丹村飛竜が悲願のGI初制覇!
4日間、天気に恵まれたGI開設記念グランプリレースは、優勝戦の日も快晴。レースも良走路のもとで行われた。試走一番時計は鈴木圭一郎と丹村飛竜の26。次いで、高橋義弘と木村武之の28。山田達也、浜野淳、永井大介が29。古木賢は31と、やや数字を落とした。
レース展開のカギを握るスタート争いだが、まずは2枠から高橋が飛び出す。そこに古木と浜野が乗って出た。一番人気の鈴木は6番手発進となった。しかし、1周3コーナーでいきなり大きな波乱が待っていた。
3番手以下の混戦の中で、浜野が前を走る永井に追突しそうになり車のコントロールを失って落車。その後ろに付けていた鈴木も被害があり落車。木村も大きな不利を受け、ほぼ戦線離脱状態。
トップスタートを切った高橋に、古木がやや離れて追走していたが、その後ろから超抜マシンを駆って追い込んでくる選手が一人。丹村だった。丹村は1周バックストレッチでは最後方に付けていたが、山田のひと滑りで番手を上げ、更に先述の事故のインコースを回り、一気に3番手まで浮上していた。前を走る選手は古木と高橋。試走タイムが表すとおりエンジン差をバックに、落ち着いて攻めていった。古木をパスすると、高橋とマッチレースに。後ろに付けて2周ぐらいは直線で高橋に離されていたが、冷静に抜く態勢を整えると、綺麗に捌いていった。2着には高橋が残り、古木は健闘し3着。試走イマイチだった永井は凡走に終わった。
丹村は、これが嬉しいGI初制覇。記念レースは昨年にGIIを制している。今期は初めて山陽でランク1位になるなど、このところ躍進が目立っている。元々あったスピードに捌きが着実に身についてきた形。雨走路でも実績を残している。あとはスタート。この優勝戦でも8番手からのレースになったように、スタートに課題を残している。それさえ完全に克服されれば、SG戦線でも十分通用するポテンシャルを秘めている。スタートが良化した時、それは丹村にとってSGを初制覇する時である。
鈴木圭一郎が完全Vを狙い激走!
川口のGI開設記念グランプリレースも優勝戦の日を迎えた。連日、好天に恵まれ優勝戦の日も天気は良くなりそう。しかし、4日目の準決では9Rから波乱が待っていた。
1回目のスタートで2車が同時にフライング。斎藤撤二と青山周平だ。これにより2人は勝ち上がり権利を喪失。10Rでは、29期3車が前団を形成し、高橋貢が仕掛け所をなくしてしまった。11Rでは、単独0ハンの岡谷美由紀がフライング。連日、健闘していただけに残念な結果に。レースは永井大介と浜野淳が順当に入線。そして、12Rでもフライングがあった。1号車の佐久間健光。準決からハンデ重化していただけに、スタートに賭けてきたか。2回目のスタートは古木賢が先行も鈴木圭一郎が追いきった。
3日目まで古木が最重ハンの10M前だったこともあり、優勝戦は10Mオープン戦。さすがに0オープンにはならなかった。となるとスタート予想がだいぶ変わってくる。0オープンに比べて10Mオープンなら内枠が断然有利。
スタートは古木が先行するとみた。その外枠もほぼ枠ナリスタートになりそう。レース展開は、まず古木がどこまでペースを上げられるかが焦点になる。近況はスピードに磨きがかかってる古木だが、記念の優勝戦はこれが初。緊張しないで自分の力を余すことなく発揮できるかどうか。続いて出て行く高橋義弘もスピードは十分だが、準決で丹村飛竜にやられている点が気がかり。
当ブログでの本命には鈴木圭を推す。10Mオープン戦で、木村武之や永井大介の外からのレースはいかにも厳しく見えるが、エンジンの仕上がり的にはズバ抜けている。道中の捌きもキレを増しており、各車の態勢が整う前の序盤で好位置にまで潜り込んでいきそう。8周戦は、最も若い鈴木圭にとって大きなアドバンテージ。最後まで疲れることなく走りきろう。
相手には永井を挙げる。10Mオープンの7枠と、厳しい位置だが永井らしいカマシが決まれば一気に上位浮上の可能性もある。準決の上がり時計は鈴木圭を上回っていたので、先手先手の攻めができれば優勝も十分だ。次に、怖いのは木村と浜野。スタート位置的には楽ではないレース展開だが、大舞台での経験を生かして上位に進出してくるか。一発に注意したいのは丹村。スピードに加え、イン差しにも自信を付けており、終盤の追い込みに注意したい。
◎鈴木圭一郎
○永井大介
△木村武之
△浜野淳
▲丹村飛竜
各地区から強豪集結でボルテージは最高潮!
今回の川口GI開設記念は、全国から強力な選手が参戦し、その技量が争われる。「圭一郎イヤー」となった2016年は、鈴木圭一郎がこの大会を制したのをキッカケに、快進撃が開始されていった。今回の大会ではどのようなドラマが待っているのか。
その鈴木圭一郎の前走は地元のGI。準決5着になり、優勝戦には進めなかったが、それ以外の4日間はオール連対。最終日も試走25出ていたので、エンジン的には心配ないか。今年はまだ優勝がないが、昨年同様、この大会からギアを上げていきたい。
近況の動きが充実しているのは浦田信輔。前走の地元3日間開催で完全優勝。更に、その前の伊勢崎GIIも制しており、連続優勝中。今年はここまで6節を走り、全て優出している。代名詞である「安定感」を遺憾なく発揮している。攻めの強烈さに加え、最近ではスタートの切れが良くなっている。
地元は若井友和が絶好調。近況の川口開催で連続優勝を決めている。地元走路に関しては相当の自信を持っているので、今回も初日から怒涛の攻めを見せてくれそう。同期の永井大介、斎藤撤二も動きは悪くない。共に若井が優勝した優勝戦に乗っていたし、試走タイムも良く出ている。
地元S級陣では他に、山田達也も地元の優勝戦に乗っていたし、池田政和も伊勢崎のGIIで優出していた。落車してから近況イマイチな加賀谷建明は、飯塚で記念を制するなど今年の流れは悪くない。黒岩明、森且行、中野憲人、佐藤摩弥らは状態イマイチ。大木光、佐藤裕二、高橋義弘はマズマズで、今回も通用するレベルを保っている。
全国ランク1位の青山周平は、今年に入りまだリズムに乗れていない。乗り替わってから以前の圧倒的な走りが見られてない。それでも徐々に上積みをさせてくるだろうから、完調になるその瞬間は逃したくないところだ。伊勢崎勢は、青山より高橋貢の方が勢いあるか。前走は地元のGIIだったが、準優勝の結果を残していた。今年走った3節は全て記念レースで、強豪との戦いに体が慣れている。西原智昭、新井恵匠らも状態はソコソコ良いので、注目していきたい存在。
浦田が優勝した飯塚のレースで他に乗っていたのが木村武之と鐘ヶ江将平と井上智詞。木村は変わらぬ総合力の高さを示しているし、鐘ヶ江は伸び盛りっぷりを発揮している。井上も車の伸びが良く、最重ハンの30M前から走れれば連に絡める状態。
山陽勢は岩崎亮一が近況の成績は良い。前走は今回と同じ川口走路。その時は優出できなかったが、成績としてはまとまっていた。その前の伊勢崎GIIでは優出し3着の結果だった。
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主な出場予定選手
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永井 大介〔川口 S-8(25期)〕
若井 友和〔川口 S-14(25期)〕
池田 政和〔川口 S-16(23期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-3(32期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-7(23期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-18(29期)〕
地元勢は手薄で外来勢にチャンス!
鈴木圭一郎、木村武之、佐藤貴也がこの開催の直後の川口GIに参戦、金子大輔は長期離脱で地元勢は主力を欠いている。逆に、外来勢は前走で優勝戦まで進んだ選手が多数あり、配置図は地低外高。地元勢は奮起したいところ。
まず地元S級陣から。ランクトップは青島正樹。前走の地元GIでは、優勝戦までは行けなかったが、3日目までは車券に絡む活躍を見せた。エンジン状態としては中のやや上か。一般開催なら通用する動きだと思われる。雨での連対率も上がっており、天候に関わらず狙える頼もしい存在。遠藤誠の前走は伊勢崎のGIIだった。2日目に1勝を挙げたものの、全体的にはイマイチだった。しかし、全くダメという訳ではないので、立て直しも十分ある。笠木美孝は前走が伊勢崎GII。こちらもパッとしない成績。全く戦えていない訳ではないが、もう少し上積みが欲しい現状だ。
外来勢は元気がある。最も状態が良いのは人見剛志。前走の飯塚、前々走の浜松と連続優勝を決めている。試走も上がりタイムも素晴らしい数字をマークしており、この勢いはしばらく続きそう。特に、今回と同じ浜松で優勝しているのは、大きな強みになる。
他で、前走に優出しているのは田村治郎、早川清太郎、角南一如。田村は川口の3日間開催で準優勝を決めてきた。優勝戦は試走27の上がりタイム36。申し分ない数字をたたき出している。今年は地元のGIでも準優勝があるなど、流れは田村に傾いてきている。早川は飯塚で優勝戦まで進んだ。優勝戦は4着だったが、それまでの3走はオール連対。こちらも優勝戦は試走26の上がりタイム37。冬場のスピードレースに対応できている。そして、角南は直前の川口開催で優出。優勝戦は重走路になり、大外一本の走りで健闘していたが惜しくも3着。この川口開催の前までがやや低迷していたので、これが上昇のキッカケになりそう。
田中茂、岩見貴史はエンジン悪くないが、本来の動きには少し足りてない感がある。吉原恭佑は前走の飯塚2日目に落車したが、その後の2走で悪影響は出ていなかった。
A級では、岡松忠が前走の伊勢崎GIIで優出。最重ハンからのレースになっても、最内に置かれれば持ち味を出せる状態。佐々木敏夫も前走の地元で久々に優出。ハンデ差を生かしての速攻には警戒したい。B級では、赤堀翼が伊勢崎のオールB級戦で準優勝。4日間シリーズをオール連対で締めくくった。その開催では小林晃、伊藤幸人らも4日間の全てのレースで車券に絡むなどの活躍を見せていた。
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主な出場予定選手
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青島 正樹〔浜松 S-41(22期)〕
遠藤 誠〔浜松 S-43(25期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-11(29期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-46(30期)〕
田中 茂〔飯塚 S-13(26期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-15(29期)〕
角南 一如〔山陽 S-39(27期)〕
人見 剛志〔山陽 S-40(28期)〕
近況充実・浦田信輔が万全の状態!
今回の飯塚3日間開催はS級陣の参戦が少数。ただし、少数とはいえ、精鋭ぞろいでレースの盛り上がり度は普段と変わらない。特に、地元大将格・浦田信輔が伊勢崎のGII を制して凱旋。絶頂時と変わらぬ強烈な走りを見せている。
その浦田は伊勢崎のGII でシリーズ中に優勝を含む4勝を挙げていた。周りのS級上位陣が出しているような驚異的な試走タイムはマークしていないが、レースでは素早いスタートからの強攻が決まっている。記念優勝後でエンジンも気力も満点。地元勢の精神的支柱となるべく、神がかり的な活躍を見せてくれるだろう。
その浦田と共に、外来勢に対抗する地元S級陣は荒尾聡、久門徹、鐘ヶ江将平、桝崎陽介。前走の地元開催で優出したのが桝崎と荒尾。両者ともに試走30を切るタイムを出していた。桝崎は松尾啓史に競り負け準優勝。荒尾は3着だった。状態としては良い位置にあり、今回も同じ走路なので活躍できる。桝崎には執念の追い込み、荒尾には好ダッシュからの速攻に期待できる。鐘ヶ江と久門は優出できなかったが、エンジンは悪くない。鐘ヶ江は最終日に試走28が出ていたし、久門もエンジンは微調整レベルにある。
外来S級は3者の予定。最も注目なのは青山周平。前走は、今回と同じ飯塚走路。この時は優出したものの7着に終わってしまった。メンバーも展開も厳しかったのはあるが、青山は今年に入ってからまだ本調子になっていない印象。それでも試走タイムだけは出ているので、全く戦えていないわけではない。何かのキッカケで、再び完全無欠の走りを取り戻すだろう。
他の2者は木村武之と内山高秀の26期勢。木村は前走の川口でしっかりと優出。優勝戦は記念レースさながらのメンバーで4着に終わったが、試走は27が出ていたように状態は悪くない。内山も前走は木村と同じく川口開催。準決2着だったが、この開催は準決1着のみ優勝戦へ進出の勝ち上がり方式だった。そのため優出は逃したが、エンジン的には十分戦えるレベルにある。
S級以外では地元の記念で優出した浅香潤、その記念で活躍を見せた笠原三義、中畠哲也、新井淳などの伊勢崎勢。B級ながら近況は1着が多い地元飯塚の宮地朗などが注目の存在だ。
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主な出場予定選手
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浦田 信輔〔飯塚 S-7(23期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
久門 徹〔飯塚 S-22(26期)〕
鐘ヶ江 将平〔飯塚 S-23(31期)〕
桝崎 陽介〔飯塚 S-35(28期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-42(26期)〕
木村 武之〔浜松 S-10(26期)〕