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馬券おやじは今日も行く(第28回)  古林英一

ばんえい再生へ

 全国津々浦々のばんえいファンのみなさん、なにはともあれ、まずは万歳を三唱いたしましょう。ご唱和、お願いいたします。よろしいでしょうか?では……

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 いやあ、奇跡は起きました。9回裏ツーアウトランナーなしという状況から、逆転サヨナラ勝ちというところだろうか。神はわれらを見放さなかった。

 11月下旬、廃止報道が大々的になされるなか、帯広から伝えられた情報は「帯広市長はまだ廃止を決断したわけではない」というものだった。正直なところ、小生、くらーい気持ちながらも、このまま座して死を待つわけにはいかないと思ってたところ、帯広で存続に向けた署名活動が始まったということで、ほんじゃワシらもやるべということで、ささやかな署名活動を札幌でやったのである。今回はそのお話である。

 そもそも、この札幌での署名活動、小生がやったというよりも、「ばんばのいる風景」で、きれいな写真を見せてくれているユカさんと、わが「北海学園大学競馬サークルVIP!」の学生諸君がやったというほうが正しい。最初、Aiba札幌駅前で署名活動をさせてもらったのだが、そのとき、とりあえず何か団体名があったほうが体裁いいわなあということだけで、突然誕生したのが「ばんばを愛する札幌市民の会」という団体である。名前も既に帯広で「ばんばを愛する十勝の会」が発足していたので、これをちょいとパクらせてもらったという、まことにもって安直な団体なのである。

 まず、Aiba札幌駅前で12月2~4日のばんえい開催日に署名活動をやった。3日は小生帯広に行っていたので現場にはいなかったのだが、ユカさんの交遊関係から、ホッカイドウ競馬所属の日本一の美人ジョッキー(小生、ほんとに日本一だと思っているからね)笹木美典騎手も来てくれたりした。

 「ばんえいなんか無くなった方がワシの懐具合のためにはいいかもしれんがなあ」といいつつも存続嘆願の署名をしてくれたおっちゃん達、本当にありがとう! これで、おっちゃん達の楽しみが減らなくて済んだなあ。また、Aiba札幌駅前で「○○の馬鹿たれがあっ!」と一緒に騒ごうな(○○には適当な騎手の名前を入れて読んでください)。

 続いて6・7日と大通公園での街頭署名。これには調騎会から服部会長をはじめ、鈴木勝堤騎手ら10人ばかりの騎手が勝負服で参戦。雪は降るし、ほんとに寒かった。実はこの街頭署名では本物の馬を連れてくるプランがあったのだ。それがなぜ実現しなかったのか? その責任は偏に小生にある。話が長くなるので、この話は次回にということで。

 実は、小生、この街頭署名では腹黒い陰謀を秘めておったのだ。なんせ、寒い。小生、一人だけ寒さから逃れてぬくぬくと活動する秘策を持っていたのである。名付けて「リッキー作戦」。今回、お馴染みリッキーの着ぐるみが登場した。そこで、「まあ、しゃあないなあ、ほんじゃワシがはいることにしよう」なんぞと勿体付けて、リッキーに入って一人寒さから逃れるつもりだったのである。2日目、チャンス到来。リッキー交替という場面で「それではワシが……」と入ろうとしたそのとき、「○×新聞なんですけど、代表ということでお話を」なんぞという記者が。報道ステーションで放映された翌日でもあり、まあ、取材が続く続く。なんせ、とりあえずの団体で、代表といっても単に小生が年くってるからという理由だけの代表だからねえ(^^;)。かくしてリッキーにはいって一人寒さから逃れようという野望は潰えてしまった。人間ズルはできないもんである。

 街頭署名こぼれ話その2である。

 さすがは勝負師。誰のことか。鈴木勝堤騎手のことである。署名集めるのがうまいっ! その秘訣は位置取りにあると小生はみた。たくみな位置取りで次々と署名を獲得していく。うーん、さすがである。「報道ステーション」で「わしらウマのことしか知らんから」なんぞと謙遜していた勝堤さんだが、なんのなんの、セールスマンになってもリーディングを争えると思いますよ、きっと。とはいえ、わしらが見たいのはセールスマン勝堤ではなく、ジョッキー勝堤である。来年も勝堤さんたちの勇姿を競馬場で見ることができるのはまことにもって慶賀すべきことである。

 とりあえず、来年もばんえいを楽しむことができる。でも、楽観はできない。どうすれば、子々孫々ばんえいを楽しめるのか、みんな一緒に考え、行動しようね。

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