盛岡競馬場の自慢はアメリカ規格のコース。1周1600mのダートコース(外側)と内に1400mの芝コースがあること。
ただ、北国ゆえ芝の生育がかかるため2回盛岡(今年度の場合は5月12日)まで待って開放される。特に今年は厳しい寒さが続き、生育しないでまばらな芝にハラハラした。
しかしゴールデンウィークの頃から一気に温度が上がり、芝も日を追うごとに青々となっていった。今週は寒さがぶり返し、正直心配なところもあるが、12日(土)、芝のこけら落とし「第23回はまなす賞」(3歳準重賞 盛岡芝1600m)は無事に行われるに違いない。
あと気になるのは木曜日の雨。金曜日から雨は止むとの天気予報だが、どこまで回復するか。馬場状態をしっかりチェックしてほしい。
本命はバレンティーノにした。転入初戦のあやめ賞で畠山信一調教師に話を聞いたところ「ダート実績もあるので、あやめ賞でもソコソコやれると思うけど、脚さばきが軽いので芝が合うんじゃないかな。オーナーが芝ダート両にらみで岩手へ移籍させました」
その言葉どおり、あやめ賞を2着にまとめ、3歳牝馬交流・留守杯日高賞でも4着に健闘した。
今回のはまなす賞は陣営にとっても力が入るところ。仮に好走すればオパールカップ、同時に岩手版オークス・ひまわり賞の両方を選択できる。盛岡芝をどう乗り切れるか楽しみが増す。
ピーベリーは盛岡芝1000mを舞台にデビュー2連勝。持てるスピードを如何なく発揮した。2ヵ月休養後のプリンセスカップは初ダート、距離延長もこたえて12着。中央挑戦も16着に終わったが、これが貴重な体験となった。
今季初戦のあやめ賞はダート適性で割り引かれて6番人気の低評価だったが、逃げて3着確保。その後は今回のはまなす賞へ照準を合わせて乗り込み十分。
マイル克服が最大のカギだが、芝適性で相殺。外枠でもスピードの違いで逃げ、残り目はもちろん、ペース次第では逆転まで十分。
プリヴィレッジは個人的な意見でいうと完全な芝馬。水沢で2着1回あるが、時計が速かった不良馬場。今季4戦で5着最高はパワーの要るダートに手こずっているからだと思う。
対して芝は昨年の2歳芝交流・ジュニアグランプリでクビ差2着。モリノラスボスに寄られる不利がなければ突き抜けていただけに惜しい2着だった。盛岡芝1600mもすでに3度経験済み。ベスト条件で悲願の重賞タイトルを狙う。
ベストロードは芝重賞・若鮎賞を優勝。メンバー最速の上がりで直線一気を決めた。続くジュニアグランプリは3着に敗れたが、先行決着では仕方なし。プリヴィレッジと同様、芝タイプ。
陣営もそのあたりは十二分に把握し、あやめ賞から直行。はまなす賞1本に絞って調整を進めてきた。馬場が渋ると切れ半減だが、良馬場なら首位争いに参加。
サンエイスターダムはデビュー戦の芝1000mでピーベリーの0秒6差2着後、2戦目1着。以降は伸び悩んだ時期もあったが、終盤に2連勝をマーク後、南関東へ移籍。2戦2着1回から帰郷して3、2着。強豪相手に揉まれてきた経験は侮れない。
サンタガールは中央から転入後、3戦目の前走3着。デビュー戦の中山芝1200m・2歳新馬3着の実績があり、芝替わりは望むところ。
◎⑥バレンティーノ
〇⑩ピーベリー
▲⑪プリヴィレッジ
△⑫ベストロード
△⑤サンエイスターダム
△⑧サンタガール
<お奨めの1頭>
8R リンノメサイア
前走は勝負どころの3~4コーナーで落馬した直後で不利を受けたのが大きかった。コース2度目で今度こそ首位を奪取する
★重賞シアンモア記念/ベンテンコゾウが重賞を連勝
GW最終日の5月6日に行われた重賞『シアンモア記念』。遠征馬2頭を迎えた戦いは岩手のベンテンコゾウが1番人気に応えて優勝しました。
序盤からペースを握ったベンテンコゾウは後続の追撃を意に介さず最後までマイペースを貫きます。勝負所からも自らのタイミングで動いてリードを拡げ、最後は6馬身差を付ける圧勝でゴール。さきの赤松杯に続いて重賞連勝を果たしました。
なお2着は同じく岩手のタイセイファントム、3着には遠征馬のビタミンエースでした。
5月7日・月曜日のメインレースは11RのA級戦『皐月特別』です。こちらは12頭立ての一般戦のフルゲート。それだけに混戦ムード濃厚です。
本命は(6)ユヅルノオンガエシです。2歳時には水沢の重賞にも遠征してきていた馬。前走の岩手転入初戦は2着とまずまずの結果に。その前走は今回よりは相手関係が楽だった印象があるのは否めず、転入2戦目にして早くも正念場という感じになりましたが、過去の戦績をみれば脚抜きの良い馬場が得意、左回りも直線坂があるコースも悪くなく、盛岡コースはプラス材料になりそう。そこをうまく活かせればここでも好勝負可能と見ます。
対抗は(1)ロキを。転入後連続3着はひとまず評価できる結果として、ここは相手強化感があるのは◎と同じ。ただこの馬も左回りが良さそうなタイプ。軽視されるなら逆に狙い目では。
三番手は(8)ヴェリイブライトとしました。各地を転々としつつ2015年のすずらん賞、今回と同じ盛岡マイルの重賞を勝っています。力量的には差が無い存在のはず。
(9)ヴィグラスムーヴは昨シーズンだけの戦績ならこのメンバー中一番なのは間違いなし。この馬にしては長めの休養明けになった分控えめの評価としただけで、パドックでの気配が良さそうならもっと強めの狙いも。もう一頭は(3)サインズストーム昇級の形になっていますが昨季はB級でヴィグラスムーヴと差の無い競馬をしていた馬です。仕上がり次第では。
●11Rの買い目
馬単(6)=(1)、(6)=(8)、(6)=(9)、(6)→(3)
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★オッズパークLOTO 5重勝/5月7日(対象7R~11R)
7R/評価A: 2番 評価B: 8番 穴:4番
8R/評価A: 1番 評価B: 2番、 4番 穴:3番
9R/評価A: 9番 評価B: 6番 穴:4番、10番
10R/評価A: 2番 評価B: 5番 穴:6番、7番
11R/評価A: 6番 評価B: 1番 穴:8番、9番
6日メインは「第43回シアンモア記念」。岩手県雫石の小岩井農場が輸入した昭和初期の大種牡馬だが、その蘊蓄(うんちく)を少々。
シアンモアは1924年、イギリス生まれで現役時代の成績は14戦4勝。エプソム(イギリス)ダービーで3着に入り、当時としては破格の約12万円で小岩井農場が輸入した。
第1回日本ダービーを優勝したワカタカの父トウルヌソルは下総御料牧場が11万4500円で輸入したという話だから、それ以上の価格だった。
第1回日本ダービーこそトウルヌソル産駒ワカタカに優勝を譲ったが、種牡馬シアンモアは第2回カブトヤマ、第3回フレーモア、第4回ガヴァナーと3年連続でダービー馬を輩出した。
第二次世界大戦の終了後、GHQにより、財閥が解体。小岩井農場は育馬部閉鎖を余儀なくされ、競走馬等の生産から撤退。それに伴い、シアンモア、セントライトは岩手県畜産試験場へ移動。1953年、シアンモアは29歳で他界した。
余談だが、シアンモアの心臓は岩手大学ミュージアムで保存公開されている。重さが5・3キロ。通常の2倍あったという。余談ついでにトウケイニセイの心臓は馬っこパークに保存され、こちらも実際に見ることができる。
今年2月、とある場所で小岩井農場の関係者と話をする機会がった。競走馬関係の資料写真等はほとんど農場内で見学できないが、当時の資料があるのは確実。いつの日か調べてみたいと思っている。
本題に戻る。今年の主役はベンテンコゾウ。南関東2連勝から里帰りしてトライアル・赤松杯を4馬身差で圧勝。昨年よりさらにパワーアップを証明した。
今年前半の目標はこのシアンモア記念、みちのく大賞典。舞台は水沢から盛岡に替わり、遠征馬が2頭参戦するが、ほぼ勝負付けが済んだメンバー構成。まずはシアンモア記念を順当に制す。
相手筆頭はタイセイファントム。昨年11月、転入初戦の絆カップを優勝。ラブバレット以下を一蹴した。白嶺賞はイーグルカザンに屈して3着だったが、年明けのトウケイニセイ記念で雪辱。
3ヵ月の休養明け赤松杯は3着だったが、ベンテンコゾウ、ロジストームの先行2頭の決着では仕方なし。コース広い盛岡で巻き返しに転じる。
イーグルカザンは赤松杯4着。タイセイファントムと同じく展開にも泣いた。10歳馬だが、馬体の張りに衰えはない。
ヒドゥンブレイドは中央1000万下から転入2連勝を飾り、トウケイニセイ記念1番人気に支持されたが、好位から退いて4着。レース間隔がなかったのもこたえたか。今季3戦2着2回。流れは落ち着き、残り目一考。
ビタミンエースは中央2勝、地方交流(笠松)1勝、金沢1勝から南関東へトレード。B3級で2、3着なら連対の可能性十分。
ユッコは今シーズン2戦7着だが、元々が叩き良化型。高速決着の盛岡に替わり、シアンモア記念2連覇をもくろむ。
◎⑤ベンテンコゾウ
〇③タイセイファントム
▲②イーグルカザン
△④ヒドゥンブレイド
△⑨ビタミンエース
△⑧ユッコ
<お奨めの1頭>
11R カリスマサンスカイ
前走はマイネルチャンプの大駆けに屈したが2着を確保。元A級が今度は首位を譲らない
先週29日、岩手ダービーダイヤモンドカップ・トライアル「第31回やまびこ賞」はチャイヤプーンが3馬身差で完勝。三冠制覇に視界が広がった。
すでに勝負付けが済んだメンバー構成で、興味はどんなレースで勝つかの一点のみ。金杯、そして前走で1頭、先頭に立つと内にササるか心配だったが、そんな杞憂も一気に吹き飛ばした。
とは言え、波乱のスタートだった。ゲート内で暴れた馬に反応したチャイヤプーンはよもやの出遅れ。一瞬ヒヤッとしたが、2コーナーで4番手まで盛り返して所定のポジションを確保。
あとは3コーナーからスパートをかけ、直線半ばで先頭。あとは余裕でゴールに入り、自身の連勝を4に伸ばした。
レース後、村上忍騎手は「道中は相手関係を意識せず、自分の競馬に徹するだけ。直線半ばで捕え切るイメージで乗り、そのとおりのレースができた。
昨年までは折り合いに課題があったが、それも解消したし、体も丈夫になった。これからどこまで成長するか楽しみ」とコメント。愛馬の成長を実感した。
ただ、雑談の中で「内にササる心配はなかったか」と聞いたら「ムチを入れるときに若干避ける仕草を見せたが、今回で手の内に入れたと思う」と返答。予定どおり岩手ダービーダイヤモンドカップへ直行する。
同一馬主のニッポンダエモン(ベンテンコゾウの弟)は北海道へ帰郷。俄然、チャイヤプーンの主役は万全となった。
5日メインはオープン「スプリント特別」(盛岡ダート1000m)。前走・水沢850m戦を完勝したメイショウオセアンが連勝態勢に入った。
昨年、ポスト・ナムラタイタンの期待を集めて中央オープンから転入。すずらん賞3着、青藍賞2着にまとめ、南部杯で地方最先着7着。実力の片りんをのぞかせたが、以降も勝ち星がなく未勝利。終わってみれば物足りない結果となった。
しかし今季はスプリント路線に矛先を変えたのがずばり正解。超ハイペースの中、3番手キープから終いも鋭く伸びて0秒2差で完勝した。
今度の舞台は盛岡ダ1000m。マイルでは勝てるポジションを取りながら、末が甘くなって勝利を逃がすレースの連続。現在は絶対スピードで押し切れる短距離向きだと判断すれば、連勝濃厚と見るのが妥当だろう。
相手はオースミチャド、トゥルームーン。オースミチャドは中央芝1200m2勝、芝1400m1勝・準オープンから転入。
ダート、そして距離850m対応が不安だったが、出遅れを喫しながらも2着。プラス16キロの体重増でもメンバー最速の上がりを披露した。
850m戦は特殊レースでオープン馬でもとまどうケースが多いが、それをこなしたのは収穫。1000m延長はもちろん歓迎だし、今週水曜夜から雨模様。速い時計決着も望むところ。
トゥルームーンは中央3勝(うちダート1勝)・1000万下から南関東B2を経て転入。逃げたスティルプリンスの2番手を追走し、直線一杯となったが、見せ場は十分。ひと叩きされて気配一変したという話。2頭に割って入るシーンまで。
スティルプリンスは南関東から帰郷戦は8着に沈んだが、距離850mの前走3着。自慢のスピードは健在だった。盛岡ダ1000mまでが守備範囲。持ち時計からも軽視できない。
レイズアスマイルは本質的に盛岡向きで、折り合いを気にしなくていい1200mが好走条件。今季3戦は度外視してもいい。
ノリノリコユキは中央ダート1200m以下で1勝2着2回。盛岡ダ1000mは合うはず。
◎⑪メイショウオセアン
〇⑦オースミチャド
▲⑧トゥルームーン
△⑩スティルプリンス
△⑨レイズアスマイル
△②ノリノリコユキ
<お奨めの1頭>
7R ディーセントワーク
今季未勝利ながら毎回のように勝ち負けを演じている。メンバーも甘くなり、連対をしっかり確保する
★重賞やまびこ賞/チャイヤプーン号が優勝して重賞3勝目
4月29日に行われた3歳馬による重賞『やまびこ賞』は断然の1番人気に推されたチャイヤプーンが3馬身差で快勝しました。
やや出遅れ気味のスタートから始まった今回のチャイヤプーンのレース。しかし中団から徐々にポジションを上げてレース前半終了時点ではほぼ射程圏。の追撃を許さず、2着に3馬身の差を付けて快勝しました。
その2着にはナナヒカリ、3着には逃げたエルノヴィオが粘ってここまでが岩手ダービーダイヤモンドカップの優先出走権を獲得。前走で準重賞を勝っているグランフェルメールは優先出走権圏内に僅かにおよばず4着でした。
4月30日・月曜日のメインレースは11R。B1級の特別戦『石桜杯』です。レース名は盛岡市にある石割桜にちなんだものなのですが、実はその石割桜は盛岡市内でも一番早い時期に満開を迎える桜の木で今年もだいぶ前に咲いておりました。石桜杯自体はGWごろに行われているレースなのですが石割桜が咲く時期とはなかなか合いません。
さて本命は(6)ユイノムテキを採ります。ここまではどちらかといえば長い距離向きと見られて1800mとか1900mとかを使われてきました。実際1900mで好走しているのですから長めの距離に問題ないタイプなのでしょうが詰めの甘いところも確かにありました。
一方の1400m戦。こちらは昨春に岩手転入した当初には水沢、盛岡と連勝しており、特に盛岡では2着馬を10馬身千切る圧勝ぶりを見せてもいました。昨冬にも古馬B2級の水沢1400m戦で2着。その時は今回と同じようなメンバー相手の先着ですから、こうなると1400mに苦手感を求める方が難しいという事になってきます。
そして、ここまでの走りを見る限り深い馬場より軽い馬場の方が良さそう。この春の水沢は砂が深めの状況が続いていましたから、盛岡に変わっての変身も期待できるでしょう。
対抗は(2)ルファルシオンでどうでしょうか。この馬も本来芝馬だったので水沢の馬場に苦心した可能性があります。昨年の北上川大賞典では1番人気に推されたほどの馬。条件一変のここで結果も一変を狙ってみましょう。
三番手は(12)コウギョウヘイロー。二走前に1300mで勝っており距離は短い方が合うはず。大外枠もこの馬にとってはさほど不利にならないのでは。
以下はまず(4)ピンギット。軽い馬場でスピードを利して押し切るパターンが悪くなく、今の盛岡なら条件合いそう。(8)ランニングマンは依然としてあてにしづらい段階ですが広いコースで外目の枠、揉まれず進めるなら見せ場くらいはあって良い馬。
●11Rの買い目
馬単(6)=(2)、(6)=(12)、(2)=(12)、(6)→(4)、(6)=(8)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
★オッズパークLOTO 5重勝/4月30日(対象7R~11R)
7R/評価A: 3番 評価B: 7番 穴:1番、4番
8R/評価A: 2番、 8番 評価B: 5番 穴:11番
9R/評価A: 2番 評価B: 1番 穴:5番、6番
10R/評価A: 2番 評価B: 3番、 6番 穴:7番
11R/評価A: 6番 評価B: 2番、12番 穴:8番