7月いわき平競輪場で行われた『ガールズケイリンフェスティバル』で約3年ぶりにビッグレースを優勝した高木真備選手(東京106期)。
その時の心境やそれまでの思い、そして今後の意気込みなどをお伺いしました。
山口:ガールズケイリンフェスティバル、優勝おめでとうございます!
高木:ありがとうございます。
山口:率直なお気持ちはいかがですか?
高木:約3年ぶりのビッグレースでの優勝だったのですごく嬉しかったですし、それまで私の優勝を待ってくださっていたファンの皆様への感謝の気持ちでいっぱいでした。
山口:私は、当日現地にいたのですが、その時のインタビューでも「もうビッグレースでは勝てないかもしれないと思った」と仰っていたのが印象的でした。その思いはずっと感じていたんですか?
高木:毎年、オールスター競輪でのガールズドリームレースなどビッグレースには出させてもらっていたんですが、全然思うようなレースができませんでした。ビッグレースになると緊張やプレッシャーを自分でかけていたんです。結果も残せない時期が続いていたので「もう大舞台では、前みたいに優勝はできないのかもしれない」という思いがよぎったり、自信が持てない時期が続いていました。
山口:2月にお話を伺った時も「昨年のオッズパーク杯ガールズグランプリに出られなかったのが悔しかった」とお話されていましたね。
高木:昨年出られなかった分、今年こそは絶対に出場して優勝したいです。ただ出るだけではなく、過程でもガールズコレクションや今回のガールズケイリンフェスティバルなどのビッグレースを優勝しての出場を目標にしていたので、今回優勝できて良かったです。
山口:今年ここまでのビッグレースは2月福井でのガールズケイリンコレクションがありましたが、そこでのご自身の走りはどうでしたか?
高木:もちろん勝つつもりで参加をしましたが、いつものように空回りしてしまって結果は7着でした。それにはかなり落ち込んだんですが、その後に新型コロナウィルスの影響で中止・自粛の期間がありました。
その時に気持ちを一旦リセットすることができ、自分なりにその時にできる練習をしっかりやったことで「この期間にしっかり成長できたんだ」と自信をつけることができたと思います。
山口:今年に入って、通常の開催では何度も優勝をされて結果を出されていますが、ビッグレースでは以前とは違う雰囲気だったんですか?
高木:自分でもまだはっきりとはわからないんですが、ビッグレースは何度出ても雰囲気にのまれてしまいます。自信を持って挑めない自分が心のどこかでいるので、思い切った仕掛けができないでいたんでしょうね。
山口:今回のガールズケイリンフェスティバルでは完全優勝という素晴らしい結果となりましたが、今回は自信を持って臨めましたか?
高木:はい。自粛期間のトレーニングが私にとってかなり自信に繋がりました。やることは全部やって、誰よりも練習をしたぞと思えたんです。レースが無くて大変な時期でもありましたが、私にとってはプラスの期間だったと思いました。
山口:今までと違うトレーニングもしたんですか?
高木:全く違うトレーニングではなく、集中して練習ができたという感じですね。スピード練習をたくさんしたのでそこが強化されたと思います。
どうしてもレースがあると、きつめのトレーニングをたくさんすることはできません。この自粛期間でセッティングなども見直してガラッと変え、更にそれをレースに使える状態までじっくり取り組めたのが良かったです。
山口:前検日から「たくさん練習したことを自信に繋げて頑張りたい」と仰っていましたが、まさにですね。
高木:そうですね。そうできて良かったです。
レースが再開して地区内斡旋がメインになった時、今まではコレクションなどの常連メンバーの選手が私ともう一人で、予選では対戦せず決勝でだけ一緒に走るというパターンが多かったんですが、地区内斡旋になったことで一開催に強い選手が3、4人いることも多くなった気がします。そこで優勝できたりすると「このメンバーで私が優勝できたんだ」と自信が生まれました。
なので、ガールズケイリンフェスティバルでも「いつも通り走れば勝てる」と思って落ち着いて走れたと思います。
山口:同期の106期の選手たちも多かったですよね。それも気持ちの面では違いましたか?
高木:そうですね!私たち106期はもともとの人数も少ないので、普段の開催では一人もいないこともよくあります。なので大舞台でたくさんの人数で参加できるのはすごく嬉しかったです。
山口:見ていても、レース以外のところでは同期で行動されることが多いのかなと思いました。
高木:はい、普段の開催で同期がいないと一人で行動することもよくあるんですが、今回はたくさんいたので一緒に行動していました。レースではもちろんお互い真剣勝負ですけど、私生活では楽しく話せる人がいるのはリラックスもできるし良いなと、改めて思いました。
山口:レースの振り返りもしていきたいと思います。初日の1着スタートはポイントでも有利なのかなと思いましたが、どうでした?
高木:昨年のガールズケイリンフェスティバル(別府)では初日に1着が取れたんですが、2日目に落車してしまい3日間走りきることができなかったんです。その経験があったので、初日が1着でも気を引き締めて、全部1着を取るつもりでいました。
山口:そうだったんですね。連勝で勝ち上がった決勝ですが、スタートの牽制がありました。いかがでしたか?
高木:意外でしたが、自分の考えていた作戦があったので妥協せずに勝負に徹しようと思っていました。あまり具体的には言えませんが、決勝は、Sは必要ないと思ったので初手は真ん中くらいを取りたかったです。
山口:決勝後に他の選手にお話を聞くと「スタートから想定とは違った」と仰った選手が何人かいました。高木選手もですか?
高木:はい、誰かがSを取りに行くと思っていたので、まさか児玉(碧衣 福岡108期)選手がいくことになるとは思わなかったです。一瞬びっくりしましたね。
山口:打鐘過ぎに梅川風子選手(東京112期)が一気に先行体制に入りレースが動きました。その時はどうでした?
高木:私は児玉選手の後ろにいたので梅川選手に飛びつく等は考えずに、そのままの位置で脚を溜めようと思っていました。いわき平は直線が長いので最後の最後までチャンスはあると思い、自分の中では4コーナーから思い切りいこうと決め、最後の勝負に賭けました。最後は大外だったので「差したかな?どうかな?」と思ったんですが、すぐに1着だとわかったので喜びがこみ上げてきました。
3年前、いわき平オールスターでのガールズドリームレースの時も直線接戦だったんですが、その時よりは差した感覚はありました。
山口:それ以来の優勝ですが、いわき平の好相性というのは感じていましたか?
高木:それもありました。
でもそれ以上に「いわき平でビッグレースを優勝して、ここからまた大きいレースでも結果を出せる自分をスタートできたらいいな」と思って参加していたので、その思いの方が大きかったかもしれません。
山口:完全優勝という結果は、周りの方、ファンの皆様からはどんな反応がありましたか?
高木:たくさんの方が「おめでとう」と言ってくださって喜んでくれて、本当に嬉しかったです。
山口:サマーナイトフェスティバルを優勝した清水裕友選手(山口105期)とは同期だったんですね。
高木:そうなんです。同期でしかも同級生なので、「お互い頑張ろうね」と話していたんですが、まさか一緒に優勝できるとは思いませんでした。それが実現できたのも嬉しかったです。
山口:次走はまたビッグレース、オールスター競輪でのガールズドリームレースです。今の調子はどうですか?
高木:今回の決勝での、全員がSを取りに行かなかったことで新しい課題が見つかりました。自分がSを取らされることもあると、今までは全く考えていなかったけどいざそうなった時の想定しておかないと対処できない。どんなパターンにも対応できるように、脚力をつけるのはもちろんですが、たくさん戦法も考えないとと思って取り組んでいます。
山口:決勝のレースは、そんなに大きなポイントだったんですね。
高木:はい。私も思いましたし、きっとみんなもそうだったと思います。想定しておかないと動けないと思うので、とても勉強になったレースでした。
山口:ガールズケイリン総選挙の2位という結果はどう感じましたか?
高木:すごく嬉しかったです。ビッグレースでは最近結果が残せていなかったので「ドリームレースに選ばれないかもしれない」という不安はありましたが、結果が出ていなくてもファンの皆様はチャンスをくださったので、すごく嬉しかったです。
昨年はドリームレースでもアクシデントがあり、その前のガールズケイリンフェスティバルでもアクシデントと、落車が続き残念な結果ばかりでした。
でも今回のフェスティバルで優勝して、昨年の嫌な思い出にリベンジできたので、ドリームレースもこの調子でリベンジしたいです。開催地もちょうど昨年と同じ名古屋なのでしっかり結果を残したいです。
山口:戦うメンバーはいかがですか?
高木:毎回コレクションなどのビッグレース、単発レースはみんな強いので、その中でもしっかり自分の力を出したいです。誰かを意識して走るとまた駄目になる気がするので、自分の力を発揮することに集中して残りのコレクションを頑張りたいです。
山口:今年も後半戦になりますが、今後へ向けてはいかがですか?
高木:5月の日本選手権競輪が中止になったため、9月の共同通信社杯(伊東温泉競輪場)で、同じメンバーでコレクションを開催してもらえることになりました。そこでも結果を残したいですし、どんどん年末へ向けてパワーアップしていきたいです。
山口:7月末の段階では、賞金ランキング1位です。少し有利になった実感はありますか?
高木:そうですね。でもまだ決定ではなく油断はできませんが、気持ちの面で少し余裕は出たと思います。
今後は練習などもパワーアップするためにチャレンジしたり、普段のレースも攻めた走りをできると思うので、いろんなことに取り組んでいきたいです。
山口:今後の目標は何ですか?
高木:ガールズグランプリで優勝したいというのが一番強いです。でもまず出場を確実にすること、出場を決められたら今年こそ絶対優勝したいです。
山口:ありがとうございます。それでは最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
高木:いつも応援ありがとうございます。3年間結果が出ず長かったですが、その間もたくさんの方が応援してくださったおかげで諦めないで走ることができました。
ガールズグランプリで優勝することが最大の恩返しだと思うので、年末へ向けてたくさん練習して頑張ります。これからも応援お願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
東京オリンピック、日本代表に内定した脇本雄太選手(福井94期)。オリンピックの延期が決まったときは自転車競技ナショナルチームから離れることも頭をよぎったと言います。しかし、気持ちを立て直し、迎えた高松宮記念杯競輪では、自身2度目のGI完全優勝。日本代表に加え、競輪界を代表する脇本選手に高松宮記念杯競輪の振り返りとオリンピックに向けて、そして、これからの抱負も伺いました。
星野:高松宮記念杯競輪は完全優勝おめでとうございます。
脇本:ありがとうございます。
星野:昨年末の競輪グランプリ以来、半年振りの競輪でしたが、振り返っていかがですか?
脇本:体の面での調整は問題なかったんですが、半年空くことが今までなかったので、初日は競輪に対する気持ちの整理がついてなかったですね。
星野:気持ちの整理とは、具体的にはどういうことですか?
脇本:競技と同じ感覚で走って、日本の競輪で勝てるかといえばそうではないので、そこをどう結びつけるのか、戦略的なものが噛み合ってなかったんです。でも、一走して修正は出来たと思います。
星野:脇本選手が競輪から離れている間に、ビッグレースでタイトルを獲り続けていたのは、中国地区の松浦悠士選手(広島98期)と清水裕友選手(山口105期)でした。この活躍はどうご覧になっていましたか?
脇本:自分もその場で走りたいなと思っていました。なので、初日から対戦出来たのは良かったですね。レースが終わってから、松浦とお互いにこんな風に走ろうと思っていた、なんて話をしました。そんな時間が改めて、日本の競輪を走っているんだなという実感になりました。それに、松浦は向上心がすごいんです。どんな練習をすればいいのかといった話もよくします。平原さん(平原康多選手・埼玉87期)もなんですが、自分の練習をやりつつ、ナショナルチームの練習も取り入れたりして、さすがだなと思います。
星野:そして、近畿勢との連携も久々だったと思いますが。
脇本:競技のように一対一ではないので、どうやったらラインで決まるのかと思って走っていました。近畿勢もたくさん勝ち上がっていて、別線になることもありましたが、それは嬉しいこと。今後、GPに向けても近畿から一人でも多く出場するにはどうしていったらいいのか、これも課題になってくると思います。
星野:戦い方としては、2日目以降は先行勝負でした。脇本選手自身、大きな舞台でも先行で戦っていらっしゃいますけど、その辺りはいかがですか?
脇本:先行して逃げ切るというのは難しいことですが、自分の中で「武器」はこれしかないと思っています。僕から見れば、松浦みたいに自在な立ち回りが羨ましいです。でも、いつまでもこの武器が通用するとも思っていませんし、いつかはここにケリをつける日が来ると思います。体力の限界もあるので、後3年くらいですかね?
星野:3年ですか?今のパワーからすると、短いような気もします。
脇本:それだけ、一走一走、限界まで力を出しきって戦っているってことです。それに、自分自身、村上さん(村上義弘・京都73期)に憧れているところもあるので、何でも出来るようになりたいという所を見据えてます。村上さんは自力でも、誰かの後ろを回る時でも器用に走っているし、切り替えも出来ている。僕の最終的な目標ですね。
星野:その目標とされる方が同じ近畿地区にいらっしゃるというのも大きいですよね。
脇本:そうですね!プライベートでも交流がありますし、開催も一緒になったら色々な話もさせていただけます。また連携するのも楽しみにしているんです。
星野:そして、GIの完全優勝についてはいかがですか?
脇本:GIで優勝したいって気持ちはありましたが、特に完全優勝には意識がなかったですね。今回は決勝戦を走った後、敢闘門に戻った時に、周りはおめでとう!って空気じゃなかったんです。どちらかと言えば、お疲れ様!って感じでした。強すぎだろ!って言葉もありました。
星野:それは、場内(スタンドにある特設スタジオ)から見ていても同じ空気でした(笑)祝福というより、静まり返ったような...本当に強すぎる!の一言でした。
脇本:そうだったんですね(笑)でも、僕自身も同じ気持ちだったかもしれません。オリンピックでメダルを獲ることが当面の目標なので、初めてGIで優勝した時のような気持ちではなかったですね。それだけオリンピックにかけているんですよ。
星野:そのオリンピックが延期となったときはいかがでしたか?
脇本:一時は代表から身を引くことも考えました。でも、恩師のブノワ(ブノワ・ベトゥ短距離ヘッドコーチ)から掛けてもらった「強くなるために一年の猶予をもらえたんだ」という言葉が胸に刺さり、高松宮記念杯競輪で新たな一歩を踏み出す気持ちになりました。
星野:競技と競輪を両立させるために、今はどんなメニューで取り組んでいらっしゃるのですか?
脇本:やはり競技の練習がメインなんですが、競輪が近くなればその練習を取り入れたメニューをナショナルチームに提案しながらやっています。効率重視のメニューですね。でも、そのメニューを最大限に取り入れる、力に変えるにはどうすればいいのかは日々考えながらやっています。
星野:オリンピックとなるとその全力で取り組む日々が4年という長期にもなりますし、継続していくのは並大抵の事ではないと思います。すごい精神力だなとも思うのですが、支えになっているものはなんですか?
脇本:オリンピックでメダルを獲る事への執着心ですね。すごく泥臭いですが...。ナショナルチームに入れば簡単に強くなれる気がするんですが、それなりの覚悟がいるんです。そこを継続させていこうと思えば、支えは他人ではなく自分自身の気持ちだと思います。
星野:そういった姿や気持ちが、オールスターファン投票2年連続一位に繋がっているのかと思います。
脇本:びっくりしています。投票期間に競輪を走っていませんでしたし、その間に活躍していた中国勢が票を集めると思ってましたから。オールスター競輪はオリンピックと同じ時期だったので、万全の状態で望みたいと思っています。
星野:また、静まり返るくらいの強いレースを待っています。では、最後にオッズパークの会員の皆様へメッセージをお願いします。
脇本:今年のオールスター競輪の舞台は昨年と同じ名古屋競輪場なので、昨年のリベンジと思って走ろうと思います。今度こそ優勝目指していきます。そしてオリンピックでは更に強くなった姿を見てもらいたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 星野めぐみ(ほしのめぐみ)
大阪府出身。タレント、アナウンサー、競輪キャスターとして活躍中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
6月に行われた高松宮記念杯競輪で準優勝と、ビッグレースでは安定した成績を残す和田健太郎選手(千葉87期)。しかし、その結果は自分の力だけでなく、先輩や後輩に恵まれてのものだと話します。そんな和田選手に、高松宮記念杯競輪で一緒に闘った仲間の事、そして、次におこなわれるGIIサマーナイトフェスティバルに向けての意気込みを伺いました。
星野:高松宮記念杯競輪、お疲れ様でした。決勝戦は2着でしたが、振り返っていかがですか?
和田:GIの決勝戦は今までの最高が4着だったので、2着というのは自分の中でベストの着でした。競輪選手になった以上、GIの決勝戦に進出して、その決勝で表彰台そして優勝というのがやはり目標なので2着という結果は、完全には喜べませんが1つずつクリアしているなという感じはありますね。
星野:高松宮記念杯競輪の勝ちがありは東西別れてというレースになっていましたが、その辺りはどうでしたか?
和田:南関東はいつも仲間として戦っているので、別々のラインで戦うのは、やりにくさはありましたね。でも、自力の選手がそれぞれ自分のレースをしたいとなると後はガチンコ勝負ですし、これはどの地区も同じなので仕方ないかなと思っています。
星野:中でも二日目の優秀競走は南関東地区の選手が多く勝ち上がってきましたね。
和田:そうですね。青龍賞(東の優秀競走)は南関東が5人乗ってきたので、纏まって戦うのか、分かれてなのか、5人で話し合いました。その中で、近況自力で頑張っているのが郡司(郡司浩平選手・神奈川99期)と岩本(岩本俊介・千葉94期)だったので、どう戦いたいのかを代表して郡司に決めて欲しいという話をしました。郡司も自分がですか?と始めは言っていたんですが、シード権もあるレースだったので、お互い力を出しきりましょうと、最終的には話を纏めてくれましたね。
星野:青龍賞の南関東のメンバーでは郡司選手が一番年下になるんですが、郡司選手に委ねられたんですね。
和田:やはり今の南関東のエースは郡司ですし、若くして責任感をしっかり持って走っています。郡司がいるから自分も含め、追い込み選手も良くなってきている。何か言葉で言うタイプではないんですが、走りで魅せて、南関東を引っ張っていってくれている、軸となる存在なんですよ。だから、郡司が纏まると言えば5人で走っていましたし、分かれてと言うなら、お互いガチンコ勝負ですね。
星野:郡司選手と別戦となった岩本選手は、千葉勢の先頭で思いきりの良いレースをされましたね。
和田:岩本も近況の好調さがやっと大きな大会でも出せるようになってきましたね。あのレースも、後ろに二人付くので積極的に仕掛けたいと走る前から話していました。結果、ワンツースリーと三人で決まらなかったんですが、郡司とガチンコでやると決めたからには、ラインから勝者を出したいって気持ちもあったんだと思います。それがレースでも伝わってきました。
星野:結果は、先行した岩本選手の後ろから2番手を走っていた鈴木裕選手(千葉92期)が早めに踏んで、最後は和田選手が抜け出して、青龍賞を制しました。
和田:あのレースは、本当にラインの力でしたね。
星野:そして、準決勝は4つレースがあり、2着までの選手と3着から1人の選手が勝ち上がれることになっていましたが、和田選手は1つ目の準決勝で3着でした。その後のレースはどんな心境でご覧になっていましたか?
和田:東の青龍賞を制したことで、西の白虎賞を制した脇本雄太選手(福井94期)が3着以外なら、自分が決勝に乗れるだろうし、ここまで見ていても脇本選手が強いのでほぼ大丈夫だろうと周りから言われていました。でも、決勝に乗れるか乗れないかより、郡司と一緒に勝ち上がれなかった事ばかり考えていましたね。あのレースは自分が3着になったけど、3着になるならもっと違った方法で3着になれなかったかなと、郡司を2着にできる方法はなかったのかと。決勝進出が決まったときも手放しで喜べる感じはなかったです。
星野:その郡司選手と勝ち上がれなかった事で、決勝戦には南関東が和田選手一人となりました。そして、同じく中四国地区で1人だった松浦悠士選手(広島98期)の後ろを選択されましたが、そこにもいろんな思いがあったと伺っています。
和田:強い松浦選手の後ろが空いていたので、そこを回るのか単騎を選ぶのか、悩みましたね。正直、GIの決勝戦を何度か走るなかで、単騎のレースでは難しいと感じる所がありました。でも、自分は基本的に他地区の選手の後ろを走ることがないので、今までやって来たことをここで変えるということに抵抗がありました。その気持ちを中村さん(中村浩士選手・千葉79期)や海老根さん(海老根恵太選手・千葉86期)に話したら、過去がどうこうより、どうやったら勝てるのか、今の自分が決めたことが答えなら、それがベストな戦い方なんじゃないか。とアドバイスをもらいました。その言葉に後押しされて、すぐに松浦に話しに行きました。今後、GIの決勝戦をいつ走れるか分からないですし、走れないかもしれない。同県の先輩も後輩も見ているので、その立ち居振舞いも大切なのは分かっていますが、勝つことを考えるとチャンスを手にしていかないといけないと思い、松浦と連携しようと結論をだしました。
星野:ここまでお話を伺ってきて、和田選手の仲間への気持ちが良く伝わってきます。そして、7月にはGIIサマーナイトフェスティバルがあります。また、南関東勢も熱くなりそうですね。そこに向けてはどうですか?
和田:近況、連続でビッグレースの決勝戦に勝ち上がれているので、流れは来ているかなと思っています。自分も更に責任を持って走り、次の決勝戦は南関東の仲間と一緒に走れるようにがんばりたいですね。
星野:グレードレースの決勝戦は連続5回決勝戦を走っていますし、2月の全日本選抜競輪の優秀競走も制して、青龍賞もですし、和田選手自身の状態もいいんじゃないですか?
和田:確かにそれもありますが、やっぱりいつも後輩が頑張ってくれている、その後ろに自分が居ただけで、この結果は運ですよ!南関東の力だと思ってます。その気持ちを忘れないように、今年の後半も良い流れで戦いたいですね。
星野:大きな舞台の決勝戦で、もう1つ、自己ベストを更新されるのを楽しみにしています。では、最後にオッズパークの会員の皆様へメッセージをお願いします。
和田:サマーナイトフェスティバルが開催される、いわき平競輪場は直線も長いので、追い込みの選手はコースを狙って走ることができます。一戦一戦、大切に走りますので応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 星野めぐみ(ほしのめぐみ)
大阪府出身。タレント、アナウンサー、競輪キャスターとして活躍中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
先日発表になった東京オリンピックの代表に内定後、ガールズケイリンに復帰し完全優勝。この後も7月ガールズケイリンフェスティバル、8月ガールズドリームレースにも選出された小林優香選手(福岡106期)。
ナショナルチームとの兼ね合いや現在の練習状況、今後の意気込みなどをお伺いしました。
山口:東京オリンピックの代表内定おめでとうございます。
小林:ありがとうございます。
山口:決まった時はどんなお気持ちでしたか?
小林:一番はほっとしたな、という気持ちでした。3月の世界選手権が終わった後に何となくはコーチから伝えられていたんですが、正式な形ではありませんでした。
東京オリンピックも延期になって不安もあったんですが、ひとまずほっとしました。
山口:延期を聞いた時はどうでした?
小林:最初は「またあと1年頑張らないといけないんだ」という大変さを思ったんですが、コーチに「あと1年、しっかり準備できる時間がある」と言われて、確かにそうだと切り替えられました。
今年、そのまま8月にオリンピックが行われていたとしたら、私は世界選手権の敗戦を引きずってしまいメダルは獲れなかったと思います。なのでうまく切り替えて準備をする、良い1年にしたいと思います。
山口:前向きに捉えられたんですね。
小林:そうですね。
山口:小林選手は、どの競技に出場するんですか?
小林:スプリントとケイリンの両方に出ます。
山口:両方ですか。違った難しさがあるんでしょうね。
小林:スプリントは瞬発力を求められる競技です。私はどちらかというと瞬発力はない方ですが、その中で強い相手と自分が対等に戦えるように、そして勝つためにトレーニングを積んでいます。
山口:続いてガールズケイリンに関しての話に移ります。
年末のオッズパーク杯ガールズグランプリ以来のレースで6月松山に出走されました。久々のレースはいかがでしたか?
小林:久しぶりにガールズケイリンを走って、レース勘が鈍っていたのかなと思います。内容は反省するところがありましたが、結果は完全優勝できたのでほっとしました。
山口:具体的にはどこが反省点だったんでしょうか?
小林:国際ルールでは周回中の併走はないんです。松山の初日は、インコースに包まれてしまいなかなか抜け出せず仕掛けも遅れました。ガールズケイリンと競技の差をはっきりと感じたレースでしたね。国内では包囲網というか警戒されているのを忘れていてひやっとしました。
でもガールズケイリンフェスティバルの前に実践を1開催走れて良かったです。感覚が少し思い出せました。
山口:ガールズケイリンフェスティバルはメンバーも優勝経験がある選手が選出され、動けるタイプもたくさんいますが、印象はどうですか?
小林:強い選手たちばかりですね。今の日本のトップ選手たちが揃っていますが、私自身もオリンピックへ向けてしっかりトレーニングを積み、良い手応えを持っています。
6月のGI高松宮記念杯競輪を優勝した脇本さん(脇本雄太選手・福井94期/高松宮記念杯競輪は完全優勝)みたいな圧倒的な勝ち方をしたいなと思います。
山口:どんなレースを見せたいですか?
小林:逃げや捲りなど戦法にはこだわらずレースの中で判断をしっかりして、圧倒的なレースをしたいですね。
山口:ガールズグランプリでも対戦したトップ選手たちも揃います。対策はどうでしょうか?
小林:昨年のガールズグランプリの時期も、実は国際大会はシーズン中で連戦が続き疲労もある中で臨みました。結果として3着と負けた事は素直に反省しなければいけませんし、悔しいですが、今回のガールズケイリンフェスティバルでは自分が頂点に立てるように、しっかりと準備をしていきたいです。
山口:妹弟子の児玉碧衣選手(福岡108期)がかなり小林選手を意識されていたように思いますが、ご自身でもそれは感じていましたか?
小林:そうですね。彼女もガールズケイリンのトップとして走っていますし、もちろん同門ということで意識もします。ただ記者さんやメディア、ファンの方の方が大きく意識しているように感じます。それを感じとっていますね(苦笑)。
「優香 対 碧衣」というように比べられますが、戦う時には7人で走るので彼女だけではなく残り6人を意識しなければいけません。他の選手もしっかり注意をしてレースをしたいです。
山口:ガールズケイリンフェスティバルが行われるいわき平バンクの印象はいかがですか?
小林:悪くない印象ですし、直線が長い分最後スピードにものれると思うので、良いレースをしたいです。自分の判断に任せていけば失敗はないと思いますし、優勝するためにいわき平に行くのでしっかりレースをしたいです。
山口:そして先日、ガールズケイリン総選挙の結果発表がありました。4位という結果はいかがですか?
小林:今年のファン投票についてSNSでは「投票してください、お願いします」という告知はしていませんでした。というのも、新型コロナウイルスで世界中が大変な時にそんなお願いをしても良いのかなと自分の中で葛藤があったからです。
宣伝をしていなかったにも関わらず4位という数字をもらえたことはとても嬉しいですし、ひとまず8月のオールスター競輪のコレクションを走れる、ガールズドリームレースを走れる権利をいただけて良かったです。
山口:国際大会での活躍もファンの方の評価に繋がったのではないでしょうか。
小林:国内のガールズケイリンの出走が少ない中で、私のことを忘れないでいてくれた、小林優香もいるよと覚えていてくれたのは嬉しかったです。
山口:ナショナルチームのメンバーも上位にきています。太田りゆ選手(埼玉112期)も同じくガールズドリームレースに選出されましたね。
小林:国内を走る機会が少ない中で、2人でドリームレースを走れるのはすごく光栄な事ですし、りゆちゃんとも「ドリームレースも頑張ろうね」と切磋琢磨しています。
まずはその前のガールズケイリンフェスティバルで2人とも走るので、そっちに向けてトレーニングを積んでいます。
山口:今の練習状況はどんな感じですか?
小林:伊豆のドームでトレーニングをしているんですが、協会の規定に従って都心部には行かないようにし、マスク着用をしてトレーニングをしています。
山口:競技とガールズケイリンのトレーニングの配分はどうでしょうか?
小林:あくまでも今は競技をメインにトレーニングを行っているので、ガールズケイリンのためのトレーニングに集中することは難しいんです。
その中で、ウォーミングアップの時にガールズケイリンの自転車に乗ったり、曜日によってはガールズケイリンの自転車でトレーニングをしたりしています。感覚は忘れないようにしています。
山口:ガールズケイリンとしては、7月ガールズケイリンフェスティバル、8月ガールズドリームレースとビッグレースが続きますが、モチベーションはどんなところですか?
小林:東京オリンピックが延期になったことで、他の国の選手は実戦がほとんどない状態だと思います。でも幸いなことに私は、ガールズケイリンを仕事にしているのでレースを走ることができます。
実際のレースを走ることで実戦感覚を忘れずにいられますし、それを活かしながら東京オリンピックに向けてモチベーションを上げていきたいです。
山口:今後もガールズケイリンの斡旋があれば走りますか?
小林:そこはコーチと相談になりますが、この後も斡旋が出れば走ります。
山口:例えばの話になりますが、ガールズグランプリが決定したら走りますか?
小林:はい、出場が決まれば走ります。男子でも脇本さんが先日のGIを優勝してKEIRINグランプリを内定されたので、私も決まれば出ます。
ただ私は今年初めてのレースが6月の松山だったので賞金も低いですし、まだまだ道のりは長いですね。しっかり1本1本のレースを優勝できるように頑張りたいです。
山口:賞金面で、7月8月のビッグレースは優勝できたら大きく積み重なりますね。
小林:そうですね。賞金もとても魅力的ですが、それよりも先に「ガールズケイリンにも小林優香がいるよ」とレースでアピールしたいです。
山口:今の、ガールズケイリンとしての目標は何ですか?
小林:デビューした時から掲げていた【無双】というテーマをもとに今も走っています。ビッグレースの全冠制覇(1年間に行われる全てのビッグレースとガールズグランプリを優勝すること)は2年目(2015年)に達成しているんですが、出る大会、出るレースは全て優勝したいと思っています。
山口:今年のビッグレースの1つ目はガールズケイリンフェスティバルですが、3日間のトーナメントはいかがですか?
小林:ガールズケイリンフェスティバル自体には悪い印象はなく、むしろ相性の良い大会です。過去にはありがたいことに3回、完全優勝もできました。
しっかり良いイメージを持ちながら闘争心をむき出しにしてレースに臨みたいです。
山口:では最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
小林:この後、ビッグレース2つ走ることができます。そこでの優勝を目標にしっかりトレーニングを積んで頑張っていきたいです。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
ガールズケイリンと自転車競技、それも種目が違う【中距離】でナショナルチームに所属し、東京オリンピック出場を目指していた鈴木奈央選手(静岡110期)。
先日オリンピック代表選手の発表で東京オリンピックへの出場は叶いませんでしたが、今後のガールズケイリンの目標や、選出された7月・いわき平でのガールズケイリンフェスティバル、8月・名古屋でのアルテミス賞レースの意気込みをお伺いしました。
山口:近況のガールズケイリンの成績を振り返っていかがでしょうか?
鈴木:良くもなく悪くもなくという感じです。ナショナルチームの練習も続けているんですが、徐々にガールズケイリンの成績も良くなってきているので、今後も成績を伸ばしていきたいです。
山口:5月の小倉では完全優勝もされましたね。
鈴木:はい、久しぶりに優勝できたのはとても嬉しかったですし、決勝は逃げ切りの優勝だったのでそれもとても嬉しかったです。でも優勝できるとは思っていなかったので、びっくりもしましたね。
山口:ナショナルチームとしてはオリンピック代表選手の発表がありましたが、鈴木選手の立ち位置はどのような感じなんですか?
鈴木:今もナショナルチームの中距離メンバーと一緒に練習はしています。東京オリンピックには出られませんが、その次のパリを目指すかどうかはまだ決めていません。今すぐに中距離をやめるのではなく、ナショナルチームで練習を続けながらガールズケイリンを走っているという状況です。
山口:メインの練習はナショナルチームでされているんですね。
鈴木:そうですね。なので練習環境は変わらずにやっています。
山口:斡旋があれば、今後もガールズケイリンはしばらく走るんですか?
鈴木:はい。コーチと相談して、月に1本か2本は走っていいと言われているので、斡旋があれば走ります。
山口:オリンピック選考の結果についてはいかがですか?
鈴木:チーム・パーシュート(団体追い抜き)で国の枠が取れなかったのは残念でしたが、やってきた練習の結果は国際大会でも出せたと思います。残念な部分と結果が出た部分、両方を受け止めて今後も進んでいきたいです。
山口:今後もガールズケイリンと両立していくんですか?
鈴木:それはまだ決めていません。
山口:以前インタビューをさせていただいた時に「静岡でオッズパーク杯ガールズグランプリが決まりましたが、ナショナルチームで活動している中で地元グランプリへ出場したいと気持ちは揺らぎませんか?」という意地悪な質問をしました。
来年、また静岡で決まりましたがいかがでしょうか?
鈴木:ありましたね(笑)。はい、また決定しました(笑)。でもそれは決断の大きなところなんです。ガールズグランプリを狙うならガールズケイリン1本に絞らないと賞金の上位争いには絡んでいけないです。グランプリの選考期間は来年の1月から始まるので、それまでには決めないといけないなと思っているんです。
競技を続けるか、ガールズケイリンだけに絞るか。今コーチとも相談をしているんですが、コーチは「続けながら競技との両立でやっていった方がいいよ」と言ってくれています。
でも自分の中でパリオリンピックを目指してあと4年間頑張れるかどうかの決断はまだできずに、迷っています。
山口:そうですよね、4年は長いですよね。
鈴木:はい。なので半年はガールズケイリンと中距離とで両立をして、年末くらいには決めたいと思っています。
山口:迷われている要因としてガールズグランプリが静岡で、というのもありますか?
鈴木:それはそこまで大きく意識はしていません。自分がパリオリンピックへ向けて頑張れるかどうかが、今は自信がないんです。
というのも、東京オリンピックまでの4年間がかなり大変だったので、あと4年それに自分が耐えられるかどうかという不安が大きな要因ですね。
山口:特に鈴木選手は短距離ではなく中距離という、ガールズケイリンとは大きく違う競技ですもんね。
鈴木:はい。レースもですが練習も全く違うので、両立する大変さはこの4年間で感じました。
山口:今は中距離とガールズケイリンの練習のバランスはどのような感じですか?
鈴木:今まではずっと中距離の練習しかしてこなかったんですが、オリンピック代表選手の発表があって私が出場できないと決まってから、「ガールズケイリンも頑張りたい」とコーチに伝えました。中距離の練習の中に短距離の練習も少し組み込んでもらって現在はしています。
山口:伊豆の室内バンクでの練習ですか?
鈴木:そうですね。
山口:ガールズケイリンはほとんどが外のバンクですが、感覚の違いはありますか?
鈴木:そこまで大きく違いはありませんが、500バンクだと周長が違い過ぎるので少し感覚が掴めないかもしれません。仕掛け所が変わりますから。
日本競輪選手養成所のバンクを使わせてもらうなど、外のバンクで練習をする事もあるので全く走っていない訳ではありませんが、333バンクや400バンクの方が走りやすいですね。
そもそも私自身が500バンクを走った経験がガールズケイリンの時にもあまりなかったので、難しいなというイメージがあります。
山口:ガールズケイリンフェスティバルもですが、インタビュー時にはガールズケイリン総選挙の結果が発表され15位でアルテミス賞レースへ選出されました。おめでとうございます。結果を知った時はいかがでしたか?
鈴木:びっくりしました!毎年ファン投票ではギリギリでアルテミス賞レースに出られないくらいの順位だったので、とても嬉しかったです。単発の大きいレースは初めてなので緊張します。
山口:国際大会で何度も大きなレースは走っていらっしゃいますが、また違った緊張ですか?
鈴木:全然違います。やっぱり今回はガールズケイリン総選挙というファンの方に選んでもらって出られるレースなので、責任感が違いますね。
山口:ガールズケイリンフェスティバルの選出についてはいかがでしょうか?
鈴木:私はナショナルチームの強化指定選手だから選出されているので、選考期間中にあまりレースは走れていなかったんです。でも走れるのは楽しみです。
3日間のトーナメント制でとても強い選手ばかりが選ばれているので勝つのは大変ですが、強い選手たちと走った方が楽しいのでわくわくしています。
山口:動けるタイプの選手が揃ったレースの方が好きですか?
鈴木:好き、というのはまた違うかもしれませんね。強い選手とレースをした方が、勝った時に嬉しさが大きいので楽しみなんです(笑)。
山口:なるほど!達成感があるんですね。ガールズケイリンフェスティバルの目標は?
鈴木:決勝にのりたいです。1走目から普段の決勝のようなメンバーだと思うので厳しいですが、勝ち上がりたいですね。
山口:いわき平バンクの印象はどうですか?
鈴木:去年の7月に初めて走ったんですが、とても綺麗で内側にもお客さんがいて明るい雰囲気だったのを覚えています。他の競輪場とは全く違うイメージですね。
山口:アルテミス賞レースについて、メンバーを見てどうでしょうか?
鈴木:本当にみなさん強い選手ばかりで、どうしようかなと思います(苦笑)。でも選んでいただいて出られるので、全力で力を出し切るレースをしたいです。
山口:ガールズケイリン総選挙にはナショナルチームの選手もみなさん入っていますね。
鈴木:そうですね!それは嬉しい事です。でも中距離と短距離のメンバーは練習内容とか時間が違ってあまり会わないので、まだこの件は話してないんです。
逆に中距離メンバーは、結構レースとか私の情報を見てくれていて「ファン投票で選ばれていたね、おめでとう」と言ってくれました。
山口:ガールズケイリンフェスティバルまでは、どのような練習をしていきたいですか?
鈴木:練習内容はコーチと話し合っているので私の独断では決められず、基本的には中距離の練習がメインになると思います。
ただ長い距離を踏めるのが私の持ち味なので、それを活かしながらガールズケイリンも頑張っていきたいです。今までと変わらず練習もしっかりしていきます。
山口:長い距離というお話について、一度前に出た方が鈴木選手にとっては有利な展開ですか?
鈴木:そうですね。スローペースになるレースがあまり得意ではないんです。動きのあるレースは好きですし成績も良いのでそういう展開にしていくように意識はしています。
山口:6月松戸の初日のレースは持ち味発揮のレースだったのかなと思いました!(鈴木選手が先行。2選手に捲られたが切り替えて、再度追い込んで2着)
鈴木:ありがとうございます。でもダッシュがないので、スピード勝負のレースにならないように自分でレースを動かさないといけないと心掛けてレースを走っています。
山口:動けるタイプがたくさんいるガールズケイリンフェスティバルは、まさに目まぐるしい展開になりそうですね。
鈴木:そうなんですよ。でも展開のパターンがたくさん考えられるので、しっかり考えて走らないとだめですね。
山口:ありがとうございます。では最後にオッズパーク会員の方へ今後の意気込みをお願いします。
鈴木:まず、ガールズケイリンフェスティバルは決勝を目指して頑張ります。そしてアルテミス賞レースは、たくさんのファンの方のおかげで出場できるので、その責任を感じて良い走りができたらと思います。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA