昨年のヤンググランプリ2018優勝から、今年も記念を2度優勝など前半は大活躍の太田竜馬選手(徳島109期)。中でも地元である小松島記念を含めての前半の振り返りと『第62回オールスター競輪』へ向けての意気込みをお伺いしました。
山口:小松島記念、優勝おめでとうございます。
太田:ありがとうございます。
山口:やっぱり特別な思いはありますか?
太田:走るまではいつものように自然体でいられました。優勝したいという気持ちはありましたけどね。走ってみても雰囲気がとても良かったので、地元記念だけど今回は変な緊張もなく、それが良かったのかなと思います。「なるようにしかならない!今年は力をつけたと思うしその結果だ」と思っていたので、結果が出ましたね。
山口:周囲からの期待の声も大きかったと思います。
太田:そうですね。でもそれはいつもある事なので慣れてきました。逆にその期待をプレッシャーに感じず力に変えられていると思います。
山口:決勝は地元3人のラインでしたね。
太田:最近の中四国地区はみんなが「自分たちもやれる、優勝するぞ」という意識が高まっています。それが結果に繋がっていますね。
山口:年始にもインタビューをさせて頂きましたが、その時にも「とても緊張するタイプだったので、それをうまくコントロールして今は自然体で臨めている」というお話をされていました。それは変わらずですか?
太田:そうですね。レースではいつも緊張はするんですが、走る前まではリラックスできています。先ほども言いましたが、「なるようにしかならない。自分は全力投球するだけで結果はあとから」という考えで挑めているのが良いんだと思いますね。
山口:決勝もその"良い自然体"で臨めましたか?
太田:そうですね、全力で走るだけで、結果の事は考えてはいなかったです。
山口:それが完全優勝という結果に繋がったんですね。結果が出た後の気持ちというのはいかがでしたか?
太田:優勝した後は、次の事を考えています。まだまだ終わりではないですしね。
山口:年始のインタビューでも"自然体"というのがひとつキーワードでしたが、それで結果が出ているのはやっぱり合っているんだなと感じました。
太田:そうですね、研ぎ澄まされてきてはいますが、意識は今も変わっていないので、結果が出ているのは合っている証拠だと思います。
山口:次走『第62回オールスター競輪』では今年もオリオン賞レースに選ばれましたね。
太田:昨年に続き選んでもらってとてもありがたいなと思います。昨年は初めてのオリオン賞でしたが、今年は自分も力も付いてきたと思うし、心の持ちようも変わってきています。気負いはせずに臨みたいですね。
山口:他のメンバーを見ていかがですか?
太田:中四国の選手もたくさんいるので、どう走るかはまだわかりませんが、与えられたところで全力で走るだけです。
山口:年始のインタビューでは「選手になったからにはGIの優勝をしたい」というお話がありました。今年ここまでのGIは振り返っていかがでしょうか。
太田:やっぱり難しいですね。なかなか思うように結果も出ていません。でも勝ちにこだわるレースをしても意味がないと思うんです。まだまだ力をつけないといけないですね。
山口:競技規則も一部変更になりましたが仕掛け方などは変わりましたか?
太田:どのレースも「いけるところから仕掛けよう」とは思っています。それが少し早くなっているということはそこのタイミングがベストの仕掛けだったから。自分も躊躇せずに、どのタイミングでも仕掛けられているのは良い事だと思います。
山口:ご自身でも手応えを感じていますか?
太田:そうですね。力も付いてきているんだと思います。弱かったら構えちゃったり、早めのタイミングでは仕掛けられなかったりします。逆に早かったらゴールまでもたない。今は、自分の決めたタイミングで動けてそれで結果が出ているのは、練習の成果だと思います。
山口:中四国の盛り上がりの中心にいらっしゃると思いますが、意識はしますか?
太田:中四国が盛り上がっているのは、自分も含めて相乗効果だと思います。「自分たちも優勝できるんじゃないか、ビッグレースもとれるんじゃないか」という雰囲気を高めていく事で、実際に優勝にも近づくと思いますね。みんなが雰囲気を良くしていこうというのを感じます。
少し前まではGIは遠い存在で優勝するのは夢、ではないですがかなり薄い望みでしたが、今はすぐそこまできている。みんなでそれを近づけている、だんだんステージを全員で上げていって近づけているんだと思います。
直接言葉で交わすことはないですが、多分そう思っている選手は多いんじゃないでしょうか。
山口:他の選手からもそれは感じますか?
太田:そうですね。みんなで上がっていっている感じはとてもあります。
山口:小倉竜二選手(徳島77期)にもインタビューをさせていただいたんですが、太田選手を含め自力選手が頑張っているからというお話をされていました。太田選手から見て先輩の頼もしさは感じますか?
太田:小倉さんはすごいです。上位のレースで一緒に走る機会も多いですがとても信頼していますし、レースでも頼もしいです。
山口:練習も一緒にされているんですか?
太田:はい。みんなが前を見て練習をしています。バンク練習を中心に、特に決まったメンバーという訳ではなく、出てきている選手たちでまとまってやっています。いろんな話もたくさんして、良い雰囲気で、そうなると親密度といいますか、信頼関係も深くなってきていますね。環境はとても良いです。
山口:今年も後半戦に入っていきますが、ビッグレースや賞金争いも含めていかがでしょうか?
太田:現状だと勝ちにこだわって勝てる訳ではないので、そのあたりはあまり意識はしていません。今まで通り全力で一走一走臨み、後はどうなるかという感じです。
山口:オールスター競輪が行われる名古屋競輪場は印象はいかがですか?
太田:まだ確か一度しか走っていないので、あまり気にしていませんでした。でも悪いイメージはないので大丈夫だと思います。いつも通り走るだけですね。
山口:オールスター競輪は、途中でレースを走らない日もありますが、その辺りの過ごし方はいかがでしょうか?
太田:特に気になりませんね。昨年も経験をしましたし、レースを見て先輩の自転車をとったりなど普段とかわらず、ただ走らないだけで過ごし方は一緒でした。今年もそうなると思います。
山口:最後にオッズパーク会員の方へオールスター競輪へ向けて意気込みをお願いします。
太田:オールスター競輪は今年残されたGIの中で、賞金も含め大きいレースです。結果にこだわりはしないと言いつつも、普段以上には結果は欲しいのでしっかり力を出し切って、次に繋がるようにしていきたいです。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター/MC/キャスター/声優。
競輪関係では取手競輪中継司会、松戸競輪リポーターをメインに各競輪場で活動中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社