
5日メインはオープン牝馬による重賞「第12回ヴィーナススプリント」(水沢1400m)。第1回から第5回まで水沢1300m重賞で行われ、2018年は取り止め。2019年、2020年は盛岡ダート1200mを舞台に準重賞で実施。2021年から重賞へ再格上げされ、昨年から水沢1400mで行われている。
中心はミニアチュールで不動。過去、重賞タイトル数11個。今シーズンは初戦3着、栗駒賞8着に終わったが、シアンモア記念3着、あすなろ賞2着、一條記念みちのく大賞典3着。牡馬に交じっても好勝負を演じ、牝馬重賞・フェアリーカップを2秒差で圧勝。ビューチフルドリーマーカップ2連覇へ視界良好だったが、ローリエフレイバーの執拗なマークに遭って5着。地区レベルを見せつけられたが、再び地元牝馬が相手。最内枠1番枠が若干ネックだが、能力の違いは歴然。2連覇に王手をかけた。
レディブラウンは一昨年12月、門別A3級から転入。C1編入にも恵まれて9勝マーク。オープンまで上り詰めた。今季は初戦の白嶺賞2着後は馬券対象にはならなかったが、重賞・早池峰スーパースプリント4着、岩鷲賞4着、JpnIII・クラスターカップ8着。そして前走オープンで3着と持ち味の堅実さを発揮している。ミニアチュールは別格に、このメンバーなら次位は死守する。
ポンヌフは中央ダート2着2回、南関東2着1回、名古屋1勝、金沢を経て転入。通算1勝のみだったが、転入前の金沢重賞・クイーン賞で2着確保。その実績はダテではなくフェアリーカップで3着。2着ケープライトとは0秒1差でオープン通用を証明した。右回り1400mは望むところ。
キャンドルベリーは中央未勝利、大井5戦4勝、中央1勝クラスから転入。3勝2着3回3着5回とすべて3着以上にまとめ、安定度抜群。メンバーは骨っぽくなったが、相手なりに駆けるタイプ。マークを欠かせない。
ピカンチフラワーは冬場に大井2戦を使って再転入。3歳牝馬重賞・あやめ賞を快勝し、イーハトーブマイル2着、ウイナーカップ2着。前走・ひまわり賞は1番人気3着だったが、明らかに距離の壁。1800mが長すぎた。今度は古牝馬が相手だが、水沢1400mがベスト条件。
カリュウは中央ダート2勝。当初は苦戦の連続だったが、前走・水沢850m戦で3着。2着グアドループとはわずか首差負けで今後へのメドが立った。ペース速くなれば決め手をさく裂。
◎①ミニアチュール
〇⑦レディブラウン
▲⑨ポンヌフ
△⑪キャンドルベリー
△③ピカンチフラワー
△⑫カリュウ
<お奨めの1頭>
3R ヴァサヴォワール
転入戦は3着止まりだったが、太め残りも敗因。それでも破格タイムをマークした。ひと叩きされて首位を奪取する
9月28日に行われた3歳牝馬三冠路線の最終戦『オータムティアラ』は3番人気ミナトミナイトが4馬身差で勝利。ひまわり賞に続いて牝馬二冠を獲得しました。
逃げたサンカリプソの2番手につけたミナトミナイト。鞍上・高橋悠里騎手にとっては「ゲートの出方次第では2,3番手でもいいと考えていた。スタートが決まったのでそのまま馬のリズムで行こうと思いました」とそれも想定の範囲内。2周目の3コーナーで外からプレシャスアセットが迫ってきた時も「馬が見えたらまたひと伸びしてくれた」ミナトミナイトが競り合い寄せ付けず、最後は4馬身まで差を拡げてゴール。ひまわり賞に続いて二冠目を手にしました。
2着はプレシャスアセットが確保、3着には2番人気ナムラクレープが直線浮上する形。4着に7番人気オールニッポン、1番人気クラリティーは5着でした。
早くも9月最終日。秋の水沢開催も後半戦の半ばを過ぎて残すは今日と次週の3日間。盛岡開催に変わればすぐに南部杯ですし、朝晩の冷え込みもはっきりしてきましたし、今シーズン自体も終盤戦に入ってきた印象ですね。
さて9月30日のメインレースは12Rに行われるB1級一組ダート1600mの『アレキサンドライト賞』。本命は(4)タカマキファイブです。
既にお気づきの方もおられるでしょうがこの開催から3歳馬が古馬と同じ格付けに編入されており、このタカマキファイブもここが初の対古馬戦となります。
活きの良い3歳馬が組み込まれて大活躍・・・なのですが、その多くはC級以下の下級条件で、B級やA級になるとベテラン古馬の壁はそれなりに高く厚い・・・というのが例年の傾向。なので3歳馬の本馬がここでどれだけやれるか?は過信はできないのですが、直近のタイムでみてこのメンバーと互角、夏前頃から力を付けて重賞でも2着に食い込むくらいの成長を見せていた点、これらをみれば古馬B1級に入っても通用の期待をかけてみたいもの。逆に言うとこの馬のここでの走りがこの後に続く"上位クラスに入った3歳馬"たちの走りを占う事にもなるでしょう。
対抗は(1)タイセイモンストルを狙ってみます。芝ではもうひと押しが足りなかったですがダートに挑んだ前走が、自身としては二度目のダート戦でしたが、これがなかなか悪くない走り。ダートの長めの距離の方がこの馬の持ち味である粘り強さを活かせそうな手応えがありました。なので距離は、マイルよりもっと長い方がより良いとは思いますが、前走をフロック視するのは危険と考えての敢えての対抗評価。
(9)メイショウタニカゼが三番手。どうしても展開に左右されるタイプ、そして今季は水沢も盛岡もあまり差し馬に優しい馬場傾向ではなかった点は考慮するべき点。時計比較で差は無いようにもっとやれて良い馬。
(6)クリコマも降級してあっさりと強い競馬を見せており、▲にちかい△の一番手。もう一頭は(2)サンエントジアスタ。水沢だと外目の枠の方が流れに乗りやすいのではと考えて印はここまでに留めましたが、力量では全く遜色ない存在です。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(4)=(1)、(4)=(9)、(4)=(6)、(4)→(2)
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9月24日(木)、園田競馬場で「第32回ゴールデンジョッキーズカップ」(全3戦)が行われ、岩手から山本政聡騎手、山本聡哉騎手が参戦した。兄弟ジョッキーの出場は安藤光影騎手、安藤勝己騎手(当時、笠松競馬所属)以来のことだったという。
優勝は矢野貴之騎手(大井)、2位・戸崎圭太騎手(JRA)、3位・笹川翼騎手(大井)。山本聡哉騎手は総合6位、山本政聡騎手は11位に終わったが、同騎手は第3戦目・チャンピオンジョッキー賞(園田1400m)で外枠に入りながらハナを主張。1番人気タンバブショウ(笹川翼騎手)に早めに交わされ、直線一杯となって11着に終わったが、見せ場は作った。全国トップジョッキーとの対決を今後に生かしてほしいと思う。
29日(月)メイン12Rは「夢・希望 未来へ前進」。今回はB1級、水沢1400mの条件で行われ、実力伯仲。展開一つで着順が替わりそうなメンバー構成となった。
タイセイアゲインは中央ダート3勝、JpnI・全日本2歳優駿4着。その後、南関東1勝・A2級から転入。移籍3戦目の水沢1400m戦を快勝。以降は白星から遠ざかっていたが、前走は水沢に戻って首位を奪回。その勝利を含めて水沢1400mは2勝2着1回3着1回とすべて馬券対象。適性の高さを誇っている。格上馬が復活なら連勝濃厚と考えるのが妥当。
コンチトーホクは門別1勝、中央1勝クラス、南関東3勝・C1を経て岩手入り。出走取り消しをはさんで3連勝をマークした。前走2着に敗れ連勝はストップしたが、1着タイセイアゲインとのタイム差は0秒1。水沢コース2度目で逆転を狙う。
アメイジングスターは今季3勝2着2回3着1回。精彩を欠いた時期があったが、近4走を2勝2着1回3着1回にまとめて軌道修正。いい脚を長く使える持ち味が冴え渡っている。流れ速くなれば一気突き抜けるシーンまで。
パイアイヤーは東京ダート1300m1勝、川崎900m1勝。南関東B3級から転入し、ハイタイムを連発して2連勝を飾った。右回りに若干不安を抱えているが、底見せなし。勢いに乗って3連勝十分。
メイザーキックは前回快勝。中央2着4回、岩手2着7回の成績からデビュー36戦目で悲願の初勝利をあげた。今回は外目の枠順がネックだが、逃げてこそのタイプ。強気に攻める。
ユラノグラフィアは相手なりに駆ける堅実さが身上。3走前、4走前に二けた着順に沈んだが、近2走は連続2着。本来の動きを取り戻した。
◎②タイセイアゲイン
〇⑦コンチトーホク
▲⑥アメイジングスター
△④パイアイヤー
△⑨メイザーキック
△⑪ユラノグラフィア
<お奨めの1頭>
3R ベルレオーネ
中央未勝利に終わったが、東京ダート1300mで4着、転入前の中山ダート1200mで1分13秒5をマーク。C2編入は恵まれた
28日メインは牝馬クラシック三冠目「第6回オータムティアラ」(水沢1900m)。同レースは2020年に創設。牝馬も三冠体系が確立され、当初4回は盛岡ダート2000mを舞台に実施。OROオータムティアラの名称で行われていたが、昨年は水沢1900mへ移行。それに伴い、OROの冠名が取られた。
本命はミナトミナイト。2歳時は5戦未勝利に終わったが、今季3戦目を快勝。待望の初勝利を飾った。以降は伸びを欠いたが、3走前1着から岩手版オークス・ひまわり賞を快勝。鮮やかなロングスパートを決めた。続いて3歳以上牝馬交流・ビューチフルドリーマーカップへ挑戦。さすがに相手が強く2秒8差6着に終わったが、古馬オープンの流れを経験したのは貴重。今回は同世代の地元3歳馬が相手。水沢周りに若干不安はあるが、牝馬二冠制覇に向けて態勢は整った。
ナムラクレープはダート1800m3着1回から高知へ移籍。初戦は4着に終わったが、2戦目から3連勝マーク。直後に岩手入りし、盛岡1400mをハイタイムで完勝した。一度、実戦を叩いてオータムティアラ挑戦は予定どおりのステップ。兄ナムラマホーホは東海地区で21勝を上げて重賞6勝。1900m延長、血統背景を味方に逆転首位まで十分。
クラリティーはデビュー2戦の芝で着外後、4ヵ月の休養を経てダート1800mにシフトして2着。続く小倉ダート1700m5着後に岩手入り。若干レース間隔が開いたのは爪の状態が思わしくなかったからだが、セレクトセール出身の期待馬。1900mは望むところ。素質でアッサリまで。
コックリサンは中央6戦0勝から転入。4勝2着3回の好成績を収め、重賞・ひまわり賞でも2着に健闘した。JpnII・不来方賞11着はともかく、前走10着は疲れも残っていたか。今回は3勝2着2回3着1回と得意の水沢コースが舞台。ひまわり賞の再現を狙う。
プレシャスアセットは中央3戦二けた着順だったが、岩手の水が合って頭角。3歳芝交流・オパールカップで3着を確保し、続く3歳B1戦で初勝利。前走はJRA勢を一蹴し、上昇一途をたどっている。ダートに替わっても目が離せない。
オールニッポンは中央芝2000m以上を専門に使われて福島芝2600m5着から転入戦を快勝。好発進を決め、重賞・ひまわり賞へ挑戦。マイペースに持ち込んで5着入線を果たした。ゆったりと流れる1900mで反撃。
◎⑨ミナトミナイト
〇④ナムラクレープ
▲⑩クラリティー
△⑤コックリサン
△①プレシャスアセット
△⑧オールニッポン
<お奨めの1頭>
6R ルジュウェール
中央時代にダート短距離をメインに使われて転入。好調馬がそろったが、持ちタイム上位。初戦からいける
9月21日に行われた古馬によるマイル重賞『青藍賞』。"やはりこの2頭の戦い"と思わせたレースはヒロシクンがフジユージーンを退けて優勝。ライバルを三度退けての今季重賞3勝目を挙げました。
戦前の予想通りにヒロシクンがハナを奪ってスタンド前の直線へ。一方のフジユージーンは7番手あたりになって早くもヒロシクンが主導権を握った形で開幕。ややスローに持ち込んだヒロシクンに対してフジユージーンも向こう正面半ばで仕掛けていきますが、3コーナー手前、2頭が並びそうになったところが結果的には"最小の差"となりました。
外から上昇してきたフジユージーンに対してヒロシクンも間髪を入れずスパート。前半のペースの分の余力に加えてこの日は前が止まらない馬場、そこからは2頭の差は開く一方となってヒロシクンが4馬身まで差を拡げてゴール。春の赤松杯・シアンモア記念に続いてここでもフジユージーンを退けて今季重賞3勝目、自身6つめの重賞タイトルを獲得しました。
一気に秋らしくなった水沢競馬場、9月23日のメインレースは12Rに行われるOP級ダート850mの『スプリント特別』。本命は(3)ゴールドボンドを採りました。
夏に岩手に転入してここまで2戦はいずれも盛岡1000mで、オスカーブレインに敗れる形で終わった本馬ですが、先行競り合って跳ね返された転入初戦に比べると2戦目の前走は、同様に競り合いつつ僅差に食い下がっていてこの馬としてのコース慣れ、進境は見せていたと言えるでしょう。
今回もそんな"天敵"オスカーブレインとの対戦になりますが、これまでは向こうがより内枠・自身が外枠だったのが今回は一つとは言え自身が内枠。また自身にとっては初コースになる水沢850mですが、転入前は園田の820m、姫路の800mで実績を積み重ねたように右回り短距離の経験は豊富にあります。これは逆転、雪辱できる舞台設定と判断していいでしょうし、前走で見せた進境の、さらに上積みも期待したいところ。
対抗は(4)オスカーブレイン。4着に敗れた前走は、結果としては重賞で勝ち負けの実績を持つ馬たちに先着されたもの、そんなライバルが不在のここではやはり主力視するのが当然というもの。ゴチャつかずに戦える盛岡がベストではありますが水沢でも850mではスピードを活かした戦いができており、◎の出方、兼ね合いはカギになりますが主導権を握れたらそのまま逃げ切れる可能性も十分。
三番手は(1)グアドループを。今回からA級入りで相手強化は確かですがここまでのレース、走破タイムでは通用して良いものを見せています。間違いなく競り合いになるだろう◎○のどちらかが崩れたら・・・も想像しやすいかも。
以下、現時点では◎○と少し差がある戦績ですがこの馬も右回り・短距離の条件が悪くないはずの(7)カリュウ、一昨年の話にはなりますがこの距離で好タイム3連勝している(6)チベリウス。これらにとっても◎○の競り合い方次第では好機が到来していいでしょう。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(3)=(4)、(3)=(1)、(4)=(1)、(3)=(7)、(3)→(6)
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