
18日メインは一條記念みちのく大賞典、桐花賞と並ぶ岩手古馬の根幹競走「第50回シアンモア記念」(盛岡ダート1600m)。今年は例年以上に豪華な顔ぶれ。昨年の年度代表馬、4歳以上最優秀馬、最優秀牝馬がそろって出走。さらに大物転入馬も加わり、今季最初の大一番となった。
フジユージーンは無敗でダイヤモンドカップ、東北優駿の二冠を獲得。JpnIIへ昇格した岩手三冠目・不来方賞へ駒を進めてサンライズジパングの4着。続いてJpnI・ジャパンダートクラシックへ挑戦してフォーエバーヤングの10着。JRAの壁は厚かったが、地方競馬交流・楠賞(園田1400m)へ遠征して全国の強豪3歳を相手に快勝。岩手の年度代表馬に満場一致で選出された。
その後、静岡県御殿場の富士ファームへ移動して休養。今年2月に水沢へ帰郷して乗り込みを再開。赤松杯から始動したが、ヒロシクンの逃げ切りに屈して2着。久々の実戦もこたえたが、最後はクビ差まで肉薄。敗れて強しの内容だった。赤松杯を叩いてシアンモア記念は予定どおりのステップ。コース広い盛岡も合い、古馬タイトル制覇に王手をかけた。
ヘリオスは中央ダート8勝。重賞タイトルこそ手にしていないが、2022年のJpnI・マイルチャンピオンシップ南部杯で逃げの手に出て直線でも強じんな粘りを披露。ゴール寸前でカフェファラオにハナ差交わされてビッグタイトルを逃がした。ほかにダートグレードで2着5回3着2回とダート強豪で名を馳せた。転入戦の栗駒賞は案外の4着に終わったが、この一戦で陣営も手のうちに入れたはず。南部杯と同じ盛岡1600mへ替わり、反撃に転じる。
ヒロシクンは昨年、中央1勝クラスから転入。一條記念みちのく大賞典を皮切りに青藍賞、トウケイニセイ記念と重賞3勝。桐花賞は4着に敗れたが、岩手の水が合って4歳以上最優秀馬に選ばれた。今季初戦の赤松杯では1番人気をフジユージーンに譲ったが、鮮やかな逃げ切りを決めて快勝。好発進を決めた。盛岡マイルも青藍賞など4戦3勝で問題ないことを証明済み。重賞2連勝へ王手をかけた。
ミニアチュールは昨年、重賞3勝を含めて6勝2着2回。桐花賞でも僅差2着に惜敗し、最優秀牝馬に選出された。今季初戦3着、栗駒賞8着と精彩を欠いたが、昨年も3戦目を快勝。加えて盛岡コースは8戦8勝とパーフェクト成績。今度こその期待がかかる。
ノーブルサターンは一昨年の年度代表馬。昨年は未勝利に終わったが、それでも桐花賞0秒1差3着。今季初戦の赤松杯でも3着に粘り、健在を誇示した。シアンモア記念は一昨年に優勝し、昨年3着。古豪健在を誇示する。
ライアンは昨年、芝からダート変更・せきれい賞、大みそかの桐花賞を優勝。軽い走路で重賞2勝をマークした。パワーの要るダートが課題だが、今季初戦を快勝し、幸先のいいスタートを切った。馬場が軽くなれば激走のシーンまで。
◎⑧フジユージーン
〇③ヘリオス
▲⑩ヒロシクン
△④ミニアチュール
△⑨ノーブルサターン
△②ライアン
<お奨めの1頭>
2R グロー
未勝利馬だが、中央芝で2着4回3着1回。園田で2着3回3着1回、川崎で3着1回。最終格付けが南関東C1で岩手C2なら地力の違いが明白
盛岡開幕から約2週間、はや5月も半ばが近づいてきました。関東や西日本は「この時期一番の暑さ」のような気温が高い日が多いようですが、岩手はどちらかといえばグズグズした空模様が多くて、ここまでは長袖ばかりかその上に着る上着も手放せないような肌寒い日が続いています。掲載した画像のような、スッキリと岩手山が見える開催日も多くなく・・・。
とはいえこれも"続いていました"と、そろそろ過去形になりそう。今日・火曜日あたりからは気温が急上昇して、毎日の最低気温がここ数日の最高気温・・・くらいになる模様。初夏らしくなるといえばそうなのですが、気温の急変動には皆様も体調維持にお気をつけ下さい。
そして来週の岩手競馬では18日に古馬マイルの重要な一戦・シアンモア記念が行われます。前走の雪辱を狙うフジユージーン・ヘリオス、今回もまたタイトルを奪取しようと虎視眈々なヒロシクンらライバルたち。出走予定メンバーは早くも前半戦のクライマックスになりそうな印象。お楽しみに!
5月13日のメインレースは11Rです。B1級ダート1800mの特別戦『紫陽花賞』。ここでの本命は(2)サトノバトラーを採りました。
今回が転入初戦になる同馬はJRA1勝クラスからの移籍。7歳セン馬ですがここまでまだ18戦とキャリアが少ない馬です。1勝クラスを突破できなかったとは言え突破寸前までいったレースは多く、力量は1勝クラス以上のものがあったという評価ができるでしょう。
距離経験に関してもJRAでの初勝利がダートの2100m。その後も2100~2400mの間で戦っており、2000m以下での3戦しか無いくらいに長距離にふった戦跡をたどってきています。その点で今回の1800mはむしろ"この馬には短いのでは?"と懸念したくなるようなところもありますが、JRA東京でのダート経験が多い点は強みにもなるのでは。
懸念とすれば、JRA時代にはなかなか体調が整わずに間隔を空けた出走になりがちだった点、そして馬装をいろいろと取り替えていたように難しい面もあっただろうと想像させる点。昨年は1月から始動してひと叩きされてからは僅差の競馬を続けていたので、今回は、2月の戦線復帰から2度叩かれての移籍になったのはひとまず良い方の材料と受け取りたいところ。2億7000万ホースの転入初戦、まずは注目。
対抗は(9)レールガン。前走敗れてこの春3連勝はなりませんでしたが、この春の水沢の馬場傾向で、この馬の脚質で、常に上位争いしているだけでもやはり地力はあると感じさせたものです。それで評価は下がらないし1800mに伸びる点も有利な材料。
三番手は(4)ジャッジでどうでしょうか。A級でも勝ち負けしていた一昨年ほどの勢いではないものの、この春も状態は決して悪くない印象。JRA時代以来の1800m戦ですが、JRAでの2勝目が東京2100m、長めの距離にも対応するシニスターミニスターの産駒。1800mの条件は合っていいと見ます。
以下は(6)メイショウメイスイ・(7)サンエイコンドル。メイショウメイスイは以前盛岡1800mで好走経験ありとはいえマイル以上が凄く良い戦績ではないのは確かですが、近走で見せている好気配さが武器になって良いと見ての押さえです。(横川典視)
●11Rの買い目
馬単(2)=(9)、(2)=(4)、(9)=(4)、(2)→(6)、(2)→(7)
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少し古い話題だが、4月28日(月)水沢競馬第5Rでフリーセントが逃げ切り、山本政聡騎手が地方競馬通算2000勝を達成した。岩手競馬では史上7人目の2000勝達成となった。同騎手は2003年4月19日にデビューし、今年で22年目。弟・山本聡哉騎手に続いて2000勝ジョッキーの仲間入りを果たした。
現在、三男の山本聡紀騎手が岩手競馬で騎乗中だが、5月5日(月祝)盛岡競馬第8Rでは1着・ゴールドクレスト(山本政聡騎手)、2着・ヤマニンエピクーレ(山本聡紀騎手)、3着・グッバイアイザック(山本聡哉騎手)の順で入線。初めて山本三兄弟がワン・ツー・スリー・フィニッシュを決めた。岩手競馬で史上初の三兄弟1~3着を果たしたが、勝ったのは長兄・山本政聡騎手。兄の貫禄を見せました。
12日メインはB2級一組「Glorious Days賞」(盛岡1000m)。前走、盛岡1200mを使った組、水沢850mを使った組が今回の1000mでどんな展開になるのか―が焦点。思った以上に難解な一戦だ。
レフトフィールダーは昨年11月以降は850m戦を使われて3勝マーク。新境地を拓いた。前々走は5着に終わったが、10頭立て1番枠に入って痛恨の出遅れ。直線で追い込んだが、0秒2差までだった。続いて前走は盛岡1200mへ駒を進めて4着。見せ場は作ったが、ラスト1ハロンで一杯となった。その意味で1000m短縮は基本歓迎。盛岡戦は1勝のみだが、こなせない訳ではないし、成長力も確か。首位を奪回できる。
ゴープラチナムは中央1勝クラス、笠松3勝、南関東4勝・C1級が過去履歴。岩手C1編入にも恵まれてアッサリ2連勝。好発進を決めた。前走5着の評価が分かれるところだが、思った以上にダッシュがつかず位置を取るために脚を使って伸びを欠いたと解釈。川崎900m1勝の実績があり、左回り1000mは望むところ。
マケンは中央3戦未勝利から1年5ヵ月の休養を経て転入。850m1本のローテーションで4勝2着2回。6戦連続で連対を果たした。前走は8着に終わったが、初の盛岡戦でよもやの出遅れ。自分の競馬ができずに終わった。今度はコース2度目、距離も1000mへ短縮されて巻き返し必至。
マルケイヴェスパーは昨年12月から850m戦にシフト後、2勝2着1回3着1回と安定した取り口を披露。前々走8着に沈んだが、前走4着でひとまず軌道修正ができた。盛岡1000mは3歳時に一度経験して2着。適性を証明済み。
グリニッジシチーは中央ダート2勝。高知6勝から昨年4月に転入。オープンで走り続け、終盤の盛岡1200mで2着1回、盛岡1000mで3着1回。今回は昨年10月以来の実戦だが、メンバーに恵まれた。
ハイプボーイは門別3着1回、高知2勝から転入。クラスが微妙だったが、前走は前半で置かれながらもメンバー最速36秒7の上がりで3着。短距離に活路を拓いたか。
◎⑦レフトフィールダー
〇④ゴープラチナム
▲⑩マケン
△⑤マルケイヴェスパー
△⑥グリニッジシチー
△⑨ハイプボーイ
<お奨めの1頭>
6R ゲレル
札幌芝1500m3着の実績はダテではなく、転入後あっさり2連勝。昇級戦でも追いかける手
先週5月3日(土)から今シーズンの盛岡競馬がスタート。5日間連続の開催となったが、まずはみなさんに謝らなければならない。コース替わりは水沢データを一旦クリアーして臨みたい―と記したが、これほど一変するとは思わなかった。
特に4日(日)からは高速決着の連続。ハイペースでも逃げ切ったり、好位追走した人気馬が沈んでしまったり、後方一気が決まったりして正直、とまどった。水沢戦で着外だった馬が一転して快勝するケースも少なくなかった。改めて水沢と盛岡は別物を改めて実感した。当然だが、予想も壊滅的だった。
開催は詰まっているが、気持ちを新たに臨みたいと思っている。今週も中間に雨が降り続け、高速決着の可能性が高くなった。それでも馬場状態は日々、刻々と変わるもの。第1Rからしっかりチェックしなければと肝に念じている。
11日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」。今回はB1級一組・盛岡1400m条件で行われる。前回、盛岡1400m戦を使った馬が8頭中5頭。馬場状態は変わるかもしれないが、重要な参考になるのは当然だろう。
カツゲキダイオウは門別デビューで6勝。北海優駿7着、王冠賞6着と北海道二冠にも駒を進め、その後、園田へ移籍して3勝をマークした門別へ故郷。さらに4勝をあげてA1級へ在籍した。一昨年12月、南関東へ移籍して苦戦の連続。4着が最高で南関東B2級から岩手転入。B1編入は恵まれたが、当初2戦8着。前途に暗雲が立ち込めたが、3戦目2着から前回完勝。ハイタイムもマークし、ようやく軌道に乗った。今回、仮に時計がかかったとしても勢い重視。2連勝濃厚と見る。
フェルサイトは中央4戦0勝から転入。格付けにも恵まれたが、6勝2着1回3着4回。馬券対象から外れたのは4着一度のみと依然、底を見せていない。ここ2戦は3着止まりで前走もカツゲキダイオウに完敗だったが、成長続ける4歳馬。逆転の目があるかもしれない。
