ばんえい競馬情報局とは?

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2006年12月 アーカイブ

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今週のみどころ(1/1〜1/4)

2006年12月31日(日)

 今週は年末年始の変則日程で、1月1日から4日間の連続開催となります。2、3日には各地でトークショー等のイベントが開催されますので、お近くのかたはぜひご参加いただき、ばんえい競馬をお楽しみください。
 1日(祝・月)に行われるのは新春特別(4歳以上550万円未満)。ここは前走10着に大敗したコマタイショウに、再度期待したいと思います。近2走の惨敗から人気は落としそうですが、力比較から考えればここでも上位争いは必至。障害で詰まるシーンが多いだけに、今回はそれが課題となります。好調キープのマルミギムレットも争覇圏で、コマタイショウよりも安定度が高いのが魅力。ほかダービー馬ナカゼンスピードが大幅クラスアップで、ここに挑戦。前走2着好走のキョウエイボーイも好勝負が期待できそうです。
 2日(火)に行われるのは帯広記念(4歳以上オープン)。このレースについては別掲の帯広記念プレビューをご覧ください。
 この日の第10レースは迎春特別(4歳以上勝入220万円未満)。29日の第5レースと第6レースの勝入2度使い戦です。この路線で安定した力を見せているテンカが中心となるでしょう。重賞出走歴からすればツジノコウフク、サクラガサイタなどが上位と見られがちですが、前走ではこれらを下し、さらに6連勝中だったマルミシュンバを4着に沈めるなど、力を誇示しています。ほか、前述ツジノコウフク、サクラガサイタ、そしてナンエイテンリュウらも争覇圏です。
 3日(水)のメインレースは銀河賞(5歳オープン)。このレースについては銀河賞プレビュー(後日掲載予定)をご覧ください。
 この日の第10レースは初夢特別(4歳以上470万未満)。ここは明け4歳の2頭が中心となるでしょう。ばんえいダービーでは障害で詰まって4着に敗れたホクショウダイヤですが、本来のレースができれば、ここでも勝負圏内。ただ、そのダービーでは前半の掛かりの悪さが見られただけに、本来の調子にはないようにも見えます。それならばニシキセンプーに分がありそうで、ダービー(8着)以前はこのクラスで2連勝。ダービー時の障害の掛かりからすれば好調はキープできており、ここも早めの抜け出しからの粘り込みが期待できるでしょう。前走で大敗したコマヨシニセイは巻き返しの一戦。ほかワカテンザン、カネサテンリュウあたりまでが好勝負を演じられそうです。
 第9レースは4歳以上混合別定800万円未満。29日のワイン城特別、30日のえりも特別の勝抜2度使い戦です。ワイン城特別2、3着のギャンブラークイン、トカチタカラ、そしてえりも特別のハヤテショウリキ、タカラボーイらが出走してくれば、素直に中心視できると思います。
 4日(木)はホクレン賞(3歳オープン)が行われます。このレースについてはホクレン賞プレビュー(後日掲載予定)をご覧ください。
 第10レースは樹氷特別(4歳以上390万円未満)。30日の第8、9レースの勝入2度使い戦です。第9レース組ではニシキシャープ、エメラルド、ニシキユウのタイトル牝馬3頭、そして第8レース組ではフクノカミカゼが出走してくれば、人気の中心となるでしょう。

1/2帯広記念プレビュー

 07年最初の重賞・帯広記念(4歳以上オープン)が、1月2日(火)に行われます。基礎重量870キロの高重量戦に、オープンの精鋭10頭がエントリーしました。
 注目は前年に続く連覇を狙うミサイルテンリュウ。今季はばんえいグランプリでの惨敗(8着)以降リズムに乗りきれなかったですが、ここへきてオープン特別で2、1着と上昇気配を見せてきました。展開から見てもこの馬のペースとなりそうで、頂点を極めるためにもここは勝ちたい一戦といえるでしょう。
 相手に悩むところですが、ここはシンエイキンカイを狙ってみたいと思います。言わずとしれたオープンの常連。なかなか勝ちきれない部分もありますが、今季は岩見沢記念2着、北見記念4着と、上位争いを演じています。高重量戦の経験も豊富だけに、ここも安定した走りが期待できそうです。
 高重量戦の実績を考えればトモエパワーも浮上。経験そのものは少ないですが、岩見沢記念3着、北見記念2着と、800キロ以上の斤量で好成績を挙げています。帯広に開催が移ってから7、5着と精彩を欠いていますが、昨季の帯広開催後半では好調だったように、コース相性はさほど悪くありません。悲願の重賞制覇へ向けて期待が高まります。
 女傑サダエリコは不振が続いていますが、北斗賞で2着、ばんえいグランプリで3着、そして北見記念では3着と、コンスタントに上位入線を果たしています。全盛期から比べると見劣ることは否めませんが、上位争いを演じることは十分可能といえるでしょう。
 同じく牝馬のアンローズは、1にも2にもコース適性。大外枠を生かして、どこまで上位に食い込めるか注目されます。プリンセスサクラコは29日の出走から中3日での挑戦。強行ローテーションは好調の証明で、一発狙いが期待できるでしょう。

出馬表はこちら

【参考レース】
10/1 岩見沢記念(勝ち馬:アンローズ)
11/26 北見記念(勝ち馬:アンローズ)
12/9 狩勝特別(2着:ミサイルテンリュウ)
12/17 師走特別(勝ち馬:ミサイルテンリュウ)
12/23 サホロ特別(勝ち馬:タケタカラニシキ)
※狩勝特別、サホロ特別以外の映像はこちら

レース回顧(12/29~12/30)

2006年12月30日(土)

 29日(金)に行われたワイン城特別(3歳以上800万円未満)は、圧倒的1番人気に推されたエビスオウジャが優勝。先週の混合別定800万円未満に続き2連勝としました。やや遅れて第2障害に挑んだエビスオウジャは、ひと腰でこれを越えると滑るように脚を伸ばし、楽な手ごたえのままゴールしました。障害からゴール前まで続いた2着争いは、ギャンブラークインがわずかに先着。3着トカチタカラとなっています。
 第10レースに行われた3歳以上オープンの一戦は、2番人気のホクショウファイトが優勝。前走一線級を相手に2着に食い込んだ実力を、いかんなく発揮しました。第2障害を早めの仕掛けからひと腰でまとめたホクショウファイトは、徐々に後続に追い上げられる厳しい展開。しかしこれをなんとか振り切ってゴールを果たし、底力を見せつけました。きわどくなった2着争いは1番人気のプリンセスサクラコが制し、3着にホシマツリが入線。
 30日(土)のメインレースはえりも特別(3歳以上650万円未満)。このレースは単勝5番人気のユウセイマーチが、2番手から抜け出して快勝しました。第2障害はタカラボーイが先頭で越え、ユウセイマーチは2番手から。しかしタカラボーイが残り30メートル付近でストップし、その隙にユウセイマーチが先頭に躍り出ました。態勢を立て直したタカラボーイ、そしてハヤテショウリキも追ってきましたが差は詰まらず、そのままユウセイマーチが逃げ切りました。2着にハヤテショウリキ、3着タカラボーイ。

これまでのダイジェスト映像配信が廃止となったため、今後はオッズパーク提供のものをご利用ください(非会員でもご利用いただけます)。

やっぱり馬が好き(第29回)  旋丸 巴

2006年12月29日(金)

思いがけず出会った幸せ

 全国の皆さん、本当に、本当に、本当に、有難うございました! もう既に、矢野さん、斉藤さん、古林先生が喜びのコメントを載せているので、今更、私がコメントするのもオマヌな話だけど、本気で「九割九分ダメ」と思っていた存続がかなって、しみじみ嬉しいのですよ。そして、皆さんへの感謝の気持ちが後から後から沸きあがるのですよ。

 なので、まずは何をさておいても、全国の皆々様に心より御礼申し上げるのである。

 いや、しかし、それにしても、である。本情報局の執筆人の活躍は素晴しかった。手弁当で東京から幾度も帯広競馬場に駆けつけて活動してくれた矢野さん。札幌で署名活動を繰り広げた古林先生。海外出張に飛び回りながら徹夜で提案書をまとめてくれた斉藤さん。いやいや、御三方共、他にも、もっと色々な活動をされていたのだけれど、そのバイタリティーには恐れ入るしかなかったし、それだけ、ばんえい競馬を愛して下さっているということを再確認できて、本当に心強かった。

 この御三方を始め、全国の皆さんに後押しされる勢いで、私も10月下旬以来、無闇に走り回っていたけれど、そんな中で思いもかけない「幸せ」にも出会えて、やっぱり「情けは人のためならず」よね~。

 その「幸せ」というのが、色々な人々と出会えたこと。その一人一人を掲げていたら、それでなくても長い拙文がエンドレスになってしまうので、断腸の思いで、お一人だけに絞れば……。

 西弘美騎手! この方とお知り合いになれたことが、この上なく、素晴しく、メッチャ、嬉しかったのである。だって、ですよ。西弘美騎手と言えば常にリーディングの上位で活躍する名手。そんな方と近しくお話できるなんて、これを僥倖と言わずして何という。

Nishi  西騎手と会ったのは、12月4日、帯広市内での街頭署名の場で。そこで、あの御馴染みのトリコロールの勝負服に身を包んだ姿を見つけたから、矢も立てもたまらず声をかけさせてもらった。

 何と言っても一流騎手の西さんであるから、最初はこわごわ挨拶をさせてもらったのだけれど、話してみれば西さんの何と優しいこと。坂本騎手も紳士だけれど、西さんは更にソフトで、数分もしないうちに旧知の友達と話しているような気分になった。

 けれど、私が驚いたのは、その人当たりの良さだけではない。この名手、何たって背が高いのである。

 「そうだね、騎手と名の付く人間の中では、ばんえいの騎手が一番背が高いだろうね」と、微笑む西さんの顔を背の低い私は仰ぎ見ながら、知り合いの新聞記者にねだって写真を撮ってもらった。

 12月4日と言えば、「ばんえい競馬廃止」の大々的に報道されていた最中。そんな危機的状況で、こんなミーハー写真を撮ってもらっていたのだから、自分ながらどうかと思うけど、逆を返せば、こんな一幕でもなければ、とてもやりきれなかった。それほど辛い時期でもあったのである。

 寒風吹きすさぶ帯広市内での署名活動も終わり、別れ際、私は西さんに声をかけた。

 「明日からのレース頑張って下さいね。西さんの馬券買いますから儲けさせて下さいね」

     *      *     *

 翌日、帯広開催第1日目。競馬場に駆けつけて第2レースのパドックにかじりつけば、昨日、記念写真を撮らせてもらった西さんが……。約束通り、西さんの馬の馬券を買おう、と決心して、しかし、そこで魔がさした。パドックから本馬場に向かう馬達の中に、尾花栗毛の可愛い馬が悠然と歩いて行く。

 「む、私好みの馬」

 そのままフラフラと窓口に向かった私が買った馬券は……、西さん騎乗の2番ではなく、「私好みの8番」の単勝。

 賢明な読者諸氏なら、もう結果はご推察されただろう。そう、西さんの完勝。お約束のように私は馬券を外した。

 「でも、次のレースにも西さん出てますよ」と慰めてくれたのは、昨日、前掲の写真を撮ってくれた記者氏。それなのに私ったら、「いや、いかに名手でも、まさか2レース続けて勝たないでしょう。次は人気薄だし」と、またまた、西さんを裏切って、他馬の馬券を勝ったのである。

 ま、ここまで書いたら結果は言うまでもないでしょ。はいはい、ご明察。西さんは、人気薄の馬で見事1着。単勝1500円ほどもつけたのだから、嗚呼!!!

 「そういう不義理なことをするから。ははは」と古林先生に笑われ、しかし、言われるまでもない。私のバカバカバカ~!!

     *      *     *

 それにしても、である。パドックでの西騎手は前日の柔和な印象とは一変。実に実に凛々しく、厳しく、精悍であった。そうそう、この顔が競馬場での西さんのお顔、と、ひとりごちて、柔和な日常と、気迫の勝負当日と、そのメリハリの付け方の厳しさに、改めて、一流騎手の「凄さ」を実感させられた。

     *      *     *

 西さんのご子息が騎手試験に合格した、というニュースを聞いたのは、それから間もなく。20歳の西ジュニアが、どんな方なのか、私は知らないけれど、きっとお父さん同様、優しさと厳しさを兼ね備えた名手になられることだろう。

 名人の域に達した父と、その血を受け継ぐ若鷹、二人の競演は来年度から。

 そんな素敵な対決が見られるのも、ばんえい競馬が存続したからこそ。いや~、改めて、ばんえい競馬が存続して良かった。本当に良かったね、皆さん。

今週のみどころ(12/29〜12/30)

2006年12月28日(木)

 以前お伝えした鈴木勝堤騎手の通算2000勝達成に続き、先週は2名の騎手が区切り勝利を挙げるなど、記録ラッシュが続いています。23日(土)の第6レースでカワノダイセツに騎乗した藤野俊一騎手が通算1500勝を、そして24日(日)のばんえいダービーではナカゼンスピード騎乗の藤本匠騎手が通算2500勝を達成しました。藤本騎手はばんえい史上3人目となる快挙、そして藤野騎手はリーディング争いで暫定トップに躍り出るなど、両者とも素晴らしい活躍を見せています。そのリーディング争いでは鈴木勝堤騎手も僅差で続いており三つ巴の様相。今後も目が離せそうにありません。
 29日(金)のメインレースはワイン城特別(3歳以上800万円未満)。北見開催から徐々に調子を上げ、帯広の3戦すべてで馬券に絡んでいるエビスオウジャが中心となるでしょう。相手関係からいっても有利なメンバー構成で、ここも先行抜け出しが期待できそうです。800万クラス2組で好走してきたギャンブラークインも、このメンバーなら中心視できます。3走前はオープン馬を相手に2着、前々走の日勝特別はエビスオウジャ(2着)の僅差3着に健闘しているだけに、実力ではヒケを取りません。ここも期待の一戦でしょう。ほか、底力あるライジングサン、昇級初戦となるトカチタカラにも注目。カツテンリュウやキングシャープの一発にも期待したいと思います。
 同日の第10レースは3歳以上オープンによる一戦。本来ならプリンセスサクラコを本線に取りたいところですが、帯広に移ってからの成績から、あまり強気にはなれません。ならば、前走は軽視されすぎた印象のホクショウファイト、力あるヤマノミントあたりが中心視できそうで、オープン返り咲きのホシマツリ、ホクリュウイチにも期待できそうです。
 30日(土)に行われるのはえりも特別(3歳以上650万円未満)。混戦が予想されますが、ここはタカラボーイの堅実さに期待したいと思います。北見開催を勝利で締めくくり、帯広では2戦を消化して5、3着。その前走は、優勝がエンジュダイヤ、2着カネタマルと、格上位の2頭には先着を許しましたが、きっちり3着を確保。今回のメンバーは各馬とも強調材料が少なく、それだけにこの馬の堅実さが発揮されると思います。ほか、前走800万との混合戦で3着に食い込んだハヤテショウリキに加え、ユウセイマーチ、トミサトクイーンらの巻き返しにも期待できるでしょう。

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