ナナノチカラが激戦を制す!
17日(日)は重賞・黒ユリ賞(3歳牝馬オープン)が行われ、単勝1番人気に推されたナナノチカラが優勝。この世代初となる牝馬重賞を制しました。
馬場水分は2.1%と重めでしたが、各馬630キロの重量をものともせず、軽快に第1障害を突破。コウシュハクィーン、ミドリユーあたりが先行し、速めのペースで進みます。センショウエースがやや集団から水をあけられたものの、他馬はほぼ一団で第2障害を迎えました。
ひと呼吸置いて仕掛けたのはミドリユー。それに呼応するようにして、コウシュハクィーンも登坂を開始します。遅れてアグリナデシコ、フジノルビーあたりも仕掛けますが、どれも今ひとつ決め手を欠く展開。しかし、さらに遅れて仕掛けたクインフェスタがひと腰で天板まで上がりきり、他馬を尻目に先頭で突破。立て直したアグリナデシコもクリアし、以下コウシュハクィーン、1番人気のナナノチカラの順で障害を下りていきました。
単独先頭はクインフェスタ。ゆうゆうと歩みを進めますが、その後方で4番手クリアのナナノチカラがギャロップで2番手まで浮上。さらに脚を伸ばして、残り20メートルでクインフェスタを射程圏に捉えます。徐々にその差を詰め残り5メートルで並び掛けると、2頭が並んだままゴールイン。手に汗握る攻防は、わずかに0秒2だけ、ナナノチカラが先着。クインフェスタもよく粘ったものの、最後はナナノチカラの決め手に屈しました。この2頭から遅れること25秒差の3着には、コウシュハクィーンが入線しました。
ナナノチカラはこれで5連続連対。目下のデキのよさと、持ち前の決め手の鋭さを生かして、初タイトルを手にしました。牡馬相手のA-1で好勝負を演じ続ける力はダテではなく、今後も牝馬限定戦はもちろん、重量面で恵まれる牡馬相手の重賞でも勝ち負けが期待できそうです。
鈴木恵介騎手「スタートしてから1コースを嫌がって逃げた動きをみせましたが、障害を降りてから歩く馬なので信じて乗っていました。ゴール際は本当にきわどかったですね。これから期待できる馬だと思いますので、今後も応援をお願いいたします」