17日土曜日の第1レースで新人・菅原辰徳騎手がデビューを果たしました。
岩手では5年ぶりとなる"本当の"新人騎手(07年にデビューした菅原俊吏騎手はオーストラリアで騎乗していた経験があり、岩手デビュー時も減量無しでスタート。「あんちゃん」騎手は05年デビューの高橋悠里・山本聡哉両騎手以来となります)。また、岩手では初の"平成生まれ"ジョッキーでもあります。
その菅原辰徳騎手、デビュー戦で4着、その後の2戦も5着・4着に食い込み、初日の3戦をすべて入着しました。レース前もさほど緊張しているように見えないし、そうやってレースを終えて帰ってきても感情が表に現れない所がいかにも「平成生まれだなあ・・・」と、昭和生まれの私なんかには思えるのですが(平成になるよ、っていう記者会見の時は大学生でしたよ。ええ。)、こんな感じでひょうひょうと大仕事をやってのけてしまいそうな予感もあって、今後の活躍ぶりが気になって仕方ありません。
岩手で2000年以降にデビューした騎手たちはすでに重賞を勝っていたり各地に遠征して好結果を残したりと、「若手」の枠に収まらない活躍をしています。
そんな中にポンと投げ込まれる格好になった菅原辰騎手は、正直なかなかたいへんだろうなと思いますが、でもがんばってほしいですね。
月曜のメインレースは今シーズン最初の重賞になります3歳牝馬の『留守杯日高賞』。今年から始まった全国の牝馬シリーズ「GRANDAME-JAPAN」3歳シリーズの第2戦にもあたります。
他地区から遠征馬は最終的に4頭に納まりましたがいずれもかなり強力そう。全国シリーズ組み込みに伴って初めて交流戦となったこの留守杯日高賞、早速遠征馬に席巻されそうな予感です。
本命は笠松からの遠征馬・(2)エレーヌとしました。ホッカイドウ競馬から笠松に移籍してここまで14戦5勝、うち重賞2勝。その重賞はいずれも牡馬を相手に勝ったもので、この時期の3歳牝馬としては価値が高いものでもあります。今年の東海地区の3歳はラブミーチャンが抜けた存在ですが、もしラブミーチャンがいなければ、この馬が東海地区3歳の看板を張っていたでしょう。
懸念材料はやはり長距離輸送でしょう。430kg台の小柄な馬だけに輸送で体重が変動するのは陣営も心配している点。また、遠征で挑んだ園田のレースで落馬競走中止し、勝てるレースを落としているのもゲンの悪さを感じさせます。それでもこの実績なら・・・と本命視しますが、当日の気配には注意しておきたいですね。
岩手の(9)ダイメイジュエリーは対抗に。ここまでの4連勝は3歳世代の中でもトップクラスの成績。牝馬となればなおさらで、地元では頭ひとつ抜けた存在なのは間違いありません。
問題は前走なんですよね。最終的に勝ちはしたものの、毛づやは良くなかったしレース中の気の悪さは昨年以上だし。それで勝ったのだからやはり強い馬なのですが、どうもしっくりこないものがあります。
この馬は相手なりに走ってギリギリの差でも勝ちきるタイプ。なのでむしろ強い馬とあたる今回のような時こそ本当の力を発揮できるだろう、とは思うのですが・・・。前走からの良化と鞍上の手腕、そしてあとは"地の利"に期待。
3番手も笠松の(8)コロニアルペガサスでいいでしょう。この馬も重賞を2勝、それは牝馬のレースではありますがどちらも遠征しての勝利で、エレーヌと比べても勝るとも劣らぬ価値があります。遠征を苦にせず距離経験も豊富な点はプラス材料ですね。
そして、この馬は「GRANDAME-JAPAN」3歳シリーズの第1戦。「浦和桜花賞」に出走して4着になっているのが一つのカギ。
「GRANDAME-JAPAN」は各地のレースでの結果に応じて得たポイントを争うシリーズですが、そのルールの一つに「3着以内に入っている事」というものがあります。つまりシリーズの6つのレース全部に出走しても全部が4着以下ではポイントが加算されないわけで、この馬にとってはここで3着以内に入って資格を満たしておく、という結果を得る事が重要になるでしょう。
あとはかなり差があるでしょう。遠征馬の残る2頭、どちらもまずまずの力量を持っていますが、(5)は360kgくらいの小さな馬で遠征はマイナスでしょうし、(11)はJRA遠征用のローテーションで使い詰め。どちらかといえば(11)ショートエアリーでしょうがあくまでも当日の気配次第。
岩手なら(7)ミスギンレイか。前走は展開に恵まれた面は確かにありましたが、状態が良く、思い通りのレースができたのも好走の理由の一つ。その点ではどうも頭打ちな他の馬たちより期待できるものがあります。
★買い目
馬単 (2)=(9)、(2)=(8)、(9)=(8)、(2)→(11)、(2)→(7)
18日(日)メイン10レースはB1級「新緑賞」(水沢1600m)。激戦区B1を象徴するように実力伯仲のメンバーがそろって好レースが期待できそう。
主軸にトーホウライデンを指名。昨年までA級へ在籍し、08年には岩鷲賞、青藍賞と重賞2勝。父ブライアンズタイムの良血馬が素質開花させるシーンだった。しかし、昨年5月以降は白星がなく、今季はB2降格。
休み明け初戦から勝っても不思議ではなかったが、毎年春は精彩を欠いていたため、それで3番人気となった。
レースは1枠を利してサクラデイブレイクが逃げ、トーホウライデンは中団6番手を追走。途中までは例年どおり馬群に沈むかと思っていたら、直線で矢のように伸びてクビ差2着まで肉薄。改めて底力のあるところを見せつけた。
続く岩手日報杯は大器コアレスレーサーが相手。他にも好調メンバーがそろい5番人気に甘んじたが、逃げたグラスバラードをキッチリ捕らえて2着を死守。今シーズンのトーホウライデンは一味違うと周囲をうならせた。
今回、岩手日報杯組を上位と見れば強豪が抜けてチャンス到来。久々に先頭でゴールインする。
グラスバラードは2戦とも逃げて3着止まりだったが、これは距離が長すぎたため。それでも最後まで粘った点は評価が高く、ベストのマイル戦に短縮され一気逃げ切りのシーンまで。
アルディは叩き2戦目を快勝。初戦は逃げ馬には不利の馬場で5着も仕方なしだったかもしれない。引き続き好気配をキープし、B1なら上位と見るのが妥当だろう。
テンショウタイヨウは岩手日報杯で6着に敗れたが、スローの流れに泣いて折り合いを欠いたのが痛かった。マイル戦ならペース緩くなることはあり得ず、反撃に転じる。
チャームドサークルも怖い存在だ。前走、スタートで後手を踏んで最後方からの競馬。それでも慌てず3コーナー手前からスパートをかけると鋭く反応。4角で早々と2番手まで進出し、余力残して完勝。強さが際立っていた。
他にB1の安定勢力シュクジャンヌも侮れず、激戦必至のメンバー構成となった。
◎(5)トーホウライデン
○(9)グラスバラード
▲(7)アルディ
△(6)テンショウタイヨウ
△(2)チャームドサークル
3連単は5を1着固定に9、7、6、2へ手広く流したい
馬複 5-9、5-7、5-6、2-5
<お奨めの1頭>
6レース エプソムフォルテ
再転入2戦目を順当勝ち。やはりC2では底力が違った。メンバーは骨っぽくなったが、まだまだ余裕がある
17日(土)メイン10レースはB2級「エイプリルカップ」(水沢1800m)。前走勝ち馬が10頭中6頭と好調メンバーがズラリ顔をそろえた。
主軸はやはりハルサンヒコだろう。07年、地元重賞で行われたダービーグランプリを優勝し、同じ年の北上川大賞典でもテンショウボスの半馬身差2着。続く桐花賞でも5着に食い込み、完全に本格化を迎えたかに見えた。
ところが、オープンでも入着を果たしたものの、ダービーGP以降、ずっと勝ち星なし。常に詰めの甘さがつきまとい、2着確保までにとどまっていた。
その結果、今季はB2へ降格したが、途端に2連勝マーク。2戦ともアッサリ逃げ切り圧勝し、格の違いをマザマザと見せつけている。
今回は1600mから1800mへ距離延長。これまで水沢、盛岡合わせて未勝利と適性低そうな感じだが、それは間違い。オープン馬相手(3歳時も含む)にも2着3回。むしろ距離が長い方が合うタイプだ。
逆転首位を狙うのがバンドマスター。中央ダート3勝から南関東0勝B1から昨年暮、A級へ転入。入着レベルだったが、荒尾遠征で3戦1勝。帰郷後は過去の高賞金が消え、再転入後はB2へ格付け。
これは明らかに恵まれた編入で案の定、豪快なマクリを披露して2連勝。ハルサンヒコと同様、B2ではモノが違う中味を披露。前走もスローに落とされながら、まったく問題にしなかった。
中央時代の3勝はダート1800m戦で2勝、1700mで1勝。前走の完勝ぶりを裏付けるように1800mがベストの条件。距離適性ならハルサンヒコよりも上かもしれない。
カリズマウィッシュは典型的な地方向きなのだろう。中央4戦0勝から3歳8月に岩手転入。通算9勝をマーク後、再び中央入りしたが、速いタイム決着が合わず9戦(障害も含む)とも着外。
再び岩手へ戦いの場を求め、初戦は3ヵ月半ぶりの実戦がこたえて3着に終わったが、2戦目を快勝。ハンデ差4キロをはねのけて強いレースで完勝した。人気の2頭は確かに骨っぽいが、こちらも重いダートは望むところだ。
ポイントプリムは中央6戦0勝から最下級C2へ編入。一戦ごとにメンバーが強化されながら、すべて馬券対象の3着以上。しかも6戦連続で連対を果たし、非常に安定感が目につく。
気になるのは3戦連続で2着に敗れ、最後の詰めがあまいところだが、単騎逃げが明白。絶好の内枠からすいすいマイペースの逃げ切りまでありえる。
岩手では8戦6勝2着2回と連対パーフェクトのタニノレジェンド。休み明けで大幅な体重減で不安を抱かせたが、アッサリ快勝。体重増加なら大勢逆転のシーンまで。あとは佐賀A1級から初戦を順当勝ちしたマイネルリチャードも軽視できない。
◎(8)ハルサンヒコ
○(7)バンドマスター
▲(10)カリズマウィッシュ
△(2)ポイントプリム
△(1)タニノレジェンド
△(9)マイネルリチャード
3連単は8、7、10の3頭ボックスが本線。あとは8、7の2頭軸から10、2、1へ3着流し
馬複は 7-8、8-10、2-8、1-8
<お奨めの1頭>
11レース ポアントゥブルボン休み明けを横綱相撲で快勝し、今シーズンの飛躍間違いなしを約束。B1昇級でも追いかける一手だ
11日の日曜日、入院中の皆川麻由美騎手のお見舞いにいってきました。
皆川騎手は開幕日の4月3日に落馬・負傷し、病院に運ばれてそのまま入院。怪我の内容は「頸椎損傷」というたいへんなものでした。
入院当初は身体の自由が利かずたいへんだったそうですが、今はだいぶ良くなって、とりあえず身の回りの事もできるようになったとの事。
「もうすぐ退院しますが、しばらくは自宅療養という事になると思います。半年くらいはかかるかなあ・・・」と皆川騎手。「岩手のお笑い担当」がいないと競馬場がなんだか寂しく感じます。1日も早い復帰をお祈りいたします。
月曜のメインレースはC1級のマイル戦・大屋梅賞。普通に頭はこれ、という馬がいるものの気になる材料もあり、いろいろ考えていくと意外に一筋縄ではいかなさそうなレースに思えます。
その"頭はこれ"が(11)ビュレットライナーです。昨シーズンも押し詰まった12月に転入してきた馬ですが、B1級の上位で好走して重賞にも出走。B1級は楽にクリアするだろうという走りを見せていました。そんな馬が今季はC1級に降級。案の定、前走は2着以下に3馬身差をつける圧勝。これが力の違いというものだと感じさせました。
今回は特別戦となって活きの良いメンバーが集まりましたが、前走のタイムはもちろん、昨年の格でも優位に立っていますし距離も全く問題なし。普通にこの馬が本命で良いでしょう。
気になるのが大外枠という点。内の方には先行馬が多く、同型との兼ね合い・ポジション争いではさすがにマイナス分がありそうです。もちろん、オープンの重賞でも先行できるくらいだから先行力勝負で負ける事はないと思いますが、今は逃げ馬に厳しいコース状態だし、行ってしまうか番手に納まるか、番手につけて力を発揮できるのか?と行ったら行ったで心配事もあります。すんなり流れに乗ってさえしまえば杞憂に終わるでしょうが。
対抗は(2)ハッピートーク。前走が昇級に加え初のダートマイルでしたが圧勝と言っていい内容で、これでクラスにも距離にも目処を立てたと見たいですね。
三番手、単穴には(6)ミルウイニングを。2着だった前走で実に鋭い末脚を披露。昨季終盤も徐々に調子を戻してきたなと思っていたのですが、その流れは休みを挟んでも続いたようです。今はマイルにも特に不安はありませんし、脚質的にも一番有利になりそうな位置。
差し馬からもう一頭ほしいな、と選ぶのが(10)アーノルドクィーン。ここ数戦は先行していますが以前は最後方からの競馬もやっていた馬。中団からの競馬くらいなら全く苦にしません。
そして(9)タカノグラディウス。B2上位でソコソコだっただけに8歳とはいえC1ではやはり力上位でした。この馬も中団くらいなら競馬できますし、アーノルドクィーンと共に"最近先行しているから"という理由で軽視してしまうのはどうか?と思います。
★買い目
馬単 (11)→(2)、(11)→(5)、(11→(10)、(11→(9)
11日(日)メイン10レースはオープン馬によるシアンモア記念トライアル「赤松杯」(水沢1600m)、9頭立て。
昨年後半の主役を演じてきたマヨノエンゼル、ゴールドマインがそろって出走。両馬とも1月11日以来の実戦だが、冬場の過ごし方に違いがある。今回はそれが勝敗を大きく分けるに違いない。
マヨノエンゼルはトウケイニセイ記念優勝でシーズンを締め括り、その後は自厩舎(盛岡:葛西厩舎)で完全休養。一連の疲れを取ることと気分リフレッシュに専念させた。最終追い切りも馬なりで3ハロン43秒9。
マヨノエンゼルは小柄な牡馬で仕上げに手間取らず、休み明け実績も2戦2勝と久々を苦にしないタイプ。完全休養で体重増加ならパワーアップ間違いなし。4歳の成長力が何よりも楽しみだ。
対するゴールドマインはトウケイニセイ記念2着後、宮城県の山元トレセンへ移動。当初は疲れを取ることを優先させ、その後は坂路でじっくり調整。暖かいところで冬場を過ごしたからだろう、毛ヅヤ、馬体の張りとも絶好。
3月末に盛岡へ戻って以降も追い切りを2本消化して態勢万全。現時点での仕上がり具合、臨戦過程などからゴールドマインがリード。主軸するのが妥当だろう。
転入馬に目を向けるとシルクドラグーン、ベルモントギルダーが怖い存在となる。シルクドラグーンは中央芝1200mで3勝、芝1400mで1勝。短距離を専門に使われ、準オープンまで駆け上った。
シルクドラグーンのダートは08年2月、斑鳩ステークス(京都ダート1400m)一度のみで16頭立て8着。タイム差1・1秒でソコソコにこなしていたが、重い地方競馬の馬場は未知数。ダート、マイル適性がカギを握るが、小回りなら両方とも大丈夫のはず。なんと言っても準オープンなら通用するのが過去の例だ。
ベルモントギルダーは南関東で通算11勝。右回り左回りを問わずマイル戦を最も得意とし、5勝2着8回。またオープン特別でも2勝マークし、この成績があれば本番・シアンモア記念で遠征しても勝ち負けの実力と見て間違いない。
気になるのは07年10月以降、白星から遠ざかっていることだが、2着を確保したケースもあり、十分戦力になる。
あとは特別開催で2、3着ヒカルメイオー、アンダーボナンザの良化度で上位食い込みを狙っている。
◎(2)ゴールドマイン
○(5)マヨノエンゼル
▲(6)シルクドラグーン
△(3)ベルモントギルダー
△(4)アンダーボナンザ
△(8)ヒカルメイオー
3連単は2を1着固定に5、6、3流し。あとは4、8を3着押さえ少々
馬複は 2-5、2-6、2-3、2-4
<お奨めの1頭>
11レース コアレスリーヴァ
昨年暮れに転入し、A級戦でも4着を確保。今季はC1へ降格し、前走はレース勘を取り戻せず3着だったが、ひと叩きされてグーンと上昇。首位奪取