闇夜を切り裂く早川清太郎!
伊勢崎では珍しくシリーズ通して好天に恵まれたGIムーンライトチャンピオンカップ。優勝戦の日も降水確率はゼロ。良走路でのレースが見られそうだ。
準決では、9Rでいきなりの波乱があった。現伊勢崎ナンバー1の青山周平がまさかのフライング。再発走となった。レースも0ハンの別府敬剛が逃げ切り。三浦康平が離れて追走で、青山は猛追も3着一杯だった。
10Rでも波乱が。人気の一角であった浦田信輔が、前を走る亀井政和に接触し落車。レースは速攻を決めていた高橋義弘を早川清太郎が捲って29期決着となった。
11Rでは、絶対王者・高橋貢が序盤の展開に苦しみ4着一杯。試走タイムが出た佐々木啓が、逃げに入っていた平田を捕えて1着ゴール。
12Rは、全国ランク1位の鈴木圭一郎が3着に敗れた。レースは速攻を決めた西原智昭が逃げ切り。丹村飛竜がインコースを抑える走りで鈴木圭に隙を与えなかった。
優勝戦は0ハンに別府敬剛。10線は内から平田雅崇、三浦康平、高橋義弘、佐々木啓、丹村飛竜、西原智昭、そして大外に早川清太郎となった。0ハンの別府はスタート残せるだろう。10線はスタート巧者が内枠に揃い、ほぼ枠ナリ発進とみた。外寄りの西原もスタートは早いので、ある程度はカマシ気味に行けるか。
準決でいい逃げを見せた別府。タイムも出ており、優勝戦でもかなりの粘りを見せそう。準決で追い切れなかった三浦は、優勝戦でも別府を追えないか。平田や高橋もスピード的に厳しくなりそう。追って行けるのは10線外枠4車。この4車で最も好展開を作りそうなのは西原。10線から3~4番手の飛び出しを見せそう。
しかし、当ブログでの本命には早川を推す。序盤争いこそ劣勢になりそうだが、追い込みの鋭さは天下一品。特に地元の記念となると、いつも以上の力が出る選手。記念の優勝戦で8周回になるのを味方に、猛追撃を見せそうだ。この大会は2012年度覇者でもあり、2度目の優勝を向けて激走に期待。
相手には西原を挙げる。やはりスタート力を武器に有利な展開に持ち込めるのは魅力。スピードも出てきており、別府を先に交わしてリードを作れれば早川を振り切れるアシはある。次に佐々木。準決では上がり一番時計となる3・370をマーク。スタート争いでは微妙な面あるが、レース前半で好位置に付けられれば優勝争いにまで参加できる。そして、別府。本来なら最重ハンでもおかしくない実力を持っている。今節は車の仕上がりも良いので善戦できそう。最後に平田。おそらく10線からトップスタートを切れる。別府が態勢を作る前に交わすことができれば、粘りの走りで見せ場を作れる。
◎早川清太郎
○西原智昭
△佐々木啓
△別府敬剛
▲平田雅崇
GIムーンライトチャンピオンカップ開幕!
長らく高橋貢の一強体制が続いていた伊勢崎勢だが、昨年4月に船橋から大量に選手が移籍し、その選手層に厚みが出てきた。今では伊勢崎トップは青山周平に取って代わり、新井恵匠、西原智昭、内山高秀などが加わり強豪地区の一つとなった。その地元勢が総力を挙げて迎え撃つのは鈴木圭一郎。数々の記録を塗り替えている若きナンバー1に抵抗できるのか。
鈴木圭一郎は前走の地元GIでは、永井大介に敗れ準優勝となった。それでもシリーズ中はオール連対、優勝戦も2着なのだから立派な結果。エンジン状態はずっと高位で安定している。今回に向けての不安点はナイター開催であるところ。まだ選手としての経験年数が少ないだけに、ナイターの時間帯にエンジンをキッチリと合わせられるかどうかは大きな疑問点。それでも、エンジン完調までいかなくても、近況の勢いや乗り手の腕である程度はカバーできるハズ。
地元勢で有力なのは青山周平と高橋貢。青山は前走の地元開催では優出できなかったが、その前のSGオールスターでは準優勝。地元のナイターで1節走り、セッティングの方向性も掴めてきてる頃だろう。高橋貢は前走の浜松GIでは、2勝を挙げたもののイマイチな結果に終わった。しかし、その前のSGオールスターでは優出し4着。更に、その前の地元4日間開催では完全優勝を決めている。近況の流れとしては悪くなく、今回は長らく走っている地元ナイターなのでセッティング的にアドバンテージが大きい。
地元伊勢崎では青山や高橋貢以外にも、早川清太郎や新井恵匠、西原智昭などが動き活発。早川は地元の記念だと、いつもより活躍する傾向がある。これまで記念は4つ制しているが、初めて獲った飯塚のジュニア選手権以降の3つは全て地元の大会。このムーンライトは2012年にも制しており、今回は2度目の優勝へ向けて気合入る。今期全国ランク10位に入るなど、ビックネームの仲間入りを果たした新井は、まだまだ成長の余地が大いにある楽しみな選手。西原もまだ若手の部類。前走の浜松GIでは好成績を残していた。
鈴木圭に抵抗できる1車は中村雅人。浜松GIの準決では、鈴木圭の8連勝をかけた記録を食い止める激走。競り合いの強さを見せ付けた。エンジン、乗り手ともにまだ完調ではないが、ピーク時の迫力が戻った時は、鈴木圭とまともにやり合える存在になるだろう。また、山陽の松尾啓史も、SGオールスターの優勝戦では1回は鈴木圭を交わす動きを見せていた。エンジンが鈴木圭と同等か、少しでも上回れば打ち負かせる1車になるだろう。
飯塚の浦田信輔も展開の隙を突ければ鈴木圭と渡り合えるだろうし、篠原睦はスタートで突き放し、早めに大きなリードを作れれば鈴木圭に先着もあり得る。他では川口の佐藤裕二が、前走の地元4日間開催で完全優勝を決めており、勢いに乗った走りで見せ場を作ってくれそうだ。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-9(29期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-10(30期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
中村 雅人〔川口 S-4(28期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-8(23期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-12(26期)〕
川口のナイターレース開幕!
今年度も何節か川口でナイターレースが予定されているが、今年は今回からナイターが始まる。とはいっても、ナイター開催が続くわけではなく、節ごとにナイターだったり昼間開催だったりする。
今節は、浜松のGIゴールデンレースで久しぶりに記念を制した永井大介が凱旋。優勝戦では前を行く鈴木圭一郎を交わしての勝利。SG4連覇を達成した鈴木に競り勝っての優勝を大きな価値がある。ここから再び快進撃を開始すべく、地元のナイター戦も優勝しておきたいところだろう。
永井が優勝したゴールデンレースの優勝戦に乗っていたのは牧野貴博と遠藤誠。牧野は浜松ではエンジンが高位で安定しており、優勝戦でも3番手キープで踏ん張っていた。最後は力尽き5着に終わったが、あれだけの相手に渋太い走りができていた。遠藤は武器のスタートからの速攻が決まっており、今回のようなハンデ戦でも有利な展開を築いて行く可能性は大。
地元のS級では池田政和がマズマズ好調。前走の伊勢崎でもシッカリと優出を決めてきた。レース場は変わるが今回は伊勢崎の時と同じナイターレース。夜の時間帯でのセッティングはある程度掴めたか。山田達也は、前走の浜松GIでは優勝戦まで行けなかったが、準決の5着以外は全て車券に絡む活躍。岩田裕臣と中野憲人はエンジンが一息。本来の走りを発揮できる状態ではない。
外来S級は3人参戦予定。最もランクが高いのは木村武之。しかし、前走の地元GIではパッとしなかった。連日、走路温度が高く、タイヤに負担がかかる木村の走りには悪影響だったか。今回はナイター開催なので、走路温度は多少下がりそう。今年は絶好調が続いていた人見剛志だが近況は、やや失速。前走の浜松GIでも白星がなかった。立て直しが必要な状況に入ってきたか。青島正樹はエンジン状態マズマズ。前走の地元GIでも2勝を挙げていた。
前回の川口開催は昼間だったが、ここで優出した選手は森且行、田辺誠、山際真介。森は長い間低迷していたが、ようやく良化の兆しが出てきた。田辺も森と同様にここに来て上昇傾向にある。山際は、その時によって成績が変動しやすいタイプ。
外来A級では浅田真吾、木村享平、丸山智史らが元気。3者とも前走は浜松GIだった。浅田は5日間シリーズで白星こそなかったが、オール車券に絡む安定感。丸山は2勝、木村は3勝を挙げるなど動きが活発だ。
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主な出場予定選手
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永井 大介〔川口 S-5(25期)〕
山田 達也〔川口 S-23(28期)〕
池田 政和〔川口 S-25(23期)〕
岩田 裕臣〔川口 S-42(31期)〕
中野 憲人〔川口 S-44(24期)〕
木村 武之〔浜松 S-6(26期)〕
青島 正樹〔浜松 S-35(22期)〕
人見 剛志〔山陽 S-26(28期)〕
今回出場する地元のランクトップは鐘ヶ江将平!
