この25日土曜日、宮城県大崎市にあるテレトラック三本木での発売が再開されました。
揺れが酷かったエリアにあったテレトラック三本木は3.11の震災やその後の余震で天井パネルが落ちたり大きなダメージを受けたのですが、3ヶ月の修復期間を経て、そして一足先に再開した宮古に遅れる事3週間、ようやくの再オープンとなりました。
この土曜・日曜はたくさんのお客様に来ていただいたそうで、売上げもなかなか好調だったとの事。近くにある南関東の場外・オフト大郷がまだ再開していなかったり、JRAも福島が場外発売を再開したもののまだ制約があったりで、競馬ファンの皆さんにとっては待ちかねた再開だったのでしょう。
これで震災被害を受けた競馬場・テレトラックは全て再開した事になりますが、その一方で、同じく大きな被害を受けたテレトラック釜石は被害が大きすぎたために再開を断念、昨年度一杯をもって廃止されました。
そのテレトラック釜石に、ようやく行く機会がありました。
震災直後はがれきで埋まっていた建物周辺はおおむね片付けられ、敷地の一部は釜石市のがれき置き場に利用されています。
建物本体は解体が決定しているため特に手をつけられておらず、崩れかけた外壁も建物内に侵入した泥や流木などもそのまま。置かれたままになっている車には赤い×印が付いていて非常に生々しい。
以前何度か来た事がある所なのですが、今の姿を見てもなかなか記憶がつながりません。そういえば併設されていた食堂で、隣の人が頼んだものがおいしそうに見えて、次に来た時はあっちを頼もう・・・なんて思った事があったな。
その食堂の建物は、どこにあったのかも分からないくらい跡形もありませんでした。
そんな釜石ですが、先日ここで払い戻しを行った時には「また釜石に場外を作ってほしい」という声もあったそうですし、宮古が再開されてからはわざわざ釜石から通ってくるファンもいるとの事。テレトラックは無くなりましたが、釜石の競馬ファンの皆さんとのつながりがいつまでも続くよう、願ってやみません。
26日メインは3歳特別「はまなす賞」。盛岡競馬場自慢の芝1600mを舞台に、3歳芝戦線がいよいよスタートする。
はまなす賞の目立った特徴は岩手ダービー・ダイヤモンドカップから駒を進めてきた馬はセンリライズ1頭しかいないこと。中1週のローテーションを嫌った馬もいるが、基本的には芝とダートの住み分けがしっかりできている。
その最たる例がシーグランディだろう。福島2歳ステークスで2着(繰り上がり3着)善戦し、帰郷初戦に水沢1600m特別・寒菊賞を選び、ひとまず貫禄勝ちを収めたが、明らかにダートが合わなかった印象。
そのレースを観て陣営は芝1本に絞り、JRA・若竹賞、セントポーリア賞へ挑戦した。結果はいずれも11着だったが、2戦ともスローの流れ。珍しくシーグランディが折り合いを欠いて、鞍上・菅原勲騎手が必死になだめていた。
正直、物足りないレース内容だったが、シーグランディは水沢へ戻らず美浦近郊のトレセンで休養。震災の影響で水沢帰郷が遅れたが、一段と馬体が成長していたのにはビックリした。
この成長があればダートでもベストマイヒーローと好勝負になるのでは...と七時雨賞へエントリー。小生は思い切ってシーグランディに◎をつけた。
ベストマイヒーローも当初、JRA・ヒヤシンス賞挑戦を予定していたが、那須でトレーニングを積んでいる途中、胃潰瘍を患って無念の帰郷。3月に会ったベストマイヒーローは別馬のように小さく映った。
順調度、成長度を加味すれば打倒ベストマイヒーローが実現できるかと踏んだが、シーグランディは伸びを欠いて3着。一方のベストマイヒーローは2番手からアッサリ抜け出し、改めて能力の違いを見せつけた。
この七時雨賞の結果を受けて陣営は再び芝へ路線変更。3歳B1(盛岡ダ1600m)を叩いて、はまなす賞は当初予定どおりのローテーションだった。
しかし、陣営に不安がない訳ではない。体は間違いなく成長しているが、肝心のメンタル面での成長がないかもしれない。JRA2戦敗退が尾を引いてないか。心配のタネは尽きない。
もちろん今回のメンバーでは負けられない一戦。断然の本命となるが、ここは今後の方向性も決まる大事なレースになるだけに、シーグランディがどのような内容を見せるのか、非常に興味深い。
相手筆頭はリュウノフラッシュ。岩手3勝後、南関東、JRAと転籍。前走が再転入初戦となったが、中団から鋭く伸びて快勝。特別優勝馬の底力を披露した。芝も若鮎賞でシーグランディの3着、芝認定競走(1600m)1着。そしてJRAでも芝をメインに使われて適性は証明済み。ハイレベル地区で揉まれてきたキャリアを生かすか。
同じ意味がレディージャスミンにも言える。盛岡芝2戦1勝。シーグランディといっしょに福島・きんもくせい特別、続いてひいらぎ賞にも挑戦して2戦とも10着に終わったが、その疲れもなく元気一杯。
初戦こそ8着に沈んだが、2戦目を4着にまとめて今回参戦。本質的にも芝向きで今回が能力全開できる舞台となる。鞍上に関本淳騎手を迎え、大駆けを密かに狙っている。
ラブミープラチナは北海道1勝、南関東0勝から転入。岩手初戦は中団から退いて7着に終わったが、前走は芝に替わって動きが一変。中団キープから直線シャープに伸びて快勝。陣営が芝向きと踏んだ読みがズバリ的中した。
確かに小柄な牝馬でいかにも切れ勝負型。パワーが要求されるダートより芝で持ち味が生きるタイプだ。あとはメンバーが大幅強化され、それを克服できるかどうかがカギとなる。
あとは芝適性があるとは思えないが、初芝を総合力で3着にまとめたライジングヤマトも押さえたい。
◎(2)シーグランディ
○(5)リュウノフラッシュ
▲(1)レディージャスミン
△(3)ラブミープラチナ
△(8)ライジングヤマト
3連単は2を1着固定に、5、1の折り返しが本線。あとは3、8を3着押さえ
馬複は 2-5、1-2、2-3、2-8
<お奨めの1頭>
6R アルカイクスマイル
B1からC2へ降格してもなかなか勝てないが、これは巡り合わせが悪かった。今日は待望の白星をマークするチャンス
25日メインは「せんまや夜市30周年記念レース」(B1三組 盛岡ダート1600m)。有力各馬がそれぞれ別のステップを踏み、実力比較が掴みづらく難解さに輪をかけている。
その中で主軸に抜擢したのはブラックベガス。ハイペースを形成しても攻めの一手に出て押し切ると見た。
岩手転入は09年5月で当初格付けはB1。白星はマークできなかったが、2着2回3着1回の成績を残した。昨年度はC2へ降格しメンバーが甘くなった途端、いきなり5連勝。その後、昇級しても2勝をあげ通算7勝でシーズンを終了した。
今季はB1へ復帰。開幕2戦は6、4着に終わったが、前走はA・B1混合戦で果敢に逃げ、自らハイペースを形成しながら粘って3着。これが最終的な決め手となった。
持ち味は前走のようにペース速くても逃げた時の渋太さ。ウメノレイメイの出鼻を叩いてハイラップを刻み、最後は後方2頭ツルマルヤマト、トーホクキングが1、2着。ブラックベガスは負けてなお強しの印象を与えた。
今回も1枠に入ったジツリキザッツワン、ドリームガイアと同型の出方が気になるが、ここは前走と同様、攻めあるのみ。そうすれば道は切り開けるに違いない。
タケショウナイトは前走が初の盛岡芝だったが、マイペースの逃げに持ち込んで快勝。4歳馬が成長確かなところを見せてくれた。ネックはゲート難があることで今回は奇数番号の5番だから、先入れ。これが微妙に影響しそうだが、それを克服して連勝するようだと今後、さらに飛躍を遂げる可能性がある。
ストリートダンスは初戦4着。決して本調子ではなかったが、後方待機策から3角まくりに出て直線で2番手まで進出。最後は一杯となって4着だったが、底力を改めて証明した。
前走内容からこちらが本命かとも考えたが、2開催スキップしたのに調教のピッチが上がっていないこと。昨年も脚部不安で秋に2ヶ月ほど休養。能力は十分認めるが、臨戦課程の差で▲評価とした。
ドリームガイアは休み明け3戦目をまんまと逃げ切り。昨年秋以降は精彩を欠き、今季も不振で6、7着。そのため前走は8頭立て8番人気と最低評価だったが、見事に覆した。決して逃げにこだわるタイプではないし、ブラックベガス、ジツリキザッツワンの2頭が先行争いをすれば単騎3番手をキープでき、展開的に狙いが立つ。
ゲンパチオブラブは得意の芝でも伸びを欠いて3着。道中の手応えは悪くなったが、直線の反応がひと息で評価に迷う面は否定できない。ただ逆の味方をすれば3着は復調の兆しとも解釈でき、一発の可能性がある。
もう1頭怖いのがエスユーシルバー。今季3戦を消化してなかなか体が絞れてこないが、ジューンカップ=ダ1000m戦がちょうどいい追い切り替わりになったかもしれず、ソロソロの見方もできる。
◎(7)ブラックベガス
○(5)タケショウナイト
▲(6)ストリートダンス
△(8)ドリームガイア
△(10)ゲンパチオブラヴ
△(2)エスユーシルバー
3連単は7を1着固定で勝負で5、6の折り返しが本線。あとは8、10、2が押さえ
馬複は 5-7、6-7、7-8、7-10、2-7
<お奨めの1頭>
4R モンテムーン
岩手初戦を強いレースで逃げ切り完勝。大型馬が久々を使われてさらに気配アップした
日曜日のみちのく大賞典が終わった時点で書き始めた、という事で話題はおのずと「ロックハンドスターの敗因」それが何だったのか?に向いていきます。
結論からいえば「距離適性と持ち時計の壁」なのではないでしょうか。例えば昨季終盤、ロックハンドスターは水沢ダート2000m戦で2分11秒台・12秒台というタイムで勝ちました。盛岡では10月の不来方賞時の2分8秒8が最速です。
一方、近年の3歳トップクラスの戦績を見ると、3歳の夏頃には盛岡2000mで2分10秒台のタイムでもそこから着実にタイムを詰め、桐花賞出走時には水沢2000mで2分8秒台を普通に出せるようになっています。オウシュウクラウンしかり、バンケーティングしかり。マヨノエンゼルなんかもそうですね。そして、古馬になってからは盛岡2000mで普通に2分7秒台を出せるようになる。
その点でロックハンドスターの"タイムのつまり具合"はややスロー。桐花賞から半年ほどの間に持ち時計を1秒以上詰めないと・・・という計算になってしまって、そこに他馬の、盛岡2000mで普通に7秒台~8秒台前半を出せる馬たちにつけ込まれる隙がありました。
ただし、ロックハンドスターが昨年9月に盛岡1800mで出した1分55秒3というタイムは、これは優秀です。古馬オープン特別でも普通に勝ち負けできるレベルですから、2000mと1800mを比べればロックハンドスターの適性は後者にある、と考えていいでしょう。
余談かもしれませんが、2007年のテンショウボス以降、みちのく大賞典を岩手生え抜きの馬が勝っていないのは、GIとしてのダービーGPが休止された影響かなと思ったりします。ゴールドアリュールだのカネヒキリだの、後にトップクラスに登りつめるような馬と戦う経験は、伸び盛りの3歳馬にとって例え敗戦であっても大きな糧になったのではないかと。
それはさておき。しかし勝ったコアレスレーサーのタイム・2分6秒3は、これもまた素晴らしく優秀なタイムでした。
OROパークで行われたみちのく大賞典の中では歴代4位。そのうち1位と2位はメイセイオペラが不良馬場で叩き出した超絶タイムゆえ別格とすれば、05年トニージェントの2分5秒9に次いで2位。00年メイセイオペラの2分6秒7をも上回る、といえば凄さがより際だつでしょうか。7歳夏になって持ち時計を1秒詰めるという地力の高さには、素直に感服せざるを得ませんね。
●10Rの買い目
馬単 (2)→(4)、(2)→(1)
19日(日)メインは岩手古馬の看板レース「第39回一條記念 みちのく大賞典」。優勝馬主には今をときめく種牡馬ネオユニヴァースの配合権利が提供される。
舞台はダートのクラシックディスタンス2000m。4コーナー奥のポケットからスタートし、直線が約600m。盛岡自慢のコースで枠順の有利不利はほとんどなし。実力どおりに決着する。
主役はロックハンドスター。門別・コスモバルク記念を叩いてみちのく大賞典は当初の予定どおり。陣営はみちのくを制して真夏のJpnⅢ・マーキュリーカップへ駒を進めたいと考えている。
そのコスモバルク記念でロックハンドスターは5着。同期の三冠馬対決に沸いたが、クラキンコに完敗を喫した。これが現時点での実力差と認めるほかはないが、最終追い切りではフックラしていた体が輸送で減り、当日の馬体重がマイナス10キロ。改めてアウェーの厳しさも垣間見せた。
それから1ヵ月半が過ぎ、輸送疲れも完全に払拭。1週前はベストマイヒーローと併せ馬を消化し、最終追い切りは単走で好タイムをマーク。「1週前とは動きがガラリと変わった。自信を持って送り出せる」と瀬戸幸一調教師は納得の表情で語った。
盛岡ダ2000mもすでに2度経験済みで距離不安もまったくなし。飛躍の4歳を迎えてどのようなレースを披露してくれるのか楽しみで仕方がない。
しかし今回、伝統に一戦にふさわしく岩手トップがほぼ顔をそろえた。一昨年の年度代表馬マヨノエンゼルは仕上がり途上で回避したのが残念だったが、ロックハンドスターが不在だったら、ほとんどが主役を張れる馬ばかり。非常にワクワクしている。
まずコアレスレーサー。540キロ前後の大型馬で明らかに叩き良化型。今季初戦・あすなろ賞は3コーナー過ぎに先頭に立ち、そのまま押し切るかと思ったが、久々がこたえて3着。
だが、この一戦を叩かれて気配が一変。前走は積極的な逃げの手に出て上がり3ハロンが37秒5。このタイムでまとめられたら、ちょっと太刀打ちできないような完ぺきな内容で圧勝した。
これで弾みがついたのか、さらに体調アップ。昨年、同じ盛岡ダ2000mで行われたJpnⅢ・マーキュリーカップで4着に善戦して条件ベスト。ロックハンドスターを破り、待望の初重賞制覇に燃えている。
リュウノキングダムはトウケイニセイ記念優勝後、一度、園田へ転籍して再転入。初戦に早池峰賞を選び、久々の短距離・1200mが不安だったが、目が覚めるような最後方一気を決め、さすが重賞3勝馬と大向こうを唸らせた。
1200mからいきなり2000m延長は常識的にはきつい印象を持つが、リュウノキングダムは別格。最大の特長はどんな流れにも対応ができ、一昨年の北上川大賞典(盛岡ダ2500m)も完勝。器用さも兼ね備えている。
サクラマジェスティは前走・あすなろ賞で1番人気に支持されたが、5着に凡走。ちょっとミソをつけた感じだったが、珍しくゲート入りを嫌って先頭モードに入っていなかったか。
昨年、黒潮盃から帰郷初戦のロックハンドスターを子供扱いにして完勝。その後の成長力があるにせよ、アッサリ切って捨てたのは厳然たる事実。コースの広い盛岡で全能力を発揮するタイプだけに、前走のみで見限るのは早計だろう。むしろ気楽に乗れる今回の方が不気味さが漂う。
ワイルドキャットは転入初戦のあすなろ賞2着。前走比プラス12キロと見た目にも太め残りだったが、見せ場を十分に作ってクビ差の僅差負け。こちらも叩かれた上積みを十分に見込めるし、レースを作れる強みもある。結果的に評価は下がってしまったが、軽視はまったくできない。
あと印は回らなかったが、あすなろ賞快勝マイネルプロートス、早池峰賞で惜しくも3着ゴールドマインも怖さ十分。各陣営ともそれぞれの思惑を秘め、最高におもしろい一戦となった。
◎(9)ロックハンドスター
○(11)コアレスレーサー
▲(10)リュウノキングダム
△(3)サクラマジェスティ
△(8)ワイルドキャット
3連単は9を1着固定に勝負。あとは11、10、3、8と手広く流したい
馬複は 9-11、9-10、3-9、8-9
<お奨めの1頭>
3レース アクセルファイヤー
前走はマツリダベストの逃げ切りに屈したが、これは相手を誉めたい。今度は負けられない