北京オリンピックが終わりましたね。今頃…と思われるでしょうが、書きそびれてタイミングを逃してしまったネタがあったので少々強引に書きたいと思います。
それは、岩手県からオリンピック選手が出た!というハナシ。他県では「は?五輪選手の1人や2人ぐらい普通では?」と思う方もいるかも知れません。しかしこの岩手県、不思議なほどスポーツでは有名選手が出ないのです。ところが今回の五輪では、なんと2人も岩手県人が出ました!ひとりは女子サッカーなでしこジャパンのディフェンダー・岩清水梓選手、もうひとりが女子ホッケーのフォワード・小沢みさき選手です。
小沢選手は岩手郡岩手町の沼宮内高校出身。アイスホッケーでないほうのホッケーはチームがあることさえ珍しい、あまり盛んとは言えないスポーツですよね。岩手町は「ホッケーの町」を宣言するほどホッケーが人気で、駅前にスティックを構えている石像が立っていたりします。余談になりますが、岩手町の近隣からは先頃カーリング・ミックスダブルス世界選手権の日本代表選手も誕生しており、地味なスポーツにも真剣に取り組むことができる土壌があるのかもしれませんね。素晴らしいことだと思います。
そして岩清水選手は、私が現在住んでいる岩手郡滝沢村の出身!予選リーグの後半からは、村内放送(都会にお住まいの方には分からないかもしれませんが、宅地の一角や田んぼの中にスピーカーが立てられていて、イベントや災害情報の他、午後0時と5時にメロディーが流れたりします)で応援集会が告知され、村営体育館に村人達が集まってスクリーンに声援を送りました。テレビではよく見る光景ですが、岩手でこんなことが行われるとは思いませんでした。
以前にも書きましたが、これまで岩手出身のメダリストは冬季の三ヶ田礼一さんだけ。サッカーの日本代表でも小笠原満男選手しか招集されていません。(のハズです。間違っていたらゴメンナサイ)よく東北人は大人しいので人と勝負して上を目指すアスリートには向かない、と言われますが、本当でしょうか?隣県からは伊調姉妹や泉浩選手、福原愛選手が出ているのですが。どうも岩手の子供達は、小さい頃に何かのスポーツを一生懸命やっていても、高校生や社会人になるころには辞めてしまうことが多いようです。その道に自分の全てを賭けてみよう、という気持ちになりにくい環境なんでしょうかね。
今回のオリンピックでは残念ながら岩手にメダルを持ち帰ることは叶いませんでしたが、多くの県民がオリンピックを今までより身近に感じられたと思います。こういう中にいれば、何かのスポーツをやっている子供が、自分の進む道の先にはこんな夢舞台があるんだという意識を持てるかも知れません。
次のオリンピックやそのほかの世界大会にも、岩手の選手が途切れなく出場しているといいですね。そしてどんなマイナーな競技でも、岩手のメディアが大きく取り上げてくれることを期待します。
8月31日 第34回ビューチフル・ドリーマーカップ(3歳以上オープン 地方競馬全国交流 水沢1900m)
(ビューチフル・ドリーマーカップ 1着 ジュリア 写真・佐藤到)
1着 ジュリア
連日の雨で極端な不良馬場。ひとまず前日より幾分タイムがかかっており、いくぶん回復傾向にあったが、それでもレースが終わるたびに水が浮いていた。
絶好の1枠に入ったこともあり、ジュリアが予想どおりの逃げ。しかしカネショウプルートが楽に逃げさせないぞとばかり、大外から果敢に攻める。それによってペースは1900m戦にしては若干ペースが速くなったが、1周目4コーナーで流れが落ち着く。参考までにスタートからのラップは推定で6・8―11・2―12・4―12・2―12・9。
逃げジュリア、2番手カネショウプルート、3番手外にサイレントエクセルの隊列は3コーナーまで変わらず、ジュリアは終始1馬身半のリードを取り、徐々に突き放しにかかる。それがジュリアの勝利パターンと各陣営も十二分に承知。後続各馬の手が激しく動いたが、ジュリアとの差は詰まらない。直線に入ってもジュリアは後続が一杯一杯になったのを尻目に、2着に6馬身差をつける圧勝で初の重賞タイトルを手に入れた。
走破タイム2分00秒4は今年、ヤマニンエグザルトが更新したレコードにコンマ5秒でハイタイム決着となった。
「ペースが少し速いのは分かっていましたが、この馬の持ち味を出し切ることに心がけました。残り800mまで来ても手応えが良くて“これなら行けるかも”と。4コーナーでは脚音が聞こえませんでしたが、勝ったなと確信したのは残り1ハロンくらい。この馬に距離は少し長いし、こういう馬場もあまり合わないんですが、よく走ってくれました。チャンスをくださった皆さんにはお礼の気持ちで一杯です」と斉藤雄一騎手。
斉藤騎手は今年デビュー7年目を迎えたが、ジュリアと同様、待望の重賞タイトルを手に入れた。
ジュリアはメイセイオペラ産駒の二世代目。いわゆる典型的な逃げ馬ゆえ勝つか、もしくは大敗かの連続。しかし今年は心身ともに充実し、今季7戦4勝。このレースには2連勝で臨んできたが、前回レース後に飛節軟腫が発生。それでヒザの水を抜いて1ヵ月半ほど間隔が開いてしまったが、逆にこれも好結果につながった。
今後の予定だが、レース後の反動がなければ青藍賞だが、先の症状に加え、球節に若干張りもあり、ジュリアの体調次第ということになる。
2着 サクラアリエル
今回が盛岡から水沢へ転入2戦目。おそらく環境の変化に戸惑ったものと思うが、前走比マイナス18キロと大幅減。実際、体も寂しく映ったしB1からの格下挑戦で10頭中9番人気の支持にとどまった。
道中はずっと6、7番手インの経済コースを進み、有力馬がスパートをかけた3コーナー過ぎでも同ポジション。4コーナーで5番手まで進出し、人気どころがすべて失速したことにも恵まれて2着を確保した。「着狙いに徹したら2着に入着できた」(村松学騎手)
4着 マツリダワルツ
昨年3歳牝馬のトップに君臨したが、4月末のレースで脚部不安が再発して4ヵ月半の休養。ぶっつけでB・ドリーマーCに臨み、馬体重もプラス10キロと重め残りだったが、元々が気のいいタイプでもあり、底力で4着を確保した。
5着 クルセイズ
先陣4頭の直後5番手を追走。ほぼフェアリーCに近い位置取りだったが、前回のような伸びが見られずサイレントエクセルよりひとつ上の着順に止まった。
6着 サイレントエクセル
返し馬で板垣騎手は気合いをつける意味で強いキャンターを消化。これはフェアリーCで「気が走るほうに全然向いていない」からで、鞍上は必死に気合い回復に務めていた。
レースは不利をまったく受けない3番手外を追走。向正面まで手応えも悪くなかったが、3コーナーから満を持してスパートをかけても反応がなし。むしろ前からどんどん離される一方で着外6着に沈む。
一昨年、そして昨年と同レースを圧勝。牝馬?1の座に君臨し、牡馬とも互角以上の勝負を演じていたが、今年はフェアリーCの2着が最高で他は“らしさ”の片りんすら窺えない。当面は本調子を取り戻すことが先決だろう。
7着 カネショウプルート
スタート直後はジュリアに馬体を併せる形で追走。ペース落ち着いてからも終始2番手につけていたが、勝負どころから手応えが怪しくなる。前回・フェアリーCでは3着に善戦したが、その時は古馬とのハンデ差が4キロに対し、今回は2キロ差。現時点で3歳馬にはこのハンデは酷な条件かもしれない。
最近は「ゲリラ豪雨」という言葉をよく聞きますけども、そこまでいかなくてもスコールっぽい雨、というのは岩手でも出会う事が多くなったような気がします。
よく初心者の方に「競馬って雨が降ってもやってるんだ!」と驚かれますが、やってるんですよ。雨でも雪でも。
しかしこうして土砂降りの雨の中のレースを見ると、騎手も馬も本当にプロだなと改めて感心した次第。
本命は1枠1番メタモルキングで行きます。以前は“ハナが獲れなければアウト”だったり、他の逃げ馬と競り合ったあげく共倒れというシーンも多かった馬ですが、最近は番手の競馬をこなしたり、後方から差してきたりと戦法のバリエーションが増えました。
昨年あたりから変わったなあと感じていたもののの、最近の走りでそれは確信に。つまりはそれだけ馬が充実しているという事なのでしょう。
今回は得意のマイル戦だし枠順も絶好。すっかり逃げ馬天国と化した今の水沢競馬場ならこの馬の持ち味が活かしきれるはずです。
対抗はソーユアフロストで。元々は芝狙いで移籍してきた馬だけに、前走は陣営も驚く圧勝。それが圧勝過ぎてやや出来過ぎの感がありますが、あの末脚の破壊力は高く評価しなくてはならないでしょう。前残り傾向が強いので前走のように後方からでは辛いかもしれませんが、今のコースは芝馬に合う状態でもあり、そこは差し引きできるのでは。
実績と格でいけばヤマニンエグザルトも外せません。グレードレースの強豪相手でも自分のレースの形を貫き通せているのは、それだけ好調サイクルに乗っているということ。外枠は割引の馬ですが、一方で少頭数のレースにはめっぽう強い馬でもあります。好調度+得意距離で優勝まで。
忘れずに押さえておきたいのがダークマター。前走は直線まで逃げ粘ったものの最後は失速気味。これなら1ハロン距離短縮がプラスに働きそうです。この馬が逃げてメタモルキングが番手という事になれば2頭の行った行ったも十分あり得るのでは。
●買い目
馬単1=4、1=6、4=6、1=2
◆お奨めこの一頭
7R:ブライティアバレー
先行差しの戦法に加え逃げまで打てるようになった。持ち時計面でもリード。
31日(日)メインはオープン牝馬による重賞「第34回ビューチフル・ドリーマーカップ」(水沢1900m)、10頭立て。このレースの優勝馬主には社台スタリオンステーションから種牡馬アドマイヤドンの配合権利が与えられる。
(サイレントエクセル 写真・佐藤到)
サイレントエクセルが史上初の同レース3連覇の偉業を果たすか―が最大の見どころ。2歳デビュー当初から重賞特別路線を歩み、3歳時はオウシュウクラウンに次ぐ?2に君臨し、G?・ダービーグランプリでも3着に健闘。4歳時には王者テンショウボス相手に特別・あすなろ賞、重賞・青藍賞を優勝。牡馬にもヒケを取らない実績を誇り、当然のように地元牝馬には敵なし。牝馬重賞を総なめにしている。
ただ、今シーズンは順調さを欠いて6月、みちのく大賞典から始動。久々の影響が大きく後方のまま10着に沈み、川崎遠征・スパーキングレディーカップも11着に大敗。
これは相手、仕上がり状態を考えれば仕方なしの結果だったが、評価を迷わせたのがフェアリーカップの2着。休み明け3戦目、地元の牝馬が相手なら勝って当然と圧倒的な1番人気に支持されたが、勝負どころの3コーナーでもたついて反応ひと息。
それでも前にいたカネショウプルート、シュクジャンヌを何とか直線で交わしたものの、大外クルセイズの勢いに屈してクビ差2着。これには陣営もショックを隠せなかった。
果たしてこのまま引き下がるのか、女王の貫禄を見せつけて復活なるか。まさに正念場の一戦だと言えるだろう。
相手筆頭はジュリア。逃げ馬の宿命ゆえ勝つか、はたまた大敗かのレースを繰り返しているが、今季すでに4勝をマーク。自分の型に持ち込むと直線で二の脚を使い、前回も2着に0・8秒差をつけて完勝した。
ヒザに疲れが出たため大事を取って自重したため、ちょっとレース間隔が開いたが、幸い軽度に済み、中間の追い切りでも抜群の動きを披露した。
今回は絶好の1枠を引き当て逃げの手に出るのはほぼ間違いなし。ただ昨年同レースで2着に粘ったとは言え、守備範囲を越えた1900m。おそらく楽に逃がすはずはなく、マークきつくなった場合は馬群に沈む可能性もある。
前記2頭をまとめて負かすとすればクルセイズ、3歳馬カネショウプルートの2頭。クルセイズは今年4月、A級戦で5着後、一度北海道へ移籍。赤レンガ記念で5着入線して再び岩手へ戻ってきた。その帰郷初戦を快勝し、その後は芝にターゲットを絞って特別・かきつばた賞3着、重賞・せきれい賞でも3着。完全にオープンへ定着し、前回は女王サイレントエクセルに土をつける大金星をあげた。
クルセイズの特長は展開構わず直線で確実に伸びる末脚。それが爆発したのが前走・フェアリーカップだった。有力馬が早めに動けば一気台頭のシーンまで。
最大の惑星馬となるのがカネショウプルートだろう。2歳時まで未勝利だったのがウソのように今年は大飛躍。日高賞、ひまわり賞と3歳牝馬重賞で2連勝を飾り、しかも両レースともワンサイドレースで圧勝した。その後、JRA条件交流戦で足踏みしたが、初の古馬挑戦となったフェアリーカップでも見せ場を十分に作って3着に気を吐いた。
上位3頭は円熟期を迎えた一方でカネショウプルートは上昇一途の3歳馬。しかも一度でも古馬のペースを経験すれば鬼に金棒。2キロ軽いハンデも味方に、先輩を押し退けて牝馬の頂点に立つか注目してみたい。
以下はやや離され、B2の格下からの挑戦ながら、水沢7戦6勝2着1回のハウプトローレ、フェアリーカップ4着シュクジャンヌを連下に少々。
◎ ?サイレントエクセル
○ ?ジュリア
▲ ?クルセイズ
△ ?カネショウプルート
△ ?ハウプトローレ
△ ?シュクジャンヌ
3連単は3、1、4のボックスが本線だが、強気に攻めるなら10から入る手も十分
馬複は1−3、3−4、3−10、1−4、1−10
<お奨めの1頭>
11レース マイネルティーダ
時に取りこぼしもあるが、毎回上位を争う超堅実派。ここでも信頼の軸となる
30日(土)メインはB1級馬による水沢1600m戦「第8回ムーンライトカップ」、9頭立て。有力馬の実力が伯仲しており、ちょっと難解な一戦となった。
人気を分け合うのはブラックオーメン、ヘライカントリーの2頭。前回快勝の内容を評価されたが、両馬とも差しタイプ。先に行ける馬を捜すとツジジオット、オリエントボスあたりだろうが、まず競り合うことはなくスローペース必至。展開も重要なファクターとなる。
主軸にヘライカントリーを指名する。ここまで14戦連続で5着以内に入着し大崩れない安定度を誇っていた半面、先行するとどうしても末が甘くなり、なかなか勝ち切れずにいた。
それを解消したのが今シーズン。先行脚質から差しへ脚質転換を図り、ついに成功。距離が長すぎたレインボーカップ(水沢1900m)3着はともかく、3走前の盛岡1600m戦、そして前回・水沢1600m戦を完勝。ひと皮むけてこのレースに臨んできた。
不安材料は冒頭にも記したとおりスローに落とされ、脚を余して負けるケース。競馬は生き物だけに仕方ない面があるが、そこはヘライカントリーを手の内に入れた村上忍騎手の手腕に託したい。
ブラックオーメンは昨シーズンA1、A2級へ在籍したが、クラスの壁が厚く1勝のみに終わり、今季はB1へ降格。2回盛岡の白神賞で最後方一気を決めて初勝利。その後は初芝に戸惑って8着に敗れた以外は毎回勝ち負けを演じている。前回はペース遅いと判断して早め5番手を追走。アッサリ直線抜け出して2勝目をあげた。
今回も好気配を保っているが、不安はやはりスローの場合。ヘライカントリーと同様、自慢の末脚が不発に終わる可能性もある。
逆に願ってもない展開となりそうなのがオリエントボスだ。重賞・岩鷲賞を制するなどで昨年までオープンへ在籍したが、今季はB1へ降格。メンバーに恵まれて特別開催を含めて3勝マーク。着外に沈んだのは盛岡1200mの忙しい競馬となった早池峰賞8着、距離延長に泣いた前々走・レインボーC9着の2度のみ。他は毎回上位争いを演じている。
前走4着は守備範囲を越えた1800m戦。それでも4コーナーで先頭に立ち、見せ場は十分作っていた。しかも今度はベストと言える水沢マイル戦で持てる能力を発揮するお膳立ては整った。単まであり得る。
テンショウタイヨウの評価が難しい。相手なりに駆ける堅実さを身上とし通算13勝。冬期間には荒尾、浦和遠征で3連勝をマークした実績も光る。帰郷後はその疲れも残り、精彩を欠いていた時期もあったが、ひとまず立て直しに成功した。
ただ、気になるのが前回3着。4番手追走と位置取りも悪くなかったのだが、直線でいつものシャープさが見られなかった。このクラスで頭打ちか、それとも再度飛躍を遂げるのか、ここは真価を問われる一戦となった。
他にも伏兵がそろった。やや陰りが見え始めたツジジオットだが、今回は得意の水沢1600mに加え、行く気になれば先手を取れそうなメンバー構成。盛岡に替わる前に一発を決めたいところだろう。ツルギフェロンは金沢A級から里帰り。再転入2戦は芝が合わず10、9着に沈んだが、ダートに替わった途端2着を確保。軽視されがちだが、実力は決してヒケを取らない。
またマチカネダイキチ、キレアジサイコウも一発の怖さはあるが、それでは手を広げすぎなのであえて無印とした。
◎ ?ヘライカントリー
○ ?ブラックオーメン
▲ ?オリエントボス
△ ?テンショウタイヨウ
△ ?ツジジオット
△ ?ツルギフェロン
3連単は6、2の2頭軸から9、3へ。あとは7、8を押さえ
馬複は2−6、6−9、3−6、6−7、6−8
<お奨めの1頭>
11レース ジャッキードリーム
先行馬がそろって展開がカギを握るが、ここでもスピード上位の見解。前回タイムも抜けている