昨年に引き続き2回目のオッズパーク杯ガールズグランプリ出場を決めた梅川風子選手(東京112期)。直前に行われた競輪祭でのグランプリトライアルレースでは2連覇をするなど好成績を残しています。
1年の振り返りと、今年のガールズグランプリへ臨む意気込みをお伺いしました。
山口:ガールズグランプリ出場決定、おめでとうございます。
梅川:ありがとうございます。
山口:今年1年を振り返っていかがでしたか?
梅川:大きな怪我なく1年通して走れたのが良かったです。安定していました。
山口:直前のグランプリトライアルレースでは連覇されました、おめでとうございます。
梅川:ありがとうございます。結果として連覇できたことは良かったですが、その前の2か月間はかなり苦しいレースが続いており、状態があまり良くなかったんです。なので、結果は良かったですが、状態は良くなかったですね。
山口:「苦しいレース」というのは具体的にはどういうことですか?
梅川:2か月ほど、毎週のようにレースを走っておりそれが7開催続きました。体調的にそれが一番きつかったですね。なので、トライアルレースの結果は良かったですが、結構きつかったです。
山口:連戦の中でも、怪我もなく大きく崩れることもなく走りきれたのは良かったですね。
梅川:そうですね。そこはこの1年の中でもピークだったと思うので、悪い状態を乗り切れたのは良かったと思います。
山口:賞金ランキングでも上位にいらっしゃいましたが、いかがでした?
梅川:苦しかった2か月の間くらいに意識し始めました。それまでは全く気にしていなかったんですが、その時に「そろそろ年末も近付いてきたな」と意識し、気も引き締まりました。
成績も落とせないなということと、それよりももっと先を見据えて走りたいなという気持ちの両方があり葛藤していましたね。
山口:先を見据えて、というのがガールズグランプリだったんですか?
梅川:いえ、グランプリがゴールではなくまだまだ通過点と言う気持ちでした。もっと先を見てレースをしたいという気持ちと、もちろんグランプリには出場したい気持ちもあったので、せめぎあいでしたね。
山口:先の目標というのは伺ってもいいですか?
梅川:具体的にどうこうというのは決めていないんですが、グランプリに出場、または優勝という部分をゴールにするとそこで成長が止まってしまうと思います。なので、もっと先があると考えて走ろうと思ってゴールを作らないようにしています。
山口:ガールズグランプリは昨年が初出場でしたが、いかがでしたか?
梅川:ただ走っているだけになってしまいました。何もできなかったので私自身の記憶にも残らないレースでした。
山口:今年は地元東京での開催でしたが、その辺りは意識していましたか?
梅川:もちろん地元開催というのは理解していましたが、そこまで特別に意識することはなく自然体で1年間レースは走れていました。地元のお客様の方がきっと盛り上がってくれているんだと思います。
山口:立川競輪場はデビュー後に一度走っただけですよね?
梅川:そうですね、2年前デビュー直後に走っただけです。ただ時々練習でも入らせてもらいます。
山口:バンクの感触はいかがでした?
梅川:やっぱり重いなと感じました。後は直線も長いですが、短い直線よりはチャンスがあると思うのでそこは気にならないです。
山口:今年、戦法をいろいろ変えているように感じたんですが、その辺りはいかがでしょう。
梅川:デビューから1年間は徹底して自力にこだわっていたんですが、2年目3年目に入って、そろそろ考えて走ろうと思っていました。なので、たくさんの戦法を試せたのは良い1年だったと思います。
山口:自力でのレース、位置を取ってのレースと様々ですが、どのような戦法が得意というのは見つかったんでしょうか?
梅川:今は、それは全くないですね。状況に応じて走っています。逆にデビューする前の方が、得意不得意がはっきりしていました。デビュー後は「お客様のお金がかかっている」と言うのを強く意識したので勝つことを一番に考えています。
もちろん魅せるレースも大切と思いますが、それ以上に勝つことの大切さを身に染みて感じたんです。自分の中でも変化がありました。
山口:他のガールズグランプリ出場メンバーの印象はいかがですか?
梅川:皆さん強い選手ばかりですね。優香(小林優香選手・福岡106期)は世界と戦っていた強い選手で少しレベルが違うかなと思いますが、私も彼女の強さに追いつけるように日々努力をしています。レースの展開はその時次第で、優香だけを注目する訳ではなく皆さん強いので、その時に自分がどう力を発揮できるか楽しみです。
山口:自分から仕掛けるタイプの選手も多いですね。
梅川:早く仕掛けるタイプの選手、位置取りの上手い選手とまんべんなくいるので、後は自分がどうするかだと思います。
山口:想定番組では梅川選手が1番車ですが、車番は気にしますか?
梅川:トップ選手が集まるレースなので、内側が有利かなと思います。
山口:ガールズグランプリまではどう練習をしていきますか?
梅川:もう時間もないので、バタバタと焦るようなことはしないです。今年は1年を通して、グランプリに出られなくても年末にピークが来るように練習をしていました。あとは調整するくらいと落ち着いて入れるようにしたいです。
山口:大きいレースへ向けて、ピークを調整するというのは前競技(スケート)の時から引き続き行っているんでしょうか?
梅川:スケートの頃に学んでいた調整方法とは変化していますが、メンタル的な調整は良く似ていると思います。長い目でこの1年を見られたのはスケートをやっていたおかげですね。スケートは2年3年先を見てのトレーニングメニューを組むこともありますが、ガールズケイリンだと長くて1年くらいだと考えてやっています。
山口:お客様の前ではどんな走りをしたいですか?
梅川:地元ということで、普段から応援してくださっている地元ファンの皆さんが来てくれると思います。見せ場も意識するかもしれません。その場でどんな走りをするかは私自身もわからないです。グランプリは、2着3着は意味がないので、とにかく優勝する姿を見せるのが一番かなと思いますので、それを目指す姿を見に来ていただきたいです。
山口:昨年は前夜祭が緊張して苦手かもしれないと話していましたが、一度経験していかがでした?
梅川:(笑)やっぱり苦手でしたが、ファンの方が喜んでくれるので良かったと思います。今年もレースより前夜祭の方がソワソワしてしまいそうです(笑)。
山口:そうですか(笑)。ぜひお客様からパワーをもらってください。
梅川:はい、お客様と関われることもあると思うので、そこは楽しみにしています。
山口:それでは最後にオッズパーク会員の方へ、ガールズグランプリへの意気込みをお願いします。
梅川:優勝を目指して走る姿をたくさんの方に見てもらえるようにしっかりと頑張ります。ガールズグランプリ当日は応援よろしくお願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA