7月5日に行われた重賞『栗駒賞』はこれが転入2戦目になるプレシャスエースが優勝しました。
前走は逃げて最後僅かに差される形の3着だったプレシャスエース。今回も採った作戦は逃げ。前走でのその"差した"相手もいる中で敢然と真っ向勝負を挑みます。
同馬にとって幸運だったのは同型とみなされていたロジストームやアキトクレッセントが後方からの競馬になった事。これで楽になったプレシャスエースは最後まで後続を寄せ付け無いままの逃げ切り勝ちを決め、岩手転入2戦目で重賞制覇を達成しました。
2着は2番人気タイセイブラスト。3着に9番人気リュウノヴィグラスが食い込んだことで3連単は小波乱の結果になっています。
7月6日に行われたオープン牝馬の準重賞『フェアリーカップ』は5番人気のボルドープラージュが優勝。
逃げたアドマイヤコメットが作ったスローペースの2番手を進んだボルドープラージュは2周目の4コーナーで先頭に立つと、4頭ほどが一団の接戦を抜け出してゴール。前走に続く岩手での2勝目を重賞制覇で飾りました。
7月7日は初夏の水沢開催の最終日です。次週からは盛岡開催がスタート。いよいよ芝レースも始まります。気になるのはお天気。この週末もそうでしたが中間から次週まで雨模様のぐずついた天気が続く模様。せっかくの芝レース開幕は好天で、好状態の芝で迎えたいのですけどもね・・・。
今日のメインレースはA級1600mの七夕特別。7月7日の七夕の日と「七夕特別」がうまく重なるのは2014年以来6年ぶりです。お天気の方は残念ながら、綺麗な夜空は望み薄な感じ。その分レースで盛り上げていきたいところですね。
七夕特別の本命は(7)モンサンルリアンを採りました。
岩手転入後2戦を経て6着・3着。過去には左回りの東京で勝ち浦和でも上位に入った経験がある同馬なのですが、今のところはより経験が多い右回りの方が計算しやすいという事なのでしょう。門別時代には逃げ先行タイプ。前走のように先行して流れに乗れるようになって来たというのであればそろそろ本来の力発揮を期待していい頃合いに。
対抗は(6)ジェイケイブラックです。A級に上がって間もないとは言え亜空でも勝っている馬を対抗に留めるのは申し訳ない感じもしますが、この馬はどちらかと言えば盛岡の方が立ち回りが良く、コーナーが多い水沢は展開の助けも必要になってきます。今回のメンバーなら地力上位、コースの分もカバーできると思いますが印は対抗までに。
3番手は(4)ミッドアルティザンでどうでしょうか。高知を経ての転入になる同馬は昨年の今頃には南関B2級で勝ち負けしておりその内容であればここで好走してもおかしくないはず。マイルも手頃な距離でしょう。あとは少し間隔が開いた分の仕上がり具合。
(5)ヤマニンボアソルチ。前走が一変という結果でしたが過去の戦績を見るとこの初夏の水沢開催あたりから調子を上げてくる事がうかがえます。上昇カーブに乗りつつあるとすれば先行力は要警戒。(3)ミスティカルは決して調子が悪い印象はないのですがなかなか結果につながらないでいます。流れに乗りやすい距離で地力が引き出されるかも。
●12Rの買い目
馬単(7)=(6)、(7)=(4)、(6)=(4)、(7)→(5)、(7)→(3)
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6日メインはオープン牝馬による準重賞「第21回フェアリーカップ」(水沢1900m)。
第1回は盛岡ダート1800mが舞台だったが、第2回から第9回まで水沢1800mか1900mが舞台。第10回から再び盛岡ダート1800mで実施され、今年は12年ぶりに水沢で行われる。
過去の特徴は連覇が多いこと。カネサイジョオー、エスエスレディ、グローリサンディ、ミラクルフラワーの4頭が連覇を果たしている。
また第9回優勝サイレントエクセルは現役時代、女傑で鳴らし、繁殖入り後も岩手2冠を達成したチャイヤプーンを送り出し、第10回クルセイズは通算25勝をマーク。母になってからも通算10勝、現在は南関東オープンに在籍クルセイズスピリツを生んでいる。
さらにグローリサンディは札幌2歳ステークスを優勝し、現在は障害オープンで活躍するトラストの母親で名を馳せた。
このフェアリーカップは"GRANDAME-JAPAN2020"古馬シーズン・ビューチフルドリーマーカップのトライアル。1着馬から3着馬まで優先出走権が与えられるが、岩手勢が苦戦を強いられているのが現状。
それでもフェアリーカップ優勝馬から繁殖入りし、いい子供を出しているケースは少なくない。個人的な希望だが、古馬オープン牝馬の重賞、もしくは準重賞をもっと増やしてほしいと思っている。
ピアノイッチョウは東京ダート1600mを勝ち上がり、その後も2着3回3着1回。2018年10月に南関東へ移籍し、川崎2000m戦で1勝。エンプレス杯でも7着に善戦した。
550キロ前後の大型牝馬ゆえピリッとした脚を使えず、2000m前後が主戦場。岩手初戦に準重賞・あすなろ賞を選び、2番人気5着。この結果をどう評価するかだが、牡馬相手ならマズマズ。通算2勝と勝ち切れない面はあるが、牝馬同士の戦いなら地力上位と判断するのが妥当。
アリッサムは一昨年、フェアリーカップを優勝。本番・ビューチフルドリーマーカップでも全国の強豪相手に3着に健闘した。
昨年は順調さを欠いて4戦のみの実戦。今季もスランプが続いていたが、3走前・駒形賞で逃げてジェイケイブラックの2着。前走1800m戦でも3着に粘り、復調ムードは明らか。冒頭で記したとおりフェアリーCはリピーターが多く、2度目の制覇も十分あり得る。
アドマイヤクィーンは中央芝1800m1勝から転入。人気が先行していた印象だったが、前走3着でようやく通用のメド。馬体が絞れてきたのが好走要因と解釈すれば、アッサリまで。
ボルドーリブロンは北海道、南関東で3勝。3歳牝馬路線で注目を集めたが、あやめ賞4着、留守杯日高賞8着。物足りない結果だったが、前々走4着、前回快勝で気配アップ歴然。3歳馬挑戦でヴァイキング2着、サプライズハッピー3着の好走例があり、侮れない存在となる。
ファイトウィンは昨年2着。C1を勝ち上がったばかりだが、実績比較では見劣らずマーク欠かせない。
アドマイヤコメットは一戦ごとに良化を示して今季3戦目を完勝。自分のペースで逃げれれば侮れない。
◎⑨ピアノイッチョウ
〇⑥アリッサム
▲④アドマイヤクィーン
△⑧ボルドーリブロン
△①ファイトウィン
△③アドマイヤコメット
<お奨めの1頭>
1R チャンチキ
転入初戦は勝ったモズセカイイサンが強すぎた。メンバーが甘くなって順当勝ちを収める
本日、第1Rに出走するオニパンダ。6月28日が転入初戦で馬主さんの名前を見てびっくり。気づかなかったが、矢部美穂さんの所有馬だった。
昨年、矢部美穂さんは馬主免許を取得。岩手でネコザルを走らせて<2.7.3.2>。ネコザル=猫猿の名前に笑ってしまったが、一度も着外なし。ネコザルは馬主孝行の競走馬だった。その後、佐賀へ転籍して所有者も変わったが、今度は鬼パンダ!
鬼パンダで何なのかなと思ってネットを調べてみたら、なるほどと納得。自分が知らなかっただけ。世間は広いなぁと思った。
私、松尾は珍名が大好き。それはTM大場も同様。彼が見つけた傑作はゼンザイだった。サウスヴィグラス産駒で中央1勝、南関東C1から転入。A級でも活躍したことがある。
TM大場「松尾さん、知ってますか。ゼンザイがなんで3着が多いのか」
確かに。岩手6勝2着8回に対し、3着が21回。ゼンザイはメンバーが強くても、弱くなっても3着が多かった。
TM大場「お母さんを見てください。シラタマ(白玉)です。そこからゼンザイと名付けたと思うんですが、善哉(ぜんざい)は甘いじゃないですか。だからゼンザイは末が甘くなって3着が多かったんです」
爆笑し、合点がいった。こんなネタはまだまだある。チャンスを見てまた報告してみたい。
5日メインはオープン重賞「第32回栗駒賞」(水沢1400m)。クラスターカップへの道がこの一戦から始まる。
ロジストームは過去、白嶺賞、赤松杯、シアンモア記念、絆カップと重賞4勝。名うてのマイラーで鳴らしている。
今季は赤松杯8着、シアンモア記念4着。ランガディア、エンパイアペガサス、ヤマショウブラックに水を開けられた格好。矛先を1400m戦へ向けた。
1400m戦は南関東時代、2018年1月10日の浦和以来、久々だが、同条件2戦2勝。今季の粘りを考えると距離短縮は歓迎と見るのが妥当だろう。
アキトクレッセントは中央ダート6勝オープンから東海3戦1勝2着1回3着1回を経て転入。中央時代の勝ち星がすべて1400mという徹底したスペシャリストで鳴らし、武蔵野ステークスでも3着。
