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馬券おやじは今日も行く(第51回) 古林英一

2009年2月26日(木)

馬事知識普及セミナー

 ご報告がすっかり遅くなってしまいました。さる1月12日、第3回馬事知識普及セミナーが、わが北海学園大学にて開催されました。

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 まずポスターをご覧いただきたい。ポスターに描かれた農用馬をよーく見て下さいまし。拡大していただくとわかるかもしれませんね。後肢のところに北海道のかたちが模様になっております。この絵は本学の学生競馬サークルの学生が描いたものです。なかなかうまいもんでしょ。

 さて、以前お伝えしたように、今回のセミナーは2部構成。第1部は学術講演。NPO法人とかち馬文化を支える会理事長柏村文郎帯広畜産大学教授の挨拶に続き、当情報局でもおなじみの作家・旋丸巴さんによる「北海道の馬文化」、帯広畜産大学河合正人准教授による「道産馬(どさんこ)の世界」、そして小生の「北海道の馬と競馬の歴史」の3本立て。

 第2部はお楽しみ企画。「ばんえい十勝応援企画・ヒロインズカップ勝つのはだ〜れ?」ということで、第1部の講師3人に、ばん馬の血統研究家で私設ばんえい競馬資料館私設ばんえい競馬資料館blog別館を運営しているりきみどり氏、さらに十勝馬事振興会会長にして、かのミヤビライコウ号の生産者でもある佐々木啓文氏による勝ち馬予想会。

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(写真提供:佐藤友哉氏)

 昨今の大学の大教室はPCのインターネット映像をプロジェクターでスクリーンに投影できるのは当然のこと、大教室のあちらこちらにディスプレイが設置してあります。音響もバッチリです。これで発券機さえあればハロンズ札幌豊平旭町堂々のオープンですがね。

 NPO法人とかち馬文化を支える会札幌支部のメンバーがみんなで手伝ってくれましたし、あちらこちらのみなさんにご協力いただき無事に開催できました。セミナー修了後はメンバー揃って懇親会。楽しゅうございました。

 こんな形のイベントはもっとあちこちでやりたいものです。東京でもできないでしょうかね。

ばんえいジョッキーファイル(25) 船山蔵人

2009年2月20日(金)

第25回 日々真面目な好青年 船山蔵人

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--- 騎手になられたきっかけを教えてください。浜中町出身ですが、近くに馬がいたのでしょうか。

 親父が馬飼ってたんで。馬だけで、牛とかは飼ってないです。親父は自分が騎手になるのと同じ時期に馬主になりました。蔵人(くらんど)という名前は父さんがどうしてもつけたかったみたいですね。どうしてかは聞いてないんでわからないです。
 今はやってないんですけど、小さい頃地元では草ばん馬やっていました。自分は乗ったことないです。(ばんえいの)本走路しか乗ったことないんで(笑)。
 高校を卒業して競馬場に入った時に、騎手を目指しました。

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--- 騎手を目指して競馬場に来たのではないんですね?

 そうですね。もともと動物関係の仕事をしたいと思っていました。
 馬主さんの紹介で鈴木邦哉厩舎に入ったら、調教師が「競馬場入ったら、騎手か調教師になるもんなんだ」って言われたので、まず騎手を目指して。
 そうそう、1次受かって、2次試験も終わってから試験の経過待ちの時がちょうど存続問題の時ですね。北見で2次試験やって、終わってから……。

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--- では、思い出に残る馬や期待している馬を教えてください。初勝利はコトノカツマでした。

 そうですね。コトノカツマは担当でもやってるんです。
 今、エナジーユウシオっていう馬で結構成績が出ているんで期待してます。これからどんどん良くなっていく馬なんで。
 ガイドブックに載せたカゲマサムネオーは、騎手試験の時に担当してて、試験で乗った馬です。試験って自分の好きな馬使っていいんで。
 年取っててレースから何から覚えている馬で、教えてもらうような感じで乗せてもらって。
 騎手になってからは乗ってないですね。引退しちゃったんで。

--- さて、蔵人騎手といえば左ききですね。

 え、まぁ……右の人が多いんで……。
 僕の場合は左から叩くのが皆の期待なんで、あまり右側から叩くのは……右の人は左でも叩く人多いんだけど。
 2障害降りてから横の馬と競ると、馬同士ってくっつきたがるんですよ。その時はちょっと窮屈になるときがあるけど。
 字を書くのは右に直されました。箸は左です。左ききってほどでもないんですよね。ボール投げたり蹴ったりするのは右だし。ぼう(追う)のは左。
 どっちでもできるなら左の方が有利かな、って。

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--- 勝負服について教えてください。珍しい井桁(#)のマークがついていますね。

 (厩舎の先輩騎手の鈴木)勝堤さんに勝負服作るとき相談したら、井桁は誰もつけてないっていうんで。青とピンクの目立つ2色で。

--- 厩舎の先輩が勝堤騎手で、他にも恵介騎手など名ジョッキーの先輩につながりが多いですね。下っ端は大変ではないですか?

 競馬に限れば近くにお手本になる人がいっぱいいるんで……環境的にいいところにいるなと思います。
 勝堤さんには早く戻ってきてもらって、一緒にレースしたりして、もっともっと教えてもらいたいですね。大変? それはまぁ……。

--- 当たり前と受け入れているんですね。同期は西謙一騎手です。仲がいいとか。

 仲いいですよ。あっちの方が先にどんどん進んでいってるんで、俺は追いかけるほうかと。

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帯広市職員のミルキーと

--- ではプライベートについて教えてください。普段は何をしていますか?

 そうですね……特に何もしてないですね。厩舎の仕事して、一人で買い物行ったり、厩舎の友達とかとご飯食べに行ったり。グルメってわけじゃないですけど……オススメですか? 焼肉の羅山(西1南10名門通り)とか……ほんっっとうに美味しいです。
 彼女っすか??……いないっすね。好みのタイプですか……(長く考え込む)

--- えっと……好きになった人がタイプとか? 競馬場は元気な女性が多いですよね。

 そーですねぇ……(更に考え込む)
 出会いはあまりないですね。競馬場で? それはちょっと……無理ですね。無理でしょ……(声が小さくなる)

--- 川崎に遠征に行った時、人気だったと聞きましたよ。

 川崎には2年行きましたからね。ちょっと名前が知れたかなと。ハハハ……。
 似てる騎手がいるって言ってました。
 平地の競馬場で騎手服着て歩いてると、コスプレみたいだったですね(笑)。
 他は笠松行きました。みんなばん馬は見たことないみたいな感じで。

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--- 背が高いですよね。手足が長いし。そうそう、普段はメガネをかけているんですよね。

 183かな?
 車の運転や、仕事中はメガネかけてます。コースの端から端くらいまでは見えるんで、レースは裸眼でも大丈夫ですね。メガネはかけたらだめらしいんで。
 レースはメガネかけなくても大丈夫なんですけど、仕事中はかけないと人の顔わからなくて挨拶するのに不便なので。

--- では最後に、ファンに一言お願いします。

 そうですね……。
 ばんえいは、平地と違って、馬について歩いて応援できるところが、すぐ目の前で一緒に見れるっていうのが醍醐味だと思うんで、そのためには競馬場にも来てみてもらった方が。
 自分も皆が来てくれるときに、レースに一つでも多く乗っているように。

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 この優しくて穏やかなところに、ファンが増えていると聞きました。
 背が高いし、彼女募集中だし、多くの女性にチェックしてほしい素敵な青年です。
 競馬に対する真面目な態度が、成績に現れる日もそう遠くないでしょう。

 さて、話題で名前の出た鈴木勝堤騎手。現在、脳髄膜腫のため療養中です。
 蔵人騎手のインタビュー後に娘婿である鈴木恵介騎手が、ジョッキーファイルに載せてくれ、と現在の状況について教えてくれました。
 勝堤騎手は2月2日に無事手術を終え、17日に退院されたそうです!
 良性とはいえかなり大きな腫瘍だったらしく、手術は8時間にも及んだとのこと。しかし腫瘍もきれいに取れて順調に回復に向かっているそうです。お兄さんの鈴木邦哉調教師の前で手を開いたり閉じたりと、術後も手足がきちんと動いているようですよ。
 復帰は来年度、しかもうまくいけば4月の能力検査から乗れるのでは、と!! 恵介騎手も「俺は乗れると思うよ」と自信を持って答えてくれました。失礼ながら「体が動くようになったとしても、騎手としての体の鈍りは?」と聞きましたが、そこは勝堤騎手ですものね、全く問題ないというお答えでした。体で覚えているのでしょう。
 私もジョッキーファイルの取りになるであろう、騎手・鈴木勝堤のインタビューを楽しみにしています。


取材・文・写真/斎藤友香

今週の見どころ(2/21〜2/23)

 菊池一樹騎手が先週土曜(14日)第1レースでカイセイフィーバーに騎乗し初勝利。これで今年1月にデビューした新人騎手4名全員が勝利を挙げたことになります。同日第10レースでは長澤幸太貝羽智生両騎手がデビュー以来初の新人騎手ワンツーを決め、馬単万馬券を演出するなど、いずれも活躍しています。どうぞ彼らにあたたかい声援をお願いいたします。
 なお今週のスカパー!放送チャンネルは795chとなります。ご注意ください。

 2月21日(土)のメイン第11レースはキタキツネ特別(200万円未満)
 9頭中6頭が12月22日の3歳混合200万円未満に出走。となれば、そのレースで好位抜け出しを決め勝利したアカダケキングが中心です。前開催の白雪賞(4歳オープン)では障害で体力を使い最後一杯になってしまい7着でしたが、格上馬相手に積極的なレースぶり。それまで200万円未満では6戦連続して3着以内をキープしており、自己条件に戻るここは巻き返し必至でしょう。
 3歳重賞路線で活躍した実績馬ウメノタイショウ、すんなり行ければ強いミノルユウセンも有力。
 近走勝ち切れないもののキタノドリーマーは強烈な決め手を誇ります。展開しだいでは一発がありそうです。

 2月22日(日)のメイン第11レースに本年度重賞・特別競走優勝馬によるウィナーズカップが行われます。次週(3月1日)の重賞チャンピオンカップ(本年度重賞優勝馬限定)に出走できないメンバーによる一戦で、オープン7頭、300万円条件2頭の計9頭が出走します。
 オープン勢ではマルミシュンキが筆頭格。今季出走した重賞(ばんえい十勝オッズパーク杯、旭川記念)でともに僅差3着の実績はもちろん、スピードでも一枚上の存在です。ただ2走前は障害で気が入らずに、2歳時以来となる複勝圏外(6着)に敗退。巻き返しをかけた前走は勝ったとはいえ障害でヨレてしまうなど、まだ本来のデキではない印象もあります。
 牝馬重賞のヒロインズカップで2着があるエンジュオウカンも実力的に差はありません。
 昨年のこのレースは、人気薄の軽量4歳牝馬(プリンセスモモ、エリザベスライデン)のワンツーで馬連単3万6660円と波乱に終わりました。今年、4歳牝馬はカネヅルが出走。実績的には昨年の両馬とそん色ないだけに、一発の可能性もありそうです。

  2月23日(月)のメイン第11レースにオッズパーク賞・とかち白鳥特別(300万円未満)が行われます。
 スギノディアスは近走障害がひと息ですが、もともとは巧者だけにきっかけひとつで巻き返してきそうです。
 ホクショウドラゴンも近2走こそ大敗していますが、今季300万円未満特別で8戦4連対と実績上位だけにまだ見限れません。
 面白そうなのがハマカツ。昇級2戦目で特別挑戦です。一気に増える負担重量は心配で、相手も強化されますが、大崩れのない走りは魅力です。

2/15バレンタインカップ回顧

2009年2月15日(日)

ウィナーミミ大混戦を制す!

 15日(日)に行われたのは新設重賞のバレンタインカップ(3歳牝馬オープン)。ここは3番人気のウィナーミミが重賞初制覇を果たし、世代女王の座に君臨しました。

 やや軽めの馬場(5.1%)のなかスタートが切られ、道中は3、4度止まる流れ。各馬未経験の620キロだけに慎重に出方をうかがい、ほぼ横一線のまま第2障害を迎えました。
 最初に障害に挑んだのはコマクイン。それにやや遅れてウィナーミミ、サクラエビスが動く展開。そのなかから、ややバランスを崩しながらもコマクインが抜け出し、先頭でクリア。アアモンドグレイド、ウィナーミミがほぼ同時、2番手で追撃態勢に。以下、ワタシハキレイズキ、タワノアヤカが続き、ワタシハスゴイとスーパーコマチが並んで6番手から。
 残り30メートル標識の手前で先頭に立ったのはウィナーミミ。しかし1馬身差で続く2番手争いが大激戦で、スーパーコマチ、アアモンドグレイドが脚いろよく上昇。一瞬も気が抜けない我慢比べとなった状態で残り10メートル。まだ先頭はウィナーミミ。アアモンドグレイドとスーパーコマチが2番手で懸命に食い下がり、ワタシハスゴイも急追。結果およそ2秒の間に4頭がゴールする大接戦は、ウィナーミミに凱歌が上がりました。0秒8差2着にワタシハスゴイ、それから0秒9差3着にスーパーコマチが入線。0秒2差4着にアアモンドグレイドという結果になりました。

 現3歳世代が初年度産駒となる父インディボクサーにとっても、これが重賞初制覇。現役時代はオープンで走り、ヨコハマボーイを下すなど力のあるところを見せていました。自身は重賞への出走がかないませんでしたが、今後はウィナーミミをはじめとする産駒の活躍に期待が集まることでしょう。
 ただ、まだまだ力量に差が見られない3歳牝馬勢。今後の勢力争いのゆくえに注目したいところです。

成績はこちら
映像はこちら

松田道明騎手「厩舎でも“間違いなく強くなる”と期待していた馬。いいスピードがあるので馬場が軽いのもよかったと思います。強豪もいましたから、障害のうまい馬だから引きつけておいて、相手のミスを誘うような乗り方をしました。これからどんどん強くなっていくと思いますよ」

2/15バレンタインカップ予想 山崎エリカ

2009年2月14日(土)

ワタシハスゴイがすごいことに期待

 日曜日は3歳牝馬の重賞として新設されたバレンタインカップが行われます。ところでみなさんは義理チョコを含めて何個くらいもらいましたか? 私は10個くらいあげましたが、ホワイトデーで返ってくるのはだいたい1〜2個です(´・ω・`)。それもストレートにホワイトチョコだったりするので(ホワイトチョコは鼻血出そうになるからたくさん食べられないの)、ちょっとだけ食べてだいたい誰かにあげてしまいます。だからバレンタインが近づくといつも損をした気分になります。義理チョコ10個購入した分は、バレンタインカップで回収だわ!

 そんなこんなのバレンタインカップ。◎にしてみたいのは昨年9月のナナカマド賞で2着に好走し、その後も強い牡馬相手に大崩れしていないワタシハスゴイです。前々走のジャニュアリー特別ではタワノアヤカに先着を許しての3着でしたが、それは新春特別取り消しの影響もあったものと思われるし、タワノアヤカが転倒後の一戦となる今回は、同馬を軸にした方がベターのような気がします。

 ○には前走の若竹特別は転倒して競走中止したものの、前々走のジャニュアリー特別ではワタシハスゴイに先着(2着)し、前走を除けば昨年9月のナナカマド賞からすべて複勝圏内のタワノアヤカ。前走の転倒が致命傷なら今回は使わないでしょうし、実際にレースを見ていても馬がひっくり返るようなひどい転倒の仕方ではなかったので、そこまでの影響はないものと思われます。

 ▲には前走の若竹特別は休養明け好走の反動で障害では大きくよれ、スムーズさを欠きましたが、もともと障害巧者だけに重量増の定量戦ならプラスに転じると思われるウィナーミミ。

 あとは△に、ひと開催休ませての重量増は明らかにマイナス材料ではありますが、12月の若駒特別で◎に先着(2着)のサクラエビス。他では新春特別を勝ったイレマルリュウジンといったあたりなのでしょうが、同馬は重量が加算されての前2走が障害で手間取りすぎなので、その辺りがどうかな? イレマルリュウジンを買うくらいなら○-▲の縦目を押さえた方がいいような気がしますが、一応の買い目は加えておきます。

 ◎ (7)ワタシハスゴイ
 ○ (8)タワノアヤカ
 ▲ (1)ウィナーミミ
 △ (3)サクラエビス
 △ (4)イレマルリュウジン

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