5月の日本選手権競輪で行われる『ガールズケイリンコレクション2020・静岡ステージ』へ向けて行われた1月のトライアルレース。
静岡で行われたグループBで決勝3着となり初めてのガールズケイリンコレクション出場を決めた大久保花梨選手(福岡112期)に、コレクションへの意気込みや近況などをお伺いしました。
山口:『ガールズケイリンコレクション2020・静岡ステージ』出場決定おめでとうございます。
大久保:ありがとうございます。自分としては7番手での選出で、他の結果待ちだったのでまだまだ改善しないといけないことがたくさんあると感じました。
山口:静岡のトライアルレースに行く前はどんな気持ちでしたか?
大久保:すごく濃いメンバーだなと思いました。動くタイプの選手もたくさん、レースの上手な選手もたくさんだなぁと。決勝にのれたら良い方だなと走る前は思いました。
山口:初日が4着でしたが、終えてからは2走目に向けていかがでした?
大久保:着外だったので2走目は絶対に失敗しないと言い聞かせていました。後が無くなりましたね。
山口:梅川風子選手(東京112期)と一緒のレースでしたが、組み立てはどのように考えていましたか?
大久保:梅川さんが一番強いのはわかっていたので、梅川さんの動きを見ながら走っていました。
山口:冷静には走れましたか?
大久保:そうですね。落ち着いていました。
山口:途中、併走もありましたね。
大久保:梅川さんが私の前にいたので、その時点で彼女の外側で併走して抵抗しないと、すんなり仕掛けられて負けるパターンになります。何もできないよりはとりあえず動いて梅川さんの動きを見ていました。
なんとか捲る梅川さんの後ろにはまれたので良かったです。
山口:決勝は3着で他の結果待ちでしたが、その後のグループC(久留米)はどういう心境で見ていましたか?
大久保:寛子さん(石井寛子選手・東京104期)と柳原さん(柳原真緒選手・福井114期)が3着じゃなければ良いなと思って見ていました。ただメンバーを見ていると、私たちの走った静岡の方が、動けるタイプの選手が多かった気がして、私としては静岡メンバーとの対戦は改めてやりにくかったなと思っていました(苦笑)。
決勝も見ていましたが、最後の最後まで結果はわからなかったのでどきどきしていました。
山口:決定の発表が出た時はいかがでしたか?
大久保:素直に嬉しかったです。やっと目標の舞台に立てるんだと思いました。
山口:初めてのガールズケイリンコレクションですもんね。
大久保:そうなんです。先日3月ウィナーズカップでのコレクションも8番手の補欠で、それ以外のビッグレースはガールズケイリンフェスティバル(サマーナイトフェスティバル)やガールズグランプリトライアルレース(競輪祭)などのトーナメントでした。
コレクションとしては初めての出場です。選ばれたのはすごく嬉しいです。
山口:今までも惜しくも、ということはあったと思いますが、ここまでを振り返るといかがですか?
大久保:出られないたびに力が足りないと思っていましたね。今もまだ足りないと思うこともたくさんあるんですけど、でも結果として今回7人に選ばれたので少しでも成長していると良いなと思います。
山口:単発レースとしては昨年4月のガールズフレッシュクイーン、そして年末西武園でのミッドナイトフィナーレがありました。単発レースのイメージはどうでしょう?
大久保:ミッドナイトでの単発レースについては、オッズパーク杯ガールズグランプリの裏のレースというか、グランプリに出場していない選手でのレースだったのでやっぱりメインのグランプリに出たかったという思いが強いです。
もちろんミッドナイトフィナーレも強い選手が多かったので、そこで勝てたのは自信になりましたが、今年はやっぱりグランプリの舞台で走りたいです。
山口:近況は優勝も続いていますが、ご自身ではいかがですか?
大久保:優勝はできているんですが、最近は予選で負けてしまう事があるので、そこをしっかり勝ち切れるようにしないといけないと思っています。
山口:得意パターン等はありますか?
大久保:それはないですね。「こういうパターンにはまったら勝てる」というのはなく、レース中に相手の動きを見ながらいつもレースを進めます。私より強力な自力がある選手がいたらその選手を見ながら走りますし、レースが上手な選手がいたらその選手よりは前にいるように走るなど、相手を見ながら進めます。
山口:最近の決勝では後ろの選手を離しての優勝もありましたが、それでもまだまだだなと思いますか?
大久保:そうですね。最近の通常の開催だと、本命の選手がいて私がいつも対抗選手のようなメンバー構成が多いです。大きいレースになると全員を意識しなければいけないのでまだまだ勝てません。そこはもっと勉強しないといけないと思います。
山口:具体的にどういう所を強化したいですか?
大久保:トップスピードですね。私はレースが上手くないので、ゴール前で差すというのがあまりできません。基本的には自力を出してレースを進めているので、児玉碧衣さん(福岡108期)や梅川さんのような周りを引き離す自力をもっとつけたいです。
山口:戦法についてはいかがでしょうか。児玉選手や梅川選手だとカマシ先行もありますが意識して逃げを増やしていきたい等はどうですか?
大久保:特に先行にこだわりはないですが、自分の他に積極的に動く選手がいなければしかけていきたいとは思います。そのしかけたときに後ろをスピードで離せれば逃げ切れるし、そういう脚はつけていきたいです。戦法の幅も広がりますしね。
山口:5月のガールズケイリンコレクションは静岡ですが、トライアルレースで静岡を走った感触はいかがでしたか?
大久保:予選1で着外をとっているので、良いイメージは無くなりました(苦笑)。でもコレクション出場を決めた思い出のバンクというのもあるんです。だから良い悪いどっちでもないかもしれませんね。感触は直線が長いイメージでしたが、走りやすかったです。
せっかくコレクションを走れるチャンスなので、勝ちに行きたいですし、良いイメージで走れるようにしたいですね。
山口:他のメンバーを見て印象はいかがですか?
大久保:今回のコレクションのメンバーで、誰もが思うことは碧衣さんがいないことだと思います。絶対的に強い碧衣さんがいないレースなので、今までのコレクションとは違うレースになるはず。それが楽しみです。
山口:確かに、今までは児玉選手がいないビッグレースはあまりなかったですね。
大久保:そうですね。碧衣さんがいてこそのビッグレースというイメージでしたが、今回はいないです。でもそれが逆に私には勝ちに行くチャンスだと思います。展開を見てうまくレースを進めたいですね。
山口:同期の選手もいますね。
大久保:はい。特に梅川さんは仲が良くて、いつも練習メニューなども教えてくれる強い選手で憧れています。今回のコレクションで戦えるのを楽しみにしています。
山口:先ほどから「展開を見て、相手を見てレースをする」というお話が多くありました。相手の動きに反応して瞬時に動けているなという実感はありますか?
大久保:レースを走っていて「今こうした方が良いな」という組み立てはできると思います。通常の開催の予選だと自分の思うように動けて勝てることが多いですが、ビッグレースになるとそれが何パターンもあってどうなるか予測が立てにくいのが難しいですね。今回のコレクションでは良い経験ができたら良いなと思います。
山口:ビッグレース初めてだからこその経験ですね。
大久保:そうですね。
山口:今の目標は何ですか?
大久保:ガールズグランプリに出たいです。
山口:1年の積み重ねですね。今回のガールズケイリンコレクション出場で、ガールズグランプリに一歩近づきましたね。
大久保:そうかもしれません。昨年コレクションは出られなかったので、今回出場を決められたことは、目標のグランプリ出場へ向けて少しずつ近付いていると思います。
山口:今の練習環境はいかがですか?
大久保:いつも練習している久留米の選手は碧衣さんをはじめ強い選手がたくさんいるので、いつも間近で刺激をいただいています。今度デビューする118期の子(尾方真生(オガタ・マオ)選手)も卒業記念レースを優勝して強いので一緒に頑張っています。
山口:久留米勢としては5月のガールズケイリンコレクションは唯一大久保選手が出場します。周りからの激励はどんな感じですか?
大久保:「花梨、優勝しなきゃあかんやろ!練習しろよ」と激励を受けました(笑)。期待もかけてもらっていると思うので良いモチベーションになっています。
山口:ぜひ頑張ってください(笑)。では最後にオッズパーク会員の方へ意気込みをお願いします。
大久保:今年は一戦一戦大事に走って、ガールズグランプリを目指します。応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
5月に地元・静岡競輪場で行われる『ガールズケイリンコレクション2020・静岡ステージ』。このレースに出場する為には1月のトライアルレースで出場権を獲得しなければなりません。
岐阜で行われたグループA決勝2着で出場権を獲得した鈴木美教選手(静岡112期)に地元開催への意気込みや近況などをお伺いしました。
山口:5月地元でのガールズケイリンコレクション出場決定おめでとうございます。
鈴木:ありがとうございます。
山口:コレクションのトライアルレースでは、岐阜のグループAが最初に行われました。どのような気持ちで臨まれましたか?
