中山光を中心に若手に注目したいシリーズ!
川口オートはナイトレースが連続で開催。前回は中村雅人の優勝で幕を閉じたが、その中村は昼間のSGに出ていて今回は不在。S級とA級の上位がいない今回は、優勝を虎視眈々と狙う選手が点在。その中でも注目の選手を挙げていく。
まずは中山光。前年は4連続優勝を遂げるなど目覚しい活躍を見せた。今年に入ってからも前々走の伊勢崎で優勝。その後の川口ナイトレースでは初日に被害があって落車。ただ、2日目は試走29の上がり376で白星。落車による悪影響はなさそうだった。今回出場する中ではスピード上位。今年2度目の優勝に向けて初日から爆走する。
勢いがあるのは野本佳章。前走の地元では初日から連勝を決め優出。その優勝戦では4着となってしまったが、自身初優勝を決める日は近そう。その同期の上和田拓海は1級車に乗り換わってから真価を示している。お正月の5日間開催で完全優勝を決め、その後も素晴らしいタイムを叩き出し続けている。今回も優勝候補に挙げられる。
若手で言えば稲川聖也も楽しみな存在。前走は3走中、白星が2本。ハンデ位置を生かしての好走が目立っている。まだ優勝の経験はないが、そろそろ初栄冠にも手が届きそう。その同期の交川陽子も近況は好調。前走の地元3日間開催では全て2着だった。0ハン単騎に置かれた時は特に注意が必要だ。
SG3Vのパワーを取り戻しつつあるのは山田真弘。前走の伊勢崎GIIでは初日から3連勝を決めていた。準決は3着で優出はならなかったが、最終日も2着に入り、シリーズを通して車券に絡めていた。そのGIIでは竹本修も見せ場を作っていた。後半は失速したが、初日から連勝を決めるなど活躍していた。
前走の川口5日間開催で初日にフライングを切って早々と失権になった相馬は、5走して全て1着。エンジンの仕上がりの高さを見せつけた。今回もスタートは無理できないが、レース後半に浮上できるエンジンとメンバー構成だ。スピード面では高塚義明にも注目。エンジン調整には難があるが、仕上がった時は高速レースを展開する。
牛沢和彦や柴山信行、篠崎実は堅実な攻めが特徴の選手。どちらかと言うとスローなレース展開になると、しっかりした差しで浮上の機会が増える。
※2月18日時点。当日は欠車などにより、メンバーが変更になる可能性があります。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
中山 光〔川口 A-57(32期)〕
牛沢 和彦〔川口 A-70(20期)〕
高塚 義明〔川口 A-119(29期)〕
上和田 拓海〔川口 A-136(34期)〕
山田 真弘〔川口 A-149(24期)〕
稲川 聖也〔川口 A-157(33期)〕
相馬 康夫〔川口 A-232(25期)〕
野本 佳章〔伊勢崎 A-230(34期)〕
第34回SG全日本選抜オートレースが開幕!
2021年最初のSGは全日本選抜。今回は浜松オートで行われる。今のオート界はスピードレースが主流で、今回も冬場開催とあって、かなりの高速バトルが展開されそう。現在のところ、この大会は鈴木圭一郎が4連覇中。その記録を伸ばせるのか、それとも阻止する選手が現れるのか。
その鈴木圭は今年ここまで2節を消化した。まだ優勝はないが、前走の飯塚GIでは優出し4着。良走路なら試走23~26のタイムで安定しており、エンジン面は全く心配ない。今回は大会5連覇へ向け気合が入るところだが、ただ一点、気がかりなのは飯塚GIの優勝戦でフライングをした事。集中力が必要とされるSGのスタート争いで、その影響がなければいい。
優勝候補の筆頭は青山周平。今年はここまで3節を消化し、優勝2回、準優勝1回。その準優勝以外の10走は全て1着で、エンジンの安定感は尋常ではない。もっと言えば、準優勝で2着だった時はスーパーハンデからの競争だった。SGではさすがに通常のハンデに戻るだろうから、レース展開はグッと楽になる。よほどの事がなければ優出、そして優勝を決め、SGグランドスラムを目論む。
近況のSGでこの両者に割って入っているのは荒尾聡と伊藤信夫。荒尾は今年4節を消化し、3回の優出。その内、優勝が1回、準優勝が1回、3着が1回。出走する半分以上は1着で、高位で成績がまとまっている。最近ではスタート一発のレーススタイルだけでなく、追い込むレースでも地力を増している。伊藤信は昨年のオートレースグランプリで久々のSG優勝を決めた。今年に入ってからは4節消化し、優出2回の内、優勝1回、もう一つは前走の伊勢崎GIIで優出5着だった。この5着は8枠からのレースで厳しい展開を強いられたが、準決までは7連勝を決めており、エンジンはかなり高い位置にある。
今年に入ってから王者復活を印象付けているのは高橋貢。今年は4節消化して全て優出し2回の優勝。その内GIとGIIでの優勝もある。勢いとしては青山に次ぐモノがあり、2017年以来のSG優勝に期待がかかる。高橋貢が優勝した伊勢崎GIIで準優勝だったのは松尾啓史。エンジンの変動が穏やかな方で、今は好調期に入っている。不安視されているスタートも一定の改善が見られた。その優勝戦で4着だったのは木村武之。近年は記念タイトルから遠ざかっていたが、昨年はGIとGIIで優勝しており、復調の兆しが出ている。
実力どころで言えば中村雅人、永井大介、佐藤摩弥などの川口勢。中村は前々走の地元で優勝すると、その後のナイトレースでも優勝していた。佐藤摩はエンジンがやや変動気味。それでも並以上になれば、短ハンデ戦で武器となるスタート力を発揮してくる。永井もエンジンが仕上がらない事が多く、苦しいレースも多いが、試走タイムが出てくれば爆発的な走りを見せてくる。
少しずつ調子が上がっているのは浦田信輔。前々走の地元では準優勝だったし、前走の伊勢崎GIIでもそこそこの走りをしていた。その同期の佐々木啓は、エンジン面はおおむね良好。後はスタートでどこまでの位置取りができるかだけ。
※2月18日時点。当日は欠車などにより、メンバーが変更になる可能性があります。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-3(27期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-4(22期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-5(23期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-8(23期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-10(31期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-12(24期)〕
永井 大介〔川口 S-13(25期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-20(26期)〕
好調な選手を狙い撃ちしたい!
飯塚オートは昼間開催からのリレーシリーズ。出場する選手は、直前まで走っており、その時の動きが参考になる。ちなみに今回の昼間は浜松でSGが行われている。昼はSGを、夜は飯塚ミッドナイトを楽しみたい。
直前までの昼間開催で優出していたのは水本竜二、仲田恵一朗、木山優輝、中原誠、番田隆弘、井上秀則、吉松優輝で、今回のミッドナイトでも活躍が期待される。水本は安定したレース運びには定評がある。スタートは早い方ではないが、レース展開がスローな流れになると、中盤から後半にかけて番手を上げてくる。どちらかと言うとスピード戦より混戦で力を出せるタイプだ。仲田は前走からハンデが軽化。最重ハンで走るケースも多いだけに、このハンデ位置は魅力大。
逆に番田は速攻タイプ。デビューしてからスタート力を駆使した早仕掛けが得意。一時期は成績が上がらないでいたが、このところようやく上向いてきた。この流れを大切にしたい。中原は成績が安定しない傾向あるが、前走では上位着でまとめていた。本人の実力を考えれば、ハンデ的に軽い印象はあるので、チャンスどころはしっかりとモノにするだろう。井上秀はB級ながらスタートが早い選手。先頭に立ってからはインを抑えての粘り強さもある。
木山と吉松は33期で成長盛り。特に木山はスピード面で素晴らしいセンスがあり、S級にも負けない走力がある。目下の課題は捌きとなるが、それも少しずつ上達している様子がうかがえる。吉松もB級ながらA級に匹敵する力を身につけてきた。まだまだ成長の余地は大いにあるので、これからの1走1走に注目したい。
しっかりした差しを武器に上位に進出してくるのは桜木公和。スタートは全選手の中でも甘い方だが、攻めの厳しさは随一。前団が混み合っていてもインに突っ込んでいける。これは大きな武器で、展開が凝り固まっていても、自ら突破できるのは強み。S級並みのスピードがあるのは牧瀬嘉葵。前走でも初日から連勝を決めていた。ただし、準決で落車しているので、その影響があるのかどうかはしっかり見極めたいところ。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
桜木 公和〔飯塚 A-68(24期)〕
牧瀬 嘉葵〔飯塚 A-86(29期)〕
水本 竜二〔飯塚 A-110(27期)〕
木山 優輝〔飯塚 A-143(33期)〕
中原 誠〔飯塚 A-182(26期)〕
仲田 恵一朗〔伊勢崎 A-81(29期)〕
番田 隆弘〔山陽 A-164(24期)〕
吉松 優輝〔飯塚 B-44(33期)〕
誰にでも優勝のチャンスが訪れるシリーズ!
今年はすでに7節目となる飯塚オート。レースの時間帯はさまざまだが、今回は昼間の4日間開催。直後にSGが控えている関係でS級は不在。昼間でも今の飯塚走路は高速バトルになりやすい。
出場する中でランクトップは松尾隆広。前走となるミッドナイトでは優勝戦まで進んでいた。エンジンはまずまずの位置にあり、乗り手のリズムも悪くない。全天候型の対応力と強気な仕掛けで上位争いに進出するだろう。
流れが最も良いのは中村杏亮。直前のミッドナイトで自身5度目の優勝をしている。しかも、試走27、上がり332の好時計。スピードに磨きがかかっているし、スタートの切れも良い。このままの勢いで今回も活躍することは必至だ。優出後の参戦では牧瀬嘉葵もそれに当てはまる。前走の地元昼間開催で優勝戦まで進み8着。おおむね安定して試走タイムが出ていた。エンジン状態は良いとみていいだろう。
近況はエンジン変調気味だが、元の状態に戻れば鋭い突っ込みで車群を縫っていくのは桜木公和。ちょっと前までは上位着でまとめていた。桜木とは逆に、アウトを回って番手を上げていくのは田中進。ほぼインを使わない捲り攻めは迫力がある。今はエンジンが並だが、ちょっとでも上積みできれば豪快に攻め上げていける。また木山優輝もスピードがある方。同期・中村杏の優勝に刺激を受けていない事はないはず。
外来は伊勢崎、山陽、浜松から多数の選手が来場。今回出場する中で各地区トップはそれぞれ大月渉、福永貴史、和田健吾だ。大月は成績が安定しない傾向あるが、その反面勝つ時は強いレースを見せる。福永は課題のスタートが克服されていないが、レース中盤から後半にかけて巻き返してくるタイプ。今回出場する中では追い込み力がある方だ。和田はツボに入った時のパワーが売り。あっさり負けるレースも少なくないが、ここぞという時に強引な仕掛けをするケースがある。
状態が良いのは藤本梨恵。前々走で優出すると、前走では3走して全て車券に絡めていた。特に好位置からのレースとなると、スタートで一気に飛び出し大きなリードを作れる事が多い。後はレース後半まで同じスピードで走れればランクがもっと上がっていくはず。浜松の今田真輔、斎藤努、赤堀翼の3者はエンジン状態が並からちょっと上。3者とも前走の地元では頻繁に車券に貢献できていた。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
松尾 隆広〔飯塚 A-46(28期)〕
中村 杏亮〔飯塚 A-62(33期)〕
桜木 公和〔飯塚 A-68(24期)〕
牧瀬 嘉葵〔飯塚 A-86(29期)〕
田中 進〔飯塚 A-101(27期)〕
大月 渉〔伊勢崎 A-59(31期)〕
福永 貴史〔山陽 A-67(25期)〕
和田 健吾〔浜松 A-104(28期)〕
高橋貢が大会三連覇を達成!
伊勢崎オートで行われていたGIIレジェンドカップは、地元の22期・高橋貢が優勝して幕を閉じた。高橋貢はこの大会2連覇中だったが、今年も優勝を決めてみせた。
良走路で行われた優勝戦。試走タイムは高橋貢が26で一番時計。松尾啓史と木村武之が27、永井大介と伊藤信夫が28、久門徹が30、浜野淳が31、岩沼靖郎が32だった。
スタート争いだが、まずは0ハン単騎の岩沼はしっかりと残していく。10線からは浜野のダッシュが決まらず、3枠の久門が先行。これに松尾が乗っていく。木村も外枠に行かれることなく発進。そこに高橋貢と伊藤信が続き、永井は最後方からのレースになってしまった。
逃げる岩沼はペースが上がらず、久門を突破した松尾が岩沼を交わして先頭を奪取。試走タイムが出ていた松尾はペースを上げて逃げに入る。そこへ、久門と岩沼をまとめ差しした高橋貢が浮上してくる。周回を半分以上残して一対一の形になった。ここからは高橋貢が松尾との差を徐々に詰め、交わす射程に入ると迷う事なくインに突っ込み首位浮上。そのまま押し切ってみせた。2着は松尾。3着は木村の攻めを抑え込んだ久門が入線した。
やはり高橋貢は強かった。試走タイムは一番時計。これまでも記念レースの優勝戦に乗ると、一番時計を出すケースが多かった。今回も地元走路できっちりとエンジンを仕上げてきた。そしてレース。スタートが特別決まった訳でもないが、レース運びはさすが絶対王者と思わせるモノを感じさせた。周りの様子を見る場面では落ち着いて観察し、勝負所では一気に攻める。今回は岩沼と久門をまとめて差す場面がそこだった。そして一対一。慌てる事なく車間を詰め、イケると思ったら仕掛けにかかる。この判断を誤ると勝てるレースも勝てなくなってしまう。しかし、高橋貢はその辺を熟知している。だからこそ記念レースで勝ち続けていけるのだろう。