7月地元奈良でデビュー初優勝を飾った元砂七夕美選手(奈良108期)。その振り返りと、6月15日に行われた協賛試合『プロ野球セ・パ交流戦 福岡ソフトバンクホークスvs横浜DeNAベイスターズ』でのイベントに参加した感想、今後の意気込みなどをお伺いしました。
山口:まずはプロ野球のイベントについてお伺いします。参加されていかがでしたか?
元砂:めちゃくちゃ楽しかったです!野球はテレビでは見たことがありましたが、生で見るのは初めてだったので、とても迫力がありました。以前ガールズケイリンのPRでバスケットボールの試合に行かせてもらったことがあるんですが、スポーツはやっぱり生で観戦するのが一番だなと思いました。
山口:初観戦で、しかも裏側も見られたんですね。
元砂:はい、普通に観戦しに行ったら見られない部分も見せてもらえました。試合直前の選手たちともお会いできたんですが、勝手なイメージで試合前はピリピリして緊張感があるのかと思っていたんですが、皆さんリラックスして、私たちにも話しかけてくれて、良い人たちだなぁと(笑)。野球選手は背も高いし、手のひらもとても大きかったです。
山口:始球式はご覧になりましたか?
元砂:私は生で見ることはできなかったんです。見られた子もいたんですが、私たちのグループはちょうどブースでのPRの時間だったので、残念でした。
山口:ブースの様子はいかがでしたか?
元砂:お客さんがとてもたくさん通る場所だったので、たくさんの方が話しかけてくれました。「頑張ってねー!」と言ってくれて、あたたかいお客さんばかりでした。
山口:プロの選手たちがPRしている、というのを聞いた方はどんな反応だったんでしょうか?
元砂:結構びっくりされる方も多かったです。「本当に競輪選手?」とか「本物?」という質問も多かったです。お客さんの反応を見ると、ガールズケイリンも知ってくれている方が半分くらいいたように思います。知らない方の反応だと「ガールズもあるんだね」という感じですね。
山口:女性の方やお子さんの反応はどうでしたか?
元砂:お客さんの中に女性の方もたくさんいらっしゃったので、食いついてくれた方もいて嬉しかったです。PRとしてもたくさんの方の目に触れて、良いPRになったのではないかなと思いました。
山口:続いて、近況についてお伺いします。まずは7月の地元での初優勝おめでとうございました!
元砂:ありがとうございます。初優勝も嬉しいんですが、地元で優勝できたというのが倍、嬉しく思います。
山口:以前のインタビューでも優勝は一つの目標というようにお話されていましたが、それまでの道のりはいかがでしたか?
元砂:一時期は腰痛が出たり、良い成績が残せない時もあったんですが、4年という歳月が掛かってしまいましたが、やっと優勝できて良かったなと思います。
山口:周りの「おめでとう」という声はいかがでしたか?
元砂:本当にたくさんの方が言ってくれて嬉しかったです。競輪場に来てくださっていたファンの方もですが、奈良支部の選手や同期、そして家族もみんなが「おめでとう」と言ってくれました。その時に、よりいっそう優勝の実感が湧きましたね。「優勝したんだ!」と思いました。
山口:奈良は地元ということで気合も入る開催だったと思いますが、入る前はどんな心境でしたか?
元砂:ちょうどガールズケイリンフェスティバルの裏開催だったので、トップ選手たちがいませんでした。自分のイメージとしては、毎日連に絡むのが最低限と思っていたし、それは余裕で達成できると思っていたし、ポイント上位として決勝に上がれると想定していました。でも2日目が5着だったのでかなりギリギリでの決勝進出でした。
2日目は、仕掛けられずに内容も全くダメで、お客さんにも迷惑を掛ける走りをしてしまいました。着にも絡んでなかっただけに、厳しい声もかなりたくさんありました。
落ち込みもしましたが、それで吹っ切れたというか、結果を出さなければいけないという変な緊張感が抜けたんです。
それよりも「2日目のような"しょうもない"小さいレースだけはしないように」と誓って強い気持ちで走れました。なので、決勝は緊張とかもなかったです。昨日のような失敗はしない、ということしか考えていませんでした。
山口:その強い気持ちが逆に結果に結びついたんですね。
元砂:そうかもしれないです。それがなかったら優勝していないかもしれません。
山口:レースを振り返りますが、比嘉真梨代選手(沖縄114期)の捲りにのっていくような形でした。4コーナーから直線のあたりはどうでしたか?
元砂:それが、覚えていないんです。必死で。バックストレッチや3コーナーあたりは覚えているんですが、自分で踏み込んでいってからは全く覚えていないんです。
山口:そうなんですね。ギリギリの所で戦っていたんですね。
元砂:そうかもしれません。
山口:だから、優勝の実感も先ほどおっしゃったように「おめでとう」と言われた時にしっくりきたんですね。
元砂:そうですね、本当にそんな感じでした。
山口:一つ優勝を経験されて、今後はどこを目標にされますか?
元砂:一度だけではなく、何回も優勝したいですし、グレードレースにも出られるように頑張りたいと思います。
山口:昨年はアルテミス賞レースを走られて、それはより大きくなったんでしょうか?
元砂:そうですね。お客さんの量も普段とは全然違いましたし、自分の名前をその中で呼んで貰えたらより気合も入りました。やっぱりまた走りたいと思います。出られるように頑張りたいですね。
山口:そして優勝と同時期にご結婚されたとSNSで発表されました。おめでとうございます。
元砂:ありがとうございます。
山口:環境などの変化はありますか?
元砂:全然変わらないですし、後は気持ちの変化も全くないですね。練習もいつもと変わらずできています。普段は奈良のバンクへ練習に行っていますし、たまに和歌山のバンクにも入らせていただいています。結婚したことで、レースへの影響は全くないと思います。
山口:選手同士ですから、仕事への理解度や気持ち面で支え合うなど、選手しかわからない部分も共有できるのは良いですね。
元砂:そうですね。自分が落ち込んでいる時やどうしたら良いかわからない時にアドバイスをくれるのは、やっぱりありがたいです。彼も長く競輪界にいるので、私では考え付かないような、良いアドバイスをくれます。選手だからこそわかる部分を共有できるのはありがたいです。
山口:それは素敵ですね。お二人とも益々ご活躍が期待されます。では最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
元砂:地元で初優勝ができてとても嬉しかったです。今後は、一度だけじゃなく何度も優勝できるように、またグレードレースも走れるように頑張ります!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター/MC/キャスター/声優。
競輪関係では取手競輪中継司会、松戸競輪リポーターをメインに各競輪場で活動中。
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※写真提供:公益財団法人 JKA