クラスターカップが行われた8月15日、そのメインレースの他にも目玉イベントが開かれました。JRAの騎手7人対岩手の騎手7人で行われた騎手&チーム対抗戦「JRA VS 岩手」です。
着順に応じたポイントで争う騎手対抗戦は全国各地で行われていますが、チーム対抗まで加えた例はまだ数少なく、海外ではシャーガーカップ、国内では、以前南部杯の日に行われた「メイセイオペラカップ」くらいでしょうか。
結果から先にいえば2戦合計で100対88、12ポイント差でチームJRAが勝利。また個人では2戦とも2着を確保したJRA・福永祐一騎手が優勝。チーム・個人ともJRA勢が制しました。
お米1年分など膨大な量を手に入れて大喜びのJRA勢に対し岩手勢はちょっと地味なモードでしたが、しかし第2戦では岩手の菅原俊吏騎手が9番人気のアポロパトリオットで激勝してくれて、ファンに与えたインパクトでは決して負けていなかったですよね。
全レース終了後に行われた総合表彰式を含むイベントには、たくさんのファンの皆さんが集まってくれて、ちょうど夏祭りのような雰囲気でしたね。JRAの皆さんも、例えば福永騎手や川田騎手は16日に九州・佐賀での騎乗があるのですが、当初予定の花巻発の飛行機をキャンセルしてまでイベントに参加してくださいました。またこんなイベントができるといいですね。
昨季はオープンに地歩を築いた同馬ですが、今季ここまではちょっと物足りなさを感じる成績。ですが、前々走の一般戦での2着、前走の特別での3着と徐々に復活の兆しが見えてきました。
今回は前走に比べて非常に与し易い相手関係。加えて距離も、盛岡ではマイルよりは千八の方が強い競馬をするように思います。昨年11月以来の勝利へ前進。
対抗は(5)を採るか(6)を採るかが悩みどころ。(5)は距離が若干苦手、(6)は盛岡が割り引き・・・。
そんなことを考えながら対抗は(6)マイネベリンダとしました。コース苦手とはいえ前走くらいに先行できれば、このメンツなら勝負になるでしょう。変に競り合いになってしまうような事がなければ粘りこめます。
(5)ブラストクロノスも一時のスランプを脱して上昇感あり。展開向かなかった前走は度外視、前々走のようなしぶといイメージで見るべきでしょう。ただ2勝しているとはいえ意外に1800mは流れが向かないことがあるのが心配な点。少頭数で手薄なメンバーと、少し雨が降って軽めになった馬場を味方に付けたいところ。
あとはこれという押しが無いですよね。強いて加えるなら、転入2戦目で変身の余地がある(7)トカチヒビキでしょうか。ただこの馬にしても、実績的&血統的に距離伸びていいという印象はなく、あくまで「この馬自身が変身した場合」+「例えば先行争い激化して先行勢が自滅した場合」と、注文が二つくらい重ならないと・・・という所まででしょう。
●10Rの買い目
馬単 (3)=(6)、(3)=(5)、(5)=(6)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーステーション」へ
15日(月)は夏の風物詩「第16回クラスターカップ」(JpnⅢ 盛岡ダート1200m)。今年は第11回以来、久々に盛岡のフルゲート14頭がそろった。
過去15回中13回までJRA所属馬が優勝。また地方優勝2回は名古屋・ゴールデンチェリー(第5回)、船橋・プライドキム(第13回)だが、両馬ともJRAデビュー。地方生え抜きは1頭もいない。しかも昨年は優勝サマーウインドから5着までをJRA勢が独占。そのデータからも印はドスライス、トーセンクロス本線に集まっている。
今年のテーマはズバリ、ラブミーチャンがクラスターCの流れを変えることができるか。それに尽きるだろう。
改めて紹介するまでもないが、デビューから6連勝を飾り、史上初めて2歳馬でNARグランプリ年度代表馬の座を獲得。昨年度は北海道スプリントカップで3着に粘ったものの、続く函館スプリントSで大敗。
その後は休養を余儀なくされ、復帰後もずっと精彩を欠いていた。もしかすると早熟だったか―の声もあがっていたが、新設スーパースプリントシリーズで見事に復活をとげた。トライアル・名古屋でら馬スプリントで上がり33秒9の驚異的なスピードで圧勝し、全国地方のスピード自慢が集結した習志野きらっとスプリントも完勝。
レース内容も文句のつけようがなく、逃げたジーエスライカーの外をピッタリ追走し、直線で突き放す横綱相撲を披露。強いラブミーチャンがよみがえった。しかも2歳から3歳半ばまで480キロ前後の馬体重が、現在は510キロ超。これが成長の裏付けと見て間違いない。
確かにラブミーチャンに直線の盛岡坂は過酷な条件かもしれない。展開も決して楽ではない。JRA勢の包囲網も強烈だ。しかし今の充実度をもってすればすべて克服できると踏んでいる。
逆転筆頭は前記ドスライス。父はゴーンウエスト産駒スペイツタウン。アメリカ生まれでデビュー2戦目、門別競馬場の条件交流で初勝利をマーク。その後は一進一退のレースを繰り返し、なかなかオープンの壁を突破できなかったが、前走・NST賞でついにオープン戦を勝ち上がった。
好位2番手を追走し、直線でちょっとモタつくシーンもあったが、アースサウンドの追撃を封じて快勝した。これで通算6勝目、中央では5勝目を飾り、うち4勝がダート1200m戦(門別も加えれば5勝)。今回の条件は望むところだろう。
トーセンクロスは慢性的な脚部不安がつきまとい、何度かの長期休養があり、7歳にしてわずか17戦のみで出世が遅れたが、前走・安芸ステークス快勝でようやくオープン入りを果たした。
身上とするのは強烈な末脚。ラブミーチャン、ドスライス、そして1枠に入ったサンエムパームが競り合って先行激化する可能性も高く、そうなればトーセンクロスの台頭も十分ある。
あとは実績面で若干見劣るが、スマートブレード、グランドラッチにもチャンスがあるし、名古屋・エイシンタイガーはダート実績は前走の習志野きらっとスプリント4着のみだが、芝で重特を賑わした快速派。JRA勢の牙城を突き崩すかもしれない。
◎(3)ラブミーチャン
○(8)ドスライス
▲(5)トーセンクロス
△(12)スマートブレード
△(11)グランドラッチ
△(14)エイシンタイガー
3連単は3、8、5の3頭軸から12、11、14を3着押さえ。計24点予想
馬複は 3-8、3-5、3-12、3-11、5-8
<お奨めレース>
15日同日、「東日本大震災復興祈念 JRAvs岩手競馬」を実施。JRA7名、岩手7名のチーム対抗戦でチーム優勝、個人優勝を争う。
8R エーシンスローイン
11R スカイリバーに注目。どちらも岩手・山本政聡騎手が引き当て、重要なポイントゲッターとなりそうだ
14日(日)メインは芝交流重賞・OROカップ(9月25日 盛岡芝1700m)トライアル「桂樹杯」。舞台は盛岡芝1600m。
格付け時点ではマイネルアラバンサ、サウンドサンデー、アドマイヤホームの登録もあったが、体調ひと息のため自重。普通ならば物足りない一戦になってしまうが、3歳馬ラブミープラチナが果敢に挑戦し俄然、おもしろくなった。必然的にハンデ差も57キロから52キロまで広がり、これが勝敗に少なからず影響しそうだからだ。
主軸は復活したボスアミーゴ。2歳時から盛岡ターフ王の名をほしいままにし、3年連続で最優秀ターフホースの座を獲得。唯一残された重賞タイトルはOROカップのみ。これを優勝すると2歳、3歳、そして古馬の盛岡芝重賞をすべて制圧する快挙となるが、コスモバルクなど巡り合わせが悪く、いまだグランドスラム達成をできない。
そんなこんなで昨年はスランプ。自己の戦いに終始して未勝利。完全にピーク過ぎた印象を与えたが、前々走・かきつばた賞で自慢の末脚がよみがえって快勝。続く交流重賞・せきれい賞でもマチカネカミカゼには負けたが、半馬身差2着。ついに復活の雄たけびを上げた。
当然だが4、5歳時の迫力は薄れてしまったが、芝の鬼は依然健在。メンバーも手頃となった今回はきっちり白星を飾りたいところだろう。
以上、記したようにボスアミーゴは絶対的存在とはいいがたく、他陣営にもつけ入る余地はある。逆転筆頭はドリームスナイパー。
昨年、B1から重賞・せきれい賞へ強気の挑戦。オープン馬と同じ57キロ同ハンデだったにもかかわらず、直線鋭く追い込んでコスモヴァシュランの2着を確保。それを含めて盛岡芝<2.2.2.2>と連対率5割と抜群の適性を誇っている。
理想は芝の長丁場だが、前走は1700m戦で好位抜け出しを決めて快勝。ダート芝で2連勝を飾り、絶好調。ハンデ差2キロを味方に一気台頭をもくろむ。
ソノマンマは軽快な先行力と粘り強さが身上。芝通算4勝と適性はまったくヒケを採らない。しかも今回は絶好の内枠を引き当て、人気の2頭ボスアミーゴ、ドリームスナイパーは差しタイプ。マイペースの逃げに持ち込めば残り目も十分にある。リュウノヒーローの戦法次第だろう。
そのリュウノヒーローはB2特別「姫神賞」を優勝しての挑戦。芝1000mの忙しい競馬が不安材料だったが、逃げたナイトストーカーズをアッサリ交わして完勝。こちらも芝適性を存分に発揮した。魅力は先、差し自在の脚質。ソノマンマを早めに交わして主導権を握れば格上馬相手にも好勝負に持ち込める。
そしてラブミープラチナ。陣営は芝適性を見抜き、転入2戦目から芝路線を歩んで1、2、4、3着。はまなす賞シーグランディの0秒1差2着、前走はJRA勢を相手に3着健闘した。しかも裸同然の52キロ。現時点での完成度はともかく、軽ハンデに後押しされて先輩たちをひと泡吹かすシーンも考えられる。
◎(1)ボスアミーゴ
○(4)ドリームスナイパー
▲(2)ソノマンマ
△(9)リュウノヒーロー
△(5)ラブミープラチナ
3連単は1、4の1、2着折り返しから2、9、5へ流してみたい
馬複は 1-4、1-2、1-9、1-5
<お奨めの1頭>
3R ヒシカツ
岩手7勝の実績はダテではなく、再転入初戦を完勝。今回も相手強化感なく、連勝疑いなし
8月3日、青森県南部町の八戸家畜市場でサラブレッド1歳の八戸市場が開催されました。2005年以来の8月開催でしたがちょうどお祭りシーズンにぶつけたのが功を奏し、また暑さも和らいでもくれて盛況。上場64頭中27頭売却という好調な結果となりました。
最高価格840万円(税込)で落札されたのは新種牡馬ケイムホームの産駒でした。生産は青森・佐々木牧場、母はエムケイミラクル。そう、マヨノエンゼルの半弟にあたる馬です。
下見の段階から注目を集めていただけにセリ終盤の登場ながら活発に競り合いが進み、最終的にはJRAが840万円まで競り上げて落札。それまでの最高価格がグラスワンダー産駒の693万円、それをあっさりと超える価格に場内から歓声と共にため息が洩れました。
この馬のお母さんは02年の八戸市場に登場して岩手競馬の補助馬として購買されました。「レディーマジョラム2001」という血統名が今でも耳に残っています。
マヨノエンゼルは07年のこの市場に上場されましたが主取り。しかしその後の活躍は、岩手競馬ファンの皆さんならご存じの通り。現2歳のマヨノプリンセスも昨年のこの市場で購買されました。母子共に八戸市場や岩手競馬と縁が深い馬たちですよね。
この半弟の今後ですが、既にセリの翌日、青森から宮崎のJRA育成牧場へ向けて出発しています。宮崎で来年の春まで育成調教が進められ、順調に進めば来年のブリーズアップセールに上場、そこで購買されてJRAデビュー濃厚、という順序になるでしょう。
このルートで思い出すのはタムロチェリー。2000年の八戸市場でJRA抽選馬(当時)として購買され、翌年の小倉2歳SGIII、そして阪神JFGIを制しました。
あれからはや10年、そろそろ東北産のGI馬を・・・というのはまだちょっと気が早すぎますが、でもマヨノエンゼルの半弟ですしね。やっぱり期待してしまいます。
前走のJRA交流戦では1番人気に推されながら8着に敗退した(2)オウシュウサンクス。海千山千のJRA馬達のつくる流れに翻弄され、最後まで力を出せずじまいだったように思います。
しかし今回は再び地元馬のみの戦い。それもほとんどの相手はこれまでに秒単位で負かしたことがあるような馬で、相手には失礼ながら非常に与し易いという印象です。
自分としては正直な所、今季のオウシュウサンクスは昨年の一番良い頃の動きにはちょっと遠い状態だと思っています。とはいえそれでも、中間はしっかり調整できていますし、地元馬同士なら地力の差だけで押し切れる計算。やはりこの馬から、でしょう。
となると相手は◎と未対戦の馬から・・・という事に。そこで浮上するのが(3)タカラムーンです。B1の上位で勝ち負けできる点を再確認できた前走は価値の高いもの、真っ向勝負で◎を負かせるとまでは言いませんが、もし◎が前走のようにもたつくようなら・・・というポジションにはあると思います。
三番手となるともはやどっこいどっこい。ここは(7)マイネルサウダージ、(8)ビュレットライナーあたりの先行馬を拾うのがベターなのでしょうが、土・日の感じだと逃げた馬が止まりがちで強気になれず。この2頭にしてもむしろ「ハナ奪った方に勝ち目が無くなる」様な気がしてなりません。
では(1)モンセルバンの一発狙いか?しかしこちらもねむの木賞くらい走れば計算できるのですが、いかんせんその後の3戦が全てしんがり負け。
