11月28日に行われた重賞・ドリームエイジカップは、シンザンボーイが勝利。手綱を取った渡来心路騎手は、9月26日の銀河賞(ヤマトタイコー)でデビュー以来の重賞初勝利を挙げたばかりでしたが、11月7日のばんえい菊花賞(サクラヒメ)に続く3勝目となりました。12月5日(日)のメインばんえいオークスには、サクラヒメが出走予定。もし渡来騎手が勝てば、今年度の重賞勝ち数で、藤野俊一(ばんえい十勝オッズパーク杯、北見記念、クインカップ)、鈴木恵介(旭川記念、ばんえい大賞典、ナナカマド賞)を抑え単独トップに立ちます。
【第17回開催4日目】
12月4日(土)のメイン第11レースには、五稜郭特別(A2級-1組・19:25発走予定)が行われます。
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A2級には4歳馬が6頭いますが、今開催に登録がないエンゼルフクヒメを除く5頭が参戦。しかし4走前に昇級したフォルテシモから、ここが昇級初戦となるアバシリルビー、ニセコヒカルまで、このクラスでのキャリアには差があります。牝馬3頭は前走が牝馬重賞・クインカップで、牡馬2頭は十勝岳特別(A2級-1組)で5歳以上と対戦しました。
◎フォルテシモは、クインカップでは10キロとはいえ他馬よりハンデを課されながら3着。9月の銀河賞でも格上の牡馬を相手に障害ひと腰から3着に好走しており、今回の4歳では実績上位といえます。銀河賞の次走がA2昇級初戦でしたが、この馬以外すべてA1級でしかも特別という厳しい条件でも、逃げたシンエイボブ(現オープン)に2秒5差まで迫って2着。このクラスでもトップクラスの実力があります。
○ギンジも4歳で、B1級の特別戦を2連勝し、2走前のA2昇級初戦も勝利。十勝岳特別は1番人気に推され5着でしたが、重賞出走経験がなく未知の715キロながら、4頭が横一線の3着争いに加わっており、収穫はありました。十勝岳特別を8番人気で逃げ切ったオレワチャンピオン、3着争いから1馬身ほど抜け出し2着センリョウボスらも引き続き出走していますが、同条件を1度経験したことによる上積みは大きいはずです。
▲センリョウボスは、近5走が1勝、2、3着各2回と崩れなし。ここで賞金を稼げばA1昇級ですが、できれば十勝岳特別の2秒2差を逆転し、勝って決めたいところ。阿部武臣騎手がフォルテシモではなく、引き続きこちらに騎乗するのも好材料といえます。
△コウシュハボブは銀河賞の5着馬で、十勝岳特別ではギンジらと追い比べを演じ6着でした。今回が昇級2走目で、過去12回騎乗し5勝、2着1回、3着2回と相性がいい西謙一騎手に手綱が戻ります。
【第17回開催5日目】
12月5日(日)のメイン第11レースは、BG1・第46回ばんえいオークス(3歳牝馬・19:25発走予定)。
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定量670キロでの争いですが、11月のばんえい菊花賞を使われた4頭にとっては経験がある重量。この4頭が有力でしょう。
◎サクラヒメは、ばんえい菊花賞を逃げ切って重賞初制覇。ほぼ同馬に障害を越えたイオンは早々に一杯になり(7着)、離れた障害3番手から追ってきたミソギホマレを寄せつけませんでした。C1級を卒業するのに6戦かかりましたが、B4級は4戦、B3級は3戦、そしてB2級2走目のばんえい菊花賞を楽勝し、飛び級でA2へ昇級。通算12勝はメンバー中最多で、うち7勝を半年以内にマークと成長を見せています。2歳シーズン女王決定戦の黒ユリ賞は障害で苦戦し、1着イオンから1分50秒近く離されての10着でしたが、前走1009キロと約9カ月で120キロ以上も体重が増えたのも躍進の要因でしょう。ばんえい菊花賞は牝馬として最重量ハンデのイオンから10キロ軽かったのに対し、今回は同重量での争い。しかし前走同じ重量で2着ミソギホマレに8秒5差、イオンには25秒9もの差をつけており、この差を逆転するのは容易ではないはずです。
○ミソギホマレは、黒ユリ賞2着で、イレネー記念では2頭参戦した牝馬のうち最先着の3着と健闘。世代最初の重賞・ナナカマド賞を自重し、地力強化につとめてきた結果が出たかたちでしょう。8月のばんえい大賞典で競走除外となったあとは1開催調整され、戦列に復帰してから3勝、2着4回と充実度ではサクラヒメにも劣りません。同馬とイオンがばんえい大賞典から直行なのと対照的に、こちらは自己条件を使われ勝利しての参戦。前走がばんえい菊花賞から26キロ増の馬体で仮に余裕残しだったとすれば、叩いてさらによい状態で臨めそうです。
▲アバシリサクラは、3走前に2歳10月のナナカマド賞以来、1年ぶりの勝利をマークし、続くばんえい菊花賞は3着。障害9番手から突き抜けることはできませんでしたが、ナナカマド賞での末脚を彷彿させ、よい時の状態に戻っているようです。とはいえ、ここで勝つためには直線一気では厳しく、ある程度の位置で流れに乗る必要があります。島津新騎手がどう乗るか注目です。
△イオンは、黒ユリ賞、ばんえい大賞典1着、4歳混合のはまなす賞2着と、牡馬を含めても実績上位の存在。しかし、ばんえい菊花賞が逃げて7着と詰めを欠く内容だったのは気になるところ。当日のレースを確認し、逃げ馬が残る傾向があれば狙ってみてもいいでしょう。
【第17回開催6日目】
12月6日(月)のメイン第11レースは、羊蹄山特別(B1級-1組・19:25発走予定)。
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前開催の北海道競馬記者クラブ特別(B1級-1組)は40キロ減がある3歳牝馬ミソギホマレが障害3番手から抜け出して快勝。同馬は今回不在ですが、2、3、5着馬を含む4歳馬5頭と、前走がクインカップだった牝馬アーティウィングが参戦。10頭中4歳が6頭と多く、引き続き速い流れが予想されます。
なお近2走を暑寒別岳特別(B1級-1組)、北海道競馬記者クラブ特別と使われた馬が6頭います。
◎コウテイは、北海道競馬記者クラブ特別でメンバー最先着の2着。暑寒別岳特別は障害を3番手でクリアし7着でしたが、8月のB1昇級後、特別戦で掲示板に載れなかったのはこれが唯一。ただ、後続も早めに障害を越えたため、追い比べのようなかたちになり、競り負かされた印象もありました。前走も同じ軽めの馬場で障害を2番手で降りたものの、基礎重量が10キロ増えていたぶん後続がバラけ、気分よく走れたのが巻き返しにつながったのかもしれません。3走前の郵政創業150年記念(A2級-1組混合)では格上A2級馬を相手に2着に粘っている実力を考えれば、ここは主役を演じるでしょう。
○リュウセイペガサスは、暑寒別岳特別がB1昇級戦ながら3着に健闘。コウテイより1つ前の2番手で障害をクリアし歩き切りました。続く北海道競馬記者クラブ特別では伸びを欠いて5着と着順を下げましたが、雨が降る中、馬場水分は経験のない4.7%ということもあり、ペースに戸惑いがあったかもしれません。しかし馬場の回復が見込める今回は、2走前くらいの走りはできそうです。
▲アアモンドキーマンは暑寒別岳特別、北海道競馬記者クラブ特別とも逃げて残り20メートルあたりまでは先頭をキープ。結果はそれぞれ4秒3差4着、5秒7差3着とひと押しが課題です。馬券に絡めるかは、ここも他馬の追い上げ次第ということになるでしょう。
△アーティウィングは、郵政創業150年記念では障害4番手から伸びて勝利し、コウテイ(2着)やアアモンドキーマン(9着)に先着。B3やB2級では逃げてこそというレースぶりでしたが、昇級初戦でハナにこだわらず勝ったことに成長を感じさせます。とはいえ4歳の頭数が増えた暑寒別岳特別では障害7番手のまま見せ場を作れなかったのは気になるところ。自分のペースを守って走れるかどうかでしょう。