先日は北京オリンピックの話題に触れましたので、今度はこっちを書くべきでしょうね。
9月14日に北京で行われたパラリンピック陸上円盤投げで、岩手県九戸郡洋野町種市の大井利江選手(60)が見事な銅メダルに輝きました。大井さんはアテネ大会銀メダルに続く連続の表彰台。今回メダルの色はひとつ下がりましたが、この大会から障害程度のクラス分けが変更になったそうで、より障害の軽い選手と戦って得た、価値の高いメダルとなりました。種市といえばテレトラックがあって岩手競馬ファンにも馴染みの深いまち。拍手!!!!!
しかしあれですね。健常者の方のときはテレビのどの局を回してもオリンピック・オリンピックで、日本人選手の獲得メダル数は何個!とやっていたのに、パラリンピックとなると、NHK教育テレビで毎晩1時間の枠しかないんですね。昼間の情報番組なんかでは報道していたのでしょうか?
そもそもオリンピックとパラリンピックは同じ夢の舞台、同等の大会のハズ。たとえそれは建前だとしても、これほど扱いに差があって良いの??
しかしそういう私も、本大会期間中はテレビの前に座れる時間があれば「どっかのチャンネルでオリンピックやってないかな?」とリモコンに手を伸ばしていたのに、次はパラリンピックが始まったからといって「テレビでやらね〜のかよ!」とぼやきながらネットで情報収集する、というわけでもありません。それどころか岩手県民のメダリストが誕生したことですら、このところ地方紙やローカルニュースを見ていなかったこともあり、この原稿を書くに当たって初めて知ったという始末。これじゃいけませんねぇ……
何故こんなにも、注目度が違うのか?選手は健常者と同じように努力しているのに、です。馴染みのない競技だったり、障害の種類や程度、運動機能によってクラスが細かく分けられていて複雑だからでしょうか?それも少しはあるかもしれませんね。
それとも単純に、プロあるいはプロに近い待遇で鍛錬を積んだ本職の選手が、ハイレベルなパフォーマンスを発揮するところが見たいものなのでしょうか??
でもなぁ。それだと私の好きなアレも否定されちゃうんですよ。ほら、『環境や設備、資金などの制約があるから単純な力比較では中央にかなわないけど、こっちにはこっちの良いところがあるんだよ』っていつも言ってるアレが。。。。
(文・佐藤到)
9月14日 第31回桂樹杯(3歳以上オープン 盛岡芝1600m)
(桂樹杯ゴール 写真・佐藤到)
1着 ボスアミーゴ
いつもどおりのスタートを切り、後方4番手につける。ただ「年々ズブくなってきているし、前2回が2400m戦。久々のマイルに戸惑って追走するのにてこずった」(菅原勲騎手)そうで、3コーナーでちょっとモタモタするシーンも。
それでも行き脚がついた4コーナーからの伸びに役者の違いがマザマザ。馬群が固まった直線では大外からアッサリ抜け出し、後続を一瞬のうちに突き放して完勝。芝4連勝をマークした。
「以前は掛かって折り合いに苦労していたが、ズブくなっているので逆にマイルは短すぎるかも。それでも4コーナーを回ってからは大丈夫だと思ったし、切れは健在。次走、OROカップは100m延びるので今ならその距離の方が合うでしょう」と菅原勲騎手。
2着 サクラエキスプレス
外ウエスタンフォルスが手をしごいて先手を取ったので、無理をせず2番手外に控える。流れは明らかにスローで、サクラエキスプレスも楽に追走できたのが最大の好走要因。直線入り口でウエスタンフォルスを交わして先頭に立ち、直線半ばでちょっと苦しくなってヨレるシーンがあり審議の対象になったが、着順を変更するには到らずクルセイズ、カネショウエリートの追撃を封じて2着を死守した。
芝2400mのかきつばた賞、せきれい賞は距離の壁に泣いて着外に沈んだが、今回はマイルに距離短縮されて持ち味を出し切った。
3着 クルセイズ
道中は5番手インにつけ、ボスアミーゴが動いたのを見てスパート。直線では馬群を割って抜け出そうとしたところサクラエキスプレス、ボスアミーゴの間に挟まれて出場所をなくしたが、ラストでまた盛り返して3着入線。
前2走は水沢ダート、その前は盛岡芝・ダートと条件が毎回替わりながらも常に上位へ食い込んでくるのには頭が下がる。今後も目が離せない存在だ。
4着 カネショウエリート
終始4番手外を追走し折り合い、手応えも上々。4コーナーを回って2着を確保しそうな勢いがあったが、ラスト100mでクルセイズ同様、進路が狭くなる不利が痛かった。
しかしボスアミーゴは別格として初の一線級相手にクビ、クビ差の2着争いを演じたのだからマズマズの結果。オープンのペースにも慣れただろうから、さらに好勝負に持ち込めるかもしれない。
9月15日 青藍賞(3歳以上オープン・地方競馬全国交流 盛岡ダート1600m)
1着 トーホウライデン
前半はジックリ7番手に待機し、3コーナーから満を持して高橋悠里騎手がゴーサインを出すと、素早く反応。ラスト200mで前にいたダークマター、メタモルキング、ブラーボウッズらをアッサリ交わし、大外を強襲したソーユアフロストが接近するとまたひと伸び。完勝に近い内容で重賞2連勝を飾った。
「クラスターカップの取り消しは残念だったが、馬体を回復させてからは攻め馬を十分にこなして出走できた。それでも走る前は半信半疑だったが、盛岡は本当に走る。瞬発力に思わず熱くなった」と高橋悠里騎手。
テンショウボスが回避、そしてサイレントエクセルは今回は7着と昨年のトップ・ツーが順調さを欠いて混沌としたままで後半戦に突入。いわゆる団子状態で低空飛行を続けているが、その中でトーホウライデンの重賞2勝は光る。
次走・南部杯は全国の強豪がそろい、どう考えても岩手勢では歯が立つと思えないが、今回を叩かれた上積みを見込めば電光掲示板に載る可能性も少し出てきたか。
2着 ソーユアフロスト
道中は後方2番手を進み、トーホウライデンとほぼ同時にスパート。直線を向いてトーホウライデンとの差を徐々に詰めて一瞬、捕らえそうな場面もあったが、再び離されてしまった。それでもメンバー中最速の上がりを使ったことは収穫だった。「直線で差せるつもりで精一杯に追ったが、捕らえ切れなくて凄く悔しい」と高松亮騎手。
次走は選ばれれば、の条件で南部杯に向かいたいと佐藤雅彦調教師。
3着 ダンディキング
自分の競馬に徹することに心がけ、ずっと5番手をキープ。先に仕掛けたブラーボウッズには先着したが、上位2頭とは決着がついてからの入線。「年を重ねてカリカリしなくても力を出せるようになった。このメンバーなら力は五分だから、いずれチャンスがあるかも」と草地騎手。
4着 ブラーボウッズ
オープンにしてはさほどペースは速くなく、鞍上・菅原勲騎手はみちのく大賞典の再現を狙って早めにマクリをかける。それで各馬のピッチも上がり、ブラーボウッズは4コーナーで3番手まで進出したものの、そこで脚が止まってしまった。
6着 ヤマニンエグザルト
すずらん賞では好位追走したが、今回はコースが替わったにせよ後方2番手からの競馬。直線を向いてようやくエンジン全開したが、すでに勝負付けが済んでからでは如何ともし難かった。「全然、ハミを取ってくれなかった。たまにあると聞いていたが、それにしても動かなすぎ」と小林騎手。
13日土曜のメイン「三陸リアス賞」はフォーナインミダス号とセレナガール号とが大接戦を繰り広げ、長い長い写真判定の結果、軍配はセレナガール号に上がりました。
写真はこの時のゴールを一部拡大した物。高松亮騎手と山本聡哉騎手はこの時、「あーっ!俺が負けた〜」「いやこっちが負けた〜!」と二人で言い合っていたそうです。
僅差でも明らかに勝っていれば、乗っている騎手にはどっちが前でどっちが後ろかはっきり分かるそうなのですが、同着になりそうなくらいの僅かな差だとさすがに分からない模様。
結局1着7番、2着5番で決まったわけですが、もし同着だった場合、2頭優勝で表彰式も2頭の関係者が一緒に、という形になるのだそうです。賞金は1着賞金を2頭分・・・というわけにはいかず1着賞金と2着賞金を足して2で割った金額になります。
馬券を買っていたファンの方から見てみましょう。7→5→4の3連単は105万1,880円となりましたが、これが5→7→4だったら、配当は95万6,260円。約10万円違っていました。
この3連単の的中票は10票。ボックスで買っていた方にとっては、セレナガールの頑張りのおかげで約10万円のおまけが付いた事になりますね。
本命は(6)ヤマニンエグザルト。今季は1200mから2000mまで幅広い範囲で活躍。重賞勝ちこそ無いものの特別を2勝、それもレコードかレコードに匹敵する好タイムで優勝しており、8歳にして絶好調ぶりをアピールしています。
昨年のこのレースでは7着でしたが、状態面では昨年以上、相手関係も昨年の上位馬がごっそりいなくなって大幅に楽になっています。ここは重賞タイトルを手に入れる絶好のチャンス。
対抗は(8)ブラーボウッズで。人気の逆を行く馬であてにし辛いですが、この距離は決して苦手ではないし調子も悪くない。ここでも展開ひとつでしょう。
(9)ソーユアフロストをどう見るか。前走がキャリア初のマイル戦、2着に纏めはしたものの、末脚の爆発力を見せつけた一方で距離不足・不器用さを感じさせもしました。盛岡の長い直線が味方になるかどうか?嵌れば勝ち負け、そうでなければ・・・という怖さはあります。
あとは(10)サイレントエクセル、(2)マンジュデンコウベ、(7)トーホウライデンあたりを狙ってみたい所。(10)は馬体に悪いところはなく仕上がりも上々、あとは気持ちの問題のみ。(2)は勝ちきれないまでも常に上位に食い込む力があり、こういう力差のない時こそ押さえておきたいですね。
●買い目
馬単(6)=(8)、(6)=(9)、(6)=(10)、(6)=(2)、(6)=(7)
◆お奨めこの一頭
7R:ケンタッキーハット
前走の圧勝ぶり見事。ここも黙ってもう一丁に期待だ。
14日(日)メインは3歳以上オープン「第31回桂樹杯」(盛岡芝1600m)、12頭立て。このレースの1、2着馬には9月28日、地方競馬全国交流「第10回OROカップ」(盛岡芝1700m)への優先出走権が与えられ、岩手在籍の芝巧者がズラリ顔をそろえた。
その中でも断然の芝実績を誇っているのがボスアミーゴだ。これまで盛岡芝9戦7勝2着2回と連対パーフェクト。すでに芝重賞で4勝マークし、今年は盛岡芝で行われた重賞・特別すべて1着とターフ王の座を磐石のものにしている。
芝1600mは1勝2着1回で2歳時にテシオ杯ジュニアグランプリ優勝。そして2着は昨年の桂樹杯でナイキアヘッドに逃げ切られた時だが、ボスアミーゴは直線で進路が狭くなる不利。その影響を受けたためで芝1600mが決して合わなかった訳ではない。
今は道中の折り合いもしっかりつき、距離不問のオールラウンドホースに成長したが、本質的にはマイラー。血統もそれを裏付けており、今回の1600m戦はむしろ望むところ。
陣営も芝1本に絞って水沢4開催を自重。暑い夏をジックリ休養にあて、態勢も万全とくればボスアミーゴが負ける要素はほとんど見当たらない。
単不動。興味は相手捜しに絞られ、一番手にカネショウエリートを指名。昨シーズンまで活躍の場が芝に限られ、異色のメイセイオペラ産駒と言われていた。同産駒の傾向は父と同様、ダートが主流なのだが、カネショウエリートは昨年までダート戦1勝のみ。それも2歳時、融雪剤がまかれて芝と似た馬場になった不良の寒菊賞だけで、他は勝ち切れないか凡走かの連続に終始していた。
ところが今年、大変身を遂げた。6月、盛岡ダートで今季初勝利をあげるや、芝・水沢戦と圧巻の5連勝をマーク。ダートは苦手と言われていたのが信じられないほどの強さを誇っている。
これはカネショウエリートを管理する畠山調教師と一致した意見だが、メイセイオペラ産駒は晩生型。古馬になってから本格化を迎える―の傾向がはっきりある。そう考えればカネショウエリートの快進撃も納得が十分でき、パワーの要るダートもこなしてきたのだと思う。
しかも今回は元々が適性高い芝が舞台。ターフ王ボスアミーゴ相手にどんなレースで挑むのか楽しみでならない。
クルセイズはB・ドリーマーカップで2番人気に支持されたが、5着止まり。しかし、牝特・フェアリーC優勝のほか、芝2400m戦・かきつばた賞、せきれい賞3着。当然だがカネショウエリートを上回る実績があり、円熟したレース運びで2着に食い込み可能性は十分にある。
以下は芝1700m戦・あじさい賞で2着サクラエキスプレス、盛岡芝6戦5勝2着1回と驚異の適性誇るタイキランデヴー、久々を叩かれたマツリダワルツも押さえが必要だろう。
◎ ?ボスアミーゴ
○ ?カネショウエリート
▲ ?クルセイズ
△ ?サクラエキスプレス
△ ?タイキランデヴー
△ ?マツリダワルツ
3連単は6を1着固定に12、1の折り返し本線。あとは7、2、4を3着押さえ
馬複は6−12、1−6、6−7、2−7,4−7
<お奨めの1頭>
11レース コスモスパングル
盛岡芝1勝2着3回と連対パーフェクト。好気配を引き続きキープし、軸の信頼度は高い
13日(土)メインはC1級「第11回三陸リアス賞」(盛岡ダート1600m)、11頭立て。
パラダイスオピウムで中心は動かない。園田1勝、金沢0勝C3から今年6月に転入。最下級C2へ編入され、いきなり盛岡で4連勝をマーク。C1昇級初戦はカヤドーブランの2着に敗れたが、わずかハナ差に敗れたものでその後は気を取り直して目下3連勝中。これで岩手通算8戦7勝2着1回とほぼパーフェクトの成績を誇っている。
懸念材料は盛岡ダート1600mが今回初めてという点だが、すでに水沢で1800m、1600m戦を勝っており決定的な死角にはなり得ない。しかも先行力もある馬がベストとも言える2枠も引き当て、逃げ、もしくは2番手の競馬から連勝をさらに伸ばすに違いない。
何故、これほどまでパラダイスオピウムが一変したか。理由ははっきりしている。爪に持病を抱えていたが、それが完全に解消したからだ。園田デビュー2戦目に初勝利をマークしたように能力はお墨付き。また490キロ台の馬体重をずっとキープしていることも好走要因となった。
今回は格上馬、盛岡巧者、好調馬がそろったが、充実一途のパラダイスオピウムを持ってすればここも軽く突破できるはずだ。
逆転候補は決め手上位のサージェリー、クードゥフードル。サージェリーはかつてA2でも勝ち負けの実力馬で今季はC2へ降格。典型的な追い込みタイプだけにコンスタントな結果を出せないが、それでも2勝2着3回。ここ2戦も連続2着にまとめ、直線の長い盛岡戦を迎えたのが心強い。
クードゥフードルは水沢2500m戦・夏油賞4着後、調子を落として5、8着。これは小回り水沢も本質的に合わなかったとも解釈でき、今度は4戦2勝2着2回と連対100%の盛岡戦。サージェリー同様、エンジンがかかってからのシャープな伸びが身上とし、4回盛岡の再現も十分に考えられる。
以下、休み明け3戦目と走り頃のシュガーピュア、前回の水沢マイル戦でパラダイスオピウムを上回るタイムで逃げ切ったフォーナインミダス、スンナリ逃げの手を打てれば強さを発揮ジャッキードリームが連下。
◎ ?パラダイスオピウム
○ ?サージェリー
▲ ?クードゥフードル
△ ?シュガーピュア
△ ?フォーナインミダス
△ ?ジャッキードリーム
3連単は2を1着固定に10、3の折り返し本線。あとは8、5、1を3着押さえ
馬複は2−10、2−3、2−8、2−5、1−2
<お奨めの1頭>
9レース ジュリア
前回、待望の重賞タイトルを手にしたジュリア。その後も乗り込み順調で一気逃げ切り有望