ホッカイヒカル混戦に断!
3日(日)は重賞・チャンピオンカップ(4歳以上、今年度重賞競走優勝馬)が行われ、単勝2番人気のホッカイヒカルが優勝。08年柏林賞、12年ばんえい十勝オッズパーク杯に続く、重賞3勝目を挙げました。
馬場水分は3.0%で、標準的な水分量。とはいえ、やはり800キロ前後の重量を曳いているだけに、道中はゆったりしたペースとなりました。馬群をリードしたのはキタノタイショウ、ニュータカラコマ、フジダイビクトリーといった面々。各馬もこれに遅れじと追走し、一団のまま第2障害を迎えました。
ひと息入れて、最初に障害に挑んだのはフジダイビクトリー。ギンガリュウセイもこれに反応するかのように登坂を開始。その直後、他馬が堰を切ったように仕掛け、大混戦の様相を呈します。その中から抜け出したのはフジダイビクトリー。天板に脚をかけると荷物を曳き上げ、先頭で障害を下っていきました。続いたのはギンガリュウセイで、その後ろからブラックパール、キタノタイショウ、ホッカイヒカル、そして1番人気のカネサブラックが並んで追撃態勢に入りました。
なかでも脚いろよく伸びてきたのはキタノタイショウで、残り20メートル付近で早くも先頭をうかがう勢い。さらにホッカイヒカルとブラックパールも脚を伸ばしてこれに食い下がります。先頭のフジダイビクトリーは失速気味で、カネサブラックも840キロの荷物が響いているのか、今ひとつ伸びを欠いている状況。残り10メートルを切って先頭はキタノタイショウ。懸命に逃げ込みを図りますが、追ってくるホッカイヒカルもジワジワと差を詰めます。そしてゴール線上でホッカイヒカルが並びかけると、そのままキタノタイショウを抜き去り、先頭で荷物を運びきりました。その瞬間、後端がギリギリ入ったか微妙なところでキタノタイショウがストップ。ジャッジは未入線で、その隙にブラックパール、フジダイビクトリーがゴールイン。レースをおおいに盛り上げたキタノタイショウは、奮闘及ばず4着という結果になりました。なおカネサブラックは、その後ろの5着でゴールしました。
年度最初の重賞、ばんえい十勝オッズパーク杯でこのレースの出走権を手にしていたホッカイヒカルが、年末の大一番を前に復調気配。シーズン中盤は不振に陥っていましたが、このレースの直前にオープンで3連続連対を果たしており、軌道修正に成功した印象です。思えば昨年のばんえい記念ではニシキダイジン、フクイズミ、ナリタボブサップに次ぐ4着で、地力の高さは折り紙つき。今年もばんえい記念での上位争いが期待できそうです。
2着のブラックパールはハンデに恵まれた面もありますが、地力がなければこのメンバーで2着に食い込むことは不可能でしょう。重賞で常に上位争いを演じる底力は特筆もので、これからも大舞台での活躍が期待できそうです。
単勝1番人気で5着に敗れたカネサブラックは、この重量差だけに仕方のない結果。定量、しかも実績のある1トンの重量なら話は別で、ばんえい記念での巻き返しも十分に期待できるでしょう。
阿部武臣騎手「スタートは遅れるのですが中盤で追いつき、ゴール前で差し切るこの馬らしい勝ち方ができました。普段よりゆったりしたペースだったので、早めに追いついて息を入れられたのもよかったのでしょう。荷物も重かったですが、馬の力を信じて追いました。このまま調子よくいってくれれば来年度も活躍できると思います」