実績比較では群を抜く存在。今回、2ヵ月半ぶりの実戦が若干不安だが、しっかり調教を積んで栗駒賞へ照準ピタリ。格を前面にアッサリ単まで。
プレシャスエースは快速が武器。初戦の水沢1300mでも難なく先手を取ったが、当日は逃げ馬には不利の馬場。直線でも粘っていたが、タイセイブラストの0秒1差3着に惜敗した。
中央時代3勝がダート1200m、1勝が1000mと距離延長がネックだが、小回り水沢ならこなせる範囲。当日の馬場次第だが、絶好枠を引き当て逃げ切り十分。
タイセイブラストは中央ダート1800m1勝、南関東では1600m5勝、1500m1勝。転入戦は1300m適性で5頭立て3番人気だったが、4角先頭から完勝。
続く早池峰スーパースプリントは1000mが短すぎて6着だったが、再び1300m戦を快勝。過去実績から1400m延長は望むところ。
リュウノヴィグラスはタイセイブラスト同じく南関東B1に在籍。こちらは再転入で重賞3戦はいずれも着外だったが、前走1200m戦を快勝。調子も上げてきたのは確実で軽視できない。
サインズストームは昨栗駒賞でラブバレットに離されながらも2着確保。ひと叩きされた変わり身が不気味。
◎⑦ロジストーム
〇⑥アキトクレッセント
▲②プレシャスエース
△⑩タイセイブラスト
△⑨リュウノヴィグラス
△④サインズストーム
<お奨めの1頭>
9R ノットオンリー
成績が示すとおり活躍の舞台は水沢。次週から舞台が盛岡に替わり、得意コースで勝ちたいところ
6月28日に行われた3歳馬の重賞『ウイナーカップ』はマイランコントルが優勝。9着に終わった東北優駿の雪辱を見事に果たしました。
ここまでの岩手3歳クラシック戦線を戦ってきた馬たちと東海地区から転入してきた2頭との戦いになった今年のウイナーカップ。レースもまさにそれが現れた展開に。先行ポジションに付けたエイシンハルニレ、一列後ろの外に付けたマイランコントル、そしてそれを見る形で進んだダルマワンサ。人気上位にも支持されたこの3頭が互いにマークし合うような位置取りで進んでいきます。
勝負どころからは3頭三つ巴の戦いになりましたが、4角先頭に立ったマイランコントルがダルマワンサ・エイシンハルニレを振り切ってゴール。2番人気9着に終わった東北優駿の雪辱を果たすとともに、デビューから実質5戦目での重賞制覇を達成しました。
6月最後の水沢開催となる30日・火曜日のメインレースは第12Rのねむの木賞。今シーズン始めての水沢1900mでのレースであり、一方でこの距離を走った経験がある馬が少なく、適性を計りづらいレースともなりました。
ところで、ここまで基本的に先行馬優勢の傾向が続いていた水沢競馬ですが、今週は日曜はそんな傾向だったのですが月曜は一転して追い込みまで届くような結果が続きました。火曜日はさらに雨も降る予報です。コース傾向の変化にはよく注意を。
さて、ねむの木賞の本命は(8)ロンリーウェイとしました。自身のこなした距離でいえば前走のマイルが最長、芝を含めても1800mまでの経験しかなく、それは確かに不利な材料ではあります。しかし前走、そのマイルでの余力を感じる強さなら、距離が伸びても対応できると見ました。実際、JRA時代にも距離が伸びていくことに対して不安を感じるコメントはあまりなかった馬で短めの距離を選んでいたのは身体ができていなかったから。父ネオユニヴァース・母父エンパイアメーカーなら距離が伸びてこその血統のはず。
対抗は(2)ユイノムサシ。この春の転入後は掲示板を外さぬ堅実な戦い。盛岡の1800mで勝っているだけでなくJRA時代にも中距離で健闘しており距離に対応できそうな点も魅力的。前走、水沢の1800mになって敗れており、もしかすると左回りのほうがより良いタイプなのかも?ですが、しかしその前走で戦った相手は元A級馬もいた強豪揃い。そこで4着ならむしろ上々。。
(5)サンドプラチナが三番手。旧地では東京大賞典にも出走した力がなかなか発揮できずにいる近況ですが、マイルや1800はこの馬にはちょっと短かっただろうというのも確か。少しでも距離延長、そして今回からB1級に降級した事も後押しの材料になるのでは。
