またまた競馬に無関係な話題から入りますが、お付き合い下さい。
盛岡競馬場で南部杯が行われる前日の日曜日、日本モータースポーツ界最大のイベントが今年も開催されます。それはフォーミュラワン世界選手権日本グランプリ。F1日本GPと言ったほうが通りが良いかもしれません。
今年、日本のモータースポーツファンの期待を一身に集めるのは、日本人2世ドライバー中嶋一貴選手。彼は日本人初のレギュラーF1ドライバー・中嶋悟氏の長男としても知られています。中嶋悟は最高位4位と表彰台には手が届かなかったものの、ロータス・ホンダ所属時代にはあのアイルトン・セナのチームメイトを務め、また『雨のナカジマ』と呼ばれて難しいコンディションでの走りが光る選手でした。カズキは同じく2世ドライバーのニコ・ロズベルグ選手(こちらの父は元世界王者のケケ・ロズベルグ。ケケが活躍していた頃、日本ではまだF1をテレビ中継していなかったので、彼の現役時代を知っているという人は相当のツウですね)とタッグを組み、名門チーム・ウイリアムズで果敢に戦っています。
彼らに共通しているのは、2世ドライバーと言われることに抵抗を感じていること。中嶋一貴選手に至っては、父のネームヴァリューでサポートを得られるであろうホンダを自らの意志で離れ、トヨタ系のチームで頭角を現し、ついにトヨタエンジンを搭載するウイリアムズに世界最高カテゴリーのシートを獲得しました。
昨年の最終戦から参戦している彼ですが、実質上は今年がルーキーイヤー。ところが開幕戦で8位入賞!その後も爆発的な見せ場はないものの確実な走りを続け、モナコGPでは日本人初の入賞を記録するなど、地道にその評価を高めています。
来る12日は凱旋帰国となりますが、ここまで良い流れで来ているだけに地元グランプリでどんな走りを見せてくれるか楽しみです。
ところで2世というとスポーツ選手だけでなく、タレント、俳優、代議士などなど、いろんなところでそう呼ばれる人がいます。中にはこの肩書きを積極的に利用している人もいれば、反発している方もいるでしょう。しかし見る側からすれば、「君のお父さん(お母さん)の活躍を覚えているよ」という気持ちはかなり大きく、それだけで親近感を感じたり応援しようという気持ちが起きたりするものです。
これが競馬というスポーツにおいては、血統の重要性と人間よりも遙かに早い世代交代のおかげで『あの馬の子供』が登場する機会が非常に多くなります。それほど年季の入ったファンでなくとも、3〜4年ファンを続けていれば2世代にわたる競走馬が走るのを目にすることが出来るでしょう。これは人ならぬアスリートを応援している私たちの特権と言えるかも知れませんね。
さて今度の連休。日曜日にはナカジマが表彰台に、月曜にはミスハクギンやメイセイオペラの仔が先頭でゴールするのを見れたら最高!!ですよね。
9月28日 第10回岩手県知事杯OROカップ(3歳以上オープン地方競馬全国交流 盛岡芝1700m)
1着 クルセイズ
メンバー中一番のスタートを決めたが、モエレフェニックスが先手をアピールしたのを見て4番手インにスッと控える。道中ずっと同じポジションを取り、3コーナーで展開が動いてもじっと我慢。
3コーナーで先頭に立ったカネショウエリート、それを追いかけるサクラエキスプレス、大外から伸びてきたボスアミーゴが直線入り口で並んだところ、クルセイズはぽっかりと開いた最内から絶妙のタイミングで抜け出す。
3頭がけん制し合って外にコースを選んだ一方でクルセイズはコーナー、コーナーを最経済コースで回って先頭。盛岡芝の特性を最大に活用した沢田騎手の奇襲戦法がズバリはまり、大外強襲ボスアミーゴの追撃をハナ差封じてそのままゴール。重賞初制覇を大金星で飾った。
「好スタートを切ったので逃げようかと思いましたが、それでは目標になるだけと我慢してとにかく内々を進むことにした。直線では先頭に立ったけれども、ボスアミーゴは姿が見えたと思ったら、次の瞬間には交わされているような馬だから、今日も後ろに姿が見えた時はすっかり観念したが、なかなか近づいてこない。それで必死に追ったら凌ぎ切ってくれた。この勝利は本当に嬉しいですね」と沢田騎手。
今後は当初の予定どおり芝2レース、パンジー賞(10月12日)から重賞・きんもくせい賞(10月26日 両レースとも盛岡芝2400m)を最大目標に置いている。その後はダートでも悪いわけではないので、狙えるところは狙っていきたいと佐々木由則調教師。
2着 ボスアミーゴ
トライアル・桂樹杯のレース後、「勝つには勝ったが、ズブさが出てきて道中の反応がひと息」と菅原勲騎手が語ったが、その印象があったのだろう、今回は積極的に中団外目を追走。
勝負どころの3コーナーでピッチが上がり、鞍上・菅原勲騎手もゴーサインを出したが、いつもの爆発力が見られない。ひとまず4コーナーでカネショウエリート、サクラエキスプレスに並び2頭を突き放し、最内クルセイズを一完歩ごとに差を詰めたが、捕らえ切れずには到らず。史上初の盛岡芝重賞を完全制覇は達成できなかった。
「追ってからの動きが物足りない。完全にズブくなってしまってシャープさが影を潜めてしまったのか、現時点では分からない」と菅原勲騎手。
こちらもクルセイズと同様、パンジー賞からきんもくせい賞のローテーションで行くという。
3着 ピンクゴールド
じっくり待機策に徹し、後方3番手を追走。3コーナーでも小林騎手は動かなかったが、馬なりで徐々に先陣へ接近。直線を向いて満を持してスパートをかけ、大外からメンバー中最速の上がりを使って伸びる。1、2着とのタイム差は0・2秒と勝負付けが済んでからの入線だったが、初の古馬オープン相手にこの結果は上々といえる。
「初の一線級が相手なので持ち味を最大限出せるように心がけた。馬場が柔らかくノメっていたが、それでこれだけ走れば立派でしょう」と小林騎手。
4着 オグリオトメ
位置取りはボスアミーゴとほぼ同じ。こちらは内に入れ、スパートも同じく3コーナーからでジワジワと前へ進出。同世代のピンクゴールドに首差負けだったが、前走・ローズステークスからわずか1週間。その疲れも残っていたことを考えれば4着も納得ではないか。「ダートでもソコソコの結果を出しているが、本質的には芝が合うと思っていた」と佐藤友則騎手。
5着 サクラエキスプレス
「無理に行かない方が脚を使えるので控える戦法にした」と関本淳騎手の言葉どおり先陣5番手の外を追走。3コーナーでモエレフェニックスが失速し、カネショウエリートが先頭。それに合わせて動き、4コーナーではカネショウエリート、ボスアミーゴの間に入って横一線。直線でも渋太く粘っていたが、最後は勢いがなくなって5着。「芝専門にもちょっと厳しい馬場になった」(関本淳騎手)
6着 カネショウエリート
前回は大外だったこともあって4、5番手からの競馬だったが、今回は内3枠に入り2番手を追走。3コーナーで早め先頭に立ったものの後続のマークもきつく直線で一杯となる。
「決め手勝負に持ち込むと分が悪いので前で粘る形を取ったが、本物の芝馬ではないので切れるオープン馬が相手だとちょっと苦しい」(村上忍騎手)
金曜日、笠松競馬場で行われた「スーパージョッキーズトライアル」第1ステージで、岩手の菅原勲騎手が2戦2勝の大活躍。第1ステージを1位で通過しました。
02年のWSJSに出場した時、「世界のトップジョッキーと腕で戦う。本当に騎手冥利に尽きる。ぜひまた出たい」と語っていた菅原勲騎手。これで6年ぶりのWSJS出場に大きく前進しましたね。。
2位の岡部騎手とは10点差、「2勝したとはいえそんなにリードしてない。気が抜けないよね」と言って気を引き締める菅原勲騎手ですが、そこは笠松での表彰式でも話していたとおり「良い意味のプレッシャーにして」乗りきってくれるでしょう。
本命は(8)プリズンガールを狙います。基本の脚質は逃げ・先行。しかし短い距離だけではなく、マイルや1800mまで幅広い距離でハナを奪えるだけのスピードを持っているだけに、同型多数の中でも有利にレースができるはず。ここまで戦ってきた相手も他馬に比べてかなり強いといえ、着順以上に評価できる内容でしょう。そんな経験が活きる舞台。
(1)トーセンコマチもスピードでは負けていません。盛岡は4戦4勝、水沢は7戦0勝と極端ですが、それは小細工が必要な水沢より一気に行ける盛岡の方が合うと判断したい。血統的にも距離は短ければ短いほど良さそう。最内枠を活かせればチャンス。
3番手は(6)ブライティアバレーでどうか。最近は逃げて好結果も、この馬の本来の持ち味は短距離での差す競馬。距離が短い方が自在に動ける印象もあり、この条件、少し短すぎるかもしれませんが、思い切って狙ってみたいところです。
他はもう横一線、強いて選ぶなら(4)エアセイレン。盛岡経験の少なさがやや気になるものの、最近は取り口が安定。流れに乗った時の決め手も上位。(10)トキオパーフェクトはさすがに以前の力までは・・・という近況もテンのスピードはまだ通用。ここのところ天候が悪く良発表でも湿り気の多いコース状態ですし、もう少し強く雨が降れば面白くなるでしょう。
●買い目
馬単(8)=(1)、(8)=(6)、(1)=(6)、(8)=(4)、(8)=(10)
◆お奨めこの一頭
5R:トウショウヒート
転入初戦を好タイムで2着、今回はさらに上昇見込める。
28日メインは3歳以上オープン馬による地方競馬全国交流「第10回岩手県知事杯OROカップ」(盛岡芝1700m)、12頭立て。
このレースの優勝馬にはJRA・マイルチャンピオンシップ・トライアルの優先出走権が与えられるとともに、優勝馬主には社台スタリオンステーションから種牡馬ハーツクライの配合権利が提供される。
今回、他地区からの遠征馬は4頭。中でも注目は川崎のモエレフェニックス。北海道時代、4戦3勝でクローバー賞へ挑戦し見事優勝。本番・札幌2歳Sでは善戦及ばず11着に敗れたが、その後はJRAへ移籍。ビッグタイトルは取れなかったが、4歳時に準オープン(1600万下)・むらさき賞(東京芝1800m)を快勝した実績がある。
南関東トレードは障害2戦を経て昨年11月。初戦のA3以下で2着、2戦目3着にまとめたが、以降は精彩を欠くレースを繰り返している。しかし休み明けの前回は5着入線を果たした。
ネックは往時の迫力を取り戻しているか否か。プラス、1周1400mの小回り盛岡芝をどうこなすかだが、芝実績はメンバー中1、2の存在。ただ一昨年5月以降、ずっと白星から遠ざかっている点を考えれば▲評価が妥当だろう。
(ボスアミーゴ 写真・佐藤到)
主軸はボスアミーゴ。過去、“盛岡芝の鬼”の異名を取ったのはサイレントグリーンだったが、その座を奪ったのがボスアミーゴだった。ダートでの好走は昨年の不来方賞3着まで遡らなければならず、その後はすべて着外。しかし芝に替わると、まるで別馬のように動きが一変。昨年のきんもくせい賞から前走・桂樹杯まで目下5連勝中と破竹の進撃を続けている。
ボスアミーゴの特長は反応のすばらしさ。前半はじっくり後方に待機し鞍上がゴーサインを出すや、一気に加速して他の馬をごぼう抜き。この瞬発力こそが芝で最大に生き、5連勝は着差関係なしにまったく危なげのない内容につながっている。
また、以前は気合いが入りすぎて道中で掛かるシーンもまま見受けられたが、いい意味で“ズブさ”が出てきて折り合い面もまったく問題なし。精神面でも大人になった今なら中央挑戦しても大きく体重を減らすことはなさそうだし、今後は再トライしてほしいと切に願っている。
その布石を作る意味でも今回のOROカップは何としても負けられないところだし、仮に優勝すれば2歳、3歳、そして古馬の盛岡芝重賞を全制覇の偉業を達成することになる。
相手筆頭はカネショウエリート。今年はひと皮もふた皮もむけ、苦手だったダート戦も含めて圧巻の5連勝マーク。メイセイオペラ産駒は総じて晩生だが、カネショウエリートも4歳にして素質が一気に開花した。
勢いを駆って前回・桂樹杯へ果敢にチャレンジ。5番手から3コーナースパートをかけ、直線勝負に持ち込んだが、ラスト200mで前が塞がる不利。これが痛かったが、カネショウエリートは怯まずに盛り返して0・2秒差4着に善戦した。
残念ながら連勝はストップしたが、収穫も大きく一線級相手でも通用するメドは十分に立った。
単穴モエレフェニックスに続くのがクルセイズだ。ほぼ連闘で使われながら毎回好走し、今年の盛岡芝レースでは3戦連続で3着。常に馬券の対象になっており、ここでも目が離せない存在となる。
オグリオトメは通算3勝ながら積極的に遠征を試み、前回はJRA・ローズステークスに挑戦。さすがに初の芝に戸惑いは隠せなかったが、それで1・7秒差なら上々。レース間隔は非常に詰まっているが、53キロの軽ハンデを味方に上位入線を狙っている。
同じ3歳牝馬ピンクゴールドも軽視できない。不来方賞では牡馬どもをナデ斬りにして快勝し、待望の重賞タイトルを獲得。芝も決して不得手ではなく、むしろ切れ味勝負型で前が競り合えば一気台頭のシーンまで。
◎ ?ボスアミーゴ
○ ?カネショウエリート
▲ ?モエレフェニックス
△ ?クルセイズ
△ ?オグリオトメ
△ ?ピンクゴールド
3連単は12を1着固定に3、8、5流し。あとは1、10を3着押さえ
馬複は3−12、8−12、5−12、1−12、10−12
<お奨めの1頭>
11レース タイキランデヴー
芝巧者がズラリ勢ぞろいしたが、すでに盛岡芝で5勝マークと適性は文句なしに一番。桂樹杯8着のうっ憤を晴らす
27日メインはB1級「第2回ラ・フランス賞」(盛岡ダート1800m)、11頭立て。当初、有力視されていたトーヨーハヤテ、マチカネダイキチが回避。それによって俄然、マイネルティーダには願ってもない一戦となった。
マイネルティーダは昨年、中央3歳未勝利から転入し、23戦すべて入着。芝ダート、そしてコースを問わず8勝2着9回と抜群の安定感を誇っている。あえて欠点を探せば下級条件からの傾向だが、最後の詰めが甘い点。1着時でも圧勝したケースはほとんどなく、鞍上を苦労させることもしばしば。それでも結果的に17戦の連対しているのだから軸の信頼度は非常に高い。
ローレルホープマンは中央3戦0勝後、名古屋で6勝マークして4歳時に岩手転入。3勝を稼ぎ、B2級から園田へ転籍。そこでも4勝オープンまで上り詰めた。再転入は今年5月でA級へ編入。当初は使い込めなかった時期もあったが、ひとまず入着を果たし今回からB1級へ降格した。
こちらも最後の爆発力に欠ける面は否定できないが、前回・水沢1600mの走破タイムが1分41秒4。不良馬場で時計が速かったのは事実だが、B1なら勝ち時計になる計算が立つ。
ワラッテオクレヨは岩手デビューの叩き上げで最高クラスは昨年のA2。今シーズンはB1へ編入され、水沢2戦目を快勝。その後はいい脚で突っ込みながら、届かないレースを繰り返している。しかし今回の1800m延長を最も歓迎するのがこの馬。同距離で2勝をマークし、盛岡1800m戦でも1勝。久々に豪脚を披露するか注目してみたい。
以下は単騎逃げに持ち込めば渋太いマツノメガミ、前回3着に健闘シーズアレディ、スンナリ流れる1800m戦が合うニシノグレイシャの序列。
◎ ?マイネルティーダ
○ ?ローレルホープマン
▲ ?ワラッテオクレヨ
△ ?マツノメガミ
△ ?シーズアレディ
△ ?ニシノグレイシャ
3連単は3を1着固定に10、2の折り返し本線だが、3の1、2着流しもある
馬複は3−10、2−3、3−4、3−7、3−8
<お奨めの1頭>
7レース グリーンヒルバチア
盛岡戦の反応抜群で前回もハイタイムで逃げ切り圧勝。同型いてもスピードの違い明白