鈴木:一番最初だったので、とても緊張しました。たくさんお客さんも入っていたし、地元・静岡でのコレクション出場もかかっていたので初日からすごく緊張しました。
山口:優勝したのは高木真備選手(東京106期)でしたが、児玉碧衣選手(福岡108期)などもいましたね。
鈴木:決勝は碧衣ちゃんがいたので初手は彼女の後ろから進めていこうと考えていましたし、ゴール前で碧衣ちゃんを抜いたら優勝、2着でも確実にコレクションは走れるのでその位置がベストだなと考えていました。
山口:そうすると決勝の展開は、想定とは違っていましたか?
鈴木:残り1周までは想定通りでしたが、碧衣ちゃんの捲りが合わされた2コーナーくらいからは、その位置にいると厳しいと思ったので高木選手の後ろに切り替えて前に踏んでいきました。
山口:ゴールした時はどうでしたか?
鈴木:2着だとわかっていたので、ほっとしましたね。確実に2着までには入らないと、と思っていたので良かったです。
山口:その直後、2月に静岡でのレースがありました。コレクションで走る前に実践のレースで走った感触は?
鈴木:地元なんですが練習とレースでは全く違います。コレクションの前にレースでの手応えをつかみたいと思っていたので、3日間自力で走りました。
山口:岐阜で敗れた高木選手も一緒でしたが、コレクションでも戦うし意識はされていたんでしょうか?
鈴木:決勝で負けていたので、地元では勝ちたいと思っていました。完全優勝できて嬉しいです。
山口:その後、広島でも石井寛子選手(東京104期)、柳原真緒選手(福井114期)とも対戦しましたね。
鈴木:広島の前検日では記者さんに「今回は5月のコレクションに走る選手が3人参加だね」という質問もされました。コレクションへ走るというのもそうですが、2人とも強いのでいつも気にしているという感じです。
山口:相手がどう走ってくるのかなども研究しますか?
鈴木:コレクションと普段の開催は多分、感覚として全く違うと思います。メンバーもほとんどが自力を使える選手なので展開も読みにくいですね。普段の開催は勝てるように作戦を立てて走っています。
山口:先日はウィナーズカップ最終日『ガールズケイリンコレクション2020・福井ステージ』で久々のコレクション出場でしたがいかがでしたか?
鈴木:悔しいレースだったというのが一番です。
山口:2018年の静岡でのオッズパーク杯ガールズグランプリ以来のビッグレースでしたが、普段の開催と感覚の違いなどはありましたか?
鈴木:ガールズグランプリとは全く違いましたね。今回は無観客でのレースだったというのもあり、声援のない中でのレースでした。
グランプリではとても緊張していたんですが今回は逆に緊張はしませんでしたね。でもお客さんの声援があってこそ良い緊張感が生れて、良いパフォーマンスもできるんだなと改めて感じました。
山口:レースを振り返っていかがでしょうか。
鈴木:展開は動くのが遅くなるだろうなとは想定していました。(梅川風子選手が残り1周で先行、5番手での状態)もっとレースが動く時に前にいることができたら勝負はできたかもしれないですね。自分から動いていけなかったのが課題です。
山口:近況は優勝も何度もされています。現在の調子はいかがですか?
鈴木:通常のレースでは「優勝して当たり前」のようなオッズになってきているので、そこは確実に勝つつもりで走っています。
優勝もできていますし、今年に入って調子も良いと思います。
山口:戦法も特にこの2か月程は先行などバックをとるレースが増えているように感じますが、意識していますか?
鈴木:はい。それは意識をしています。レースの展開にもよりますが、勝ちパターンが1つにならないように、相手に戦いにくいと思われるように何でもできるようにしています。
山口:決まり手なども逃げ、捲り、差し、マークと全部ついていますが、まさに何でもできる選手ですね。練習も変えていますか?
鈴木:練習はそこまで幅を持たせていないです。今は脚力をアップすることをメインに練習をしています。
山口:先日、2021年度のビッグレースの発表がありました。ガールズグランプリがまた静岡に決まりましたね。
鈴木:地元でグランプリがまた開催されるのは本当に嬉しいですし、こんなに早くまたグランプリを誘致するなんて静岡競輪はすごいなと思いました(笑)。
山口:なるほど(笑)。
鈴木:来るとしてももっと先になると思っていたので、本当にすごいと思いましたね。ありがたいし、やっぱり走りたいなと思います。
山口:2018年の静岡のガールズグランプリ開催の時も感じたんですが、地元へかける強い思い、そしてそれを実現していく力は素晴らしいなと思いました。
5月の『ガールズケイリンコレクション2020・静岡ステージ』へ向けてはいかがですか?
鈴木:今度はグランプリではなくコレクションという形でレースを走りますが地元のお客さんの前で勝ちたいという思いが強いです。
いつも地元を走る時はたくさん応援してくださるし気合も入りますね。そこで結果を出すために頑張りたいです。
山口:4月初旬の段階ではまだ無観客レースが続いていますが、走っている側としてはどうですか?
鈴木:やっぱりお客さんの前で走りたいという思いが強いです。特に静岡を走る時にはたくさん応援してくださるので力にもなります。
実は憧れていることがあって、静岡の先輩の渡邉晴智さん(73期)が2008年に静岡で日本選手権競輪を優勝した時に、ゴール後両手を上げて指をさすポーズをしたんです。
それを映像で見た時に優勝するイメージができたというか、私もビッグレースを優勝したらそれをしたいと思ったんです。
晴智さんに「私も優勝したらあのポーズをして良いですか?」と許可もいただきました!なのでそれを、大勢の静岡のお客さんの前で絶対やりたいです。
山口:とっても見たいです!お客様も入っての開催になると良いですね。
静岡のガールズケイリンコレクションを走る、他の6選手のイメージはいかがですか?
鈴木:動けるタイプの選手がほとんどですし、同期もいるので負けたくないです。今回は碧衣ちゃんがいないので混戦になりそうですし、みんなに優勝のチャンスがあります。
出来るだけ前々にいたいですね。
山口:初優勝へ、という思いはいかがですか?
鈴木:先日福井でのコレクションを走ってそこは負けてしまいましたが、まだ今年はもう1本、5月にもコレクションを走る機会、そして優勝できるチャンスがあります。
そのチャンスを掴むためにしっかりと準備をしたいです。
山口:では最後にオッズパーク会員の方へ意気込みやメッセージをお願いします。
鈴木:5月のガールズケイリンコレクションでは1着でゴールして晴智さんと同じパフォーマンスができるように頑張ります。応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
競輪界の最強の証しとされるS級S班に8年連続で在籍した浅井康太選手(三重90期)。
今年はそのS級S班から離れる事になりましたが、怪我を乗り越えたくさん自分自身と向き合い、2020年自身で最初の記念競輪ではすべて1着の完全優勝という最高の結果。
より感覚が研ぎ澄まされた浅井選手に今年ここまでの振り返り、そして2020年の抱負を伺いました。
星野:静岡記念競輪は完全優勝でした。おめでとうございます。
浅井:ありがとうございます。
星野:振り返っていかがですか?
浅井:静岡に行く4、5日前から体も動いていたし、勝てる!という感覚もありました。その中で自分の力を出しきれたのが良かったのかなと思いますし、自分を信じた事が結果に繋がりましたね。
星野:「勝てる感覚」というのは具体的にどんなことですか?
浅井:調子が良い時は体が勝手に反応すると言いますけど、自分の場合は、自分で動きが作り出せている、こう動かしたいなという動作が上手くできているという事なんです。それがスムーズに出来ていたので、レースでも大丈夫という事ですね。
星野:その感覚通り、結果は4日間1着だったんですが、3日目に行われた準決勝戦以外は自力で戦ったレースでしたね。
浅井:僕は追い込み選手っていうイメージがあるかと思いますが、基本的に自力なんですよ。S級S班にいると対戦メンバーに前を任せる選手を入れてもらえることが多くなるので、そんなイメージになってると思いますが、チームスプリントなんかも3走目を走ってますし、長い距離を走るのは好きなんです。本当は先行タイプなんです。
星野:シリーズではそれを強く感じました。でも、浅井選手は自力だけじゃなく、何でもできる選手のイメージが強いですが、それについてはどうですか?
浅井:そうですね。レースの中で自力だけでなく何でもやることは大切だと思っています。その時その時の対応力ですね。これが得意だとか苦手だとか、この戦法は嫌だからこっちが良いではなく、レースの中でここで動けば勝てる!というポイントを大切に走っています。
星野:3日目のレースは高橋和也選手(愛知91期)に前を任せてましたが、先行した根本哲吏選手(秋田97期)の2番手から踏んだ小松崎大地選手(福島99期)の3番手に切り替えていきました。このレースは、流れの中で自然に動いている印象もありましたがいかがでしたか?
浅井:あのレースも深く考えずに感覚でした。 和也のスピードと小松崎さんのスピードを維持する感じですね。切り替える時に一旦スピードを落として無駄な動きをしてしまうと、そのあとのゴール前の伸びを欠くことがあるんです。なので、足を使わず、スピードを殺さず動いた結果がゴール前の伸びに繋がったんだと思います。競輪のレースって力勝負だと思われているかもしれませんが、もっと繊細なものなんですよ。ウエイトだけとか、そんな単純なトレーニングは必要ないと僕は思っているので、いろんなものを取り入れています。
星野:確かに、自転車だけでなく色んなスポーツも取り入れていらっしゃいますね。さて、8年連続のS級S班から今年は離れることになりましたが、その辺りはいかがですか?
浅井:誰でも挫折を味わう事はあると思いますが、僕の場合はグランプリ出場というところから一旦離れた事によって、8年間そこに追われていた自分が小さいなと感じることが出来ました。もちろん、グランプリはまた目指しますが、それよりファンの皆さんが楽しめるような競輪を作っていきたいと、より強く思うようになりましたね。それに、同時に鎖骨と肋骨骨折も経験しました。その治療中は全く動けなかったので、いつもは、体50% 頭50%で考えていたんですが、動けない事によって体0%、頭が100%になりました。そしたら、沢山アイディアが出て来たんです。怪我をした時は本当に苦しかったんですが、今はそんな挫折を経験できてよかったとさえ思っています。
星野:そして、9年振りにFI開催も走られました。
浅井:僕の車券を買ってくれたお客様に貢献するレースをするのはもちろんなんですが、久々にFI戦を走るので、自分にできることは何かを考えたんです。FIだと若いA級の選手も同じ開催に参加するので、その選手にお手本としての走りを見せるのも大切ではないかと。そして、結果は人気にも応えて完全優勝できましたし、松阪の開催ではそれが実現出来たと思っています。
星野:どんな環境でも常に新しいことに気付き、実践する。そして、結果に繋げている。今年も浅井選手からファンの皆さんも目を離せませんね。改めて2020年の抱負を教えていただけますか?
浅井:自分の事をより詳しく知って結果に繋げることがタイトルに一番近いと思っていますので、今年はそこに重点を置いて、3年を目処にタイトルを狙っていきたいと思います。
星野:今年ではなく3年なんですね。
浅井:一昨年はタイトルも獲って良い一年でした。そして、昨年は悪かった。その流れで行くと今年は良さそうなんですが、良い悪いの波を作りたくないんですよ。確実に積み上げていくためには3年という長いスパンで取り組むことが大切かなと。
そうすることによって、今年タイトルを獲ることが出来れば、来年、再来年と良い状態がキープできると思います。
星野:では最後にオッズパークの会員の皆さまにメッセージをお願いします。
浅井:今年はGIからFIまで走るステージがいろいろありますが、GIの決勝戦でもFIでも どこを走っても車券を買ってくださる皆さんに貢献できる走りをしていきたいです。これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 星野めぐみ(ほしのめぐみ)
大阪府出身。タレント、アナウンサー、競輪キャスターとして活躍中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
奈良競輪開設69周年記念春日賞争覇戦(以下、春日賞)を優勝した松谷秀幸選手(神奈川96期)。
2017年4月西武園記念競輪を制してから約3年振りの記念制覇となりました。松谷選手に春日賞の振り返りや2020年の意気込みなどを伺いました。
大津:春日賞優勝おめでとうございます。
松谷:ありがとうございます。
大津:周りの反響はいかがでしたか。
松谷:久しぶりの記念優勝だったので師匠の佐々木龍也さん(神奈川57期元選手)は凄く喜んでくれました。
春日賞に行く前にも師匠にバイク誘導などをしてもらっていたので、結果を出して恩返しをすることが出来て良かったです。
大津:長期欠場明け2戦目で結果が出たというのも大きいのではないですか。
松谷:まさかいきなり優勝出来るとは思わなかったのですが、今開催は全て流れが良かったように感じます。
大津:今大会にはどのような思いでのぞみましたか。
松谷:奈良は特殊なバンクなので後手を踏まないように意識して走りました。
あと僕は奈良が得意というか相性が良いんです。なので良いイメージを持ってのぞめました。
大津:松谷さんは大阪出身ですし、その辺りも関係あるのでしょうか。
松谷:そうですね、実家から一番近い競輪場なので。
小さい頃はよく生駒遊園地に連れて行ってもらったりしてましたし、そういうのもあるかもしれないです。
大津:奈良もそうですが、短走路の相性は特に良いように思います。
松谷:333の成績は良いですね。
日頃も街道練習ばかりでバンクには入らないですし、バンクに入ったとしても400バンクなので自分でも何故333の相性が良いかはわからないんですが、気づけば短走路では結果が出ていますね。
大津:では、「333の松谷秀幸」はお客さんからしたら、「買い」ということですね。
松谷:そうですね、狙ってもらいたいです。
大津:冒頭のお話の中で春日賞は流れが良かったと仰っていましたが、まず初日特選が2着と好スタートを切りました。
松谷:自分で後ろから動いて一度仕掛けたことが大きかったです。
平原康多選手(埼玉87期)が強すぎて、その上を行かれてしまったんですが、自分が仕掛けたからこそ、そのあとに平原選手を追いかけられたのだと思います。
大津:ジャンでは平原選手を捌く動きがありました。松谷選手の持ち味が活きたようにも感じました。
松谷:奈良で後方になったら勝負圏がなくなってしまいますからね。強い気持ちで攻めました。
大津:ご自身の中で手応えもあったのではないですか。
松谷:自分自身そこまで調子は良くない感じだったんですが、レース終わった後に
同県の和田真久留選手(神奈川99期)たちから「松谷さん調子いいですね。」「仕上がってますね。」など言われて、そこで気持ちが乗せられた気はします。
大津:今シリーズは残念ながら無観客でのレースとなりましたが、一走してみて普段の競走と違いなどはありましたか。
松谷:無観客と聞かされた時は、どういう感じになるんだろうと思っていましたが、いざレースになると集中しているので全く普段のレースと変わりはなかったですね。ただ、顔見せの時に声援などなかったので、そこが寂しかったです。
他の選手とも話したのですが、無観客だからいつもと違うという人はあまりいませんでした。
大津:二日目の二次予選競走Aが今開催のポイントにもなったレースに思えます(結果6着で勝ち上がり *6着は一名しか準決勝に進めない)
松谷:6着と7着では大きく異なりますからね。
昨年の防府記念では初日特選で1着を取ったんですが、二次予選競走で7着に敗れてしまいまして、そういうのもあって最後はシビアに早めに踏ませてもらいました。
大津:前年の春日賞も村上博幸選手(京都86期)が二次予選競走を6着で勝ち上がり優勝していました。
松谷:そういう巡り合わせがあるのかもしれませんね。
レース後に記者さんからも「6着で勝ち上がれたんだから運があるんじゃない。」って言ってもらえたんですが、やはり流れが良かったのかもしれません。
大津:そして準決勝は後方から捲って2着で決勝進出を決めました。
松谷:あのレースは組み立てに失敗したんですが、その中で平原選手の動きだけ集中して見ていました。
大津:決勝戦は南関東勢が平原選手に付ける連係になりましたが、並びはすんなり決まったのでしょうか。
松谷:南関東勢が3人いたので自分が前で戦おうかとも思ったのですが、(決勝で後ろを固めてくれる)伊勢崎さん(千葉81期・伊勢崎彰大選手)や萩原さん(静岡80期・萩原孝之選手)が「平原さんに付けれるなら付いたほうが良いだろう。」と言ってくれて平原選手と連係することになりました。
大津:平原選手の反応はいかがでしたか。
松谷:単騎で気楽に走ろうと思っていたのにって言われました(笑)
大津:その決勝戦を振り返っていただけますか。
松谷:まずは平原選手の判断力ですよね。
先行はないだろうなぁって思ってたんです。位置を取って捲る平原選手の得意パターンで勝負するんだろうなと考えていました。
それがジャン前から仕掛けていったので「えー、これ行っちゃうの。」ってビックリしました。
大津:それも外からではなく内からの先行でした。
松谷:外に行けないと思ったら、すぐに頭を切り替えて内から行きましたから、咄嗟の反応は、さすがだなと勉強になりました。
大津:最終バックでは松谷選手も後ろを振り返るような動きがありましたね。
松谷:先行してくれるとは思ってもいなかったので、その走りに答えるためにも誰か捲ってくる選手がいれば絶対に止めなければいけないと何度も後ろを確認していました。
大津:最後の直線では優勝の確信はありましたか。
松谷:平原選手も余裕あって踏み返されたんで、抜けるか抜けないかという感じでしたね。
あまりに奈良の直線が短かったので抜けるっていう確信はなかったです。
大津:これで平原さんと連係して2戦2勝ですね。
松谷:200勝を達成したのも平原選手の番手なんです。それが昨年の競輪祭だったんですけど、その時も先行してくれて感謝しかないです。なので今回も獲ったというより、獲らせてもらったって気持ちです。だって初日は平原選手と別線で、その平原選手を僕が捌いてっていう競走があったのに決勝戦は番手に付かせてくれて、しかも先行までしてくれたんですから。
器の大きさが違いますよね。
大津:今年はダービーが静岡、GPが平塚、来年の2月にはホームバンクの川崎で全日本選抜競輪が行われます。
松谷:南関東勢にとっては負けられない1年ですよね。
今年は郡司(神奈川99期・郡司浩平選手)がSSになって、良い流れを作ってくれているので、自分としても流れに乗っていきたいです。
大津:具体的な目標はありますか。
松谷:まずはGIの決勝に乗ることです。決勝に乗って、その雰囲気を味わいたいです。
大津:昨年の競輪祭では惜しくも準決勝戦4着でした。
松谷:最後にコースを空けてしまい、自分の甘さが出たように感じます。一つの判断のミスがビッグレースでは大きく響いてしまうと実感しました。
大津:決勝戦に乗るために今、ご自身の中で意識されていることはありますか。
松谷:レースや練習を大切にするというのはもちろんのことなのですが、私生活も見直していかなければと思っています。
大津:といいますのは、どのようなことでしょう。
松谷:脇本くん(福井94期・脇本雄太選手)や平原さんみたいな脚があれば違うんでしょうが、自分みたいな選手は脚だけでなく、運だとか全ての要素が噛み合わないと決勝戦には乗れないと感じているので、競輪以外の部分でも「神様は見ている。」と思い、普段の生活の時も意識して過ごしています。
大津:決勝戦で走る松谷選手の姿を楽しみにしております。それでは最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願い致します。
松谷:今年一年一戦一戦集中して車券に貢献出来るよう頑張りますので、今後とも応援の程宜しくお願い致します。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
5月の日本選手権競輪で行われるガールズケイリンコレクション2020静岡ステージへ向けてのトライアルレース。
最後に行われたグループC(久留米)を優勝した石井寛子選手(東京104期)に、トライアルレースの振り返りやコレクションへ向けての意気込み、そして現在の調子などを伺いました。
山口:久留米でのトライアルレース、優勝おめでとうございます。
石井:ありがとうございます。
山口:どのような気持ちで臨まれましたか?
石井:今年の目標の一つが、このトライアルレースに勝って5月のコレクションに出ることだったのでかなり気合は入っていました。
山口:絶対優勝して決めたい!という気持ちでしたか?
石井:私たちのグループはトライアルレースのラストの開催で、更に私はトライアルレースの選考順位が3位でした。他のグループAとBの結果から、決勝3着でもコレクションに出られるとわかっていたので、「何とかして絶対に決勝3着以内には入らなければ。決勝は3着でも良いから何とかコレクションへ」と思っていました。
山口:他の開催が終わってからでしたから、結果もチェックしていたんですね。初日は2着でしたが、1走目後はいかがでしたか?
石井:初日はかなりきつい展開でした。いったん自力を出してから、吉岡詩織選手(広島116期)のカマシに飛びついてゴール前では差しにいったので、かなり脚にはきていました。
でも、見ていてくれた他の選手に「あのレースができるなら、今回は(石井選手は)強いと思うよ」と言ってもらえたんです。それで自信になりました。
山口:2走目は途中で併走もありましたね。
石井:2日目から体がすごく良く動いたんですよ。2日目の指定練習をした時に、感覚的な言い方ですが「体が繋がった」ような気がしました。それで今日はいけるかなと思ったんです。
山口:良い感触で決勝へ上がれたんですね。決勝メンバーはほぼ全員が動けるタイプの選手でしたね。どう組み立ては考えていましたか?
石井:隣の車番が柳原真緒ちゃん(福井114期)だったので、初手で彼女の後ろにつけたらチャンスは大きいなと思っていました。自分も仕掛けるタイミングがあればいつでも仕掛けようと思っていましたが、それ以上に真緒ちゃんは積極的だし強いから、その位置は欲しかったですし、取れて良かったです。
山口:思っていたようなレースになったんですね。
石井:真緒ちゃんの後ろでレースを見た時に、本当に全員が動いていたんですよ。だから「絶対勝てる」という確信はなく、ドキドキしながら自分が仕掛けるタイミングを計ってはいました。真緒ちゃんが捲りにいった瞬間に、捲りきれるなと思ったので強いなと思いました。
山口:石井選手もしっかり差しきっての優勝でしたが、3日間振り返っていかがでした?
石井:初日は自分でも動いたんですが、2日目と決勝は追い込みのレースだったので、得意パターンになった分、余裕もあったかなと思います。
山口:その後の広島のレースも圧巻でしたね!(完全優勝、決勝は逃げ切り)
石井:ありがとうございます!久留米の2日目に感覚が良かったと先ほど言いましたが、それがうまく広島でも出ましたね。とても良い感じで走れました。決勝では「逃げ」の決まり手が付いたんですが、多分初めてじゃないですかね(笑)。
山口:石井選手は正攻法から、誰も動かず残り1周あたりでスパートをかけていきましたが、スプリントのように後ろのスピードに合わせて踏んでいたように思えました。
石井:対戦した鈴木美教さん(静岡112期)はテクニックのある選手なので、彼女に内に包まれないようにしようと前をとったんです。誰も来なかったから覚悟を決めて先行しましたが、最終2センターでは「絶対差されるな」と思いました。ゴールした時も「差された」と思ったんです。でも決定放送で私の車番が聞こえてビックリしました。周りにいた東京の選手たちも「すごい!」「逃げ切った!」と驚いていたくらい(笑)。
山口:ずーっと一番前にいらっしゃいましたもんね(笑)。
広島の決勝で対戦した鈴木選手や柳原選手は5月のガールズケイリンコレクションでも対戦します。それは意識していたんですか?
石井:意識していました。あと、これは本人にも言っているんですが、真緒ちゃんとは相性が悪いんです(苦笑)。勝ったり負けたりお互いにしているので、「今回は真緒ちゃんがいるから嫌だな(笑)」と。広島で戦った印象はトライアルレースほどの強さではなかった気がしたんですが、勝てて良かったです。
山口:今後もその良い感触が続いていくと良いですね。
石井:はい、この感じをキープしていけるようにしたいですね。
山口:12月のオッズパーク杯ガールズグランプリ前にお話を伺った時も体づくりをしていると仰っていましたが、今もトレーニングは継続中ですか?
石井:そうですね、日々レースを戦っているのでしっかりトレーニングも進めています。今年は暖かいので、とてもトレーニングしやすいですね。去年はカイロを貼ったり寒さ対策をしていましたが今年は全くしなくても大丈夫です。
山口:トライアルレースを勝ち抜いてのコレクションと、選考されてのコレクションで意識は違いますか?
石井:それは変わらないですね。コレクションはどこで出場しても同じです。出たいですし、勝ちたい。だから全力で挑むだけです。
山口:今年の5月のコレクションは静岡ですが、印象はいかがですか?
石井:かなり得意なバンクで相性も良かったんですが、2018年のガールズグランプリを走った時は全くダメでしたし、感触も良くなかったんです。そのグランプリ直前には静岡に練習も行ったんですがイマイチで結果も良くなかったから苦手になってしまったかもしれません。
山口:ガールズグランプリと違うのは暖かい季節でのコレクションですね。
石井:そうですね!それは感覚も違うので少しは良いかもしれません。9連勝していてイメージはかなり良かったんです。ここで勝って、グランプリとその後の開催での悪いイメージを払拭したいです。
山口:5月のガールズケイリンコレクションのメンバーも出そろいましたね。
石井:ほぼいつもと同じようなメンバーですし、普段の開催でも対戦する人ばかりなので、これから作戦を練って対策をたてたいです。
山口:今の感触はいかがですか?
石井:練習中の感覚は良くない時もあるんですが、レースでの感覚はとても良いです。なのでこれを維持していきたいですね。
山口:今年の目標は?
石井:一番の目標は8年連続のガールズグランプリ出場をすることです。5月のコレクションは出場を決めることができました。あとは7月のガールズケイリンフェスティバルは昨年ボロボロだったので頑張りたいのと、8月オールスター競輪でのガールズドリームレースを走ることです。
山口:そう思うと1年中勝負ですね。頑張ってください。では、最後にオッズパーク会員の方へ意気込みをお願いします。
石井:今年の目標としていた5月のコレクションを走れることになりました。年末へ向けて賞金を積み重ねたいので、優勝を目指して頑張ります。これからしっかり5月へむけてやっていきます!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA