今年は7月いわき平でのガールズケイリンフェスティバル、9月伊東温泉でのガールズケイリンコレクションを優勝し賞金ランキング1位を走り続けた高木真備選手(東京106期)。昨年は出られなかったオッズパーク杯ガールズグランプリへかける強い思いを中心に、今年の振り返りなどを話していただきました。
山口:ガールズグランプリ出場決定おめでとうございます。
高木:ありがとうございます。
山口:決まった時の率直なお気持ちはいかがでしたか?
高木:今年は「ガールズグランプリへ出場して優勝する」という目標に向かってずっとやってきたので、出場が決まってほっとしました。
山口:賞金ランキングでもずっと1位でしたね。
高木:はい。でも決まるまでは気を抜かずに走ろうと思ってやっていました。
山口:11月、競輪祭でのガールズグランプリトライアルレースについて振り返っていきます。入る前はどのような気持ちでしたか?
高木:強いメンバーとレースができる機会はあまりないので、自分の走りを試して、弱点と長所が自分ではっきりわかるといいなと思い参加しました。
山口:1走目、2走目は連勝でしたが、力は発揮できましたか?
高木:トライアルレースでの連勝での勝ち上がりは初めてだったので嬉しかったですが、自分としては消極的だったと思います。他の選手の動きを見てから仕掛けていたので、それが自分の弱いところだと感じました。
山口:先行など早めの仕掛けが理想だったんですか?
高木:そうですね。予選の2走とも自分でレースを動かすような形にはならなかったので、それをできなかった自分の弱さはグランプリまでの残りの時間で強化していきたいです。
山口:決勝も同様でしたか?
高木:そうですね。各選手が仕掛けずに相手の動向を伺うような時には、自信を持って仕掛けたり動かないといけないなと思いました。
山口:全員が仕掛けを読み合うような形でしたね。
高木:はい。でも普段のレースではあのような展開にはなかなかならないので、その経験はとても貴重です。グランプリの前にそのレースが経験できて良かったし、その経験はグランプリにもいきるのかなと思います。
山口:一昨年、高木選手が走った静岡でのガールズグランプリも動きが少ないレースでしたね。
高木:そうですね。あのグランプリも、もちろんみんなが優勝を狙うレースなので仕掛けは遅かったです。それも対策をしたいです。
山口:今年1年を振り返っていかがですか?
高木:デビューしてから一番調子が良かった1年でした。
山口:以前お話を伺った時には、コロナの影響で中止の期間にしっかり練習できたのが良かったと話していただきましたが、その後も良いトレーニングは継続できましたか?
高木:はい。後半戦もしっかりトレーニングができました。今まではコレクションなど1つ大きいレースを優勝すると、その後に少し気が抜けてしまい、調子が崩れてそのままグランプリを走る、という流れが多かったですが、今年は7月ガールズケイリンフェスティバルを優勝した後も気を抜かずに練習をし、9月のコレクションをもう1つ優勝できたことも以前と違って成長した部分だと思います。結果をしっかり出せて良かったです。
山口:連勝も続き、先ほどのお話でも出たビッグレースの優勝も続きました。ご自身でも調子の良さをそのまま走りに出せているという実感はありますか?
高木:今まではレースになると迷って力が出し切れない自分だったのが、一皮むけたのは今年一番大きく感じることで、それを出せるようになってきたのは良かったです。
山口:ビッグレースだから、や、相手が誰であろうとそれは関係ないですか?
高木:そうですね。変わらないように、いつもと同じような力が発揮できるように頑張ってきたつもりです。
山口:今年は10月に300勝の達成もありましたね。
高木:デビューした頃の私は全然勝てなかったので、ここまで積み重ねてこられたのは驚きです。そして応援してくださったファンの方や、周りの方がいたからこそ諦めずに続けてこられたんだと思うので、感謝の気持ちが大きいです。
山口:先日も報告会が行われたと記事を拝見しました。
高木:はい、表彰式をやってもらいました。ファンの皆さんの前でやっていただけて嬉しかったです。これからもどんどん積み重ねていけたらいいなと思います。
山口:ガールズグランプリへ向けてこれからの過ごし方はどのようにしますか?
高木:グランプリへ向けてもう一段階、自分の力を上げていきたいので、練習をしっかり頑張って良い状態で臨みたいです。
山口:言える範囲での強化ポイントはどこですか?
高木:寒くなってくるのでみんな同じ条件ではありますが、その中でもトップスピードを上げていけるようにしたいです。あとはバンクが重くても踏み込める力を付けたいです。言えば全部ですね(笑)。
山口:なるほど(笑)。他の選手の印象はいかがですか?
高木:みんなが優勝だけを狙って走ると思うので、誰がというよりも自分に負けないようにしたいです。今まで3回出て毎回「自分に負けていたな」とつくづく思ったので、"あの場"に飲み込まれないように自分の走りをしっかりしたいです。
山口:「去年出られなかった分も今年は出場し優勝する」というお話は今年のインタビューではいつも話してくださいました。その言動に私は「自分でプレッシャーを与えているのかな」と感じたのですがいかがですか?
高木:うーん、そこまではないかもしれないですけど、でも今まで出場したグランプリの中で一番今年が優勝したいという気持ちは強いです。去年グランプリに出られず悔しかった時から、今年のグランプリで勝つという思いで練習をしていたので、誰よりも平塚のグランプリへかける思いは強いと自分では思います。
山口:平塚競輪場のイメージはいかがですか?
高木:2017年のグランプリで走らせてもらった時はあまり良いレースができなかったので、今回はリベンジを兼ねてしっかり走りたいです。あと、平塚はお世話になっている高木隆弘さん(神奈川64期)のホームバンクなので勝って恩返しをしたいです。
山口:なるほど!高木隆弘選手のホームバンクは平塚でしたね。
高木:そうなんです。2017年のガールズグランプリも私は3番車でした。今回も3番車です。高木隆弘さんが平塚のグランプリを走った時の車番も3番車と聞き、同じ車番なので偶然ですが感じるものがあります。高木隆弘さんはそのグランプリを優勝できなかったですが、「自分のかわりに夢をかなえて欲しい」と言ってもらっているので、その分も頑張りたいです。
山口:二人分の思いがあるんですね!高木隆弘選手とは、今もずっと練習は一緒にされているんですか?
高木:はい、お世話になっています。練習は厳しいですが、私が困った時は助けてくださるし、ここまで私が強くなったのは高木隆弘さんのおかげです。本当にたくさんお世話になっているので、優勝して喜んでいただきたいです。
山口:高木隆弘選手のもとで練習面だけではなく、メンタル面でも成長したと感じますか?
高木:そうですね。高木隆弘さんはGIも何度も優勝されてグランプリも出場されています。「こういう時はどうしたら良いですか?」など悩んでいることを質問すると教えてくれます。もちろん練習のことやレースの組み立てなども、聞いたら何でも答えてくださるので、全部お世話になっています。
山口:そうなんですね。ではガールズグランプリではどんなレースを見せたいですか?
高木:何が何でも優勝したいと思っているので、強い気持ちを持ってレースを走る姿を見てもらいたいです。
山口:それでは最後にオッズパーク会員の方へ、ガールズグランプリの意気込みをお願いします。
高木:この1年間、平塚のグランプリを優勝するという気持ちでやってきました。何が何でも優勝するという強い思いを思ってレースを頑張ります。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA