5月の日本選手権競輪で行われるガールズケイリンコレクション2020静岡ステージへ向けてのトライアルレース。
最後に行われたグループC(久留米)を優勝した石井寛子選手(東京104期)に、トライアルレースの振り返りやコレクションへ向けての意気込み、そして現在の調子などを伺いました。
山口:久留米でのトライアルレース、優勝おめでとうございます。
石井:ありがとうございます。
山口:どのような気持ちで臨まれましたか?
石井:今年の目標の一つが、このトライアルレースに勝って5月のコレクションに出ることだったのでかなり気合は入っていました。
山口:絶対優勝して決めたい!という気持ちでしたか?
石井:私たちのグループはトライアルレースのラストの開催で、更に私はトライアルレースの選考順位が3位でした。他のグループAとBの結果から、決勝3着でもコレクションに出られるとわかっていたので、「何とかして絶対に決勝3着以内には入らなければ。決勝は3着でも良いから何とかコレクションへ」と思っていました。
山口:他の開催が終わってからでしたから、結果もチェックしていたんですね。初日は2着でしたが、1走目後はいかがでしたか?
石井:初日はかなりきつい展開でした。いったん自力を出してから、吉岡詩織選手(広島116期)のカマシに飛びついてゴール前では差しにいったので、かなり脚にはきていました。
でも、見ていてくれた他の選手に「あのレースができるなら、今回は(石井選手は)強いと思うよ」と言ってもらえたんです。それで自信になりました。
山口:2走目は途中で併走もありましたね。
石井:2日目から体がすごく良く動いたんですよ。2日目の指定練習をした時に、感覚的な言い方ですが「体が繋がった」ような気がしました。それで今日はいけるかなと思ったんです。
山口:良い感触で決勝へ上がれたんですね。決勝メンバーはほぼ全員が動けるタイプの選手でしたね。どう組み立ては考えていましたか?
石井:隣の車番が柳原真緒ちゃん(福井114期)だったので、初手で彼女の後ろにつけたらチャンスは大きいなと思っていました。自分も仕掛けるタイミングがあればいつでも仕掛けようと思っていましたが、それ以上に真緒ちゃんは積極的だし強いから、その位置は欲しかったですし、取れて良かったです。
山口:思っていたようなレースになったんですね。
石井:真緒ちゃんの後ろでレースを見た時に、本当に全員が動いていたんですよ。だから「絶対勝てる」という確信はなく、ドキドキしながら自分が仕掛けるタイミングを計ってはいました。真緒ちゃんが捲りにいった瞬間に、捲りきれるなと思ったので強いなと思いました。
山口:石井選手もしっかり差しきっての優勝でしたが、3日間振り返っていかがでした?
石井:初日は自分でも動いたんですが、2日目と決勝は追い込みのレースだったので、得意パターンになった分、余裕もあったかなと思います。
山口:その後の広島のレースも圧巻でしたね!(完全優勝、決勝は逃げ切り)
石井:ありがとうございます!久留米の2日目に感覚が良かったと先ほど言いましたが、それがうまく広島でも出ましたね。とても良い感じで走れました。決勝では「逃げ」の決まり手が付いたんですが、多分初めてじゃないですかね(笑)。
山口:石井選手は正攻法から、誰も動かず残り1周あたりでスパートをかけていきましたが、スプリントのように後ろのスピードに合わせて踏んでいたように思えました。
石井:対戦した鈴木美教さん(静岡112期)はテクニックのある選手なので、彼女に内に包まれないようにしようと前をとったんです。誰も来なかったから覚悟を決めて先行しましたが、最終2センターでは「絶対差されるな」と思いました。ゴールした時も「差された」と思ったんです。でも決定放送で私の車番が聞こえてビックリしました。周りにいた東京の選手たちも「すごい!」「逃げ切った!」と驚いていたくらい(笑)。
山口:ずーっと一番前にいらっしゃいましたもんね(笑)。
広島の決勝で対戦した鈴木選手や柳原選手は5月のガールズケイリンコレクションでも対戦します。それは意識していたんですか?
石井:意識していました。あと、これは本人にも言っているんですが、真緒ちゃんとは相性が悪いんです(苦笑)。勝ったり負けたりお互いにしているので、「今回は真緒ちゃんがいるから嫌だな(笑)」と。広島で戦った印象はトライアルレースほどの強さではなかった気がしたんですが、勝てて良かったです。
山口:今後もその良い感触が続いていくと良いですね。
石井:はい、この感じをキープしていけるようにしたいですね。
山口:12月のオッズパーク杯ガールズグランプリ前にお話を伺った時も体づくりをしていると仰っていましたが、今もトレーニングは継続中ですか?
石井:そうですね、日々レースを戦っているのでしっかりトレーニングも進めています。今年は暖かいので、とてもトレーニングしやすいですね。去年はカイロを貼ったり寒さ対策をしていましたが今年は全くしなくても大丈夫です。
山口:トライアルレースを勝ち抜いてのコレクションと、選考されてのコレクションで意識は違いますか?
石井:それは変わらないですね。コレクションはどこで出場しても同じです。出たいですし、勝ちたい。だから全力で挑むだけです。
山口:今年の5月のコレクションは静岡ですが、印象はいかがですか?
石井:かなり得意なバンクで相性も良かったんですが、2018年のガールズグランプリを走った時は全くダメでしたし、感触も良くなかったんです。そのグランプリ直前には静岡に練習も行ったんですがイマイチで結果も良くなかったから苦手になってしまったかもしれません。
山口:ガールズグランプリと違うのは暖かい季節でのコレクションですね。
石井:そうですね!それは感覚も違うので少しは良いかもしれません。9連勝していてイメージはかなり良かったんです。ここで勝って、グランプリとその後の開催での悪いイメージを払拭したいです。
山口:5月のガールズケイリンコレクションのメンバーも出そろいましたね。
石井:ほぼいつもと同じようなメンバーですし、普段の開催でも対戦する人ばかりなので、これから作戦を練って対策をたてたいです。
山口:今の感触はいかがですか?
石井:練習中の感覚は良くない時もあるんですが、レースでの感覚はとても良いです。なのでこれを維持していきたいですね。
山口:今年の目標は?
石井:一番の目標は8年連続のガールズグランプリ出場をすることです。5月のコレクションは出場を決めることができました。あとは7月のガールズケイリンフェスティバルは昨年ボロボロだったので頑張りたいのと、8月オールスター競輪でのガールズドリームレースを走ることです。
山口:そう思うと1年中勝負ですね。頑張ってください。では、最後にオッズパーク会員の方へ意気込みをお願いします。
石井:今年の目標としていた5月のコレクションを走れることになりました。年末へ向けて賞金を積み重ねたいので、優勝を目指して頑張ります。これからしっかり5月へむけてやっていきます!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA