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馬券おやじは今日も行く(第8回)  古林英一

お引っ越し

 6月18日にはじまり、8開催48日間に及んだ岩見沢開催は、小生の愛してやまないアンローズの岩見沢記念連覇で幕を閉じた。レースはアンローズとサダエリコの牝馬2頭で決まり、馬券的にもまことにもって気持ちよいレースであった。王者スーパーペガサスがまさかの敗退となったのであるが、「女刺客」が今年のトレンドということか。

 さて、北海道はここのところ急速に気温が下がり、あれだけ暑かったのが嘘のようだ。今週からは北見開催である。トレーニングセンターのないばんえい競馬では、開催場替わりは「お引っ越し」の季節でもある。春の旭川、夏の岩見沢、秋の北見、そして冬の帯広へ、馬も人も広い北海道を季節に応じてお引っ越しだ。馬と人だけではない、調教用ソリや家具などもまとめてのお引っ越しだ。そういえば、岩見沢の馬場に並んでいた調教用ソリもすっかりなくなっている。

 岩見沢の最終日(10月3日)、お引っ越しの様子をみせてもらうべく、岩見沢競馬場の厩舎エリアにお邪魔した。みなさんさぞや忙しくしておられるかと思っていたのだが、まだレースが終わっていなかったせいか、思っていたほどの喧噪はなく、案外静かなものだ。

Photo_4  岩見沢の厩舎エリアはパドックの後方から坂を下っていったところにある。現在の岩見沢競馬場は1976年に完成した(現在地への移転は1965年)ものだ。当時は地方競馬場のスタンドとしてはたいへんに大きなものだったという。故中西関松氏の奥様にお話をうかがったときにおっしゃっておられた話だが、昔は岩見沢開催のときには仮設の厩舎をつくって馬を繋いでいたという。ところが、この馬の繋用地がとんでもないところで、雨が降ったりすると泥沼になってたいへんだったそうだ。それに比べれば今の厩舎は立派なものなのだろうが、それでも見るからに年季モノの建物も多い(写真)。

A_2  厩舎村のあちこちに大型トラックがとまり、さまざまな荷物が積まれている。われわれの引越と違って重量物が多いので、トラックにはクレーン付きのものが使われる(写真)。引越のトラックは厩舎がそれぞれに手配する。えさ屋さんのトラックだったり、運送業者のトラックだったり。青森ナンバーや秋田ナンバーのトラックもちらほら見える。輓馬の世界が東北地方との強いつながりを持っていることが実感される。

C_2  家財や馬具の輸送は小型トラックだ(写真)。衛星放送受信用のアンテナもとりはずされている。すべてが馬と一緒に旅するのがばんえい競馬である。

  

Photo_3  旭川から北見というのが最も長い移動だ。高速を使っても5時間くらいかかるという。馬も人もほんとにご苦労様といいたくなる。朝早く出発することが多いようだ。途中ちょいと立ち寄った山田厩舎ではすでに馬の半分くらいは先に北見に行ったそうだ。どこの厩舎もすでに馬房は閑散としている。最終日に出走した馬もぽつんと寂しげに繋がれている(写真)。

 今は岩見沢の厩舎を使っているのはばんえい競馬だけだが、旭川の場合は今でも道営ホッカイドウ競馬とばんえい競馬の両方が厩舎を利用している。先日、こちらももうすぐ開催地替わりのホッカイドウ競馬旭川開催を観戦し、田部和則厩舎におじゃまし、田部師の奥様と世間話をしていたときにうかがった話をひとつ紹介しよう。

 田部師の奥様は秋に旭川の厩舎を引き払う際、きれいに掃除して、トイレにトイレットペーパー、台所にボックスティッシュをおいていかれるのだそうだ。すると、翌年、やはり同じようにきれいに掃除された厩舎には、トイレットペーパーとティッシュがちゃんとおかれているのだそうだ。お互い顔も名前も知らないどうしだが、ちょっと心温まる話ではある。

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