ツルマルベルは強烈な末脚を武器に今季初戦を快勝し、2戦目2着。3戦目5着、前走9着に終わったが、スローペースに持ち込まれたのが致命傷。展開に泣いた一戦だった。今度は盛岡1400mが舞台。過去4戦2勝3着1回と得意としており、巻き返しに転じて不思議はない。
コスモモカは先行粘りが身上。前々走2着、前走は4着に沈んだが、見せ場は作った。今回は願ってもない絶好枠。マイペースに持ち込めれば残り目は十分ある。
マムティキングは前々回快勝したが、前走は後方のまま8着。成績安定しないが、これが追い込み馬の宿命。流れが速くなれば巻き返せる。
マコトダイトウレンは今季初戦を快勝したが、以降は尻すぼみ気味。しかしペース落ち着けば粘りを発揮。折り合いつけて流れ込みを狙う。
◎③カツゲキダイオウ
〇⑧フェルサイト
▲⑦ツルマルベル
△①コスモモカ
△⑤マムティキング
△④マコトダイトウレン
<お奨めの1頭>
1R イタズラベガ
注目のミスチヴィアスアレックスの初年度産駒。能力検査で余力を残して逃げ切り1着。初コースにとまどわなければ順当にデビュー勝ちをおさめる
5月7日(水)メインはA級一組「皐月特別」(盛岡ダート1600m)。次開催(5月18日)に春のマイル王決定戦・シアンモア記念が控え、有力各馬は軒並みスキップ。A級一組としては、やや小粒なメンバー構成となったのは否定できない。
ボウトロイは昨年4勝2着3回3着5回。オープン馬でこれほど順調に使われているケースも珍しく、芝からダート変更した準重賞・桂樹杯を制し、重賞・トウケイニセイ記念ではヒロシクンに直線で猛追してハナ差2着に惜敗した。今季初戦4着後、白嶺賞7着、栗駒賞8着。1400m戦は合わず、特に栗駒賞は2番手を追走して直線一杯8着。積極策が裏目に出た。
道中でうまく脚を貯めることができれば必ずひと脚を使うのが最大の持ち味。コースを問わず1600m通算12勝もそれを証明し、今回の盛岡1600mも6勝2着1回3着6回。ほぼ好走が同条件に集中している。しかも自己条件に戻ってメンバーも手ごろ。首位を奪取する。
トーセンマッシモは昨年8月、5ヵ月の休養をはさんで南関東から再々転入。3勝2着1回、準重賞・桂樹杯で3着を確保した。終盤も1、2着にまとめてシーズンを終了。今季は栗駒賞から戦列に戻ったが、久々の実戦がこたえて10着。見せ場も作れずに終わった。しかし、一度実戦を使われて変わり身は確実。反撃に転じる。
フレイムウィングスは中央2勝クラス、川崎1勝から転入。長距離重賞をメインに2着3回3着2回と堅実さを発揮。ただ転入後は1勝すらできず、勝ち味の遅さがネック。今季は初戦2着、赤松杯4着と順調なシーズン入り。相手が緩和され、待望の岩手初勝利を飾るか。
サンエイブレーヴはシーズン初戦6着に終わったが、2戦目から2戦連続2着。前走は鮮やかな逃げ切りを決めた。時に凡走も多いが、自分の競馬ができれば強じんな粘りを披露するタイプ。大外を引き当てたが、揉まれなければ好勝負に持ち込める。
ハクシンパーソナルは強烈なまくり脚が武器。エンジンのかかりは遅いが、行き脚がつくと鋭く伸びてくる。多少でもペースが流れてくれれば直線で台頭。
グラシアスは先行力と粘りが身上。最後の粘りが足りず1勝のみだが、展開次第では逃げ切りのシーンまで。
◎⑦ボウトロイ
〇⑧トーセンマッシモ
▲②フレイムウィングス
△⑨サンエイブレーヴ
△④ハクシンパーソナル
△⑤グラシアス
<お奨めの1頭>
2R グアドループ
南関東B2から転入初戦を快勝。地力の違いを見せつけた。1000m延長はむしろ望むところ。2連勝に王手をかけた