9月に行われた地元青森記念で優勝。更に兄弟ワンツーも決めた新山響平選手(青森107期)。2016年函館記念でのGIII戦初制覇から、ケガで苦しい時期を乗り越え、今年はすでにGIII戦V2。その好調の要因、そして、次のビッグレース寛仁親王杯への意気込みを伺いました。
星野:まずは、青森記念優勝おめでとうございます。振り返っていかがですか。
新山:内容は良くなかったのでいい点数はつけられないけど、結果優勝できたので良かったと思います。兄(新山将史選手・青森98期)とも同じ開催で走らせてもらってのワンツーだったので最高の形でしたね。
星野:決勝戦は藤根俊貴選手(岩手113期)が先頭を走って、北日本の結束も感じました。
新山:決勝戦に北日本がたくさん乗ってあのレースができたのは嬉しいけど本当はラインで決めたかった。今後、後輩も出て来て2番手を回ることもあるだろうし、ラインで決められるレースと言うのも考えていきたいですね。
星野:そんな気持ちがまた北日本の結束に繋がっているのかと思いますが、今回、藤根選手は自分のレースを完璧だったとおっしゃっていましたよ。
新山:僕から見ても落ち着いていたし、仕掛けたタイミングも掛かりも完璧でしたね。だからこそ、余計に前とワンツーを決めるレースがしたかったんです。
星野:新山選手にとっては初めての2番手戦でしたが、それについてはどうですか?
新山:後輩があれだけ行ってくれ、後ろに兄と伊藤さん(大志選手・青森86期)もついてくださって、負けるわけにはいけないって気持ちと失敗できないって気持ちで前を走るときより緊張しました。
星野:初めてのGIII制覇から3年、苦しい時期もあったかと思いますが。
新山:練習を変えたり生活を変えたりと色々試したけれど結果が出なくて苦しかったですね。ただ去年の後半からちょっとずつやってきたことが出ているなあという感じはありました。
星野:その中でナショナルチームBに参加されたのは大きかったですか?
新山:そうですね。自分で色々考えて試していることは半信半疑な部分もあります。だけど、疑問に対して一流の答えが返ってくるのが大きいですね。
タイムの伸びも数字でわかるし、気持ちの面でもやれているという実感がもてるので自信につながっています。
星野:そもそもナショナルチームに参加されるきっかけはなんだったんですか?
新山:選手になる前から競技はやっていて好きだったので興味はあったんですが、自分は「競輪選手」というのもあり、両立するイメージが湧かなかったんです。でも、両立している選手も実際にいるし、監督からもある程度両立できる環境だと言う話を聞かされて決断しました。今から思うともう少し早くに決断していたら良かったなと思っています。
星野:そう思えるのは今が充実しているからじゃないですか?
新山:そうですね。強い人たちと同じ空間で練習できるのも良かったし、何より東京オリンピックは間に合わなかったけれど、オリンピックを目指す機会をいただけたのはよかったです。
星野:そして、そのトレーニングが競輪の結果に繋がっていますもんね。
新山:こんなに早くに結果が出るとは思ってませんでした。新ルールになったのも僕にとっては追い風だったと思います。なので、これからが楽しみで仕方ないですね。
星野:競技をやってみてわかる競輪の魅力はありますか?
新山:やはり、ラインですかね。競技は6人で走るのですが、1人1人警戒しないといけない。守ってくれる人がいないので、より集中力も必要になります。ラインに助けられていたんだなと改めて思いました。
星野:これも青森記念の決勝戦の話に繋がりますね。さて、今ご自身の競走スタイルについてはいかがですか?
新山:青森記念は優勝を目標にしていたというのもあり、先行は1回しかしてませんでした
今はそこがクリアになったので、もう1回先行で力をつけていけたらと思っています。
星野:次の目標はどこにおかれますか?
新山:なるべく早くナショナルチームのAチームに上がること。そのためにタイムを出していきたいですね。
星野:競輪の目標はどうですか?
新山:競輪ではGIで活躍したいです。寛仁親王杯ではしっかりと優勝を狙っていきます。
星野:では、その寛仁親王杯に向けての意気込みとオッズパーク会員の皆さんにメッセージをお願いします。
新山:しっかり北日本を引っ張っていけるように、積極的に仕掛けてGIで勝てるように頑張ります。これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 星野めぐみ
大阪府出身。タレント、アナウンサー、競輪キャスターとして活躍中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
8月に名古屋競輪場で行われた『第62回オールスター競輪』で優勝した新田祐大選手(福島90期)。普段はナショナルチームで活躍し競輪を走る機会は少ない中でのGI優勝の振り返りと、今後の自転車競技についてを話していただきました。
山口:オールスター競輪、優勝おめでとうございます。
新田:ありがとうございます。
山口:競輪を走る機会が少ないですが、オールスター競輪に入る時はどういうお気持ちでしたか?
新田:凄く強い思いがありました。ナショナルチームのコーチとの話で、「オールスター競輪の結果次第でこの先競技でも良い方向にいくと思うから、優勝できたら良いよね」という話をしていたんです。なので、強い思いで臨みました。
山口:ファン投票でも第3位でドリームレース選出でしたがその結果を聞いたときはどうでしたか?
新田:非常に驚きました。オールスター競輪はファン投票で上位に選ばれた選手が出場できますが、僕は投票までの競輪の出走回数が少なかったですし成績も良くなかったので、まさかドリームレースに選ばれるとは思っていませんでした。
ナショナルチームメンバーの脇本(雄太選手・福井94期)や深谷(知広選手・愛知96期)とも話していたんですが、深谷が「自分たちは競輪を走っていなかったけど、脇本は成績を残している(5月の日本選手権競輪を優勝)し、新田さんはS級S班だから上位に選ばれるかもしれないけど、自分は選ばれないと思う」と言ったんです。その中で3人ともがドリームレースを走れた(脇本選手が1位、深谷選手が7位)のは、今後オリンピックを目指す上で励まされている気がしましたし、競輪選手としても名誉なレースなのでそこに選んでもらったのは誇りに思います。
山口:走る機会が少ない中でも記憶に残る走りをされていたのではないでしょうか。
新田:それよりもナショナルチームの活動の中で、オリンピックへかける熱い思いが今までよりも形になっていたんだと思います。例えば広告に力を入れたりイベントをしたりなど、選手を全面的に押し出してアピールしてくれましたし、全面的にサポートして僕たちが競技に臨みやすい環境を作ってくれました。
それもあって競技を知らない競輪ファンの方たちの目にも止まってファン投票に繋がったのだと思いました。競技への応援の気持ちを感じたので、今までのファン投票とは全く違う思いでした。
山口:競技の自転車とは競輪の自転車は違うと思いますが、感覚の違いはいかがですか?
新田:僕はナショナルチーム歴が長く、おそらくここ7年くらいは基本的に練習は競技の自転車で行っています。レースではもちろん競輪の自転車なので違和感はありますが、それももう自分の中では楽しさとかわくわく感で走れるという感覚になっているのでマイナスではないですね。
山口:決勝は北日本4人でしたが並びはすぐに決まったんですか?
新田:みんなで話をして全員が納得した結果、あの並びになりました(菅田壱道ー新田ー渡邉一成ー佐藤慎太郎)。
山口:ゴールした後に菅田選手(宮城91期)を労うような仕草もありましたね。
新田:見ている方はいろんな思いがあったと思います。「感動した」と言ってくれる方もいれば批判的な感想を言う方もいるでしょう。
僕個人としては、壱道の気持ちを受けてのレースでした。2016年の松戸オールスター競輪で壱道が初めてGIの決勝に僕と同乗した時、彼は僕の後ろという選択をしました。結果は岩津さん(裕介選手・岡山87期)が優勝だったんですが、レース後に壱道は涙を流したんです。僕は勝てずに悔しい涙だと思ったんですが、それは違って今回「あの時本当は新田さんの前を走りたかったけど自分に自信がなかったから後ろについた。一生に一度かもしれないGIの決勝と思ったら勇気が出なかった。その事をずっと悔やんでいたので今回は前を走りたい」と言ってくれたんです。
壱道を学生の頃から知っていますしお互い高めあってきました。今回の決勝であの走りをして、彼がまた競輪選手として一つ上のステージへ踏み出したんだなと思いました。走る前から気持ちが入っているのがわかりましたし、レースの最中もそうだったのですごく嬉しかったです。
山口:この優勝で、競輪で良い結果が出ました。この後の競技にも集中しやすくなったんでしょうか?
新田:そうですね。東京五輪へ向けて、出場出来るかどうかは来年3月以降に決まるんですが、そこへ向けて集中するのもそうですし、競輪はこの後長い間走れなくなってしまいます。もしオリンピックへ出られた場合、その後競輪に戻ってくる時に以前と比べてどれだけ成長しているかを示さないと、ファンの方も納得してくれないと思うんです。そういう意味でも結果を出してこの後競技へ集中出来るのは良かったと思います。
山口:競輪としてはこの後はKEIRINグランプリになるんでしょうか?
新田:おそらくそうなると思います。
山口:グランプリへ向けての思いはいかがでしょうか?
新田:グランプリの前にたくさん競技でのレースやトレーニングがあるので、まだ年末の事は考えられないですね。僕の考え方としていつもあるのが、まず目の前の事をしっかりして、それをクリアした先にまた次のステップが待っていると思っています。なので今は目の前の事を集中してするだけです。
山口:競技についても言える範囲で現状はいかがですか?新田選手は今世界ランク1位なんですよね?
新田:オリンピックの出場枠が決まるのが3月の世界戦が終わった後です。出場枠は個人に与えられるのではなく「日本チームから何人か」というくくりになるので、僕が今ケイリンの世界ランクが1位だとしても、オリンピックに出られるかはまだわかりません。今シーズンの成績を加味して代表選手が決まるので皆が今一列に並んでいる状態です。逆に言えば若手選手でも今シーズンの世界戦で好成績を残せばオリンピック出場のチャンスがあるんです。脇本や深谷ともライバルとして日々高めあっている状態ですし、常に緊張感を持って一つのトレーニング、一つのレースを集中して取り組めています。僕がナショナルチームを長くやっている中で一番緊張感を持てているチームだと思います。
山口:競技で注目して欲しいレースはありますか?
新田:競輪を買う方は前走の成績をチェックして買う方も多いですよね。もしグランプリで、僕やナショナルチームのメンバーの近況を見るときは、その前の競輪の成績ではなく競技のレースの成績を調べてもらえると良いかなと思います。その点では、成績をチェックしたいときにオリンピックを目指す僕たちが走っている競技のレースも応援していただけると嬉しいです。
山口:最後に今後へ向けての意気込みなどを、オッズパーク会員の皆様へお願いします。
新田:応援してくださる皆さんに、まずはオールスター競輪を優勝出来た喜びを伝えたいです。そこに挑むモチベーションになるたくさんの投票を頂いたのでドリームレースからという良いスタートが切れましたしその結果優勝できました。この後は競技に集中する事になると思いますが、休憩をするわけではなく強くなる事だけを考えてトレーニングやレースに挑んでいます。僕たちが目指している世界を一緒に感じ応援してもらって、日本の競輪が世界のトップなんだと目の当たりにして欲しいです。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
7月に別府で行われたガールズケイリンフェスティバルを優勝した石井貴子選手(千葉106期)。ガールズケイリン屈指の自在脚も、トーナメント形式でのビッグ戦では初優勝。レースの振り返りと今後の意気込み、また8月24日に大阪で行われた『オッズパーク プレミアム パーティー 2019』にゲスト出演した感想もお伺いしました。
山口:ガールズケイリンフェスティバル(GKF)優勝おめでとうごさいます。
石井:ありがとうございます。
山口:3日間振り返っていかがでしたか?
石井:トップ選手が揃っているので、現状では勝ち上がりが一番厳しいタイトルですし、ピリピリしていました。
山口:初日は1着でしたが、それでもピリピリは続きましたか?
石井:昨年、初日2着でしたが、2日目が4着で決勝を逃してしまいました。ポイント制のため2日目が勝負だと毎年思い知らされているので、初日の段階では「今日はひとまず良かったけど、明日が勝負」と気を引き締めましたね。
山口:初日は石井選手のレース以外で、トップ選手が敗れる場面がありましたが、現場の雰囲気はどのような感じだったんですか?
石井:私はガールズの中で最初の第4レースに出走だったので特に変わりはなかったです。ただどの番組もいつもの決勝戦よりも厳しいメンバーだと思うので、みんな必死だったと思います。
山口:その中で勝ち上がりに集中されていたんですね。
石井:優勝するにはまず決勝に進まないといけませんし、この数年は決勝を逃していたので集中していました。
山口:別府は相性が良いと伺っていましたが、今回も良い感触で入れましたか?
石井:バンクとしても好相性ですが、市の雰囲気も好きなんです。街並みも素敵ですし安心感があるので、良い意味でリフレッシュして入れます。全国でもそういう競輪場が何カ所かありますが、別府はいつも抜群ですね。サマーナイトフェスティバルを開催すると聞いたときから「優勝のチャンスかもしれない!」と思っていました(笑)。
山口:まさに、の優勝ですね(笑)。それでは決勝の振り返りをお願いします。
石井:私が3番車で、強い児玉碧衣選手(福岡108期)が隣の2番車だったので、初手から良い位置を取れるかもしれないと思ったんですが、そこはインコースの選手が早かったんです。すかさず切り替えて前から攻めようと上がっていったときに、外枠だった梅川風子選手(東京110期)が前に来た形でした。
決勝メンバーの中で自力の強力な選手は梅川選手と児玉選手なので、ふたりの間の位置からレースが始められるのはラッキーだったと思います。
残り2周あたりから後方にいた長澤彩選手(愛知106期)が児玉選手を抑える形になったときに、児玉選手は引いて長澤選手を入れたんです(前から大久保-細田-梅川-石井貴子(千葉) -長澤-児玉-小林莉子という隊列)。それもラッキーでした。
山口:児玉選手が長澤選手を入れるというところがポイントだったんですか?
石井:児玉選手に真後ろから思い切りカマされると、そこから合わせて前に踏んでいくのはかなりきついです。その展開は避けたかったので、長澤選手が私と児玉選手の間に入ったことで仕掛けるタイミングをはかりやすくなるなと思いました。
山口:石井選手も梅川選手に続きながらバックストレッチから捲っていきましたが、児玉選手は見えていましたか?
石井:はい、確認していました。でもその前がしんどかったですね。梅川選手の仕掛けが凄いスピードで、細田愛未選手(埼玉108期)を乗り越える時が大変でした。その後はタイミングをはかって追い込みをかける、ではなく自分も捲りにいかないとと切り替えました。
というのも初日のレース、山原さくら選手(高知104期)の捲りにつききり3コーナーあたりまで追走していたら、梅川選手の捲りが飛んできて、私は内に包まれてしまったんです。たまたま山原選手のインコースが空いたので私が追い込むコースがありましたが、実はかなりピンチの展開でした。
その教訓を活かして、良い位置を取り切ったとしても自分が前に踏んでいく算段をしないといけないと思って前に踏みました。初日の失敗があったからこその優勝でしたね。
山口:ゴール後は手も上がりましたね!
石井:そうですね。普段の優勝は追い込みで決めることが多いので「差せたんですかね?」と自分でもわからないことがよくありますが、珍しく着差もはっきりしていた優勝でした(笑)。
山口:南関東の男子選手による胴上げもありました。
石井:いつも皆さんが私を待っていてくれ、胴上げしてくださって嬉しかったです。
山口:トップが集まった3日間のトーナメントで優勝というのはいかがですか?
石井:すごく嬉しかったですし、単発レースを優勝するのとは全く違いました。体の疲労度もありますし、すごく勉強になりました。
山口:ここで賞金もぐっと上がりましたね。
石井:そうですね。オールスター競輪でのコレクションまで大きいレースが続いていたので、それを終えて賞金上位でいられるのは良いと思います。この後は年末へ向けて脚力をアップしていきたいです。
一本一本のレースをしっかり走りきるのも、練習もきっちりしていきたいですね。あっという間に時間は過ぎるので、この後は年末へ向けてしっかりと準備をしていきたいです。
山口:ガールズドリームレースはいかがでしたか?
石井:GKFが全て連対して、しかも優勝して終えられたんですが、疲労感が残ってしまった8月でした。レース間も詰まって腰痛が出てしまい、途中欠場もしてご迷惑をかけていた中で「とにかく走りきらなければ」という気持ちでした。
何とか走れはしましたが、展開的にも自分には向かないような形でした。外枠だったので後手にはなると思い、後ろから攻める選手の動きにのっていこうとは思っていたんですが、動きが無い中で前との車間が空きすぎてしまいましたね。
アクシデントもありましたし、残念でしたね。
山口:それでは、ここからは『オッズパーク プレミアム パーティー 2019』についてお伺いします。競輪からはガールズ選手3人(他は埼玉・野本怜菜選手と神奈川・佐藤水菜選手)と村上義弘選手がゲスト出演だったんですね。
石井:パーティーは初めて呼んでいただいたんですが、サマーナイトフェスティバルのときに村上選手に声を掛けていただいて何だろうと緊張していたら「プレミアムパーティー一緒だからよろしくね」と。
ありがたかったんですが、緊張するので、前もって知らせていただいて良かったです。
山口:トークショーをされたんですよね?
石井:そうですね。かなりじっくりとトークショーをした後に、オートレースの永井大介選手にオートレースの知識を教えてもらって、私たちが予想をするコーナーがありました。2車単の予想だったんですが私は2着3着になってしまいました。
でも、一緒に出演していた野本選手は的中でした。初めてオートレースの予想をしたんですが、結果は外れながら「3着までに入る2人を選べたんだな」と自分では納得していました(笑)。
山口:お客様との触れ合いはありましたか?
石井:そこまで交流するイベントではなく、ステージ上からだったんですが、とても大きな会場でしたし、普段たくさん購入してくださる方々と伺っていたので、雰囲気はまた競輪場とは違いました。
パーティーに来ていた方で本場に頻繁にいらっしゃる方はもしかしたら少ないかもしれないんですが、そういう方に私たちを近くで見て頂ける機会はあまりないと思うので良かったと思います。
山口:そうですよね。お客様もなかなか間近で見られる機会はないかもしれないですね。
それでは今後に向けてのお話を最後にお願いします。後半はどのあたりを強化したいですか?
石井:やっぱり自力ですね。スピード、脚力、もがける距離など全部なんですが、しっかり強化してトップ選手に少しでも近づけるようにしないと、と常に思っています。力のある選手だけが着に残るレースになりますし、一筋縄ではいかない展開もたくさんあると思います。そういう時には自分の力でレースを作っていかないといけません。自分には何が出来るのかを考えて悩みながら頑張っていくだけですね。
山口:それでは最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
石井:いつも応援ありがとうございます。まだまだ勉強中で未熟なところが多いんですが、少しでも強くなっていけるように頑張っていきますので応援してください。よろしくお願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
近況連続して決勝に進んでいる野本怜菜選手(埼玉114期)。近況の振り返りと今後の意気込み、また先輩期になった感想などをお伺いしました。また6月に「プロ野球セ・パ交流戦 福岡ソフトバンクホークスvs横浜DeNAベイスターズ」での始球式イベントに、8月には「オッズパーク プレミアム パーティー 2019」にゲスト出演した感想も伺いました。
山口:まずは6月の始球式イベントについてお伺いします。出演されていかがでしたか?
野本:野球観戦はたまに好きで行っているんですが、(投げてはいないけど)マウンドに立ったり、内側から試合を盛り上げたりするというのは想像していなかったので楽しかったです。
山口:普段はどちらのチームを応援しているんですか?
野本:地元の西武ライオンズの試合をたまに見に行っています。野球も好きなのですごく楽しみなイベントでした!
山口:そうなんですね、イベントの相手が西武じゃなくて良かったですね。
野本:そうかもしれません(笑)。どっち応援するか迷っちゃいますね(笑)。
山口:ソフトバンクホークスの選手たちとも間近で交流できたと伺いました。
野本:そうなんですよ!ソフトバンクの選手たちと写真を撮らせてもらったり、横を通ったりなど「あの選手だ!」とテンションが上がりました。
山口:好きだからこその反応ですね!児玉碧衣選手(福岡108期)の始球式は見られました?
野本:はい、別室だったんですが、見られました。野球観戦に来ている方がとても多かったので、すごく盛り上がっていました。
山口:マウンドでは何をして盛り上げたんですか?
野本:私たちはハニーズ(福岡ソフトバンクホークスのオフィシャルダンス&パフォーマンスチーム)の皆さんとダンスをしました。その時もすごくたくさんの方が来ているなと思いました。
山口:ブースの様子はいかがでしたか?
野本:パンフレットなどを配っていたんですが、「本当に選手なの?」と驚かれることも多かったです。声を掛けてくださる方もたくさんいて、写真を撮ってもらったり、「太もも触っていい?」という女性の方もいらっしゃったので「どうぞ(笑)!」と触ってもらったりしました。良いアピールになったと思いますし「良い脚しているね」と誉めてもらいました。
お客さんの中には「小倉の近くに住んでいるから今度行ってみるよ」と言ってくれる方もいたんです。意外と知っている方も多くて嬉しかったですね。
山口:良いPRができたんですね。続いて8月のプレミアムパーティーはいかがでしたか?
野本:お客さんとの距離も近くて楽しめました。会場もかなり立派な場所での立食パーティーだったんです。
ガールズ3人(野本選手、千葉・石井貴子選手、神奈川・佐藤水菜選手)と村上義弘選手、競馬の田中学騎手、オートレースの永井大介選手とトークショーをさせてもらいました。
山口:他の公営競技の選手と触れ合えるのもなかなかないですよね。
野本:はい、騎手の方のムチを触らせてもらったりして貴重でしたね。競輪以外の公営競技に触れるのは新鮮です。
山口:お客様からの反応はいかがでした?
野本:たくさんの方に「頑張ってね」と言ってもらえたので、もっと頑張らないとな、と思いました。
山口:では近況をお伺いします。振り返っていかがですか?
野本:連続して決勝には乗れているんですが、思うような結果は出ていません。
山口:デビューして1年が経ちましたが、この1年はどうでしたか?
野本:いろんな経験ができました。今まで経験することのないことが本当に多くて、視野が広がったのが一番だと思います。また少し余裕も出てきたかなと思います。
山口:以前のインタビュー時は、デビューして優勝した直後でしたが今はその時と比べていかがでしょうか?
野本:今は先行を多くしているんですが、勝ちに行くことも重要だと思います。やりたいことだけではなく結果も求めて、かつレース内容も自分の納得できるようにと思って走っています。
勝ちにこだわりつつ、自分のやりたいレースをして、それで結果が付いて来たら一番いいですね。
山口:やりたいこと、というのは具体的にどういう内容ですか?
野本:先行もしたいんですが、その場に応じた動きができるようにしたいです。今はまだ自分の想定外のレース展開になった時に混乱してしまって動けないこともあるので、もっと冷静に見極められるようになり、うまくレースを運んでいけたらいいですね。
山口:今、目標にしていることはなんですか?
野本:ビッグレースに出て、どこまで自分が動けるか試してみたいです。まだトップ選手たちだけのレースには出たことがないので、自力選手ばかりの中で私の自力がどれだけ通用するのか、ちゃんと動いていけるのかというのは挑戦したいです。普通の開催だと全員が自分から仕掛けるタイプ、というレースはなかなかないですから。
次の機会は来年5月のコレクションへのトライアルレースになりそうなので、そこへ向けて自力で戦えるようにしたいですね。今年と同じ選考基準ならば、今期の競争得点上位で「ガールズフレッシュクイーン」も狙っていきたいです。(注:開催は未定)
第1回は出られなかったので、もしあるなら出たいですね。
山口:(インタビュー時での)次走は松戸ですが33バンクはいかがでしょうか?
野本:短走路は少し苦手意識があります。なかなか33では決勝に上がれないので、まずは決勝進出が目標です。決勝に上がれたらしっかり確定板を目指して走りたいです。
山口:後輩期が出てきましたが、その辺りはいかがですか?
野本:練習グループにも藤田まりあ選手(埼玉116期)がデビューしてきたんですが、先輩になるのでしっかりしないと、という気持ちがありますし、私とまりあちゃんでは脚質が違うので良い練習ができていると思います。
お互いにいい刺激になるようにしたいですね。
山口:では最後にオッズパーク会員の方へ今後の意気込みをお願いします。
野本:逃げても捲っても、どんな状況でも1着を目指して確定板に食い込めるように、実力を付けて頑張ります。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター/MC/キャスター/声優。
競輪関係では取手競輪中継司会、松戸競輪リポーターをメインに各競輪場で活動中。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
長きに渡り競輪界のトップクラスに名を連ねるものの、GPは2006年の京王閣を最後にケガの影響もあって13年間遠ざかっている。しかし、今年、共同通信社杯直前の賞金ランキングは第4位。油断はならないものの、ほぼ年末の大一番の切符は掴んだ、といってもいいだろう。自力全盛の時代の中で、追い込み選手としてのプライドを持ちながら、佐藤慎太郎選手は今、どのように考え、そしてどこを目指していくのか?じっくりとお話を伺いました。
橋本:月並みですが、まず、今年ここまでを振り返っていかがでしょうか?
佐藤:今年急に良くなって結果が出ているのではなく、3年くらい前から新田(祐大選手)のスピードに対応するための練習はしていて、去年ぐらいから少しずつ成果が出てきたかなぁ、というそんな手応えはあったんです。
橋本:具体的にはどんな練習の取り組みをされたのですか?
佐藤:普段は追い込み選手としてレースには臨んでいるんですが、もう練習の時は自力選手になったつもりでやってますね。
橋本:ということは、かなり長い距離をもがく様な、そんな感じですか?
佐藤:そうですね。練習では、もう人の後ろについて抜く感覚を、みたいなことは一切やらないですね。自分の脚力をひたすらあげるような、そんなトレーニングばかりしています。
橋本:やはり、今の競輪の流れだと最終的にはタテ脚勝負みたいな話になってくるんですか?
佐藤:結局のところ、今の競輪っていうのは追い込み選手がいなくても成立する競輪だと思うんです。だから、自力の選手の後ろに自力選手がついてもレースとして成立しちゃうんで、その流れに対応するには、自分も自力で勝負できる脚が必要だと思いますね。
橋本:そんな中で、今追い込み選手としてレースで果たせる役割って何だと思われますか?
佐藤:まずはやっぱり競走で車間を斬って、ブロックを決めてワンツーするってことじゃないですか。前を走る選手の信頼を勝ち取るのは口であーだこーだいってもレースしかないんですから。やっぱり、漢字の競輪って言うか、俺はそういう人間っぽいのが好きですね。
橋本:そういう意味でいくと、まさに先日のオールスターでは、北日本の人間っぽさっていうのを凄く感じました。
佐藤:そうですね。壱道(菅田選手)だって、ポッと出てきた選手じゃないですし、自分が勝つレースを選んでも何もおかしくないと思うんですよ。そんな中で、ああいった捨て身の先行を見せたということはもの凄く意味のあることだと思いますね。
橋本:あの時の並びはスンナリ決まったんですか?
佐藤:最初は一成(渡邊選手)が前で走るって言ったんですよ。「新田に気持ちよくオリンピックにいってもらいたい」みたいな話はしてましたね。だけど、それは壱道がやるってことになったんで。
橋本:今のお話を伺ってると、かなり北日本の中でも以前の雰囲気と変わってきているような気がするんですが
佐藤:そうですね。以前は、みんなやっぱり能力が高いんで、自分が勝つレースをっていう意識が強かったような気がしますね。北日本で別線勝負なんてこともありましたし。ただ、やっぱりGIなんてみんな強いんだから、やっぱりラインの力がないと、そうそう簡単には勝てないですよ。
橋本:青森記念でも、藤根(俊貴)選手が男気を見せましたしね~
佐藤:藤根あたりはしばらくは発進役でしょう(笑)これまで新田や一成がやってきたこと、響平(新山選手)がやってきていること、それを藤根や高橋晋也(115期、8月大宮で特別昇班、現A級2班)が受け継いでいってくれたらいいですね。
橋本:近畿地区なんかはそういうところが本当にうまく回っているような感じがしますよね。
佐藤:そうですね。以前から本当に近畿の戦い方を見ていると正直羨ましかったですね。だけど、今、北日本地区の流れも、それに近づきつつあると思いますよ。今が序章ですね。
橋本:いやぁ、それにしてもこのままいけば13年ぶりのグランプリですよ。
佐藤:去年の賞金ランキングをみると、もう大丈夫かなというのはありますけど、まだ、ビッグレースは3本残っていますし、油断はできないですね。
橋本:奈良の全プロでしたっけ?大怪我されてからの紆余曲折を知っているだけに僕も感慨深いものがあります。
佐藤:あの時は、もう医者から走れないんじゃないかって言われてましたからね。もう、走れるだけで喜びを感じていましたよ。
橋本:そこから、再び最高峰のステージに戻って結果を出し続ける大変さを考えると、本当に頭が下がります。今年、佐藤さんは43歳になる訳ですが、年齢的なものを感じることはありますか?
佐藤:それは全く感じません!(笑)練習も普通にやっていますしね。ただ、強いて言うならば、かなりハードな負荷をかけた練習をやった時なんかに痛みがでて、それがしばらく続く、というようなことはたまにあって、それは老いかな?なんて思ったりすることもありますが(笑)
あと、打ち上げで若い奴と飲んでたりすると、自分はオジサンになったな、というのは正直あります(笑)
橋本:それは旬の話題とか、そんなのですか?(笑)
佐藤:それもありますけど、もう飲みに行ってても11時半くらいには眠くなってきて、12時には布団に入りたくなってくるんですよ。昔は、有坂(直樹)さんとかいましたからね~。朝までコースなんてのはざらにあったんですけど、もう、それはなくなりましたね。そこもホントは若い奴に負けたくないんですけど、最近はもう、それは負けてもいいのかな、と思えるようになってきました(笑)
橋本 そこまで若い選手に勝っちゃったら、もう大変ですよ。
佐藤:でも、上には上がいますからね~。やっぱり神山(雄一郎)さんなんかは、現役だしライバルだから言いたくないですけど凄いですよ。何より「俺は神山だ」というのがないんですよね。今でも、若くて強い選手に近づいていって「どんな練習やってるの?」なんてやってますからね~。変なプライドがあったらそんなこと絶対にできないですよ。
橋本:あれだけタイトルを獲ったのに、まだまだ強くなりたい、勝ちたいという欲求が衰えないっていうのは本当に素晴らしいですね。その点では佐藤さんも負けていないんじゃないですか?
佐藤:以前、お客さんから『「どんな展開になっても1着を狙いにいきます」って以前どこかのインタビューで話したことに感激した!』という手紙をもらったことがありました。絶対にどんな展開になっても諦めない、勝ちにいく、これは生涯貫いていきたいですね。
橋本:佐藤選手は車券では確実に外せない選手です!
佐藤:そう思ってもらえるのが本当に嬉しいですね。競輪選手はそうじゃないと(笑)その気持ちがなくなったら終わりでしょう。45歳でGIを獲った、松本整さん(H16高松宮記念杯)の記録を塗り替えるというか、そこを目標に、うん、目標はそこですね。そこということにしておいてください(笑)
橋本:分かりました(笑)では、最後に共同通信社杯に向けて一言お願いします。
佐藤:とにかく、どんな開催であろうと1戦1戦ですね。とりあえず、決勝に乗るとかそういうのは勝ち上がっていった結果だと思うんで、まずは一つ一つ1着を目指して頑張りたいと思います。
橋本:ありがとうございました。
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※インタビュー / 橋本悠督(はしもとゆうすけ)
1972年5月17日生。関西・名古屋などでFMのDJを経て、競輪の実況アナウンサーへ。
実況歴は18年。最近はミッドナイト競輪in小倉を中心に活動中。
番組内では「芸術的なデス目予想」といういいのか悪いのかよく分からない評価を視聴者の方から頂いている。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社