田中茂が久々に記念レース制覇!
飯塚のGIIオーバルチャンピオンカップは、地元の26期・田中茂が制した。田中は2009年以来となる久しぶりの記念レースV。決めゼリフ「どんなもんじゃい!」が久々に聞かれた。
田中は試走一番時計だった。その数字は27。次いで、鈴木圭一郎が28、岩見貴史と浦田信輔が29、柴田健治が30、中尾貴志が31、久門徹が32、荒尾聡が33だった。
0ハンのスタートは中尾が先行。柴田も後ろに叩かれる事なく出て行く。10線は岩見が先行。荒尾が2番手に出ていたが、1コーナーで久門の抵抗にあう。そのインを田中がすり抜けて好位に付けた。鈴木も悪くないスタートを切ったが、久門と荒尾の競り合いの影響を受け、外に押し出されてしまう形。
中尾が軽快な逃げを見せ、柴田を交わした岩見は差を詰める事ができない。そこへ、ジワリジワリと車を押し進めてきたのが田中。中尾との差を徐々に詰め、最終的には中尾を差し切り首位奪取。そのままゴールを迎えた。2着には怒涛の追い込みを見せた鈴木が食い込み、中尾が3着に残った。試走タイムが悪かった荒尾は後方のままで、浦田も巻き返しが効かなかった。
田中茂が最も活躍したのは2006年。この年はSGを3つ制し、破竹の勢いを見せていた。その後も2009年までは記念をポツポツと勝つなどの成績を残していたが、ここ近年は大舞台での優勝から遠ざかっていた。要因は、やはりスタートか。機力が仕上がっても、最近のスピードレースではスタート遅れるとそれだけで致命傷。後方からの追い上げは決まりにくくなっていた。今回は、序盤で好位を取れたのが最大の勝因。スタートの切れ自体はそこまで良くなくても、1周目で良い位置取りができればチャンスはある。走りのキレは鋭いまま。まだまだ、強烈な走りを見せてもらいたい一人だ。
鈴木圭一郎が怒涛の追い込みを見せる!
4日間のレースを戦い終え、ファイナリスト8人が出揃った。準決では前半の2つで、高橋貢と永井大介が敗れる波乱があったものの、11Rでは鈴木圭一郎と荒尾聡が順当に勝ち上がり、12Rも浦田信輔が終3コーナーで強烈な突っ込みを見せ、優出キップを確保した。
柴田健治と中尾貴志が優勝戦に進出した関係で、優勝戦はハンデ戦となった。0ハン内側に中尾、外側に柴田。10線は内から岩見貴史、久門徹、田中茂、荒尾、浦田、鈴木圭となった。
0ハン両者のスタート力はほぼ互角。内枠のぶんだけ利がある中尾が先行しそうだ。柴田も10線勢に叩かれることなくスタート切って、中尾の逃げに続いて行きそう。10線は最内の岩見が先行。これに久門が乗って出るか、外寄りの荒尾が乗って出るか。鈴木圭も大外ながら、内枠勢を何車か置いて出るスタートを切りそうだ。
中尾と柴田の逃げでペースはかなり上がりそう。柴田より中尾の方が、エンジンの仕上がりが上回っているようなので、柴田は中尾の逃げには付いて行けないか。中尾の逃げを追う10線勢の1番手は岩見か荒尾。しかし、この両者でも中尾がミスしない限りは交わし切るまではなさそう。追って行けるスピードがあるのは、鈴木圭のみ。鈴木圭は10線6車の大外だが、スタートで3~4番手には出れそう。準決でも上がり一番時計をマークしているように、スピード面は問題ない。周回が2つ延びる優勝戦なら、なおさら有利だ。当ブログ本命には鈴木圭を推す。
相手は中尾。デビュー時からスピードには定評があったが、近況はスタート力も増してきている。この優勝戦では、いきなりの独走に入れそうなので、中尾の持ち味を存分に発揮できる。鈴木圭が中団突破に手間取るようなら、記念初Vも十分視野に入ってくる。タイヤを滑らすことなく、コースを外すことなく、冷静に走れれば大きな結果を残せるかもしれない。
他で可能性あるのは浦田や荒尾。10線から先行する岩見がインを抑えるような展開になると、浦田の突進力が生きてくるし、荒尾が岩見よりも先行できれば、早々と0ハン追撃態勢に入れて展開はグッと有利になる。整備熱心な両者なので、準決よりもエンジンを仕上げてくる可能性も十分ある。最後に抑えたいのは田中茂。10線からのスタートで後手を踏みそうだが、なんとか枠ナリくらいに踏ん張れれば鋭いイン突っ込みで巻き返してこれる。8周戦になるのも田中にとっては好材料だ。
◎鈴木圭一郎
○中尾貴志
△浦田信輔
△荒尾聡
▲田中茂
今年2度目のGIIオーバルチャンピオンカップ!
今年1月に開催されたGIIオーバルチャンピオンカップは、川口の加賀谷建明が優勝。その開催から3ヶ月と間隔を空けず、もう一度同じ記念レースが開催される。今回も加賀谷は参戦。大会連覇を目指すが、強豪が揃っており、そう簡単にはいかないか。大会のコンセプトとしては、平成28年の飯塚通常開催における得点上位者をあっせんし、飯塚選手とのバトルを楽しめる番組が企画されるそうだ。
直前の大きな大会は、山陽で行なわれたプレミアムカップ。そこで優出したのが浦田信輔と永井大介。浦田は優勝戦で絶好の展開に持ち込み、逃げ態勢を作っていたが、佐藤貴也にイン突っ込まれて準優勝。その前の節の川口GIで落車したが、日ごとにマシンを仕上げてきていた。今回も中心人物としてシリーズを盛り上げる。永井は優勝戦で5着だった。しかし、それ以外の4日間はオール連対。だいぶ調整を取り戻してきてる。
この4月から新ランクが適用されるが、全国1位になったのは鈴木圭一郎。先のプレミアムカップでは準決1着だったが、そのレースで痛恨のフライング。勝ち上がり権利を失ってしまった。エンジンに関しては全く問題ないので、今節も大暴れの予感だ。全国3位になったのは高橋貢。プレミアムカップではピリッとしなかったが、その前までの成績はまずまず。今年はまだ記念レースしか走っておらず、常に強メンバーでの競争にさらされている。高いモチベーションを保ったまま、厳しいレースをこなしている。
直前の飯塚ミッドナイトレースで優出したのは岡部聡、荒尾聡、丹村飛竜。この時は消音マフラーを着用してのレースで、いつもとはエンジンの手応えが変わっていたが、飯塚走路で連続参戦となるアドバンテージは大きい。篠原睦は優出を逃してしまったが、逆に通常の昼のレースに戻り、復調の可能性もある。
エンジン状態が高位で推移しているのは松尾啓史。前走のプレミアムカップでは優勝戦まで進めなかったが、今年はすこぶる好調。スタート行けなくてもレース後半に巻き返してこれる。田中茂、西原智昭らもエンジンは上々。持ち味が出せる状態だ。A級ではあるが、三浦康平が絶好調。前走の地元開催で準優勝だったが、予選準決の3日間は全て1着と昇り調子。
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主な出場予定選手
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浦田 信輔〔飯塚 S-8(23期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-11(27期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-13(26期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
永井 大介〔川口 S-5(25期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-12(26期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-43(27期)〕
プレミアムカップ優出組がシリーズの中心に!
オートレース今年度最後の開催は川口一般戦。少し前に行なわれた特別GIプレミアムカップに参戦していた選手が多く、そこで活躍した選手は今節も狙いとなる。
プレミアムカップで優出したのは人見剛志、新井恵匠、池田政和、木村武之の4人。もっとも結果が良かったのは人見の3着。前を走る佐藤貴也と浦田信輔が重なっていたため、仕掛けるところがなかったがエンジン自体は強めで、余裕をもって追走できていた。人見はこのところ、良走路ではエンジンがかなり高い位置で安定している。目下の敵は雨だけ。新井も優勝戦は4着と健闘していた。こちらも4番手で追走しているときは、一杯な感じはなくエンジンは良さそうだった。乗り手は確実な成長を見せており、今後も楽しみな存在。
SGタイトルホルダーの池田と木村は、7着と8着だった。池田は優勝戦でタイヤ失敗。エンジン自体はある程度の位置で保てている。今回出場する中では川口ランクトップ。地元の期待に応えたいところだ。木村はエンジン仕上がらず8着だった。しかし、シリーズを通してみれば、それなりの活躍を見せていたので心配はない。
他で有力どころは山田達也、早川清太郎、内山高秀、岩崎亮一、角南一如など。山田はプレミアムカップでは、オープン戦の戦いに苦しんでいたがレース後半の巻き返しは決まっていた。早川はスタートが良化しており、以前の攻撃的なスタイルがパワーアップされた形。内山は大事な3日目で5着になり準決には乗れなかったが、エンジンは中の上をキープ。岩崎はエンジン物足りなかったが、角南は上昇ムードにある。
A級では、前々走で地元優勝した渡辺篤がプレミアムカップでも好調ぶりを示していた。まだまだ本調子とは言えない藤岡一樹だが、良化のキッカケを掴みつつある。また、岡谷美由紀が川口連続参戦。前走の川口GIでは、初日に上がり3・374のタイムをたたき出すなど成長が著しい。
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主な出場予定選手
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池田 政和〔川口 S-16(23期)〕
山田 達也〔川口 S-19(28期)〕
大木 光〔川口 S-31(28期)〕
木村 武之〔浜松 S-10(26期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-11(29期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-28(30期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-21(25期)〕
人見 剛志〔山陽 S-40(28期)〕
ミッドナイト王者決定戦開幕!
今回のミッドナイト開催は、平成28年度の1年を通じて行われたミッドナイトレース8節の優勝者と準優勝者、計16人が集結しミッドナイト王者決定戦が行われる。それとは別に通常のミッドナイトレースもあり、最終日には2つ優勝戦が用意されている。
まずは王者決定戦から。S級は4人参戦予定。篠原睦、荒尾聡、丹村飛竜、岡部聡。4人ともおおむねエンジンは安定している。篠原はスタートの切れが良く、あっという間に先頭に立つことが多い。以前は不安視されていたレース後半のタレだが、近況はだいぶ解消されている印象がある。雨走路も、一時期ほどではないが、そつなくこなせるので急な天候の変化にも対応できる。荒尾もスタート力は健在。全国でも5本の指に入るほどのスタート巧者。雨走路では篠原以上の連対率を誇っており、全天候に対応できる。心配のタネはドドド。ここ最近はドドドに悩まされ、逃げ展開になってもペースが上がらないこともある。しかし、それを補って余りあるスタート力で展開を作っていくだろう。
丹村、岡部の師弟コンビも動きは上々。特に丹村は今年に入り活躍が目立っている。3月に川口でGIを初制覇するなど勢いに乗っている。スピード、捌きに加えてスタートもだいぶ良くなってきている。山陽のナンバー1として、恥じることのない走りを見せている。岡部もエンジンはマズマズの状態で推移している。整備力があり、常にエンジンを戦える状態にしておくのがうまい。
A級の王座決定戦組では渋沢憲司、藤波直也などが勢いある。爆発力ある松山茂靖や、独走でペース上がる緒方浩一なども上位争いに参加できそう。雨が降れば青木治親がインを突いて上位に浮上する。インファイターと言えば岩科鮮太だ。地元最終日に落車した重富大輔は、前走の山陽プレミアムカップで日に日に上昇。
通常のミッドナイトレースの方は、浜野淳が抜けた存在だが、出走予定だった地元のプレミアムカップを欠場したように、今回も出場は微妙。出てくればシリーズの核として奮迅するだろう。
エンジン安定してるのは越智尚寿。レース運びも堅実なモノがあり、後方からの展開になってもキッチリと進出してくるだろう。スピードがあるのは吉田祐也、小原望、牧瀬嘉葵など。ミッドナイトの時間帯なら走路温度もだいぶ下がるので、かなりのスピードが出そうだ。
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主な出場予定選手
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篠原 睦〔飯塚 S-6(26期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-18(29期)〕
岡部 聡〔山陽 S-20(19期)〕
浜野 淳〔山陽 S-29(24期)〕
青木 治親〔川口 A-12(29期)〕
松山 茂靖〔浜松 A-11(26期)〕
緒方 浩一〔山陽 A-18(30期)〕