昨年に引き続き2回目のオッズパーク杯ガールズグランプリ出場を決めた梅川風子選手(東京112期)。直前に行われた競輪祭でのグランプリトライアルレースでは2連覇をするなど好成績を残しています。
1年の振り返りと、今年のガールズグランプリへ臨む意気込みをお伺いしました。
山口:ガールズグランプリ出場決定、おめでとうございます。
梅川:ありがとうございます。
山口:今年1年を振り返っていかがでしたか?
梅川:大きな怪我なく1年通して走れたのが良かったです。安定していました。
山口:直前のグランプリトライアルレースでは連覇されました、おめでとうございます。
梅川:ありがとうございます。結果として連覇できたことは良かったですが、その前の2か月間はかなり苦しいレースが続いており、状態があまり良くなかったんです。なので、結果は良かったですが、状態は良くなかったですね。
山口:「苦しいレース」というのは具体的にはどういうことですか?
梅川:2か月ほど、毎週のようにレースを走っておりそれが7開催続きました。体調的にそれが一番きつかったですね。なので、トライアルレースの結果は良かったですが、結構きつかったです。
山口:連戦の中でも、怪我もなく大きく崩れることもなく走りきれたのは良かったですね。
梅川:そうですね。そこはこの1年の中でもピークだったと思うので、悪い状態を乗り切れたのは良かったと思います。
山口:賞金ランキングでも上位にいらっしゃいましたが、いかがでした?
梅川:苦しかった2か月の間くらいに意識し始めました。それまでは全く気にしていなかったんですが、その時に「そろそろ年末も近付いてきたな」と意識し、気も引き締まりました。
成績も落とせないなということと、それよりももっと先を見据えて走りたいなという気持ちの両方があり葛藤していましたね。
山口:先を見据えて、というのがガールズグランプリだったんですか?
梅川:いえ、グランプリがゴールではなくまだまだ通過点と言う気持ちでした。もっと先を見てレースをしたいという気持ちと、もちろんグランプリには出場したい気持ちもあったので、せめぎあいでしたね。
山口:先の目標というのは伺ってもいいですか?
梅川:具体的にどうこうというのは決めていないんですが、グランプリに出場、または優勝という部分をゴールにするとそこで成長が止まってしまうと思います。なので、もっと先があると考えて走ろうと思ってゴールを作らないようにしています。
山口:ガールズグランプリは昨年が初出場でしたが、いかがでしたか?
梅川:ただ走っているだけになってしまいました。何もできなかったので私自身の記憶にも残らないレースでした。
山口:今年は地元東京での開催でしたが、その辺りは意識していましたか?
梅川:もちろん地元開催というのは理解していましたが、そこまで特別に意識することはなく自然体で1年間レースは走れていました。地元のお客様の方がきっと盛り上がってくれているんだと思います。
山口:立川競輪場はデビュー後に一度走っただけですよね?
梅川:そうですね、2年前デビュー直後に走っただけです。ただ時々練習でも入らせてもらいます。
山口:バンクの感触はいかがでした?
梅川:やっぱり重いなと感じました。後は直線も長いですが、短い直線よりはチャンスがあると思うのでそこは気にならないです。
山口:今年、戦法をいろいろ変えているように感じたんですが、その辺りはいかがでしょう。
梅川:デビューから1年間は徹底して自力にこだわっていたんですが、2年目3年目に入って、そろそろ考えて走ろうと思っていました。なので、たくさんの戦法を試せたのは良い1年だったと思います。
山口:自力でのレース、位置を取ってのレースと様々ですが、どのような戦法が得意というのは見つかったんでしょうか?
梅川:今は、それは全くないですね。状況に応じて走っています。逆にデビューする前の方が、得意不得意がはっきりしていました。デビュー後は「お客様のお金がかかっている」と言うのを強く意識したので勝つことを一番に考えています。
もちろん魅せるレースも大切と思いますが、それ以上に勝つことの大切さを身に染みて感じたんです。自分の中でも変化がありました。
山口:他のガールズグランプリ出場メンバーの印象はいかがですか?
梅川:皆さん強い選手ばかりですね。優香(小林優香選手・福岡106期)は世界と戦っていた強い選手で少しレベルが違うかなと思いますが、私も彼女の強さに追いつけるように日々努力をしています。レースの展開はその時次第で、優香だけを注目する訳ではなく皆さん強いので、その時に自分がどう力を発揮できるか楽しみです。
山口:自分から仕掛けるタイプの選手も多いですね。
梅川:早く仕掛けるタイプの選手、位置取りの上手い選手とまんべんなくいるので、後は自分がどうするかだと思います。
山口:想定番組では梅川選手が1番車ですが、車番は気にしますか?
梅川:トップ選手が集まるレースなので、内側が有利かなと思います。
山口:ガールズグランプリまではどう練習をしていきますか?
梅川:もう時間もないので、バタバタと焦るようなことはしないです。今年は1年を通して、グランプリに出られなくても年末にピークが来るように練習をしていました。あとは調整するくらいと落ち着いて入れるようにしたいです。
山口:大きいレースへ向けて、ピークを調整するというのは前競技(スケート)の時から引き続き行っているんでしょうか?
梅川:スケートの頃に学んでいた調整方法とは変化していますが、メンタル的な調整は良く似ていると思います。長い目でこの1年を見られたのはスケートをやっていたおかげですね。スケートは2年3年先を見てのトレーニングメニューを組むこともありますが、ガールズケイリンだと長くて1年くらいだと考えてやっています。
山口:お客様の前ではどんな走りをしたいですか?
梅川:地元ということで、普段から応援してくださっている地元ファンの皆さんが来てくれると思います。見せ場も意識するかもしれません。その場でどんな走りをするかは私自身もわからないです。グランプリは、2着3着は意味がないので、とにかく優勝する姿を見せるのが一番かなと思いますので、それを目指す姿を見に来ていただきたいです。
山口:昨年は前夜祭が緊張して苦手かもしれないと話していましたが、一度経験していかがでした?
梅川:(笑)やっぱり苦手でしたが、ファンの方が喜んでくれるので良かったと思います。今年もレースより前夜祭の方がソワソワしてしまいそうです(笑)。
山口:そうですか(笑)。ぜひお客様からパワーをもらってください。
梅川:はい、お客様と関われることもあると思うので、そこは楽しみにしています。
山口:それでは最後にオッズパーク会員の方へ、ガールズグランプリへの意気込みをお願いします。
梅川:優勝を目指して走る姿をたくさんの方に見てもらえるようにしっかりと頑張ります。ガールズグランプリ当日は応援よろしくお願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
今年は寛仁親王牌を制覇してグランプリ出場を決めた村上博幸選手(京都86期)。GI・GII・GIII全てのグレードレースを手にした2019年ここまでの振り返りと、4回目のグランプリに向けてのお話、また現在の競輪に対する想いを伺いました。
森松:グランプリ出場おめでとうございます。
村上:ありがとうございます。
森松:今年はGIを獲っての出場、喜びもひとしおですか?
村上:そうですね。まさかGIを獲れると思っていなかったので本当に嬉しいです。
森松:寛仁親王牌の優勝、ご家族の反応はいかがでしたか?
村上:家族は自分が毎日していること、競輪に対する姿勢をずっと見てくれていたので本当に喜んでくれました。子供にはおもちゃを買ってあげました(笑)
森松:それはお子様喜んだでしょうね(笑) 改めて2019年ここまでを振り返っていただきたいのですが、松阪記念完全優勝、奈良記念優勝から始まりました。
村上:振り返ればいいスタートダッシュでしたね。
森松:そして7月のサマーナイトフェスティバルでGII獲得でした。
村上:めちゃくちゃ嬉しかったですね。チャンスがあれば獲りにいこうと、そこに合わせてトレーニングを積んでいました。調子も良かったし、まわってきたチャンスをものにできて良かったです。
森松:開催前から獲れるという自信があったのですか?
村上:GIになると若い選手も強くて、2019年前半戦は脚力的にも流れも自分に向いてないという感覚がありました。その中で後半戦に入るサマーナイトに向けてしっかり合わせようと思って取り組んでいました。
森松:サマーナイトのインタビューで「脚が三角になった」という言葉もありました。村上選手は冷静なイメージがあったので意外でした。
村上:自分でも意外でした(笑)追い込み選手として色んな展開、パターンを想定して走りながら4コーナーを迎えて「これはチャンスや!」というのがあって、「このチャンスを逃したら...」という思いから緊張してしまった。緊張して踏み込みがずれたのは初めてかもしれません。
森松:その後、平安賞の欠場は苦渋の決断でしたか?
村上:自分も含め、京都勢にとって平安賞は特別な想いがあります。自分の場合一年の始まりは平安賞からという気持ちもあります。去年より成長した姿をみてもらうというのが支えになっています。準備もしていたし、去年より成長できているという手ごたえもあったので、出られなかったのは残念でした。
ただそこに合わせてきたのが寛仁親王牌に繋がったのかなとも思います。
森松:その寛仁親王牌で5年ぶりにGI獲得、この年月というのはどう感じていますか?
村上:タイトルは何回も獲れるものではないと思っていて...。年数というより「また獲ることができた!」という気持ちのほうが大きいですね。前のGIのときに「もうこれが最後」と思ったし、サマーナイトのときも「これで最後、やりきった」と思っていました。
森松:初日に義弘選手(村上義弘選手・京都73期)に前をまわしてもらったのも大きかったですか?
村上:そうですね。その時は賞金争いもしていたので気合が入りました。
森松:寛仁親王牌の決勝は緊張はなかったですか?
村上:そのときはこういう風に踏み込んだら進むだろうという頭の整理ができていました。
森松:GIの決勝戦で冷静に走れるというのは年数や経験ですね。
村上:それはあると思います。4コーナーに入るまでにもレースはいろんなことがあります。それを考えながら走っているので4コーナーまでにどれだけ意識を残せるかは重要だと思います。
森松:このクラスになると同じ対戦相手と戦うことも多いと思うのですが、相手によって様々な想定をされるのですか?
村上:そうですね。ただ周りも常に新しいことを考えていく向上心のある選手ばかりで、自分の想定とずらされることもあります。なので深く考えすぎたり、固定概念にとらわれないようにしています。
森松:今年はグランプリメンバーの顔ぶれも変わりましたね。
村上:去年一年走った中で、2019年はいっきに若い選手がくるなという予感がありました。その中で今年のグランプリにベテラン勢がいるのはさすがだと思うし、数少ないチャンスをものにしているナショナルチームは別格だと思います。
森松:村上選手や佐藤選手(佐藤慎太郎選手・福島78期)といった追い込みの選手、そしてスピードタイプの選手、楽しみなメンバーです。
村上:自分や慎太郎選手のようなタイプは少なくなってきていると思います。スピード競輪が主流になっている中で、やはり慎太郎さんはすごいと思います。
森松:競輪からケイリンになりつつある現状はどう感じられていますか?
村上:競輪は息の長いスポーツです。それはスピードだけではなく総合的な面のおかげだと思っています。キャリアが邪魔するところもありますが、スピード以外の面をいかにリカバリーするかを考えながら過ごしています。ラインのおかげで自分がここに立てていると思うので、そこは大事にしていきたいですね。
森松:綿密なスケジュールを立ててトレーニングをされている村上選手ですが今はどう過ごされていますか?
村上:逆算してメニューを組んでいます。難しいところはアドバイスをもらいながらですね。年々自分の体の変化も感じるので同じ調整ではいけないという難しさも感じています。
森松:元々コツコツ続けられる性格だったのですか?
村上:選手になっても最初はそんなことなかったですよ。気分屋なところもありました(笑)A級の時にグランプリを見て「ここを目指さないといけない」と思ってから色々努力していくようになったし、年々緻密になってきた感じですね。
森松:義弘選手とまた一緒にグランプリにという気持ちも?
村上:もちろんあります。今回兄がいない一人での参戦となりますが、思い返せば兄弟でグランプリに出続けることの大きさは感じます。兄弟で出続けるすごみは僕らが一番分かっていると思いますから。
森松:グランプリを獲ったらこうしたいなというのはありますか?
村上:それは全くないですね。今のところ悔いなく調整してしっかり走ることだけ考えています。実際グランプリ終わったら何も考えられなくなるでしょうし、お正月もありますし(笑)
森松:お正月ぐらいはゆっくりとですね(笑)それではオッズパーク会員の方々にメッセージをお願いします。
村上:今年一年自分の中で良い年だったと思える成績、そして練習ができました。グランプリまで悔いなくしっかり取り組んで、当日も悔いなく思いっきり走れるように頑張ります。
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※インタビュー / 森松さやか
大阪府出身。岸和田競輪初心者ガイダンスコーナーアシスタント、競輪キャスターとして活躍中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
3年ぶり2回目のグランプリ出場を決めた中川誠一郎選手。全日本選抜競輪と高松宮記念杯2つのGIを制した2019年の振り返りと、地元熊本への想い、そしてグランプリへの意気込みを人柄あふれる『誠ちゃん節』でお話ししていただきました。
森松:まずはグランプリ出場おめでとうございます。
中川:ありがとうございます。
森松:1回目は2016年、そのときも立川競輪場でしたが印象や思い出はありますか?
中川:嬉しくて、やっと出ることができたなっていう気持ちでいっぱいでしたね。
森松:さて2019年ここまでを振り返っていただきたいのですが、2月の別府でグランプリ出場1番乗りを決めました。あのときのお気持ちはいかがでしたか?
中川:3年前のGIを獲ったときはいろんなもの(熊本地震)のおかげで獲らせてもらった感じでした。知らないうちに決勝に乗って、一発決まったような...。不思議な感じの優勝でした。でも今年はしっかりトレーニングを重ねて掴み取れた優勝だったので実感が違いましたね。
森松:しっかり手ごたえがあったのですね
中川:そうですね。去年の後半から調子が上がってきて記念も何個か獲れていたのでやっと自分の手で掴み取れた!と思いました。もう一回トレーニングしてみようかなと思ってから1年越しのGI制覇だったので、しっかりやってきたのは間違ってなかったなと思いました。
森松:もう一回トレーニングしてみようと思ったきっかけは何かあったのですか?
中川:成績が良くなくて、競輪が面白くなかったんです。でも走らないといけない。そういう姿がかっこ悪いと周りに言われてしまって。自分でも薄々「みっともないレースしてるな」というのは気づいていたので直接言われてショックでしたね。それから競輪人生最後に頑張ろうと気持ちを入れなおしました。年齢のことも考えて悔いが残らないようにと思いました。
森松:そこからこの勢いはすごいですね!早くにグランプリが決まって気持ちに余裕はできましたか?
中川:余裕しかなくてやばかったです(笑)周りが心配していました(笑)
森松:そうなんですね!ただその後も気持ち切れずに高松宮記念杯も制覇されました
中川:いや...実は2か月ぐらい気持ちが切れていたんです。「これはちょっと気持ち入れなおさないといけないな」と思っていたところでチャンス恵まれたというか...。高松宮記念杯は脇本選手のおかげで獲れた感じですね。嬉しい誤算でした。
森松:2つGI制覇して、周りの反応はどうでしたか?
中川:凄かったですけど、驚くというよりは「良かったね」という反応が多かったですね。
森松:オールスター、寛仁親王杯も決勝進出。ジャッカルされた(ラグビー用語)という言葉が印象に残ったのですが(笑)
中川:新聞記者の方が書きやすいように気を遣ってあげたんですよ、僕9着なのに(笑)
森松:そうだったんですね(笑)その後の熊本記念は熊本勢の意地がすごく表れていたように見えました。
中川:地元記念はやっぱり優勝しないといけないぐらいの気持ちで毎年臨んでいるので、そういう気持ちが熊本勢のみんなに伝わって「代表で優勝させてもらった」という感じですね。
森松:あの開催は本当にラインの力を見せてもらった気がします。
中川:ありがたいですね。中本選手(中本匠栄選手・熊本97期)や上田選手(上田尭弥選手・熊本113期)が成長しているのを実感できて本当に嬉しかったです。
森松:やはり熊本競輪場で走るという気持ちも糧になっていますか?
中川:そうですね、それまではしっかり上で戦っておきたいなという気持ちがあるので負けないように維持したいと思っています。
森松:そしてその後、お客様もびっくりされた1レース1番車で始まった競輪祭ですが...
中川:びっくりしましたね(笑)なんか...あの...俺の扱い軽くない?って思いました(笑)
森松:いやいや!きっと話題になるし盛り上がるだろうってことだと思います!
中川:そういう風に良いイメージで思ってもらえてるならいいんですけど...でも年齢制限設けたほうがいいんじゃないかと思います(笑)
森松:まだまだ若いですよ(笑)中川選手はあまり動じないイメージですが、対戦相手や展開で苦手だなーと思うことはあるのですか?
中川:対戦相手というよりは組み合わせですね。競輪祭の1レースみたいな自在が二人、先行屋が一人の細切れ四分線みたいな。前取らされて、きられて、かまされて、一本棒のバック8番手になるっていう展開が見た瞬間に分かる番組だと自分の持ち味がでないので「6割とぶな」って思ってしまいます。調子が良いときはそれでもいけるんですけどね(笑)
森松:(笑)その持ち味、瞬発力やスピードはどう維持されているのですか?
中川:元々タイムトライアルが得意だったのはありますけど、ナショナルチームに入ってしっかりトレーニングしたのもあるし、強い選手と戦ってきたことが経験として積み重なっているのかなと思います。体力や速さは間違いなく若いころのほうがあったと思いますが、そこに技術と経験が積み重なって精度が増してきたなというのはありますね。自分でやれることや得意なことしかどうせ通用しないという、良い意味で開き直ってからのほうが良くなってきた気がします。
森松:楽しく走るという気持ちは今も変わらずありますか?
中川:それはもう根幹というか、絶対中心にありますね。
森松:グランプリの日も近づいてきていますが今はどう過ごされていますか?
中川:競輪祭の調子が悪かったのでやる気が出るのを待ってました(笑)
森松:えっ?ということはまだやる気が出てきてないのですか?
中川:ちょっとずつ出てきてます(笑)気持ちをあげていかないと...でもあがるのかなぁ(笑)
森松:かっこ悪いって言われたらまたショック受けてしまうんじゃないですか?
中川:グランプリ凡走でかっこ悪いって言われたら「もうごめんなさい」としか言えないですよ(笑)ここはみんな強いからしょうがないでしょって...(笑)
森松:たしかに(笑)でも中川選手の一発に期待されている方は多いと思います。立川バンクのイメージはどうですか?
中川:普段は重いですね。ただ2016年のグランプリのときは重さや風は感じなかったです。お客さんがたくさんで風が遮られていたのか、集中していたのか...。
森松:直線の長さは追い込むのに有利ではないですか?
中川:追い込めるぐらいの場所にいられればいいですけど、9番手だとさすがに厳しいですね(笑)前回のグランプリは9番手で届かなかったので、今回はもうちょっと前にいたいですね。
森松:楽しみにしています。では最後にオッズパーク会員の方にグランプリへの意気込みをお願いします。
中川:メインは新田選手(新田祐大選手大・福島90期)や脇本選手(脇本雄太選手・福井94期)のナショナルチームの争いになると思うので、僕が来たら結構配当つくと思うので穴党の方はお願いします(笑)
森松:最高なコメントありがとうございました(笑)
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※インタビュー / 森松さやか
大阪府出身。岸和田競輪初心者ガイダンスコーナーアシスタント、競輪キャスターとして活躍中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
追い込み選手として常にトップクラスで戦い続け、前を走る自力選手から絶大なる信頼を誇る佐藤慎太郎選手(福島78期)。
今年は獲得賞金ランキングで5位になり、13年ぶりのグランプリ出場を決めました。年末の立川に向けて、今の思いとは。
グランプリへの意気込みを伺いました。
大津:グランプリ出場おめでとうございます。
佐藤:ありがとうございます。
大津:13年振りのグランプリ出場のお気持ちというのはいかがですか?
佐藤:13年振りなので初出場のようなものですよね。
その間グランプリが見えないとか、タイトルが見えないという時期もありましたし、若い時とは身体が変わってきている部分もあるので、今年は頑張ったなっていう部分もありました。
大津:身体が変わっていく中で、どのようにご自身の中で対応されてきたんですか?
佐藤:練習を思いっきり変えたのが3年くらい前ですかね。
今までは高い位置で走ってきたので、その練習を変えきれなかったんですが、もういいやと思って全部変えたのが良い方向に繋がったと思います。
大津:2019年は年間通して常に好成績を収めてきましたが、ご自身で振り返っていただけますか?
佐藤:レースに臨む姿勢であったり、脚の仕上がりは高い位置で維持を出来たりしていましたが、前を走る選手が頑張ってくれたのも大きかったですね。
大津:前を走る選手といえばオールスターの決勝戦がファンの方は強く印象に残っているかと思います。
佐藤:あのレースはグランプリ出場を確実に出来たレースだったので、今年の中で一つのターニングポイントでした。
大津:佐藤選手のレースへの姿勢というのが自力選手を大きく刺激している部分もあるのではないですか?
佐藤:仰る通りで、後ろの選手がどういう気持ちでレースに臨んでいるか、どういう仕上がりで来ているかっていうのは、前を走る選手のモチベーションに繋がると思うので、ラインの総合力を上げるという意味で重要なポジションだと考えています。
大津:自力全盛の時代の中で、これだけの結果を残すことは容易なことではないのではないですか?
佐藤:自力選手が強いので自力選手と同じくらい脚がないとダメですし、加えて番手だったり3番手を走るテクニックも必要になってきますよね。
自分で言うのも変ですが、もう若くないので肉体的にも衰えている中で頑張れている気はしています。
身体を壊すことなく自分の身体を自分で理解出来てきたってのも大きいですね。
大津:先ほど自力選手の頑張りというお話がありましたが、全日本選抜の決勝戦など厳しい展開の中でも自ら活路を見出してきていたかと思うのですが。
佐藤:今年のレースは優勝出来る展開なのに2着になってしまったというよりも、2着まで入れそうにない展開の中で2着に入るというレースが多かったです。
これだけ練習しているのだから、レースも妥協できないんですよね。
練習がいい加減だと、今回はこんなもんだなという気持ちがどこかに出てしまうので。
大津:今年はどの辺りからグランプリへの意識はあったのですか?
佐藤:全日本選抜で二着に入ったときからですね。
大津:改めてグランプリ出場が決まった時の心境というのはいかがだったのでしょうか?
佐藤:正直「グランプリ決まった!よっしゃー!」という気持ちはなく、前を走るのが新田(新田祐大選手・福島88期)なので別のプレッシャーが出てきましたね。
大津:新田選手の後ろというのは、どのようなポジションなのでしょうか?
佐藤:頼もしい反面、恐ろしいですよね。
正直な気持ちでいうと連携するのが恐い、恐怖です。
楽しみとか、新田が前を走るから自分が優勝出来るチャンスがあるという気持ちではないです。
大津:ただ、その中でもきっちりと新田選手にマークをしているという印象があるのですが。
佐藤:新田に付いていける可能性は50パーセントですね。
新田は外国人クラスというよりも宇宙人クラスですから(笑)
ただ、3年前から新田に付いていくっていうのをテーマにして練習をしているので、だいぶ確率は上がってきましたね。
新田の性格上、グランプリは確実に獲りにいくと思うので、それを交わせば僕が優勝で賞金王なので、余計なことを考えずに付いていきます。
大津:競輪祭では落車のアクシデントがありましたが、いまの状態面について教えてください。
佐藤:今は怪我も回復して、予定通りの練習が出来ています。
大津:グランプリのメンバーが出揃っての印象はいかがでしょうか?
佐藤:乗るべくして乗ったメンバーって感じじゃないですか。
松浦なんかまさに乗るべくしてって感じですし、今の競輪界を牽引している選手が乗ってきたって印象です。
その中で一世代前の僕が交ざって走らせてもらってるって感じです(笑)
大津:清水選手(清水裕友選手・山口105期)もグランプリに出場となりました。
清水選手が小学生時代から佐藤選手のファンだったというのは覚えてますか?
佐藤:もちろん覚えています。
サインも何回もしていますし、防府に行ったときには会いに来たりしてくれていましたよね。
大津:その清水選手が「佐藤選手といつかグランプリで走りたいです。」というファンレターを送ったんですよね?
佐藤:それも覚えています。
その頃(約15年前)僕は絶頂期だったので、裕友とグランプリで走るのが何年先になるんだろう、その頃の自分はどうなってるんだろうと考えてましたけど、そんな風に思ってくれる選手がいるっていうのは、約束を守るためにオレもまだまだ頑張らなきゃいけないなっていう気持ちにさせてくれました。
大津:本当に競輪はドラマがありますね。
佐藤:すごいことですよね。
僕もそうですけど、裕友がそれを目標としてやってきて、それを叶えた裕友のほうがすごいですよ。
自分でそういう風に言って、その場に立つわけだから。
あの頃の佐藤慎太郎とは僕も違うので、裕友に「慎太郎さん大したことないですね(笑)」ってならないようにしないといけないですね。
大津:いよいよグランプリが近づいてまいりました。
佐藤:これは冗談も交じってますが、今年グランプリ獲って来年はグランプリ王者のユニフォームを着て、あとはマスコミのどこかに入ろうかなって思ってるんですよ。
年間3千万円くらいもらえたら良いので(笑)ないですかね、そんな会社は(笑)
大津:佐藤慎太郎節がここで炸裂いたしました。
では、最後にグランプリに向けての意気込みをお願い致します。
佐藤:勝ちがどうというよりも追い込み屋として責任をまずはしっかりやりたいです。
勝ち負けより新田に付いていく、そこですかね。「新田とは一心同体」ということだけです。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
7年連続出場、通算10回目、節目のグランプリ出場を決めた平原康多選手(埼玉87期)。GPメンバーも新旧移り変わる中でメンバー最多出場となります。今年こそファンの皆様に応える悲願の優勝ゴールとなるのか。一年間、色々と試行錯誤して見えたもの、 そしてグランプリに向けての意気込みを伺いました。
星野:今年ここまで一年を振り返ってはいかがですか?
平原:競輪のルールも変わったしレベルも上がっているのでトレーニングは大きく変えていませんが、フレームを追求した一年でした。
星野:寛仁親王牌では規格外のフレームを投入されていましたね。
平原:自分の中では強くなるためにと考えて使ったフレームだったんですが、結果 行き過ぎたかなという印象でした。レースで試して勝負しないと分からないことなので、良い経験にはなったと思います。
星野:フレームを大幅に変えてみようと思ったきっかけはなんだったんですか?
平原:脚力を上げるのは時間がかかりますが、乗り物を扱うスポーツなのでフレームを試すことはできる。4倍を使って大ギア時代を作った、山崎(芳仁選手・福島88期)さんのようなイメージですね。人より新しいところに目をつけたい、その第一任者になりたいという思いからあのフレームは使うことにしました。
星野:フレームの他にも、 体を絞ったりということもされていましたね。
平原:それは今年と言うか、昨年末ぐらいをピークに行っていたんですが、今年に入ってからは逆にストレスになると思ってやめました。 今はラーメンとかファーストフードとかも食べるんですが、食べる順番や食事を取る時間を考えて、ベストな体重を維持できることだけを考えてやっています。
星野:食べる順番というのは?
平原:はじめに野菜を食べるのがいいですね。無理なら青汁とかを代用できます。その後にタンパク質、そして糖質の順番でとったら太りづらい体質になりますよ。 実際、半年で筋力を落とさずに7キロ痩せたのをキープしています。
星野:これは女性には必見の情報ですね。
平原:食べ過ぎは良くないですが、 この順番ですと太りにくい体質になるので、是非試してみてください(笑) 。
星野:色々試した中で今後に繋がるようなことはありましたか?
平原:そうですね、失敗もあるけど成功したこともあります。例えば8月9月に使っていたフレームは、その季節やスピードにマッチしていることがわかりました。これは来年の夏にも使えるなと思っています。
星野:フレームに「季節」を考えると言うのは初耳です。
平原:ですよね。今まではフレームについてそこまで考えたことがなかったんですが、今年は色々考えた結果、踏める踏めないが、季節やタイムで違うということを初めて発見できたんです。その辺りは今後に繋げて行けるかなと思っています。
星野:来年の夏場が楽しみですね。ただ、GPの季節は冬ですが、その辺りはどう対応されるんですか?
平原:立川グランプリは冬場だし、風も強くなるので、夏と発想を逆にして考えようと思っています。1年間いろいろなフレームを使った結果、自分の中でチョイスしているものがすでにあるので、それを使おうと思ってます。
星野:正にレースもフレームも集大成ですね!!
平原:本当にそんな感じですね。それに、試行錯誤の一年でもGPに出場できたという事も、今は自信になっています。
星野:では、そのGPメンバーをみてはどうですか?
平原:今年一年を象徴するメンバーで、レベルがすごい高い気がします。
星野:その中でメンバー最多出場の10回ですね。
平原:目標の一つにGP出場回数二桁というのがあったので、それが達成できてよかったです。
星野:一回、一回ドラマもあったと思いますが、初出場の時を覚えていますか?
平原:鮮明には覚えていませんが、地響きと歓声がすごくてお客さんとの一体感、一緒に作り上げているエンターテイメントのようでした。
星野:そこから10回目、今、平原選手にとってGPというのはどんなものですか?
平原:グランプリは今まで9回挑戦してきて一度も優勝していません。
特に、昨年のグランプリでは落車もありましたが、そのゴールまでが感動的すぎて、またこうやって出場してお客さんの前で走りたいと強く思いました。そういう意味でも今年は今までで特にグランプリに出たいという気持ちが強かったと思います。
星野:今はGPに向けて取り組んでいらっしゃって、多忙だと思いますが、息抜きなどはどうされてますか?
平原:正直、オフもないですし、優勝してもまた次の日から挑戦者の気持ちになりますし。 辛くなるときもありますね。
でも、練習が嫌いではないので常に息抜きしている状態です。競輪祭が終わるとGPまでは競走も空いてるし、練習しているので完全なオフとは言えませんが、僕にとってはオフのようなものです(笑)
星野:平原選手の常にナチュラルな魅力はここから来ているんですね。練習の日がオフと言うことは、自転車に乗らない日はないんですか?
平原:あまりないですけど、今年は競輪祭が終わってから旅行に行ってきました。年頭に決めていた予定です。ここで、1年間の闘い抜いた精神をリセットして気持ちを入れ直す事が出来たので、今までと違った気持ちで臨めそうです。
星野:節目の大会、楽しみにしています。ではそのGPに向けて皆様にメッセージをお願いします。
平原:昨年は落車して皆様に背中を押してもらったので、今度は優勝してお客さんの前に行けるように頑張りたいと思います。GPでも声援をよろしくお願いします。
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※インタビュー / 星野めぐみ(ほしのめぐみ)
大阪府出身。タレント、アナウンサー、競輪キャスターとして活躍中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社