7月に別府で行われたガールズケイリンフェスティバルを優勝した石井貴子選手(千葉106期)。ガールズケイリン屈指の自在脚も、トーナメント形式でのビッグ戦では初優勝。レースの振り返りと今後の意気込み、また8月24日に大阪で行われた『オッズパーク プレミアム パーティー 2019』にゲスト出演した感想もお伺いしました。
山口:ガールズケイリンフェスティバル(GKF)優勝おめでとうごさいます。
石井:ありがとうございます。
山口:3日間振り返っていかがでしたか?
石井:トップ選手が揃っているので、現状では勝ち上がりが一番厳しいタイトルですし、ピリピリしていました。
山口:初日は1着でしたが、それでもピリピリは続きましたか?
石井:昨年、初日2着でしたが、2日目が4着で決勝を逃してしまいました。ポイント制のため2日目が勝負だと毎年思い知らされているので、初日の段階では「今日はひとまず良かったけど、明日が勝負」と気を引き締めましたね。
山口:初日は石井選手のレース以外で、トップ選手が敗れる場面がありましたが、現場の雰囲気はどのような感じだったんですか?
石井:私はガールズの中で最初の第4レースに出走だったので特に変わりはなかったです。ただどの番組もいつもの決勝戦よりも厳しいメンバーだと思うので、みんな必死だったと思います。
山口:その中で勝ち上がりに集中されていたんですね。
石井:優勝するにはまず決勝に進まないといけませんし、この数年は決勝を逃していたので集中していました。
山口:別府は相性が良いと伺っていましたが、今回も良い感触で入れましたか?
石井:バンクとしても好相性ですが、市の雰囲気も好きなんです。街並みも素敵ですし安心感があるので、良い意味でリフレッシュして入れます。全国でもそういう競輪場が何カ所かありますが、別府はいつも抜群ですね。サマーナイトフェスティバルを開催すると聞いたときから「優勝のチャンスかもしれない!」と思っていました(笑)。
山口:まさに、の優勝ですね(笑)。それでは決勝の振り返りをお願いします。
石井:私が3番車で、強い児玉碧衣選手(福岡108期)が隣の2番車だったので、初手から良い位置を取れるかもしれないと思ったんですが、そこはインコースの選手が早かったんです。すかさず切り替えて前から攻めようと上がっていったときに、外枠だった梅川風子選手(東京110期)が前に来た形でした。
決勝メンバーの中で自力の強力な選手は梅川選手と児玉選手なので、ふたりの間の位置からレースが始められるのはラッキーだったと思います。
残り2周あたりから後方にいた長澤彩選手(愛知106期)が児玉選手を抑える形になったときに、児玉選手は引いて長澤選手を入れたんです(前から大久保-細田-梅川-石井貴子(千葉) -長澤-児玉-小林莉子という隊列)。それもラッキーでした。
山口:児玉選手が長澤選手を入れるというところがポイントだったんですか?
石井:児玉選手に真後ろから思い切りカマされると、そこから合わせて前に踏んでいくのはかなりきついです。その展開は避けたかったので、長澤選手が私と児玉選手の間に入ったことで仕掛けるタイミングをはかりやすくなるなと思いました。
山口:石井選手も梅川選手に続きながらバックストレッチから捲っていきましたが、児玉選手は見えていましたか?
石井:はい、確認していました。でもその前がしんどかったですね。梅川選手の仕掛けが凄いスピードで、細田愛未選手(埼玉108期)を乗り越える時が大変でした。その後はタイミングをはかって追い込みをかける、ではなく自分も捲りにいかないとと切り替えました。
というのも初日のレース、山原さくら選手(高知104期)の捲りにつききり3コーナーあたりまで追走していたら、梅川選手の捲りが飛んできて、私は内に包まれてしまったんです。たまたま山原選手のインコースが空いたので私が追い込むコースがありましたが、実はかなりピンチの展開でした。
その教訓を活かして、良い位置を取り切ったとしても自分が前に踏んでいく算段をしないといけないと思って前に踏みました。初日の失敗があったからこその優勝でしたね。
山口:ゴール後は手も上がりましたね!
石井:そうですね。普段の優勝は追い込みで決めることが多いので「差せたんですかね?」と自分でもわからないことがよくありますが、珍しく着差もはっきりしていた優勝でした(笑)。
山口:南関東の男子選手による胴上げもありました。
石井:いつも皆さんが私を待っていてくれ、胴上げしてくださって嬉しかったです。
山口:トップが集まった3日間のトーナメントで優勝というのはいかがですか?
石井:すごく嬉しかったですし、単発レースを優勝するのとは全く違いました。体の疲労度もありますし、すごく勉強になりました。
山口:ここで賞金もぐっと上がりましたね。
石井:そうですね。オールスター競輪でのコレクションまで大きいレースが続いていたので、それを終えて賞金上位でいられるのは良いと思います。この後は年末へ向けて脚力をアップしていきたいです。
一本一本のレースをしっかり走りきるのも、練習もきっちりしていきたいですね。あっという間に時間は過ぎるので、この後は年末へ向けてしっかりと準備をしていきたいです。
山口:ガールズドリームレースはいかがでしたか?
石井:GKFが全て連対して、しかも優勝して終えられたんですが、疲労感が残ってしまった8月でした。レース間も詰まって腰痛が出てしまい、途中欠場もしてご迷惑をかけていた中で「とにかく走りきらなければ」という気持ちでした。
何とか走れはしましたが、展開的にも自分には向かないような形でした。外枠だったので後手にはなると思い、後ろから攻める選手の動きにのっていこうとは思っていたんですが、動きが無い中で前との車間が空きすぎてしまいましたね。
アクシデントもありましたし、残念でしたね。
山口:それでは、ここからは『オッズパーク プレミアム パーティー 2019』についてお伺いします。競輪からはガールズ選手3人(他は埼玉・野本怜菜選手と神奈川・佐藤水菜選手)と村上義弘選手がゲスト出演だったんですね。
石井:パーティーは初めて呼んでいただいたんですが、サマーナイトフェスティバルのときに村上選手に声を掛けていただいて何だろうと緊張していたら「プレミアムパーティー一緒だからよろしくね」と。
ありがたかったんですが、緊張するので、前もって知らせていただいて良かったです。
山口:トークショーをされたんですよね?
石井:そうですね。かなりじっくりとトークショーをした後に、オートレースの永井大介選手にオートレースの知識を教えてもらって、私たちが予想をするコーナーがありました。2車単の予想だったんですが私は2着3着になってしまいました。
でも、一緒に出演していた野本選手は的中でした。初めてオートレースの予想をしたんですが、結果は外れながら「3着までに入る2人を選べたんだな」と自分では納得していました(笑)。
山口:お客様との触れ合いはありましたか?
石井:そこまで交流するイベントではなく、ステージ上からだったんですが、とても大きな会場でしたし、普段たくさん購入してくださる方々と伺っていたので、雰囲気はまた競輪場とは違いました。
パーティーに来ていた方で本場に頻繁にいらっしゃる方はもしかしたら少ないかもしれないんですが、そういう方に私たちを近くで見て頂ける機会はあまりないと思うので良かったと思います。
山口:そうですよね。お客様もなかなか間近で見られる機会はないかもしれないですね。
それでは今後に向けてのお話を最後にお願いします。後半はどのあたりを強化したいですか?
石井:やっぱり自力ですね。スピード、脚力、もがける距離など全部なんですが、しっかり強化してトップ選手に少しでも近づけるようにしないと、と常に思っています。力のある選手だけが着に残るレースになりますし、一筋縄ではいかない展開もたくさんあると思います。そういう時には自分の力でレースを作っていかないといけません。自分には何が出来るのかを考えて悩みながら頑張っていくだけですね。
山口:それでは最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
石井:いつも応援ありがとうございます。まだまだ勉強中で未熟なところが多いんですが、少しでも強くなっていけるように頑張っていきますので応援してください。よろしくお願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA