川口VS浜松の様相!
前節の川口オートは、直後に控えていたプレミアムカップの関係で主力がごっそり不在だった。そこで鬼の居ぬ間に優勝を飾ったのが石井大輔。それも完全優勝だった。今回はS級が多く参戦し、前節とはまた違ったレース展開になりそう。
地元のランクトップは中村雅人。前走のプレミアムカップではシリーズ中に1勝と寂しい結果に終わった。ただし、エンジン自体はそこまで悪くなさそうなので、メンバーが大幅に軽くなる今回は優勝戦まで進出しそうだ。
そのプレミアムカップで優勝戦まで進んだのは金子大輔。優勝戦は5着だったが、予選準決は全て車券に絡めていた。その前は地元で準優勝しており、ここにきてエンジン状態が上向いている。元々、捌きは確かな方なので、エンジン力の裏づけがある今の金子は頼もしい。その同期・佐藤貴也はプレミアムカップではもう一息だった。ただし、試走タイムは出ない傾向がある佐藤貴にしてはタイムが出ていたので、エンジン面はそれほど心配ないか。
浜松からは伊藤信夫も強力。プレミアムカップでは重走路の準決で力を出す事ができなかったが、良走路では試走27、上がり37のタイムを出すなどエンジンはすこぶる好調だった。走路温度が上昇しつつあるこの時期だが、伊藤信のスピード戦はまだまだ通用しそうだ。浜松からは他に中村友和、渡辺篤、青島正樹がS級として参戦。渡辺と青島はプレミアムカップで白星が1回あった。エンジンはそこまで悪くない。中村はレースの展開作りがうまくいかなかったが、エンジンは試走タイムが出ていたので悪くはない。
地元S級で注目は佐藤摩弥、大木光、山田達也など。佐藤摩はプレミアムカップでは、まずまずの動きを見せていた。その前の地元GIでも優出しており、今はいい流れに乗れている。大木と山田達はエンジン状態が並のチョイ上。大木には素早いイン戦に、山田達には後半の追い込みに期待したい。
前節の川口は先述の通り石井大輔が優勝したが、その優勝戦には長田稚也、早津康介、牧野貴博も乗っていた。長田はオール2着の準優勝。早津は優勝戦3着ながら3走して全て車券に絡めていた。34期のこの両者は近況の成長が著しい。牧野は冷静な立ち回りで結果を残していた。
34期と言えば上和田拓海も着実な成長を見せている。前走の地元GIではシリーズ中に3勝を挙げていた。試走タイムも30を切る数値をマークする事が多く、だいぶ1級車の特性を引き出せつつある。
※3月23日時点。当日は欠車などにより、メンバーが変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-10(31期)〕
大木 光〔川口 S-17(28期)〕
山田 達也〔川口 S-19(28期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-12(24期)〕
金子 大輔〔浜松 S-14(29期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-15(29期)〕
中村 友和〔浜松 S-26(32期)〕
1度の開催で2度楽しめるシリーズ!
特別GIプレミアムカップは、青山周平の優勝で幕を閉じた前節の飯塚オート。日を空けず、今回は4日間のミッドナイトレースが行われる。プレミアムカップからの連続出場となる選手や、そこに参加していなかった選手が織り交ざり、前節とは違いハンデ戦でのバトルが展開される。更に今回は、通常の勝ち上がりとは別に、MN(ミッドナイト)王者決定戦が予定されている。初日から3日間は第7、8RでMN王者決定戦予選が組まれ、そこでの得点上位7名が、最終日の第8RでMN王者決定戦に出場する。最終日は通常の優勝戦と、MN王者決定戦の2つのファイナルバトルが予定されている。
地元S級は26期・篠原睦、田中茂、久門徹の三羽烏に注目。篠原は前走では初日にまさかのフライング。早々と失権になってしまったが、そこからの4走は2勝を含むオール連対。エンジン面は悪くなく、前回の分まで今回にぶつけてこれる機力はある。ランク上位者としての意地を示したい。田中茂は準決までは進めたが、シリーズを通してみると物足りない結果。ただし、今回の中では実力上位なので、最後方から強烈な追い込みを見せられる。久門は前走の2日目に落車。その後は1着がなかったが、そこまで落車の悪影響はなさそうだった。
他の地元S級を見てみると、岩見貴史は前走はシリーズ前半こそイマイチだったが、後半にかけては上昇していた。東小野正道は準決7着だったが、それ以外は東小野らしい走りが見られていた。別府敬剛、重富大輔もエンジンはそこまで悪くなく、今回なら十分戦えるレベルにありそう。