やはりここは◎中心、何かあるとすれば◎自身が自滅したような場合のみ・・・と考えるしかないようです。
●10Rの買い目
馬単 (2)=(3)、(2)→(7)、(2)→(8)
7日メインは3歳・芝2400mが舞台「サファイア賞」。地元同士の戦いならばシーグランディが実力の違いを見せつける。
シーグランディは冬場にJRAへ2度挑戦して連続11着。福島2歳ステークスで2着に食い込んだが、1800mでスローに落とされて折り合いを欠いたのも痛かった。その後、美浦近郊の牧場で休養に入り、5月15日、七時雨賞(盛岡ダ1800m)から始動。打倒ベストマイヒーローに燃えていたが、完敗3着。
その結果から芝路線へ照準を絞り、3歳B1戦(ダ1600m)を叩いて芝特別・はまなす賞へエントリー。ゴール前でラブミープラチナに詰め寄られたが、貫禄で優勝。満を持して交流重賞・オパールカップへと臨んだ。
盛岡芝の実績が群を抜き、当然のように1番人気に支持されたが、北海道から参戦スタープロフィットに完敗。地元レディージャスミンにも先着を許し、3着に沈んでしまった。
この内容に陣営、小生もショックが大きかったが、よりによって大外10番枠からの発走。芝1700m戦は内枠が圧倒的に有利の傾向があり、じっくり後方待機策を採ったが、自慢の切れが不発に終わってしまった。
想定どおりの成長がなかったのか、それとも昨シーズンの疲れが残っていたか。いずれにせよ今回は勝つことはもちろん、内容も問われる一戦。2400mの距離は本質的に合わないだろうが、ここでは絶対能力が違う。反撃の狼煙(のろし)をあげることができるか。注目してみたい。
相手筆頭はスパルタン。昨年、北海道デビューの予定だったが、出走を取り消して岩手転入。芝2戦を2、1着にまとめて上々の滑り出しを切った。その後は重特では力が足りず、平場戦2着1回でシーズンを終了した。
今季スタートは3歳B1戦だったが、3、6着止まり。視界から外れつつあったが、岩手ダービー・ダイヤモンドカップでベストマイヒーローの2着。距離延長を味方に好走した。
続いてジャパンダートダービーへ挑戦したが、さすがに相手が強すぎてブービー14着に終わったが、自身には貴重な経験となった。帰郷後も反動がまったくなく元気一杯。好調キープでサファイア賞へ駒を進めてきた。
芝は先にも記したとおり問題なし。あとは2400m戦がどうかだが、体型的に明らかに長距離向き。忙しい競馬より間違いなく合うはずだ。
カギを握る1頭がリュウノキャンドル。北海道、南関東で通算3勝。東京プリンセスカップ13着後、留守杯日高賞へ参戦。相手関係から1番人気に支持されたが、初コースと輸送がこたえて4着。
南関東へ帰郷したが、競走除外となり、岩手入り。当初はひまわり賞へ出走予定だったが、岩手1出走以上の規定に引っ掛かり、3歳B1戦に臨み、好位抜け出しを決めて快勝。底力の違いを見せつけた。
ネックは言うまでもなく生涯初の芝。未知数のため凡走の可能性もあるが、父がプリサイスエンド、母父がサッカーボーイなら盛岡芝が合いそう。まとめて負かすシーンも十分。
レディージャスミンは水沢1勝、盛岡芝1勝。シーグランディといっしょに福島・きんもくせい特別に挑戦して1・7秒差10着。続く中山芝1600m・ひいらぎ賞も同じく10着に終わったが、直線ではマズマズの脚を使い収穫は少なくなかった。
その後は休養に入り、ダート戦から始動して8、4着。ダート適性も低かったが、仕上がり途上のため凡走したが、芝・はまなす賞3着。これで本来の動きを取り戻しオパールCでは積極的なレース運びを見せて4角で一旦先頭。直線でスタープロフィットに離されたが、2着を確保した。
前走・ひまわり賞はダートに替わった上、持久力が要求される2000m戦で6着止まり。この一戦が余計な印象は拭いきれず、評価を下げてしまった。
あとは芝2着2回のバクソクトレインも刑しできない。一戦目は逃げて2着、前走は後方待機策から直線鋭く伸びて2着。今回はメンバーが大幅に強化されたが、適性は上位馬に比べても決して見劣りはしない。
◎(4)シーグランディ
○(11)スパルタン
▲(9)リュウノキャンドル
△(8)レディージャスミン
△(2)バクソクトレイン
3連単は4を1着固定に11、9、8、2手広く流したい
馬複は 4-11、4-9、4-8、2-4
<お奨めの1頭>
1R エスプレッソ
デビュー戦はエトセトラの外方逸走に助けられたかと思ったが、2戦目のダート戦を舌を巻く強さで圧勝。これは大物だ