ヒモはまず(7)アドマイヤロマン転入初戦の前走を含め近走は短距離主体ですが中距離もあまり苦にはならない戦績。軽い馬場になれば芝適性も活きてくるかも。(3)ワタリセイユウも南関時代は中距離をこなしています。この馬も今回降級。転入初戦の水沢マイルB1級での強さを思い返してみましょう。
●12Rの買い目
馬単(8)=(2)、(8)=(5)、(2)=(5)、(8)→(7)、(8)→(3)
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先週21日、伝統の「第48回一條記念みちのく大賞典」を完勝したランガディアのことを考えている。中央から転入して赤松杯、シアンモア記念、みちのく大賞典と重賞3連勝。
シアンモア記念が1600mへ変更(2000年)されて以降、この3レースをすべて制したのは2014年、ナムラタイタン1頭のみ。いかに至難の業か―が一目瞭然だ。
ただ、ナムラタイタンはマーキュリーカップをスキップ。夏場を完全休養し、ぶっつけで南部杯へ臨んでベストウォーリアの6着。いきなりJpnIでは厳しかったし、加えて本調子も欠いていたのも事実。仕方なしの結果だった。
加えてナムラタイタンが全能力を発揮できるのは休み明けから3戦目まで。翌年からナムラタイタンはローテーションをきっちり守って"帝王"へ君臨した。
さてランガディア。現時点でマーキュリーC参戦表明はしていないが、仮に出走すれば岩手の切り札になるのは間違いない。
血統的な裏付けもしっかりある。父は芝ダートで多くの強豪を送り込んだキングカメハメハ。母マリーシャンタルはダイナカールの子供で自身はダート4勝。
ランガディアは中央時代は芝5勝だったが、ダートで新境地を切り開いた。気になるのはみちのく大賞典の走破タイム2分13秒0。小回り水沢で先週21日は時計のかかる馬場だったが、それにしても遅いタイム。
マーキュリーCのメンバーはまだ確定していないが、優勝タイムはおそらく2分2秒台か2分3秒台。ランガディアは一気に10秒もタイムを短縮しなければならないが、レースリプレイをご覧になってほしい。
パンプキンズがスローに落とし、ランガディアは終始掛かりっ放し。それでも上がりを37秒1にまとめたのはさすが。盛岡未経験だが、ペースが速くなること、コース広い盛岡は基本歓迎のはず。
過去10年、マーキュリーカップで岩手最先着を果たしたのは2010年、コアレスレーサーの4着。ランガディアならさらに上を望めると確信している。
29日メインはB1級一組「復興祈念 夢あふれる未来へ」(水沢1600m)。帯に短し、たすきに長し。波乱の一戦となりそうだが、それならば格を重視した。
ハイパーチャージは2017年、南関東B1から転入。毎年きっちり2勝マーク。昨年もA級で2勝をあげ、今季初戦2着、2戦目3着。今年10歳を迎えたが、衰えなしをアピールした。
3戦目5着以降は3戦連続で着外だが、先行有利の流れに泣いた印象。徹底した追い込み馬ゆえ、展開に左右されるのは仕方なし。
加えて3戦とも1800mが舞台。今度は1600mへ替わり、前半ペースも速くなるのは確実。久々に豪脚を披露してくれるに違いない。
ウインアライバルは阪神ダート1400m1勝。昇級後は苦戦を強いられているが、園田の条件交流(A2)で4着。この実績があれば岩手B1で間に合う勘定。しかも先行粘りを身上とするタイプが絶好枠を引き当てたのは心強い。
ヤマトタケルは短距離に活路を開いたが、揉まれる競馬に持ち込まれて10着。ペースが落ち着くマイル向きだったのが判明した。ここならば折り合いつけてもいいし、逃げの手に出れるはず。巻き返しに転じる。
ニシノゲンキマルは3、4走前に凡走したが、再び上昇。前走も2着にまとめた。順調度が何よりも強みに加え、水沢1600mはすべて3着以上。安定度で上位に位置する。
エルノヴィオは徐々に良化傾向にあるのは確か。ペースが落ち着けば残り目があるかもしれない。
ネイチャーモルサムは春当時の迫力が薄れてきたが、決め手一目。直線勝負になれば台頭のシーンまで。
◎②ハイパーチャージ
〇①ウインアライバル
▲⑦ヤマトタケル
△⑥ニシノゲンキマル
△⑤エルノヴィオ
△③ネイチャーモルサム
<お奨めの1頭>
8R カフジリブラ
転入後、圧巻の4連勝中。マイル延長も難なくクリアーし、いずれは重賞路線に乗る器は間違いない