかり緊張感を持って頑張りたいなと思います。
山口:今年もレースが始まっていますが、今年はガールズケイリンが一気に変わりそうですね。
山原:そうですね。ユニフォームも変わりましたし、GIもできます。新しい1年になりそうですね。
山口:山原選手は2期生でデビューされて、ビッグレースに出ていない期間もありました。普通開催でのガールズケイリンのレベルの変化というのはどう感じていましたか?
山原:毎回、いつも走るたびにレベルが上がっていると感じます。大きいレースに出られない時は、「上で戦いたい」と思えなかったです。そのレースを走るのが精一杯という感じでした。「またビッグレースに出たい」と思うこと自体がプレッシャーだったりメンタル的にきつかったです。だんだん良い成績を残せるようになってくると「もっと頑張りたい」と思えるので、レベルが上がってしんどい分、やり甲斐もありますね。
山口:昨年は1年を通してビッグレースも走られましたが、以前との雰囲気や各選手の戦法の違いというのは感じましたか?
山原:一番違うのはトップスピードが上がったことだと思います。上りタイムが全然違いますね。以前は11秒台の上りタイムがでると「うわ、すごいね!」という感じでしたが、今は上位選手はほぼ11秒台を出しています。
自分もそれくらい出せるようにならないといけないですし、勝つにはそれ以上のタイムを出さないと勝てないです。ガールズケイリンのレベルが上がっていく以上は、私も新しいことに取り組んで、細かく考えながら練習をしていかないといけません。でも自分自身もそれでレベルアップしていく環境にはあるのかなと思います。
山口:今年の目標は何ですか?
山原:昨年久しぶりにグランプリを走れて「またここに戻りたい」と思えたので、年末またもう一度グランプリに出場すること。そしてGIが新設され、大きいレースを走れる機会が今年は多くなると思うので、どこかで優勝ができるように頑張りたいです。
山口:GIの新設で、単発レースが減りトーナメントが増えました。どちらが得意などはありますか?
山原:以前は単発レースの方が好きだったんですが、勝ち上がりで2走目に修正して決勝に上がれたというのも去年あったので、失敗しても修正がきくのは勝ち上がりの方ですよね。どちらが好きというのは今はなく、その時に応じた走り方をできているのかなと思います。
山口:戦法を含めて、強化ポイントはどこですか?
山原:一番はダッシュ力を強化したいですね。
山口:同型がいた時の対応も含めて、ですか?
山原:それもありますが、一番は入れ替わりの激しいレースになるとダッシュがないと立ち遅れてしまうんです。毎回ガールズでそういうレースがある訳ではないんですが、例えば33バンクだと、前の方にいたのに気づいたら後方になってしまう時もあるんです。
流れに遅れないよう前々にいるためには、パパっと動け細かく切り替えるダッシュや、相手の選手に簡単に出られないように合わせるダッシュが必要なんです。豪快な捲りを出せるよなダッシュももちろん欲しいんですが、要所要所の切り替え動作をそつなくできるようになりたいなと思っています。
山口:競輪祭の決勝が、流れに立ち遅れてしまった、そんなレースだったんでしょうか?
山原:ああ、そうですね。最初はすごく良い位置にいたんですが、自分のダッシュが無くて後ろの児玉選手の仕掛けに対応できずにあっという間に後方になってしまいました。
あの時は、競輪祭の決勝に乗れた段階で私はグランプリ出場は決まっていたんですが、7着を取り大きな課題が見えたレースでした。「グランプリ出場決定!」の嬉しい日ではなく「自分がすごく弱いな」と感じた日でした。でもそのレースがあったからこそ、グランプリに向けて色々試そうと思えました。
山口:私の感想ですが、このレースちょっと不思議だったんです。前にいる山原選手が後方になってびっくりしましたが、そのような理由があったんですね。聞かせていただきありがとうございます。
山原:そうだったんです。
山口:では、最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
山原:昨年は久しぶりにガールズグランプリを走れて、初めて確定版に乗れ、デビュー10年目にして初めて大きな結果が出せました。今年は更に自分が成長して結果を残すのはもちろん、見ていて応援したくなる選手に1年間通してなれるように頑張るので、今後も応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
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競輪界初の早期卒業選手の一翼としてデビューした菊池岳仁選手(長野117期)。昨年2022年末はヤンググランプリで優勝しました。
レースでは吉田有希選手(茨城119期)と連携し、初の番手戦で初のビッグレース制覇となりました。年が明けてレースから3週間が経ちました。あらためて菊池選手にレースを振り返っていただきました。
大村:まずは昨年末に行われましたヤンググランプリの優勝おめでとうございます。
菊池:ありがとうございます。
大村:あらためてレースを振り返っていかがですか。
菊池:ほとんど(前を任せた)吉田君(吉田有希選手・茨城119期)がやってくれた感じでした。彼に付いていって、早めに仕掛けてくれる形だったので、本当にもう吉田君のおかげだなって感じです。
大村:菊池選手にとって初めての番手戦でした。並びの前後はどのようなやりとりで決まりましたか。
菊池:並びは彼から「前で頑張ります!」と言ってくれました。(吉田選手の決意を)聞いたときに『とにかく付いていく』と思いました。(レース展開は)ゴール勝負が出来る流れだったので吉田君を信頼して追っていました。
大村:最終3コーナーでは松岡選手(松岡辰泰選手・熊本117期)が内に居ました。
菊池:(あの瞬間は)もうスピード差がありました。なので吉田君にしっかり付いていくだけでしたね。(飛びつかれても)冷静でいられました。
大村:本番に備えてなにか特別なことはされましたか。
菊池:人の後ろでもがく練習を増やしました。他は普段通りの練習をして走りました。
大村:レースには自然体で臨めましたか?
菊池:そうですね。それでも人の後ろで車間を空けながら走る練習はちょっと(重点的に)やったなって思います。
大村:ヤンググランプリは歴代優勝者として時代の顔として活躍する選手を輩出しています。その点はいかがですか。
菊池:そこは特に意識せずに。今回の優勝をきっかけに何かが変わる、変えていくとかはありません。むしろこれまでやってきたことを変わらずやっていくだけだと思っています。
大村:2022年はGII制覇で一年を終えましたが年始め1月にはナショナルチームを離れました。伺える範囲で結構ですがどういった理由からでしょうか。
菊池:自分の場合はただ結果が出なかっただけだったと思うので...。
大村:(お答えいただいて)ありがとうございます。その後は競輪一本に力を注げたということでしょうか。
菊池:競輪だけの環境になったことは結果的に良かったんだと今は考えています。
大村:現在の関東地区は平原康多選手(埼玉87期)を筆頭に盛り上がりを見せていますね。
菊池:そうですね!自分もその流れに遅れないようにしっかり頑張っていきたいです。
大村:その中でも若手選手の活躍に注目が集まっています。菊池選手が今、若手の中でライバルだと感じている選手はどなたでしょう。
菊池:やっぱりヤング(グランプリ)で並んだ吉田君は年齢も近いですし、周りの中ではなんていうんですかね...、
大村:意識する存在ですか?
菊池:ええ、そうです。意識する選手って感じですね。彼とはこの先、並ぶことも前後は別としてきっとあると思うんです。それでもやっぱりまずは勝ちたいなという気持ちです。
大村:実際に連携して、あらためて強さを認めたイメージでしょうか?
菊池:そうですね。自分の中では強い選手だと思っているので。もちろん別線で戦うときが出てくるでしょうから、その時も勝ちたいと思っています。
大村:新しい年を迎えて今とりくんでいる課題・テーマはなんでしょうか。
菊池:いやぁ、まだまだ全体的にトップクラスの選手に比べたらスピードとか、他もまだ全然足りていないので色んな練習をしてるところですね。
大村:脚力アップとは別に自転車に関してセッティングなどの新しい取り組みはありますか。
菊池:セッティングとか根本の部分を大きく変えていくってことはしていません。ですが細かな部分では常にいろいろ試してます。
大村:今年の抱負といいますか、菊池選手にとっての目標はなんでしょうか。
菊池:去年はオールスター競輪で準決勝までだったので、今年は特別競輪で決勝に乗るってのを目標にしていきたいです。
大村:2月初旬の奈良GIII、中旬の岸和田FIに続き23日初日の読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI・高知競輪場)が控えています。
菊池:そうですね。ですが特に直近のレースだけに向けてというわけでなくて、しっかり練習をしてとにかくいい走りを出来ればと思っています。
大村:これからも一層のご活躍を期待しています。これから一段と寒さが厳しくなりそうです。どうかお体をご自愛ください。
菊池:ありがとうございます。そしてこれからも皆さん、応援をどうぞよろしくお願いします!
今年の目標は<特別競輪で決勝進出>の菊池選手ですが、一方で一戦毎を「いい走りが出来れば」と話す言葉の中に"競輪選手・菊池岳仁"としてこれからを走り続ける姿を見ました。 菊池選手の今年の、そしてこれからの競走にどうぞご注目ください!
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※インタビュー / 大村篤史(おおむらあつし)
2012年4月から小倉競輪場を中心にレース実況を担当。名前と同様の"熱い"実況スタイルでレースのダイナミズムを伝えることが信条。2022年7月からは小倉ミッドナイト競輪CS中継の二代目メインMCとしても出演中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
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