外来S級で注目なのは丹村飛竜。前走のプレミアムカップでは優勝戦まで進んでいた。その優勝戦はスタートが決まらず6着だったが、準決や予選の動きを見る限りエンジンは高いレベルにありそうだった。長田恭徳は前走で初日から3着を4本重ねていた。勝ち切るまでにはもう少しだったが、エンジン的には決して悪くない状態。岡部聡、緒方浩一らは、もう少し上積みが必要な現状。
川口の鈴木清、伊勢崎の新井恵匠もプレミアムカップでは不本意な結果に終わってしまった。特に新井恵は3日目に落車があったので、状態をしっかりと立て直せられるかどうかは注視が必要。
地元のA級では桜木公和、中尾貴志が前走のミッドナイトで優出。桜木はミッドナイトで走る事が多いが、その時間帯でのセッティングが見つかっている様子。中尾はスタート一気からの早仕掛けが決まっている。松尾隆広はプレミアムカップではイマイチだったが、その前のミッドナイトでは優勝している。こちらもミッドナイト向きと言えるかもしれない。スピードレースで見せ場を作れそうなのは木山優輝、丹村司など。エンジン的にはある程度の位置にある。
外来A級では人見剛志が有力。前走の地元ミッドナイトで優勝してきた。その上がりタイムは脅威の3・335。S級並みのタイムを叩き出しているが、捌きの方もS級と変わらない技量を持っている。同じ山陽地区では福永貴史、松生信二、小栗勝太らもまずまず好調といった部類。
B級では、前々走で優勝している吉松優輝が前走でも好調をキープしていた。山本智大も前走のミッドナイトでは初日から3連勝で優出していた。どちらもハンデ的に恵まれそうなので、今回も注目を浴びるかも。
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主な出場予定選手
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篠原 睦〔飯塚 S-11(26期)〕
田中 茂〔飯塚 S-22(26期)〕
久門 徹〔飯塚 S-28(26期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-32(29期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-23(29期)〕
長田 恭徳〔山陽 S-37(32期)〕
鈴木 清〔川口 S-33(23期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-35(30期)〕
青山周平が意地で勝利を掴んだ!
飯塚オートで行われていた特別GIプレミアムカップは、伊勢崎の31期・青山周平の優勝で幕を閉じた。同大会は昨年に初制覇しており、今回の優勝で2度目のタイトルとなった。
大会最終日は重走路で競走が始まったが、徐々に走路が回復していった。それでも優勝戦の時間までに完全に乾く事なく、ブチ走路でのファイナルバトルとなった。
試走タイムは丹村飛竜が一番時計の40。次いで青山と金子大輔が41、荒尾聡が42、有吉辰也と佐々木啓が43、木村武之が46、西原智昭が49だった。
スタート争いは、5枠から有吉が飛び出して行く。最内の荒尾が踏ん張る。西原も抵抗を見せるが木村が好位に付けていく。青山はスタート決まらず4、5番手発進。外枠では金子がまずまずのスタート。
有吉の逃げでレースは展開される。これに荒尾と木村武が追走していくが、青山がまずは木村をパスして3番手に付ける。ここからの攻めは早かった。2番手を走る荒尾のインに車を向けると、そのまま先頭の有吉まで交わしてしまう。ここで青山が一気に先頭に立つ。今度は青山の逃げになる。中盤はソコソコのペースで走っているが、終盤は車速が乗らなくなる。後ろに付けているのは有吉。そして、7周2コーナー。青山がコースを外してしまい、有吉がイン、荒尾が外から襲いかかる。これに対し、青山は冷静に対処。その後は最終回バックストレッチで荒尾が青山のインを狙うが、青山が必殺の抑え込み。ゴール前で再び荒尾が伸びてくるが、青山が僅差で振り切った。3着には後半に巻き返してきた木村が入った。
このレースでは青山の執念が感じられた。トップスタートを切れなかったのはまさかの展開だったが、その後の追い込みは凄かった。特別GIで2車駆りはなかなか見られない。走路状況が不安定だった事もあるが、勝負どころでは迷わず車を押し進めていける。1回コースを外した後も、絶対抜かせない意志が伝わるような走りで封じ込んでいた。最後のバックストレッチでは小さいコース取りながら、スピードに乗って回れていた。スタート力もスピードも超一流であるのは間違いないが、勝負根性は超一流の更に上に行くのではないかと思わせる一戦だった。
普段は伏兵陣に甘んじている選手たちも今回は主役の座に!
直前までプレミアムカップが行われている関係で、今回はS級とA級上位の選手は不在。A級中堅以下とB級による戦いになるが、誰にでも優勝のチャンスが訪れ、V争いは難解なものとなる。
今回出場する中でランクトップは浅香潤。プレミアムカップに出場していないのが不思議なくらいの実力の持ち主。GI2V、GII4Vの実績を誇り、今回出場する中ではスピード上位。軽快な走りで車群を交わして行きそうだ。
ランク次位は清水卓。かつては伊勢崎で主力陣の一角を担っていたが、今ではそこまでの走力は薄れつつある。それでも武器であるスタート力を活かした速攻は魅力で、今回のメンバーなら前を叩いて一気の抜け出しもありそう。
ランク3位は鈴木将光。前走となる川口では優勝戦まで進んでいた。長らく課題だったスタートには一定の改善が見られ、今では同ハンから枠ナリ発進する事も珍しくない。レース道中は周回を重ねるごとに車速を増し、スピード戦でも混戦でも力強く突破するシーンが多く見られる。森村亮はスピードタイプ。混戦になると脆さもあるが、展開的に車間がバラけるようだとスピードに乗って番手を上げていく。新井淳は速攻タイプ。どちらかと言うと車群が密集している方が持ち味を出せる。
他に地元A級で注目なのは竹本修、谷川一貴、野本佳章など。竹本は試走タイムが並に出れば、じっくりと追って行く走りを見せる事ができる。谷川は一時期よりエンジンが上向いている。前を走る車が内を締めていても、強引にインねじ込んで行く事ができる。野本は1級車に乗り換わってからも着実に成長している。前走の浜松でも2着が2本あった。
外来勢は浜松と飯塚に注目の選手がちらほら。遠藤誠は前走の地元3日間開催で優出。優勝戦は7着だったが、初日から2連勝を決めていた。速攻派の浅田真吾もエンジン状態がまずまず。前走の地元では3走して全て車券に絡めていた。思い切った走りがある藤波直也や独走でペース上がる今田真輔なども上位進出がありそう。
飯塚勢は片岡賢児、水本竜二、川口裕司などが楽しみ。片岡は前走の地元ミッドナイトで優出。水本は今年、自身初優勝を飾ったが、その後もエンジンは高位で安定。川口は34期の中では実力上位。前走では初日に落車したが、最終日の感じからしてそこまでの悪影響はなさそうだった。
B級では、やはり34期勢が面白い。横田翔紀は前走の川口ではイマイチだったが、その前の地元では自身2度目の優勝を果たしている。飯塚の石本圭耶は前々走から1級車に乗り換わったが、2節連続で優出している。ケガでデビューが遅れた分まで取り戻す勢いを感じさせる。それに触発されて他の34期も1走ごとに成長が見られそうだ。
※3月20日時点。当日は欠車などにより、メンバーが変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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浅香 潤〔伊勢崎 A-54(23期)〕
清水 卓〔伊勢崎 A-63(19期)〕
鈴木 将光〔伊勢崎 A-64(27期)〕
森村 亮〔伊勢崎 A-73(29期)〕
新井 淳〔伊勢崎 A-76(23期)〕
浅田 真吾〔浜松 A-72(27期)〕
遠藤 誠〔浜松 A-162(25期)〕
横田 翔紀〔伊勢崎 B-64(34期)〕
石本 圭耶〔飯塚 B-93(34期)〕
青山周平がスタート一気で逃げ切るとみた!
好天の下、行われていた特別GIプレミアムカップだが、4日目は3Rあたりから降雨。準決は重走路での戦いになった。その恩恵を大いに受けた選手や、逆に力を出し切れなかった選手など悲喜こもごも。優勝戦の日はお昼に雨が上がる予報で、優勝戦の時間帯は良走路にまで回復しそう。
エンジンの仕上がりが良さそうなのは青山周平。予選3日間の良走路はオール連対で突破していた。持ちタイムで言えば佐々木啓も同じ数字を出しており、調整が合えば機力は互角。他はそれほど差のない状態。
0Mオープン戦で肝心のスタート争いは、青山が先行するとみた。これに荒尾聡が続いて行く。西原智昭も今節はスタートの切れが良く、3番手発進まで望める。他はスタート力ある有吉辰也、木村武之がまずまずの位置に付けるか。金子大輔、佐々木、丹村飛竜は苦しくなりそう。
レース展開だが、トップスタートを切るとみている青山の逃げから始まる。今節の仕上がりから言って、青山を追って行ける選手は不在。仮に当日、青山のエンジンが仕上がりを多少欠いても、コースを守っての抜かせない走りで後続を封じ込めるだろう。よって、当ブログでの本命には青山を挙げる。
相手は荒尾。もしかしたら青山より先に出るかもしれない。そうなった場合は走り慣れている地元走路で軽快な逃げを見せる。そうでなくても近況の荒尾は、レース道中に巻き返して行くシーンが何度も見られているので、先頭を走る青山の隙を突いて、インに潜り込んでいくかも。
次に木村。今節は全てのレースで車券に絡む安定感を見せており、スタート後の位置取り次第では大駆けもありそう。そして佐々木。佐々木の場合はレース序盤で好展開を望みにくいが、エンジン状態は上位。8周回になる優勝戦は佐々木にとって有利に働くだろう。最後に有吉。かつての勢いを取り戻しつつあり、枠順不問の強烈スタートが決まるようだと、川口GIに続いて今年2度目の記念制覇があるかも。
◎青山周平
○荒尾聡
△木村武之
△佐々木啓
▲有吉辰也