今回の飯塚は、浦田信輔、篠原睦などが不在で、地元を守る飯塚ランク最上位は鐘ヶ江将平。近年、メキメキと力を付けており、いつ記念を制してもおかしくないほど成長している。SGホルダー田中茂と共に、地元の牙城を守れるか。対する外来勢は山陽と浜松から好調な選手が襲来。気になる選手を挙げていく。
まず地元のS級は4人参戦予定。先述のとおり鐘ヶ江が今回のランクリーダー。前走の浜松では予選モレしてしまったが、4日目に1着を取り意地を見せた。今年はこれまで2優出の1優勝。その優勝は今月10日のミッドナイトレース。スピードタイプなだけに、少しでも食い付く走路の方が力を出せるが、近況は熱走路でも柔軟に対応している。もちろん雨走路もよくこなすので、天候によって走りが左右されやすくはない。爆発的なスピードからの猛追撃に期待したい。
鐘ヶ江と双璧をなし、外来勢を迎え撃つのは田中茂。こちらも4月の飯塚開催で優勝を決めるなど、動きはマズマズといったところ。スタートはやや不安定なので、記念などのオープン戦よりも今回のようなハンデ戦で持ち味を最大限に発揮できるだろう。他の地元S級は、滝下隼平と新村嘉之だがエンジン状態はイマイチ。
外来S級で調子が良いのは、岡部聡と角南一如。ともに、前走の地元一般開催で優出した。準決は不安定な走路だったが、見事に乗り切っての優出。流れとしては悪くない形で今回に臨める。緒方浩一も同じ開催を補充選手として参加。格下相手ではあったがシッカリと結果を残していた。浜野淳は今年3月に川口で落車してからは調子を落としている。
浜松からは佐藤貴也がS級として参戦。前走の地元GIではイマイチな結果に終わった。むしろA級ではあるが、藤波直也、山浦博幸、中村友和らが優出しており、こちらの方が勢いはある。山浦は最重ハンの10M前で快走を見せていたし、藤波は最重ハンの内枠から良い飛び出しを決めていた。中村もスピードを生かした攻めで上位に食い込んでいた。
前回の飯塚開催で優出したのは田中進、岡松忠、辻大樹。岡松と辻は、その後に山陽で走っている。山陽では、もう一つの結果に終わったが、再び飯塚走路でのレースになれば前回のような走りができるかもしれない。
最後に動き急上昇なのは松尾隆広。直前の山陽一般開催で久々に優勝した。これが自身2度目の優勝となったのだが、初優勝は2級車時代。1級車になってからは初めての優勝となる。これをキッカケに良い流れを作りたい。
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主な出場予定選手
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鐘ヶ江 将平〔飯塚 S-14(31期)〕
田中 茂〔飯塚 S-21(26期)〕
滝下 隼平〔飯塚 S-45(28期)〕
新村 嘉之〔飯塚 S-46(27期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-15(29期)〕
岡部 聡〔山陽 S-28(19期)〕
浜野 淳〔山陽 S-31(24期)〕
角南 一如〔山陽 S-38(27期)〕
永井大介が激闘を制し、ゴールデン17年振りの制覇!
浜松の第61回GI開場記念ゴールデンレースは、川口の永井大介が制した。レースは早い段階から鈴木圭一郎とのマッチレース。最後は経験の差を見せ付けて勝利をもぎ取った。
試走は永井が一番時計の28。次いで鈴木圭が29。他は中村雅人が31で中村友和が32。山浦博幸と藤波直也が33、遠藤誠が34、牧野貴博が37と大きく数字を落とした。
レースは0ハン両者が枠ナリ発進。10線からは最内の藤波が先行。その後に大外から鈴木圭がダッシュを決め、永井も遅れずに付いていった。そして、鈴木圭が順当に前の車を交わし先頭に踊り出る。永井も落ち着いた走りで離されずについて行った。そこからは3番手以下を大きく引き離し、永井と鈴木圭の攻防が続いた。鈴木圭の後ろで様子をうかがっていた永井は、角度のない差しで先頭に立ったが、すぐさま鈴木圭に差し返されてしまう。その後も永井は鈴木圭にピタリと続き、抜き去る機会をうかがっていた。そして、最終周回に入る青旗すぎ、コースが小さくなった鈴木圭を永井がうまく捲りで交わして行く。そこで勝負あり。永井が一番でゴールを通過した。
試走タイムが表すとおり、永井のエンジンが一番良かった。しかし、このレースの勝因は永井のこれまでのレース経験の豊富さだろう。極限のスピードで走る車を交わすにはエンジンパワー差だけでは厳しい。うまく回れなかったとは言え、1回インに突っ込んだことは、鈴木圭のその後の周回に警戒感を与えた。鈴木圭はインから抜かせないような走りになってしまった。そこをうまく突いたのが永井。鈴木圭のスピードダウンのタイミングを見逃さず、外から交わすことを選択。これが見事、功を奏す。数々の大舞台でのレース経験が、永井を強くした。レースでの勝ち方の引き出しを増やしてくれた。ここ1年は記念レースで元気がなかった永井だが、エンジンさえ仕上がれば栄冠を勝ち取ることができると証明した。まだまだ永井は衰えない。強い永井であり続ける。