昨年7月地元防府競輪でのデビュー完全優勝から躍進つづく、113期の宮本隼輔選手。今年5月の富山FIからはBを取り続け、7月に行われた大垣GIIIでは113期で初の記念制覇を成し遂げる。そして、注目されるなか出場したオールスター競輪。その話を中心に「第35回共同通信社杯競輪」に向けての意気込みを伺いました。
星野:オールスター競輪お疲れ様でした。初めてのGI開催はいかがでしたか?
宮本:デビューした時にGIに出たいなと思っていましたが、こんなにも早くに出場できるとは思ってもいなくて今の自分に気持ちが付いていっていない中でのシリーズでした。周りからの期待も大きかったし、それに応えられなかった事が悔やまれますね。
星野:確か「すべてのレースでBを取ることをきたいして」という理由で推薦枠での出場でしたね。
宮本:そうですね。その期待もあって初日は先行の組み立てしか考えていませんでした。岩本さんが強いのは分かっていたので打鐘前からだいぶ踏んだのですが、岩本さんの仕掛けも早くて...。主導権を取れなかった時の組み立てを考えていなかった...それも敗因の一つだったと思います。
星野:2走目はどうでしたか?
宮本:完璧に初日を引きずって望んでました。気持ち的にも負けていましたね。
星野:3走目はBを取りましたよね。
宮本:2日目のようなレースは出来ないと思い、前に出てBは取ったんですが、そこから気持ちを整えるのが難しく、自転車も前に進みませんでした。
星野:ここまで伺っているとかなり気持ちの面での闘いがあったようですが...
宮本:元々気持ちにムラがある方で、初日の成績が良ければ二日目以降精神的にも良い方に転がるんですが、今回は初日の悔しさがなかなか抜けなかったですね、これは今の自分の課題だとも思っています。
星野:ただ、最終日は特別競輪で初の白星でした。これで気持ち的にも次に繋がったのではないですか?
宮本:勝てたのは素直に嬉しかったですね。
連携した池田さんも「好きに走って良い」と任せてくださったので、形にこだわらず一着取れる走りをしました。でも、トータルとしてはすっきりしないところもありますね。
星野:オールスター競輪後、「心の休養をして次のビッグに備えたい」と言うお話もありましたが、今はどうですか?
宮本:しっかり休養したら共同通信社杯が迫ってきた!!って感じです(笑)それくらいしっかり休めたので精神的にも大丈夫ですし、二回目のビッグなので気負いもなく行けそうです。
星野:また皆さん、宮本選手の走りを楽しみにされてると思います。共同通信社杯の目標はありますか?
宮本:まずは予選突破!ですね。オールスターの時のようにならないように、まずここを目標に走りたいと思います。そうすれば、二日目以降も気持ちのスイッチが自然とonになるので。
星野:同期もいますし、若手の選手も多く出場する事についてはいかがですか?
宮本:先行する選手が多いので、自分は先行!!という所にあまりこだわらなくても良いのかな?と思っています。5場所連続Bをとっていますけど、絶対にBを取ると決めて望んだのは最初の3場所で、あとの2場所は取れたらいいな位でした。その中で、大垣の記念も優勝出来ましたし、それ位の気持ちの方が自分には合ってるのかなと思っています。
星野:今後の大きな目標はいかがですか?
宮本:11月に地元の防府記念があるので、まだ出場も決まっていませんが、今はそこに照準を絞っています。桑原さんと清水もいますけど、自分も優勝したいですね。
星野:GIのタイトルについてはどうですか?
宮本:今年はまだタイトルを取れるとも思っていないので、経験を積んでいきたいです。そして、来年からがGI戦で勝負だと思っています。
星野:今後の活躍も期待しています。では、オッズパーク会員の方へ最後にメッセージをお願いします。
宮本:これからも皆さん応援よろしくお願いします。
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※インタビュー /星野めぐみ
大阪府出身。タレント、アナウンサー、競輪キャスターとして活躍中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
7月地元奈良でデビュー初優勝を飾った元砂七夕美選手(奈良108期)。その振り返りと、6月15日に行われた協賛試合『プロ野球セ・パ交流戦 福岡ソフトバンクホークスvs横浜DeNAベイスターズ』でのイベントに参加した感想、今後の意気込みなどをお伺いしました。
山口:まずはプロ野球のイベントについてお伺いします。参加されていかがでしたか?
元砂:めちゃくちゃ楽しかったです!野球はテレビでは見たことがありましたが、生で見るのは初めてだったので、とても迫力がありました。以前ガールズケイリンのPRでバスケットボールの試合に行かせてもらったことがあるんですが、スポーツはやっぱり生で観戦するのが一番だなと思いました。
山口:初観戦で、しかも裏側も見られたんですね。
元砂:はい、普通に観戦しに行ったら見られない部分も見せてもらえました。試合直前の選手たちともお会いできたんですが、勝手なイメージで試合前はピリピリして緊張感があるのかと思っていたんですが、皆さんリラックスして、私たちにも話しかけてくれて、良い人たちだなぁと(笑)。野球選手は背も高いし、手のひらもとても大きかったです。
山口:始球式はご覧になりましたか?
元砂:私は生で見ることはできなかったんです。見られた子もいたんですが、私たちのグループはちょうどブースでのPRの時間だったので、残念でした。
山口:ブースの様子はいかがでしたか?
元砂:お客さんがとてもたくさん通る場所だったので、たくさんの方が話しかけてくれました。「頑張ってねー!」と言ってくれて、あたたかいお客さんばかりでした。
山口:プロの選手たちがPRしている、というのを聞いた方はどんな反応だったんでしょうか?
元砂:結構びっくりされる方も多かったです。「本当に競輪選手?」とか「本物?」という質問も多かったです。お客さんの反応を見ると、ガールズケイリンも知ってくれている方が半分くらいいたように思います。知らない方の反応だと「ガールズもあるんだね」という感じですね。
山口:女性の方やお子さんの反応はどうでしたか?
元砂:お客さんの中に女性の方もたくさんいらっしゃったので、食いついてくれた方もいて嬉しかったです。PRとしてもたくさんの方の目に触れて、良いPRになったのではないかなと思いました。
山口:続いて、近況についてお伺いします。まずは7月の地元での初優勝おめでとうございました!
元砂:ありがとうございます。初優勝も嬉しいんですが、地元で優勝できたというのが倍、嬉しく思います。
山口:以前のインタビューでも優勝は一つの目標というようにお話されていましたが、それまでの道のりはいかがでしたか?
元砂:一時期は腰痛が出たり、良い成績が残せない時もあったんですが、4年という歳月が掛かってしまいましたが、やっと優勝できて良かったなと思います。
山口:周りの「おめでとう」という声はいかがでしたか?
元砂:本当にたくさんの方が言ってくれて嬉しかったです。競輪場に来てくださっていたファンの方もですが、奈良支部の選手や同期、そして家族もみんなが「おめでとう」と言ってくれました。その時に、よりいっそう優勝の実感が湧きましたね。「優勝したんだ!」と思いました。
山口:奈良は地元ということで気合も入る開催だったと思いますが、入る前はどんな心境でしたか?
元砂:ちょうどガールズケイリンフェスティバルの裏開催だったので、トップ選手たちがいませんでした。自分のイメージとしては、毎日連に絡むのが最低限と思っていたし、それは余裕で達成できると思っていたし、ポイント上位として決勝に上がれると想定していました。でも2日目が5着だったのでかなりギリギリでの決勝進出でした。
2日目は、仕掛けられずに内容も全くダメで、お客さんにも迷惑を掛ける走りをしてしまいました。着にも絡んでなかっただけに、厳しい声もかなりたくさんありました。
落ち込みもしましたが、それで吹っ切れたというか、結果を出さなければいけないという変な緊張感が抜けたんです。
それよりも「2日目のような"しょうもない"小さいレースだけはしないように」と誓って強い気持ちで走れました。なので、決勝は緊張とかもなかったです。昨日のような失敗はしない、ということしか考えていませんでした。
山口:その強い気持ちが逆に結果に結びついたんですね。
元砂:そうかもしれないです。それがなかったら優勝していないかもしれません。
山口:レースを振り返りますが、比嘉真梨代選手(沖縄114期)の捲りにのっていくような形でした。4コーナーから直線のあたりはどうでしたか?
元砂:それが、覚えていないんです。必死で。バックストレッチや3コーナーあたりは覚えているんですが、自分で踏み込んでいってからは全く覚えていないんです。
山口:そうなんですね。ギリギリの所で戦っていたんですね。
元砂:そうかもしれません。
山口:だから、優勝の実感も先ほどおっしゃったように「おめでとう」と言われた時にしっくりきたんですね。
元砂:そうですね、本当にそんな感じでした。
山口:一つ優勝を経験されて、今後はどこを目標にされますか?
元砂:一度だけではなく、何回も優勝したいですし、グレードレースにも出られるように頑張りたいと思います。
山口:昨年はアルテミス賞レースを走られて、それはより大きくなったんでしょうか?
元砂:そうですね。お客さんの量も普段とは全然違いましたし、自分の名前をその中で呼んで貰えたらより気合も入りました。やっぱりまた走りたいと思います。出られるように頑張りたいですね。
山口:そして優勝と同時期にご結婚されたとSNSで発表されました。おめでとうございます。
元砂:ありがとうございます。
山口:環境などの変化はありますか?
元砂:全然変わらないですし、後は気持ちの変化も全くないですね。練習もいつもと変わらずできています。普段は奈良のバンクへ練習に行っていますし、たまに和歌山のバンクにも入らせていただいています。結婚したことで、レースへの影響は全くないと思います。
山口:選手同士ですから、仕事への理解度や気持ち面で支え合うなど、選手しかわからない部分も共有できるのは良いですね。
元砂:そうですね。自分が落ち込んでいる時やどうしたら良いかわからない時にアドバイスをくれるのは、やっぱりありがたいです。彼も長く競輪界にいるので、私では考え付かないような、良いアドバイスをくれます。選手だからこそわかる部分を共有できるのはありがたいです。
山口:それは素敵ですね。お二人とも益々ご活躍が期待されます。では最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
元砂:地元で初優勝ができてとても嬉しかったです。今後は、一度だけじゃなく何度も優勝できるように、またグレードレースも走れるように頑張ります!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター/MC/キャスター/声優。
競輪関係では取手競輪中継司会、松戸競輪リポーターをメインに各競輪場で活動中。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
昨年のヤンググランプリ2018優勝から、今年も記念を2度優勝など前半は大活躍の太田竜馬選手(徳島109期)。中でも地元である小松島記念を含めての前半の振り返りと『第62回オールスター競輪』へ向けての意気込みをお伺いしました。
山口:小松島記念、優勝おめでとうございます。
太田:ありがとうございます。
山口:やっぱり特別な思いはありますか?
太田:走るまではいつものように自然体でいられました。優勝したいという気持ちはありましたけどね。走ってみても雰囲気がとても良かったので、地元記念だけど今回は変な緊張もなく、それが良かったのかなと思います。「なるようにしかならない!今年は力をつけたと思うしその結果だ」と思っていたので、結果が出ましたね。
山口:周囲からの期待の声も大きかったと思います。
太田:そうですね。でもそれはいつもある事なので慣れてきました。逆にその期待をプレッシャーに感じず力に変えられていると思います。
山口:決勝は地元3人のラインでしたね。
太田:最近の中四国地区はみんなが「自分たちもやれる、優勝するぞ」という意識が高まっています。それが結果に繋がっていますね。
山口:年始にもインタビューをさせて頂きましたが、その時にも「とても緊張するタイプだったので、それをうまくコントロールして今は自然体で臨めている」というお話をされていました。それは変わらずですか?
太田:そうですね。レースではいつも緊張はするんですが、走る前まではリラックスできています。先ほども言いましたが、「なるようにしかならない。自分は全力投球するだけで結果はあとから」という考えで挑めているのが良いんだと思いますね。
山口:決勝もその"良い自然体"で臨めましたか?
太田:そうですね、全力で走るだけで、結果の事は考えてはいなかったです。
山口:それが完全優勝という結果に繋がったんですね。結果が出た後の気持ちというのはいかがでしたか?
太田:優勝した後は、次の事を考えています。まだまだ終わりではないですしね。
山口:年始のインタビューでも"自然体"というのがひとつキーワードでしたが、それで結果が出ているのはやっぱり合っているんだなと感じました。
太田:そうですね、研ぎ澄まされてきてはいますが、意識は今も変わっていないので、結果が出ているのは合っている証拠だと思います。
山口:次走『第62回オールスター競輪』では今年もオリオン賞レースに選ばれましたね。
太田:昨年に続き選んでもらってとてもありがたいなと思います。昨年は初めてのオリオン賞でしたが、今年は自分も力も付いてきたと思うし、心の持ちようも変わってきています。気負いはせずに臨みたいですね。
山口:他のメンバーを見ていかがですか?
太田:中四国の選手もたくさんいるので、どう走るかはまだわかりませんが、与えられたところで全力で走るだけです。
山口:年始のインタビューでは「選手になったからにはGIの優勝をしたい」というお話がありました。今年ここまでのGIは振り返っていかがでしょうか。
太田:やっぱり難しいですね。なかなか思うように結果も出ていません。でも勝ちにこだわるレースをしても意味がないと思うんです。まだまだ力をつけないといけないですね。
山口:競技規則も一部変更になりましたが仕掛け方などは変わりましたか?
太田:どのレースも「いけるところから仕掛けよう」とは思っています。それが少し早くなっているということはそこのタイミングがベストの仕掛けだったから。自分も躊躇せずに、どのタイミングでも仕掛けられているのは良い事だと思います。
山口:ご自身でも手応えを感じていますか?
太田:そうですね。力も付いてきているんだと思います。弱かったら構えちゃったり、早めのタイミングでは仕掛けられなかったりします。逆に早かったらゴールまでもたない。今は、自分の決めたタイミングで動けてそれで結果が出ているのは、練習の成果だと思います。
山口:中四国の盛り上がりの中心にいらっしゃると思いますが、意識はしますか?
太田:中四国が盛り上がっているのは、自分も含めて相乗効果だと思います。「自分たちも優勝できるんじゃないか、ビッグレースもとれるんじゃないか」という雰囲気を高めていく事で、実際に優勝にも近づくと思いますね。みんなが雰囲気を良くしていこうというのを感じます。
少し前まではGIは遠い存在で優勝するのは夢、ではないですがかなり薄い望みでしたが、今はすぐそこまできている。みんなでそれを近づけている、だんだんステージを全員で上げていって近づけているんだと思います。
直接言葉で交わすことはないですが、多分そう思っている選手は多いんじゃないでしょうか。
山口:他の選手からもそれは感じますか?
太田:そうですね。みんなで上がっていっている感じはとてもあります。
山口:小倉竜二選手(徳島77期)にもインタビューをさせていただいたんですが、太田選手を含め自力選手が頑張っているからというお話をされていました。太田選手から見て先輩の頼もしさは感じますか?
太田:小倉さんはすごいです。上位のレースで一緒に走る機会も多いですがとても信頼していますし、レースでも頼もしいです。
山口:練習も一緒にされているんですか?
太田:はい。みんなが前を見て練習をしています。バンク練習を中心に、特に決まったメンバーという訳ではなく、出てきている選手たちでまとまってやっています。いろんな話もたくさんして、良い雰囲気で、そうなると親密度といいますか、信頼関係も深くなってきていますね。環境はとても良いです。
山口:今年も後半戦に入っていきますが、ビッグレースや賞金争いも含めていかがでしょうか?
太田:現状だと勝ちにこだわって勝てる訳ではないので、そのあたりはあまり意識はしていません。今まで通り全力で一走一走臨み、後はどうなるかという感じです。
山口:オールスター競輪が行われる名古屋競輪場は印象はいかがですか?
太田:まだ確か一度しか走っていないので、あまり気にしていませんでした。でも悪いイメージはないので大丈夫だと思います。いつも通り走るだけですね。
山口:オールスター競輪は、途中でレースを走らない日もありますが、その辺りの過ごし方はいかがでしょうか?
太田:特に気になりませんね。昨年も経験をしましたし、レースを見て先輩の自転車をとったりなど普段とかわらず、ただ走らないだけで過ごし方は一緒でした。今年もそうなると思います。
山口:最後にオッズパーク会員の方へオールスター競輪へ向けて意気込みをお願いします。
太田:オールスター競輪は今年残されたGIの中で、賞金も含め大きいレースです。結果にこだわりはしないと言いつつも、普段以上には結果は欲しいのでしっかり力を出し切って、次に繋がるようにしていきたいです。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター/MC/キャスター/声優。
競輪関係では取手競輪中継司会、松戸競輪リポーターをメインに各競輪場で活動中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
先日、別府競輪場で行われた『第15回サマーナイトフェスティバル』で優勝をした村上博幸選手(京都86期)。その優勝を含めた今年前半戦の振り返りと次走オールスター競輪へ向けての意気込みなどをお伺いしました。
山口:サマーナイトフェスティバル(以下、SNF)、優勝おめでとうございます。
村上:ありがとうございます。決勝戦を含めて3日間うまく調整も出来たし、自転車と一体化して乗っている感じも良かったです。SNFへ照準を向けていたこともあり、全てが上手くいった開催でした。
山口:決勝は渡邉雄太選手(静岡105期)との連携でしたね。
村上:彼は強い選手ですからね。渡邉くんが走りやすいようにという事もありましたが、相手を見て吉田拓矢くん(茨城107期)の先行一車にするよりは、自分も渡邉くんと一緒にラインを作った方が、全員が仕掛け合いになりレースが動いて面白くなると思ったんです。
渡邉くんも今本当に頑張っていますし、自分も連携をしたかったので「(渡邉選手が)嫌じゃなかったら」と話をしました。彼も「ついてもらえるなら頑張りたいです」と言ってくれました。
山口:それが見事ワンツーという結果になりましたね。
村上:そうですね、うまくいって良かったです。
山口:S級S班の選手はナイターを走る機会も少ないですが、その辺りはいかがでしたか?
村上:開催中は全く問題はなかったですが、その後が少し疲れはありましたね。実際SNFから次の大垣記念まで中3日だったので、ナイターから昼間の開催へコンディションを戻していく方が大変でした。SNFはナイターというのはわかっている事なので、そのあたりの調整やコンディションは問題なかったです。
山口:今年前半は1月に松阪記念、2月に奈良記念、そして7月にSNF優勝と振り返っていかがでしたか?
村上:今年はS級S班として初日は特選スタートなどアドバンテージもあるので、練習の様々な取り組みをレースでチャレンジしていきたいと考えていました。
その中で失敗ももちろんありましたが、失敗がないと成功もないと思っています。結果として調子を落としていた3月4月も含めて、練習は充実していましたね。成績に関しても良かったと思います。
山口:以前このインタビューでお話を伺ったときに「きつめの練習をしていかないと成長はないので、どこかで調子を落としても練習をしないといけないと思う」というお話が印象に残っているんですが、それが今年の3月4月だったんですか?
村上:そうですね。そこはきつめにしていこうとは思っていました。年々回復が遅くなっているので、そこは様子を見ていかなければいけません。
例えばぺダリングでも、一旦崩れてしまうと良い時にどうしていたのかが自分でも分からくなってしまう時もあるんです。そのあたりは日々勉強だなと感じます。
ただ筋肉をしっかり作りたい時もあるのでそれはバランスを見ていかなければいけませんね。
山口:前半戦のピークはどこへ持っていこうと思っていましたか?
村上:例えばGI、GIIとかのひとつひとつのレースに合わせるというよりも、自分の練習スパンを中心にして、斡旋が出た所に合わせにいった形でした。岸和田の高松宮記念杯競輪も感じは良かったんですが、どうしても競輪なので展開に左右されます。前半のGI、GIIで結果を出せなかったんですが、乗っている感じが悪くなかったのであまり結果・成績にはとらわれずにと考えていました。自分としては「ここにピークを合わせる」というポイントを作りたくなかったですね。
ただSNFに関しては、高松宮記念杯から1ヵ月空いたので調子もぐっと上がってきていました。
それは2月~4月できつめに練習をして、特に3月は斡旋も3本あったのでレースも走りながらやっていたものが、成果として出てきたのがちょうど高松宮記念杯くらいだったので、その後の1ヵ月にうまく調整が出来ましたね。
山口:ご自身ではSNFでは初制覇でした。
村上:自分ではひとつひとつのレースをしっかり勝ちたいとは思っているんですが、年齢もあるので脚力は若い選手には敵わなくなってきます。ここなら勝負出来る、というパターンを思い描いて練習をしてはいますが、実際に優勝をしてみて、自分の勝ちパターンではなかったけど展開が向きました。
また今若い選手が伸びていると感じていて、その中の一人である渡邉雄太くんと連携をしゴール前で差せたのは自信にもなります。自分のやってきた事が間違いではなかったんだなと思いました。そういう自問自答の繰り返しの連続です。
山口:仰っていた若手選手が伸びている中で、SNFの決勝のように他地区の自力選手と連携をする時の思いはどのような感じですか?
村上:他地区とも連携をする時もあるんですが、「(連携)お願いします」と言ってもらえると嬉しいですし、その選手が競輪に対してどういう考え方を持っているのかが一度ラインを組むとわかります。またレース以外でも話したりするようにもなるので、自分が勉強になる部分はたくさんありますね。
山口:そういう意味でもSNFの優勝は良い結果でしたか。
村上:そうですね。さっきも、話したように強い選手、若い選手を差せるというのは自信になりますね。
山口:他地区で注目の若手選手はいますか?
村上:前半戦で強いなと思ったのは、やっぱり太田くん(竜馬選手・徳島109期)ですね。彼は身体が特に大きい訳でもないですし、それでもGIの決勝に乗ってきているのは強いなと思っていました。対戦する時も注目はしています。
山口:次走は『第62回オールスター競輪』ですね。今年もオリオン賞レースからですね。
村上:選んでもらって感謝しかないですね。その舞台で強い選手と走れるのは嬉しいですし、互角とまでは言いませんがしっかり脚をためてゴール勝負出来る状態までには持っていきたいと思います。一番は「自分がどれだけの状態でそこに立てるか」というのを考えて練習をしているんですが、今のこの暑さなどもありなかなか計画通りとはいきません。ただその中でうまくピークを持っていけるようにする経験値はあると思います。
山口:そうですよね、特に京都は暑いでしょうね。今年の猛暑は違いますか?
村上:はい、かなり暑いですね。やり過ぎるとなかなか身になっているかどうかもわからなくなります。疲れないと強くはならないけど、疲れすぎるといけない、そのあたりは体と相談してやってきます。
山口:オリオン賞レースのメンバー(8月5日現在)には近畿はお一人ですね。
村上:はい、僕一人ですが、それは前検日に入ってから決めようと思います。まだちらりとしか確認をしていないので。車番も確認しながら決めたいと思いますね。
山口:オリオン賞ですから初日はレースがありませんよね。走らない日程があらかじめわかっているのは、調整がしやすいですか?
村上:いや、自分は普段の開催と同じく初日に走るようなつもりで入りますね。調整とかは全くないというか、自分は休みですが周りはレースがあるので、その雰囲気や緊張感を壊さないようにしなければいけません。
山口:オールスター競輪の目標は?
村上:決勝には乗りたいですが、まずは良い状態で臨んで自分のやってきた感覚で走れるようにしたいです。
山口:名古屋バンクのイメージはいかがですか?
村上:これだけ走っているので、良い事もあれば悪い事もあります。なので特に気にすることなくです。自分もベテランになってきたので、いつも通りにいきたいですね。
山口:最後にオールスター競輪へむけてオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
村上:オリオン賞レースに選んでいただいた事にまず感謝をしたいです。そういう皆さんの思いを感じながら自分を最高の状態にもっていってレースをし、納得する走りを出来るように。またその結果、決勝に上がれたら嬉しいですね。それには頑張るしかないので、しっかり頑張りたいです。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター/MC/キャスター/声優。
競輪関係では取手競輪中継司会、松戸競輪リポーターをメインに各競輪場で活動中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
昨年のオッズパーク杯ガールズグランプリ2018を優勝した児玉碧衣選手(福岡108期)。6月15日(土)に行われた協賛試合『プロ野球セ・パ交流戦 福岡ソフトバンクホークスvs横浜DeNAベイスターズ』で始球式をした時の感想や、ガールズケイリン総選挙2019で3連覇しガールズドリームレースへ臨む意気込みなどを伺いました。
山口:初めての始球式のイベントでしたが、いかがでしたか?
児玉:今までいろんなアイドルやタレントさんの始球式をテレビで見ていると、結構ノーバウンドで投げている方がいなかったので「いやいや、球技経験もあるし、私はノーバウンドで投げられるだろう」と思って練習もしなかったんです。でもいざマウンドに立ったら思っていたよりキャッチャーの選手が遠くて、その時に「あー、練習してこれば良かった」と後悔しました。結局私もワンバウンドしてしまいました(苦笑)。
山口:実際にマウンドに立つと緊張感もありましたか?
児玉:そうですね、今まで競輪では感じたことがない緊張感でした。人生で一番心拍数が上がったと感じるくらいです(笑)。どんなビッグレースとも違う緊張感でした。
山口:そうなんですね(笑)。
児玉:はい、それを経験したので、今後ちょっとのことでは緊張しないと思います(笑)。良い経験をさせていただきました。その時の試合には何万人もいらっしゃっていたようで、競輪場にはなかなかその数のお客さんはいないから歓声も凄かったです。
始球式以外にもガールズケイリンブースでPRをしていたら、野球ファンの方が「ガールズケイリンってあるんだね」や「強い選手なんだね!始球式見たよ」と声を掛けてくれて「競輪、今度行くね」という方もいました。
実際にその方たちは、久留米記念『GIII中野カップレース』に来てくれて「ヤフオク!ドームの時にPRしてたから来てみたよ!」と声を掛けてくれました。
山口:嬉しいですね!
児玉:そうなんですよ!実際に来場していただいて、PRが繋がったのはとても嬉しかったです。
山口:ガールズケイリンは知らない方も多かったですか?
児玉:多かったですね。ミッドナイト競輪だけは買ってるという方もいたんですが、ほとんどの方は野球ファンでガールズケイリンは知らない方たちでした。でも「パンフレットちょうだい!」と言ってくれる方もたくさんいたのが嬉しかったです。
山口:児玉選手が昨年の女王(オッズパーク杯ガールズグランプリを勝利)だというのは伝わっていましたか?
児玉:伝わっていました!私は、始球式の準備などのために他のガールズ選手と一緒に行動する時間が少なかったんです。ブースでのPRやお客さんと直に接する時間も少なかったんですが、ちょうど始球式の準備のために移動しなければいけない時に、女性の方が「もう帰っちゃうの?今から写真一緒に撮って欲しかったのに!」と言ってもらえました。そうやって積極的に交流をしてくれるのは嬉しいですね。
山口:ガールズケイリンも野球も、同じプロスポーツですから認知されていくと良いですね。野球選手とは交流できましたか?
児玉:私たちが行った試合で投げていたピッチャーの高橋礼選手(その日の勝ち投手でした)は「よく競輪買ってます!」と言ってくれたんです。私たちガールズ選手のことも知っていてくれているようでした。イベントが終了した後には内川聖一選手が「写真を撮ろうよ」と声を掛けていただいて、みんなで一緒に撮りました。
山口:初めての始球式でしたが、またやりたいと思いましたか?
児玉:そうですね。ガールズグランプリを連覇してまた投げたいです!次はノーバウンドで投げたいですしね(笑)。
山口:そうですね(笑)。では近況のお話に移らせていただきます。ガールズケイリンフェスティバルはいかがでしたか?
児玉:初日は慌ててしまい、仕掛けがいつもより早くなってしまいました。なので、後ろにぴったりマークされていた2人に差されてしまい反省でした。2日目はそれを生かして少し遅めに仕掛けて1着は取れたのですが、最終日も組み立てには反省点がたくさんあります。体調や脚の感じは問題なかったので、悔しい結果です。
山口:組み立てというのは、仕掛けどころですか?
児玉:決勝のレースは、まずは私の前に(愛知106期・長澤)彩さんが来て迎える形になり、その後で少しもつれました。残り1周で、彩さんと(千葉106期・石井)貴子さんが外を踏んでいるのに私は内をつく形になってしまいスピードを殺してしまったんです。またバックストレッチから自分で踏み上げ捲りに行ったんですが、届きませんでした。振り返ればなんですが、最初から彩さんの後ろを追走していたら、スピードを殺さずもっと楽に捲れたのかなと反省ですね。
さっきも話しましたが、体調や脚の感じは悪くなかっただけにレースの組み立てが課題です。
山口:自分で仕掛けられる選手が揃っているからこそ、課題が見えたんでしょうか?
児玉:それもあるかもしれません。スピードも皆さん速いのでどんどんレース中にも上がっていきます。それに慌ててしまったので、冷静になれれば良かったですね。あの状態から2着までいけたので脚力的には問題なかったと思うだけに、課題は組み立てだと反省です。
山口:次へ生かしていきたいですね。
児玉:カマし先行などしばらくは早い仕掛けをしていたので、決勝で捲りに構えたことで、一つレースでパターンを試せたというか、経験は増えました。それを次に生かしたいです。
山口:そして、ガールズケイリン総選挙2019ではファン投票1位おめでとうございます!
児玉:ありがとうございます。びっくりしました。まさか3連覇出来るとは思っていなかったので、とっても嬉しいです!ずっと応援してくれているお客さんがこんなにたくさんいるんだなと改めて感じました。お客さんからは「(姉弟子である福岡106期・小林)優香に勝てよー!」と声を掛けてもらいました。また優香さんと戦える機会がガールズドリームレースであるので、しっかりその期待に応えられるようにしたいです。
山口:ガールズドリームレースは、昨年、ご自身初のビッグレース制覇となった舞台です。
児玉:やっぱり連覇したいです!お客さんの投票でこのレースを走れるので、たくさん期待してもらっているからこそ、その人達のためにも頑張ろうと改めて思います。
山口:気になっている選手は、やっぱり小林選手なんでしょうか?
児玉:そうですね。なかなか優香さんはまだ越えられていないので、気にはなります。今はナショナルチームで練習をされているので最先端のトレーニングをしていると思いますが、その選手を久留米の練習で越えられるように、勝って結果を出したいです。地元で師匠(85期・藤田剣次選手)や大師匠(藤田選手の師匠である引退した楢原剛さん)にいつもバイクで引っ張ってもらっているので、「この練習で間違っていない」ということを結果であらわして恩返ししたいです。
山口:今の状態はいかがですか?
児玉:静岡は風が強かったので上がりタイムはそこまで良くなかったんですが完全優勝出来ました。もう翌日から練習をして、そこでのタイムは悪くないので、もう一走玉野を走ってしっかり勝って、ガールズドリームレースに繋げたいです。脚力もレベルアップしていると思いますし、自信を持って臨みたいです。
山口:名古屋のイメージはいかがですか?
児玉:完全優勝もしていますし相性は良いと思っています。
山口:では最後にオッズパーク会員の皆様へ、ガールズドリームレースの意気込みなどお願いします。
児玉:いつもたくさんの声援ありがとうございます。ガールズドリームレースは応援してくださっている皆さんのお陰で走れるので、3連続でファン投票1位に選んでもらって本当に嬉しいです。その恩返しができるように、また同門の優香さんを倒せるように頑張って走ります。応援よろしくお願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター/MC/キャスター/声優。
競輪関係では取手競輪中継司会、松戸競輪リポーターをメインに各競輪場で活動中。
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※写真提供:公益財団法人 JKA