競輪界初の早期卒業選手の一翼としてデビューした菊池岳仁選手(長野117期)。昨年2022年末はヤンググランプリで優勝しました。
レースでは吉田有希選手(茨城119期)と連携し、初の番手戦で初のビッグレース制覇となりました。年が明けてレースから3週間が経ちました。あらためて菊池選手にレースを振り返っていただきました。
大村:まずは昨年末に行われましたヤンググランプリの優勝おめでとうございます。
菊池:ありがとうございます。
大村:あらためてレースを振り返っていかがですか。
菊池:ほとんど(前を任せた)吉田君(吉田有希選手・茨城119期)がやってくれた感じでした。彼に付いていって、早めに仕掛けてくれる形だったので、本当にもう吉田君のおかげだなって感じです。
大村:菊池選手にとって初めての番手戦でした。並びの前後はどのようなやりとりで決まりましたか。
菊池:並びは彼から「前で頑張ります!」と言ってくれました。(吉田選手の決意を)聞いたときに『とにかく付いていく』と思いました。(レース展開は)ゴール勝負が出来る流れだったので吉田君を信頼して追っていました。
大村:最終3コーナーでは松岡選手(松岡辰泰選手・熊本117期)が内に居ました。
菊池:(あの瞬間は)もうスピード差がありました。なので吉田君にしっかり付いていくだけでしたね。(飛びつかれても)冷静でいられました。
大村:本番に備えてなにか特別なことはされましたか。
菊池:人の後ろでもがく練習を増やしました。他は普段通りの練習をして走りました。
大村:レースには自然体で臨めましたか?
菊池:そうですね。それでも人の後ろで車間を空けながら走る練習はちょっと(重点的に)やったなって思います。
大村:ヤンググランプリは歴代優勝者として時代の顔として活躍する選手を輩出しています。その点はいかがですか。
菊池:そこは特に意識せずに。今回の優勝をきっかけに何かが変わる、変えていくとかはありません。むしろこれまでやってきたことを変わらずやっていくだけだと思っています。
大村:2022年はGII制覇で一年を終えましたが年始め1月にはナショナルチームを離れました。伺える範囲で結構ですがどういった理由からでしょうか。
菊池:自分の場合はただ結果が出なかっただけだったと思うので...。
大村:(お答えいただいて)ありがとうございます。その後は競輪一本に力を注げたということでしょうか。
菊池:競輪だけの環境になったことは結果的に良かったんだと今は考えています。
大村:現在の関東地区は平原康多選手(埼玉87期)を筆頭に盛り上がりを見せていますね。
菊池:そうですね!自分もその流れに遅れないようにしっかり頑張っていきたいです。
大村:その中でも若手選手の活躍に注目が集まっています。菊池選手が今、若手の中でライバルだと感じている選手はどなたでしょう。
菊池:やっぱりヤング(グランプリ)で並んだ吉田君は年齢も近いですし、周りの中ではなんていうんですかね...、
大村:意識する存在ですか?
菊池:ええ、そうです。意識する選手って感じですね。彼とはこの先、並ぶことも前後は別としてきっとあると思うんです。それでもやっぱりまずは勝ちたいなという気持ちです。
大村:実際に連携して、あらためて強さを認めたイメージでしょうか?
菊池:そうですね。自分の中では強い選手だと思っているので。もちろん別線で戦うときが出てくるでしょうから、その時も勝ちたいと思っています。
大村:新しい年を迎えて今とりくんでいる課題・テーマはなんでしょうか。
菊池:いやぁ、まだまだ全体的にトップクラスの選手に比べたらスピードとか、他もまだ全然足りていないので色んな練習をしてるところですね。
大村:脚力アップとは別に自転車に関してセッティングなどの新しい取り組みはありますか。
菊池:セッティングとか根本の部分を大きく変えていくってことはしていません。ですが細かな部分では常にいろいろ試してます。
大村:今年の抱負といいますか、菊池選手にとっての目標はなんでしょうか。
菊池:去年はオールスター競輪で準決勝までだったので、今年は特別競輪で決勝に乗るってのを目標にしていきたいです。
大村:2月初旬の奈良GIII、中旬の岸和田FIに続き23日初日の読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI・高知競輪場)が控えています。
菊池:そうですね。ですが特に直近のレースだけに向けてというわけでなくて、しっかり練習をしてとにかくいい走りを出来ればと思っています。
大村:これからも一層のご活躍を期待しています。これから一段と寒さが厳しくなりそうです。どうかお体をご自愛ください。
菊池:ありがとうございます。そしてこれからも皆さん、応援をどうぞよろしくお願いします!
今年の目標は<特別競輪で決勝進出>の菊池選手ですが、一方で一戦毎を「いい走りが出来れば」と話す言葉の中に"競輪選手・菊池岳仁"としてこれからを走り続ける姿を見ました。 菊池選手の今年の、そしてこれからの競走にどうぞご注目ください!
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※インタビュー / 大村篤史(おおむらあつし)
2012年4月から小倉競輪場を中心にレース実況を担当。名前と同様の"熱い"実況スタイルでレースのダイナミズムを伝えることが信条。2022年7月からは小倉ミッドナイト競輪CS中継の二代目メインMCとしても出演中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
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