9月に行われた地元青森記念で優勝。更に兄弟ワンツーも決めた新山響平選手(青森107期)。2016年函館記念でのGIII戦初制覇から、ケガで苦しい時期を乗り越え、今年はすでにGIII戦V2。その好調の要因、そして、次のビッグレース寛仁親王杯への意気込みを伺いました。
星野:まずは、青森記念優勝おめでとうございます。振り返っていかがですか。
新山:内容は良くなかったのでいい点数はつけられないけど、結果優勝できたので良かったと思います。兄(新山将史選手・青森98期)とも同じ開催で走らせてもらってのワンツーだったので最高の形でしたね。
星野:決勝戦は藤根俊貴選手(岩手113期)が先頭を走って、北日本の結束も感じました。
新山:決勝戦に北日本がたくさん乗ってあのレースができたのは嬉しいけど本当はラインで決めたかった。今後、後輩も出て来て2番手を回ることもあるだろうし、ラインで決められるレースと言うのも考えていきたいですね。
星野:そんな気持ちがまた北日本の結束に繋がっているのかと思いますが、今回、藤根選手は自分のレースを完璧だったとおっしゃっていましたよ。
新山:僕から見ても落ち着いていたし、仕掛けたタイミングも掛かりも完璧でしたね。だからこそ、余計に前とワンツーを決めるレースがしたかったんです。
星野:新山選手にとっては初めての2番手戦でしたが、それについてはどうですか?
新山:後輩があれだけ行ってくれ、後ろに兄と伊藤さん(大志選手・青森86期)もついてくださって、負けるわけにはいけないって気持ちと失敗できないって気持ちで前を走るときより緊張しました。
星野:初めてのGIII制覇から3年、苦しい時期もあったかと思いますが。
新山:練習を変えたり生活を変えたりと色々試したけれど結果が出なくて苦しかったですね。ただ去年の後半からちょっとずつやってきたことが出ているなあという感じはありました。
星野:その中でナショナルチームBに参加されたのは大きかったですか?
新山:そうですね。自分で色々考えて試していることは半信半疑な部分もあります。だけど、疑問に対して一流の答えが返ってくるのが大きいですね。
タイムの伸びも数字でわかるし、気持ちの面でもやれているという実感がもてるので自信につながっています。
星野:そもそもナショナルチームに参加されるきっかけはなんだったんですか?
新山:選手になる前から競技はやっていて好きだったので興味はあったんですが、自分は「競輪選手」というのもあり、両立するイメージが湧かなかったんです。でも、両立している選手も実際にいるし、監督からもある程度両立できる環境だと言う話を聞かされて決断しました。今から思うともう少し早くに決断していたら良かったなと思っています。
星野:そう思えるのは今が充実しているからじゃないですか?
新山:そうですね。強い人たちと同じ空間で練習できるのも良かったし、何より東京オリンピックは間に合わなかったけれど、オリンピックを目指す機会をいただけたのはよかったです。
星野:そして、そのトレーニングが競輪の結果に繋がっていますもんね。
新山:こんなに早くに結果が出るとは思ってませんでした。新ルールになったのも僕にとっては追い風だったと思います。なので、これからが楽しみで仕方ないですね。
星野:競技をやってみてわかる競輪の魅力はありますか?
新山:やはり、ラインですかね。競技は6人で走るのですが、1人1人警戒しないといけない。守ってくれる人がいないので、より集中力も必要になります。ラインに助けられていたんだなと改めて思いました。
星野:これも青森記念の決勝戦の話に繋がりますね。さて、今ご自身の競走スタイルについてはいかがですか?
新山:青森記念は優勝を目標にしていたというのもあり、先行は1回しかしてませんでした
今はそこがクリアになったので、もう1回先行で力をつけていけたらと思っています。
星野:次の目標はどこにおかれますか?
新山:なるべく早くナショナルチームのAチームに上がること。そのためにタイムを出していきたいですね。
星野:競輪の目標はどうですか?
新山:競輪ではGIで活躍したいです。寛仁親王杯ではしっかりと優勝を狙っていきます。
星野:では、その寛仁親王杯に向けての意気込みとオッズパーク会員の皆さんにメッセージをお願いします。
新山:しっかり北日本を引っ張っていけるように、積極的に仕掛けてGIで勝てるように頑張ります。これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 星野めぐみ
大阪府出身。タレント、アナウンサー、競輪キャスターとして活躍中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社