今年最初のGI『第34回読売新聞社杯全日本選抜競輪』(別府)を優勝した中川誠一郎選手(熊本85期)。
GIの振り返りと今年1年の今後の目標などをお伺いしました。
山口:全日本選抜競輪、優勝おめでとうございます。
中川:ありがとうございます。
山口:少し時間も経ちましたが今のお気持ちは?
中川:全日本選抜が終わってから、ほっとした部分とその後バタバタと忙しかった事もあって体調を崩してしまいました。やっと今(3月上旬)落ち着いてきましたね。
山口:今年初のGIでした。入る前はいかがでしたか?
中川:実は別府バンクはすごく苦手だったんです。成績として、良い時がほとんどないイメージ。もちろん地元の九州地区でGIがあるのは凄く嬉しかったんですが、正直「別府かぁ......」と思っていました(苦笑)季節的に僕は冬が苦手ですし、別府の冬の風はとても強いので。
でもせっかく九州地区であるからには良い成績を残したいですから、準備だけは万全にしていきました。自分の中では体調や調整などは、ほぼ完璧に近い形で入れましたね。
山口:初日は、清水裕友選手(山口105期)の番手でした。戦法を追い込みに変えると宣言してからはいかがですか?
中川:目標がいる時は番手戦で行きたいとは思っています。地区として九州であったり西で先行選手がいる時は流れには逆らわずまとまってやりたいですね。
山口:準決勝はかましのような形で、早い仕掛けでしたね。
中川:その日はバンクのコンディションも凄く良かったんです。風もなく暖かかった。これなら早めに仕掛けてもゴールまでもつかなと思って早めに仕掛けました。
その時のメンバーを見て、もしスタートで前を取る選手がおらず僕が押し出されるように前を取る展開になれば、一度みんなが動いた後にたたききったら決まると思っていました。
想定の中の一つにはあったので、良いタイミングで仕掛けられたと思います。
最近GIの決勝には乗っていなかったので、出切った後に「決勝には絶対に乗りたい」という欲が出てきてしまって4コーナーからはぺダリングなどがぎこちなかったと思うんですが、何とか押し切れました。
山口:決勝は先行一車のような形でしたね。
中川:単騎の選手も自分を含めて自力があったので、展開は読みにくかったですね。ただスタートして周回中には各選手、何となく仕掛ける雰囲気が伝わってくる時があるんです。絶対ではないんですが、7、8割は当たる直感みたいなものですかね。
吉澤くん(純平選手・茨城101期)が先行だろうし吉田くん(敏洋選手・愛知85期)も仕掛けずに展開を待つ選手ではないのでレースは動かしてくるだろうと思っていました。
もう少し吉澤くんが勢いよく仕掛けると思っていたので4番手の位置を取りに行ったんですが、スピードが遅かったので僕は外で併走になってしまって。
あれで下げたら9番手だし優勝はなくなると思い、見せ場だけでも作ろうと思って仕掛けました。決勝には九州から一人だけだったので、見せ場なく終わるのだけは嫌だったんです。もし駄目だったとしてもレースは盛り上がりますからね。ただ、かました時点で優勝は正直ないと思いました。
山口:前に出切ってからはいかがでしたか?
中川:準決勝ではかまし気味の早めの仕掛けだったので、脚は準決勝の時よりスムーズに回っていました。
なので意外と落ち着いて3コーナーまではいけて、後は僕の余力と後ろからのスピードだなと。
4コーナー回っても誰も来なかったので「もしかしたら逃げ切れるかも」とそこからは必至で踏みなおしました。
その後はきつかったのでゴール前は周り見えなかったです。
山口:実感はどのあたりで?
中川:ゴールした瞬間に、僕の横に慎太郎さん(佐藤慎太郎選手・福島78期)が通り過ぎたので、抜かれたと思いました。
その後バンクを回っている時にスローを大型ビジョンで見て優勝なんだと確信しましたね。なのでそこからガッツポーズを5回くらい、慌ててしました(笑)
山口:地元地区の選手からの祝福はいかがでした?
中川:自分自身、久しぶりのGI優勝だったので感慨深かったです。皆さん笑顔で迎えてくれました。
山口:最初のタイトルの時(2016年静岡・第70回日本選手権競輪)とは違いましたか?
中川:最初の時はまさか優勝できるとは思わなかったので「優勝しちゃった」という驚きの方が大きく、敢闘門に戻ってきたら九州の選手たちがたくさん泣いて迎えてくれたので、僕は逆に泣けなかったんです。
あの時は、熊本地震の直後で後押しというか神風のような雰囲気を感じたので、うまく流れにのって取らせてもらったんだなと感じていました。
その後あまり良くない時期も続き、自分としても立て直してからの優勝だったので、今回はぐっとくるものもありましたし、力で勝ち取れたと感じる部分もありました。
山口:先ほどのお話で出た、レースを冷静に分析して走れた上での優勝ですもんね。
中川:そうですね。後、去年から定期的にトレーニングを積み重ねていたので、自分の中でも「間違っていなかったんだ」とほっとしました。
山口:熊本競輪も再開が決まって、今回の全日本選抜競輪でも何度も放送で流れていました。中川選手の思いはいかがですか?
中川:再開の日程は後ろにずれていってはいるんですが、再開するというのは決定しているので、それに向けて自分も頑張っていざ再開となった時には上の位置にはいたいです。
競輪場にいらっしゃるお客さんや関係者の方も、実際のレースをここ熊本競輪場で見たいと言っている方が多いので、そこで走るまでは頑張りたいです。
山口:地元選手の活躍が何より嬉しいとお客様は思っていますよね。
そしてこの優勝によりKEIRINグランプリ2019が一番乗り(暫定)となりました。今年はこの後どういう風に走っていきますか?
中川:あまり変わらないですね。「楽しく走る」というのが最近のテーマなんです。
GIをもう1回優勝しようと気負うのも、トレーニングの時には思う事もありますが、それよりも自然体で、自分がレースを楽しめるようにしたいと思って走っています。
山口:一戦一戦、自分の思うように走れるように、という感じなんですね。
中川:そうですね。ただ思うように走るには、やっぱりある程度の脚力は必要ですし、思い通りにレースが進まないと楽しめないので、楽しむためにトレーニングも頑張るという感じです。
山口:ありがとうございます。では最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
中川:今回地元地区でしっかり優勝出来たので、熊本再開までは九州を引っ張っていける立場にいたいです。それまで応援してください。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター/MC/キャスター/声優。
競輪関係では取手競輪中継司会、松戸競輪リポーターをメインに各競輪場で活動中。
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※写真提供:公益財団法人 JKA2018年は賞金ランキング10位で終え、2019年こそはKEIRINグランプリへの出場を狙う原田研太朗選手(徳島98期)。昨年と近況の振り返りと、3月のGIIウィナーズカップ(大垣)への意気込みを伺いました。
山口:近況を振り返っていただきたいです。直近の静岡記念では2日目は先行でしたね。
原田:流れが来たので仕掛ける形でしたね。
山口:近況は積極的に仕掛けるレースも増えているように感じますが、ご自身では意識されていますか?
原田:だんだん調子も上がって手応えも感じているので、踏む距離を長くしようとは思っています。昨年12月から徐々に上がってきていると思うので、その途中ですね。いつもだと「もう少しレースを見てから仕掛けよう」という所で行けているので悪くないと思います。
山口:なるほど。それは調子が上がってきているんですね。
原田:先行する回数も多くなっていますし、周りからも「積極的になってきて良いね」と言ってもらう事も多くなりました。
山口:昨年の振り返りもお願いします。賞金ランキング10位でした。
原田:自分では出来すぎと思った反面、あの位置までいったらグランプリへ行きたかったとも思いました。
山口:昨年は競輪祭で順位ががらっと変わりましたもんね。競輪祭に入る前は意識されていましたか?
原田:そうですね。チャンスのある順位にいたので、もちろん意識はしていました。最後の賞金争いだったので悔いなく出し切って終わりたいなと思っていました。
山口:一昨年、その前も20位以内にいらっしゃいましたが、ぎりぎりの争いはプレッシャーなど違いましたか?
原田:もちろん優勝したらグランプリ確定ですが、そうではなく賞金争いでの出場権でした。競輪祭でそういう争いをするのは今までなかったのでプレッシャーも感じていたし緊張もしていたと思います。
山口:その中でのパフォーマンスは振り返っていかがでしょう。
原田:やはり緊張やプレッシャーがあったためか、硬かったように思います。振り返ってみてそう感じますね。というのも、競輪祭が終わってから調子が戻ったというか成績も安定しだしたんです(苦笑)知らず知らずのうちに、プレッシャーを感じていたんだなと思いました。
山口:今年はどういう1年にしたいですか?
原田:去年の経験を活かせる1年にしたいですね。タイトルを目指すのも大切ですし、去年のように賞金面でも上位と争っていきたいです。そのためには少しでも多く走ってしっかり良い成績を残していきたいですね。
山口:GIなどに臨む時は調整はどのあたりからされますか?
原田:日程は毎年決まっているので、それに合わせて練習もしています。周囲の選手たちもそうしていると思いますね。
山口:この後GIIウィナーズカップもありますが、大垣競輪場のイメージはいかがですか?
原田:走りやすいイメージですね。苦手意識もないので大丈夫だと思います。
山口:今、四国地区は強い選手もたくさんいらっしゃり盛り上がっていますが、どう感じていますか?
原田:すごい盛り上がっています。昨年太田(竜馬選手・徳島109期)がヤンググランプリ2018を優勝しましたけど、凄いですよね。人気も背負っていたし、その中でしっかり結果を出すのは強いと思いました。見ている僕の方が緊張するようなレースでしたね(笑)
山口:そうでしたか(笑)私も優勝後にこの『競輪選手インタビュー』の中でお話を伺ってるんですが、太田選手ご自身は変わらず飄々とされていますもんね。
原田:彼も優勝したことで、一つの殻を破ったんだと思います。今年は注目される存在ですからね。
山口:練習も皆さん一緒にするんですか?
原田:そうですね。若手も含めバンクの練習を基本的にはやっています。その時には一緒に練習をしますね。
山口:環境も充実されているんですね。
原田:はい、前からすごく環境が良かったんですが、多くの選手が結果を残している事によって、練習自体の雰囲気やモチベーションが更に良くなっていると思います。
とても活気がありますし、毎日が刺激だらけなので(笑)その刺激がレースにも反映されているんだと感じますね。今年はそういう機会が多くなってくる気がします。
山口:今後タイトルを目指す中で、原田選手が気を付けていきたい所はどこですか?
原田:お客さんとかも見ていてわかると思うんですが、レースがたんぱく過ぎる事ですね。それを直していかないとタイトルは難しいと感じています。
山口:そういう意味では、今の積極的なレースが出来る現状はプラスの部分ですね。
原田:そうですね。早めにレースを作っていけるという事は自分にも自信があるという事だと思うので、感じは良いですね。
一緒のラインを組んだ後ろの選手にも「自分たちもそっちの方がありがたいし、前々に行ってくれるとラインを大切に走ってくれているのが感じられる」と言われます。
山口:今年は記念の勝ち上がりが変わりましたが、走っていていかがですか?
原田:自分は今年に入って、記念は予選からスタートなんですが厳しい戦いになりますね。今まで特選を走っていた分緊張します。ただ予選からの方が自分は好きかもしれません。
初日特選だと気持ちの面で、引き締めていてもどこかに余裕が生れてしまいますが、予選だと初日から勝ち上がりを意識するので緊張感があります。
山口:では初日にしっかり勝ち切って、後の勝ち上がりへも繋げていくというのは原田選手に合っているんですね。
原田:そうだと思います。後はその方が自分の脚の感じも把握できる気がします。
山口:二次予選もAとBでは大きく違いますもんね。
原田:そうですね。ただ走っていて僕が感じるのは、5着権利(6着1人)ですが二次予選Aの方が厳しい気がします。
というのも、予選を良い成績で勝ってきた選手たちと対戦するので。準決勝に勝ち上がるのも5着権利(6着1人)とはいえ激戦です。
ただそこを意識しすぎても良くないので、自分が後半のレースだったら前のレースの着順の選手をチェックする、くらいですね。
山口:GIIウィナーズカップへ向けて意気込みはいかがでしょう。
原田:ウィナーズカップはまだ新しい大会なんですが、昨年までの2年間は四国地区での開催でした(2017年・高松、2018年・松山)。自分は2年連続で決勝を走らせてもらって凄く縁のある大会だと思っています。
今年初めて大垣での開催なので雰囲気はもちろん違うとは思うんですが、思い入れのある大会なので頑張りたいですね。
山口:そこで良い結果を出したいですね。
原田:今が充実している分、四国地区全体で結果を求められていると思うので、みんなで勝ち上がってしっかり結果を残したいですね。
山口:それでは最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
原田:これからも1着を多くとってファンの皆様へ貢献したいと思います。これからも原田研太朗をよろしくお願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター/MC/キャスター/声優。
競輪関係では取手競輪中継司会、松戸競輪リポーターをメインに各競輪場で活動中。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
KEIRINグランプリ2018を優勝した三谷竜生選手(奈良101期)。昨年はGI連覇をし、近畿地区をけん引した中心選手でした。
グランプリを中心とした昨年の振り返りと今年の抱負などを伺いました。
山口:KEIRINグランプリ2018、優勝おめでとうございます。
三谷:ありがとうございます。
山口:今年一走、和歌山記念を走られましたが、どういう気持ちで臨まれましたか?
三谷:自分の中ではそんなに変わった所はないんですが、やっぱり周りからの期待であったり責任感がある位置(グランプリ優勝の証である1番車)なんだなと思いました。
山口:地元近畿地区からのスタートでしたね。
三谷:それはあまり関係ないですね。どこから今年スタートしてもしっかり走ろうとは思っていました。
山口:KEIRINグランプリ2018も振り返らせてください。近畿は4人でしたが並びはどのように決まったんですか?
三谷:もともとじっくり話などはしていませんでしたが、直前に「どうしたい?」と聞かれたので「良ければ脇本の番手にいきたいです」という話をしました。
お二人(村上義弘選手、博幸選手)は「今年、三谷と脇本が1年頑張ってきたのは事実で、自分たちはそれを無視することは出来ない」と言ってくれて近畿は結束することになりました。
山口:それを言われた時はいかがでした?
三谷:しっかりやってきた事は間違っていなかったんだなと思いましたし、認めてもらったようで嬉しかったです。
山口:並びが出た時にもチャンスのある位置だったと思いますが、本番へはどう臨まれましたか?
三谷:任された位置で自分の仕事をしっかりしてから、その後しっかり優勝出来るように走ろうと思いました。
山口:ゴール前は後ろからも他の選手も来ていましたが、いかがでした?
三谷:4コーナーをあの位置で回ってきたら優勝しなければいけないと思いましたし、後ろから来ているのもわかっていたので前に踏ませてもらいました。
山口:脇本選手の番手という事で、位置を狙われるかもしれないという想定はありましたか?
三谷:そういう事もあるとは思っていましたけど、それはレースの流れなのでしっかりしのいで自分の仕事を、という気持ちでしたね。
山口:今後も自力、番手とレースやメンバーに応じて位置は変動していくんでしょうか?
三谷:そうですね。番手を回る機会もありますが、どの位置でも自分の役割ややる事をやってから、だと思います。どの位置であっても自分は気持ちとしては変わらないですね。
自分ではまだ自力選手だと思ってますし、前で走りたいとは思っています。でも後輩や年下の選手もたくさんいるので、彼らと連携する時は任せていかなければいけない時もあります。
でもそれは後輩たちの気持ちを聞いてから話し合って決めると思います。
山口:昨年は日本選手権競輪の連覇、そして岸和田の高松宮記念杯競輪と2冠を達成されました。振り返っていかがでしたか?
三谷:ダービーの連覇は、期待されていた中でしっかり優勝出来たのが良かったと思います。期待されたからこそ強くなれた部分もあったと思いますし。
高松宮記念杯はもともと地元だった大津びわこ競輪場でやっていた大会だったので、僕の中では「競輪=高松宮記念杯」というイメージが子供の頃からありました。なので小さい頃から憧れていて最も欲しいタイトルと言っても良いくらいだったので、自分が優勝出来て嬉しかったです。
山口:どちらも脇本選手の番手からの優勝でしたが、連携していかがでしたか?
三谷:実際すごく強いですし、僕が何かアドバイスをする必要はないですね。信頼してついていきますし頼もしいですね。
山口:脇本選手は今年初タイトルでしたが、それは側でご覧になっていていかがでした?
三谷:あの強さがあればタイトルはとれるだろうなとは思っていました。特に寛仁親王牌の時はとびぬけて強いなと思いましたね。
山口:頼もしい存在であるとともに、刺激も受ける選手ですか?
三谷:そうですね。刺激も受けますね。脇本をずっと見てきた中で、昨年1年は本当に成長していった年でした。僕も負けてはいられないなと思いましたね。
山口:先日村上義弘選手にもインタビューさせていただいたんですが、村上選手も「三谷と脇本には負けていられない」と仰っていましたよ。
三谷:村上さんともいつも一緒に走っているので、身近にいるというのは本当に大きい存在です。
現状なんかもわかってくれているし、背中を見せてもらっているからこそ僕らもまだ成長出来るかなと思います。
山口:和歌山記念の後はレースが空きましたが、練習は計画通りに出来ましたか?
三谷:そうですね。しっかり計画を立てて出来たと思います。支部の石垣島合宿にもしっかり参加して追い込めました。暖かくて良い環境の中で練習が出来ました。景色も綺麗ですしね(笑)
山口:良い環境ですね!KEIRINグランプリ2018の優勝報告会は奈良競輪場で行われました。その時はいかがでした?
三谷:お客さんも結構来ていただいていましたし、頑張れよと声を掛けてもらいました。関係者の方にも、しっかり連覇目指して頑張って欲しいと激励を受けましたね。
その期待に応えられるように頑張りたいです。
山口:今年はどんな走りを見せていきたいですか?
三谷:今まで通り変わらず、しっかり走りきるだけです。やる事は変わらず積み重ねていくだけですね。自分の出来る事は変わらないんで。しっかりそれをやって良い結果に繋がるようにしたいです。
山口:では最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
三谷:これからも、しっかり積極的に走って優勝を目指します!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター/MC/キャスター/声優。
競輪関係では取手競輪中継司会、松戸競輪リポーターをメインに各競輪場で活動中。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
デビュー以来2回の優勝をしている佐藤亜貴子選手(神奈川108期)。アキレス腱断裂という大怪我から復帰後は苦戦が続いていると言います。
近況とレースのお話、そして昨年12月23日に放送された競輪特番『オトナノレジャー~チャベリバ~』の収録についてお伺いしました。
山口:昨年振り返っていかがでしたか?
佐藤:なかなか苦戦した1年でした。いろいろ試行錯誤はしたんですが、成績もあまり伸びなかったので、今年は初心に返って乗り込みを重視してやっています。
山口:昨年は練習など変えた部分があったんですか?
佐藤:低酸素トレーニングを取り入れたりしたんですが、うまくレースや成績に繋げられずに噛み合わなかったです。
山口:体のトレーニングというよりは、自転車に乗る方を重視していくんですね。
佐藤:そうですね。どうしても固定の自転車と動く自転車ではやっぱり違うと改めて感じたので、その不安定な自転車をどう乗りこなせるかというのが私には大切だと感じました。
なので、今年に入ってからは自転車を乗るようにしています。
山口:戦法としてはいかがですか?
佐藤:気持ちとしては自分から動いてレースを組み立てていきたいんですが、動いても着に残れていないのが現状です。3日間のうち最低でも1回は動いていくというのは忘れずにしていこうと思っています。
後は連に絡むという事と、決勝に乗る事を目標にしていますね。最近は決勝に乗れないので、何とか予選をクリアしたいです。
山口:デビューしてからどんどん後輩期も入ってきました。変化は感じますか?
佐藤:先輩期たちもレースをどんどん走っていて毎年の変化には対応されていると思いますし、後輩期の子たちは動ける選手が多いので私がすんなりと仕掛けさせてもらえるレースは少なくなっていると思いますね。
山口:レースで動くというお話もありましたが、それは先行でも捲りでもですか?
佐藤:そうですね。バックを取って良い着を取るというのが理想なので、先行でもですし、捲りだと早めに仕掛けるというイメージです。
山口:近況でも最終日は捲って1着もありますが、変えたトレーニングがレースに活かされている感じはありますか?
佐藤:うーん、まだそこまでは。初日が押さえ先行、2日目がかまし先行でどちらも着に残れていないので、まだしっくりきてはいないですね。でも動こうという気持ちはしっかり出せているかなと思います。
その辺りは焦らずに徐々に結果に結びつけば良いかなと。後はしっかり練習するだけです。
山口:冬の間の練習はどのような感じですか?
佐藤:平塚なので特に夏と変わりなくバンクで練習が出来ますね。後は街道練習も行きます。
山口:今年はどんな走りをしたいですか?
佐藤:諦めずに自力で頑張りたいです。今は競走得点が50点を割っているので(インタビュー時で48点台)、自力の走りで戻していきたいですね。
一昨年に怪我をして(アキレス腱断裂)、そこからはなかなかしっかりと立て直せておらず、理由もはっきりとわからないんです。怪我自体はもう治っていますし、自転車に乗るのも全く影響はないんですが、どこか体のバランスがおかしいんでしょうね。
確かに入院していた時は寝たきりが何か月も続いたので。
いろんな選手に伺って対処法を教えて頂きながらやっていますが、なかなか苦戦をしています。まず体を整えていくのからやらないといけないですね。
山口:日々のトレーニングとケアが重要ですね。
佐藤:最近は冬季移動で神奈川(小田原)にいらっしゃっている高橋陽介選手(青森89期)にいろいろ教えてもらっています。高橋選手は本当に詳しくてヒントを頂ける機会は貴重ですね。
山口:高橋選手は、自力でも番手でも戦っていらっしゃいますもんね。
佐藤:そうですね。後は体の使い方や動かし方などとても勉強されていて詳しいんですよ。師匠(柴田健選手・71期)と二人で高橋選手の講義を受けています(笑)。
山口:柴田選手も一緒に行かれているんですね(笑)!
佐藤:師匠も私の不調の原因を一緒に探ってくださっているんです。結構悩んでくれているので、どうしたらいいんだろうと聞きに行きました。
山口:それは佐藤選手としても心強いですよね。
佐藤:そうですね。本当にいろいろ心配をお掛けしているので結果を出して恩返しをしたいですね。
山口:話は変わるんですが、昨年12月23日に放送された競輪特番『オトナノレジャー~チャベリバ~』の収録についても聞かせてください。
佐藤:静岡競輪場で12月の前半に収録が行われました。トークがメインだったんですが、少しバンクも走りましたね。
山口:雨上がり決死隊の蛍原徹さんなどもいらっしゃったんですよね。実際にお話されていかがでしたか?
佐藤:芸能人!というようなオーラは全くなく、私たち選手にとっても気を遣っていただいて穏やかな方でした。競輪についての説明や、「あるある」や「つい自分がやってしまうこと」など、各選手が話しました。
どりあんず堤太輝さんが競輪に詳しくて、その方がメインで進行されていました。終始和やかな楽しい収録でした。
山口:今回の収録のように、メディアへの露出はいかがですか?
佐藤:私はしゃべるのが苦手なので、あまり出たくはないのですが(苦笑)、こういう風に収録を経験するたびに毎回「とても楽しい」と感じるので、ありがたいなと感じています。
しゃべりももう少し上達しないといけませんね(笑)。
山口:楽しみにしています(笑)。近況の目標としてはいかがでしょうか?
佐藤:そろそろ決勝には乗りたいですね。頑張りたいです。
山口:では最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
佐藤:あまり成績は奮っていないんですが、いつも応援していただいているので期待に応えられるように、ご声援を力に変えて今年優勝が出来るように頑張ります!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター/MC/キャスター/声優。
競輪関係では取手競輪中継司会、松戸競輪リポーターをメインに各競輪場で活動中。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
今年は1年ぶりにS級S班に返り咲いた村上義弘選手(京都73期)。昨年のS級1班での戦いの振り返りや近畿勢の活躍、また今年の目標などを伺いました。
じっくりと考えながら、言葉を選んで話してくださいました。
山口:今年の初戦は怪我明けのレースでしたがいかがでしたか?
村上:KEIRINグランプリ2018で落車はしたんですが、その前にしっかり練習が出来ていたので思ったよりは走れたと思います。
山口:昨年は8年ぶりのS級1班として1年戦われましたが振り返っていかがでしょうか。
村上:レースに臨むにあたってはユニフォームやパンツの色は関係ないのでそれはいつも通りでしたが、気持ち的には新たに挑戦する感じでした。
S級S班の時は責任やプレッシャーを常に感じて日々レースを走っていたので、「新たなものに挑戦」という意味ではなかなか踏み出せない部分もあったんですが、
そういう意味では、また新たに違う所を目指して走った1年でしたね。再挑戦と言いますか、そういう感じです。
山口:なるほど。そして、昨年は近畿勢も大活躍でしたね。
村上:そうですね。年齢的にも年々厳しくはなっていきますが、その中でも自分の役割は果たせたかなと思います。
自分はレースによって前を任される時と番手を回る時どちらもあり、それによって走りが大きく変わるので、年齢的な厳しさも感じつつある程度の対応は出来たと思います。
山口:村上選手にとっては落車や怪我なども多かった1年だったと思います。
村上:それは覚悟はしている事なので、怪我をした時にいかに最小限のダメージに抑えるかですね。うまく付き合っていくしかないです。
山口:私もインタビューをさせていただいたんですが、松戸ナイターでは久々のFI戦を走られましたよね。検車場や宿舎の雰囲気はいかがでした?
村上:グランプリやGIの緊張感とはまた違って、FI戦はA級の若い選手も多いですし日ごろとは違う雰囲気ではありましたね。
山口:話を聞きに来たりする選手はいましたか?
村上:近畿の中でも、普段はA級選手にはレースでは会わなかったので、いろいろ話はしましたね。
山口:普段会わないからこそ、開催中にお話出来た選手は貴重だったんでしょうね。
村上:......そうだと良いんですけどね(笑)
山口:KEIRINグランプリ2018も振り返らせてください。近畿4人での連携は自然に決まったんでしょうか?
村上:自分の場合は弟の博幸(村上博幸選手)がいたので、博幸がどういう気持ちなのかによって(近畿別線になり義弘選手が)自分で動くという選択肢も含めて、
いろんな想定をして走り方を考えるつもりでした。そして博幸の意志を確認した時にまとまるという結論になりました。
昨年1年間は、脇本(雄太選手)と三谷(竜生選手)がしっかり競輪界を引っ張ってきたと思うので、出来る事ならまとまって戦いたいという気持ちが自分にもありましたね。
山口:その結束で、脇本選手の先行から三谷選手が優勝でした。ご自身は落車もあったと思いますが、結果としてはいかがでしょう。
村上:それぞれが力を出せば4人の誰かが優勝出来ると思っていました。脇本の先行も強かったですし、三谷もそれまで自分のレースをしっかりしてきた結果だと思いました。
山口:今年、三谷選手がグランプリ覇者として1年走られます。村上選手ご自身の経験から、三谷選手の走りはどのようになっていくと思いますか?
村上:三谷は年々良いレースをするようになってきているし、それがしっかり結果にも繋がっていると思います。
今年もそれに磨きがかかっていくと思うので、僕らは連携する時、後ろにつく時は
しっかりその位置を守り切るだけかなと思います。
山口:今年は1年ぶりのS級S班として戦われます。どんな1年にしていきたいですか?
村上:これまでとあまり変わらず、一戦一戦しっかりと走りたいですね。
山口:トレーニングの面について年齢的なお話も出ましたが、だんだん変化はしてきましたか?
村上:もちろん若い頃に比べると出来るだけ無駄は省いているので、トレーニングの時間は短くはなってくると思います。
でも新しい事を取り入れながら、出来るだけ質の高いトレーニングをするようにしています。
山口:今はウェイトトレーニングも注目されていますが、取り入れていますか?
村上:僕は出来るだけ自転車の上で、自転車に乗りながら自分の感覚を磨いていきたいと思っています。
注目しているから取り入れるのも良いかもしれませんが、僕は今までやってきた練習を積み重ねていく方が合っていると思います。
山口:近畿勢との連携の中でもご自身が自力で戦うレースもありますが、どういう風に決断されるんですか?
村上:任されれば自分が前で頑張るし、そこまでやる気が見えない選手の時には自分が前でやります。レースには、各々の普段やっている事やろうとしている事など、それらの気迫が出ると思います。
自分が走っていない時でも彼らのレースを見て感じる部分で判断します。
山口:他の選手のレースはどこまで見ているんですか?
村上:上位選手のレースはほぼ見ていますね。
山口:今はどの選手が注目ですか?
村上:全国的に強い選手がたくさん出てきていると思います。もちろん近畿の選手も切磋琢磨しているので、自分もそれにおいて行かれないようにしないとと思っています。
山口:この後は、今年初のGI・全日本選抜競輪です。今の体調面はいかがでしょうか?
村上:グランプリで落車をして、使っていたエースフレームやその他の道具もだめになってしまったので、終わった大宮記念と次の高松記念で試して出来る限りベストな状態で挑みたいと思います。
(取材は、大宮記念が終わってから高松記念が始まるまでの間で行いました)
山口:今年1年勢いに乗せるという意味でも、最初のGIは重要なんでしょうか。
村上:GIは勢いというよりも、しっかり自分が普段やってきた事をいかに出すかだと思うので、普段と変わらず集中していきたいです。
山口:最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
村上:1年ぶりにS級S班として走ります。今年1年は皆さんに納得してもらえるようなレースを出来るように一戦一戦頑張ります。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター/MC/キャスター/声優。
競輪関係では取手競輪中継司会、松戸競輪リポーターをメインに各競輪場で活動中。
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※写真提供:公益財団法人 JKA