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2010年10月 アーカイブ

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今週の見どころ(10/9~10/11)

2010年10月 7日(木)

  6月19日にスタートした今季のナイター競馬は、今週の3日間で終了となります。その徹尾を飾る11日(祝・月)のメインは2歳重賞のナナカマド賞。今年も将来性豊かな若駒が集いました。どうぞお楽しみに。
 また、9日(土)のメインにはオッズパーク杯秋桜賞が行われます。当日、帯広競馬場では、オッズパーク会員限定で、入場料無料(入場口で携帯電話のオッズパークのログイン後画面を提示してください)や、先着順でバックヤードツアー参加やメインレースの口取り写真参加などの特典があります。ぜひ競馬場へお出かけください

帯広競馬場でのイベントはこちら
Aiba函館港町場外でのイベントはこちら
※新設重賞(12月実施予定)のレース名称を募集しています。詳しくはこちら

 10月9日(土)のメイン第11レースはオッズパーク杯秋桜賞(3歳オープン・20:00発走予定)。10月31日に行われる3歳三冠の第2弾・ばんえい菊花賞の前哨戦といえます。
 3歳一冠目・ばんえい大賞典馬レットダイヤ、ばんえいプリンセス賞(3歳牝馬オープン)の勝ち馬ダイリンビューティ、両レースともに僅差2着だったツジノコウフクヒメによる三つどもえが予想されます。
 なかでも1頭抜擢するとしたらツジノコウフクヒメでしょうか。ばんえい大賞典は、レットダイヤから20キロ軽かったのが、今回はさらに10キロ広がるのが有利。ダイリンビューティには、ばんえいプリンセス賞ではゴール寸前で差し切られていますが、今回と同じ負担重量だったばんえい大賞典では20秒以上も先着しています。
 ばんえい大賞典を逃げ切ったレットダイヤ、ばんえいプリンセス賞では見事な差し脚を披露したダイリンビューティも好レースを期待したいところです。

  10月10日(日)のメイン第11レースはダークホース賞(20:00発走予定)。今年が第1回となる3歳以上青毛馬選抜による一戦です。
 注目を集めそうなのはやはりカネサブラック。同馬を含め今回はオープン(重量区分)馬が5頭出走していますが、今季北斗賞勝ちがある実績は飛び抜けています。次開催(10月24日)の北見記念に向けて落とせない一戦です。
 相手選びが難解ですが、不振ぎみの残りのオープン勢よりは、準オープン勢のほうが期待できそう。オープンでも通用する決め手を持つニシキセンプー、障害巧者イッスンボウシ、叩き3走目で復調がうかがえるホシマツリの3頭です。

 10月11日(祝・月)のメイン第11レースは2歳三冠の初戦である第33回ナナカマド賞(20:05発走予定)。収得賞金60万円につき10キロ増となる別定重量戦で、牡馬のオイドンレットフジ、牝馬のプリンセスヤヨイが10キロ増での出走です。
 オイドンの相手探しでしょう。目下世代最多の7勝をマークし、別定10キロ増となった近2走も1、2着で、障害はまったく崩れていません。前回の青雲賞(2歳牡馬オープン)は感冒のため出走を取消し、今回は1カ月半ぶりの登場。仕上がりに不安もありますが、実力的にまず連は外さないでしょう。
 オイドンが不在だった2歳A級-1組、青雲賞と連勝中なのがレットフジ。ちょっと腰が甘いところがありますが、決め手比べならオイドンにも負けないはずです。
 青雲賞で僅差の2、3着だったのがフナノコーネルニュータカラコマ。当時はレットフジと同重量だったのが、今回は10キロ差がつきました。特に、ニュータカラコマはやっと走りが常識にかかるようになってきました。素質は高く、力を出し切れば一発が見込めます。
 牝馬は、ここまでオープン特別が2戦行われ、プリンセスヤヨイトモエウンカイが着順を入れ替えてのワンツー決着。ただ牡馬に混じるとやや分が悪い印象があります。

ばんえい名馬ファイル(6) イエヤス

2010年10月 6日(水)

天下獲りの冬の陣 イエヤス

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Photo●OPBM

 「イエヤスが天下を獲った!」

 年号が昭和から平成に変わった年の農林水産大臣賞典(現・ばんえい記念)。伏兵イエヤスが先頭でゴールした瞬間、スタンドは沸いた。この年の大臣賞はのちに1億円馬となるタカラフジ、ヒカルテンリュウの一騎打ちと見られ、連勝オッズも2倍と両馬が圧倒的な人気を集めていた。

 当日の帯広競馬場は12月10日とはいっても晴れの天気で馬場水分2.5%であり、ひじょうに時計のかかる馬場状態だった。スピードを生かしたレースでの実績はあるが、11月12日の北見記念900キロが今まで経験した最高重量のイエヤスである。それに比べ、タカラフジは岩見沢で行われた地方競馬全国協会会長賞で2着のキンタイコーに15秒の大差をつける圧勝劇を演じており、そのタカラフジを5馬身突き放し旭王冠賞馬となったのがヒカルテンリュウ。超満員のファンの誰もが「銀行馬券で暮れのボーナスを」と思うのも当然だった。

 5分32秒2。農林水産大臣賞典の重量が1000キロに定められてからの優勝最高所要タイムである(※1)。まさに死闘だった。ゲートが開き各馬定位置を第2障害に進み、赤い帽子の西弘美騎手・イエヤスが先頭で降りても、まだ誰も銀行馬券を疑うことはなかった。すぐあとに金山明彦騎手のヒカルテンリュウが、3番手に久田守騎手のタカラフジが差なく続いて降りたからだ。「逃げ」といってもばんえい競馬だ。10メートル進んでは止まり、5メートル進んでは止まるのである。それと一緒にファンも声援を送りながらスタンド前を200メートル移動するのだ。「これがバンバだ」と叫んでいる老人もいる。

 6歳で農林水産大臣賞馬となり天下獲りを果たしたイエヤスは、昭和61年北見競馬場で行われた能力テストを1回で合格、デビュー戦もゴール前で差し切って勝ったが、タイム的には平凡だった。61年デビュー組はチカラトウショウやゴーニテンリュウ、牝馬ではミドリゴゼンと実力馬が揃うなかでイエヤスは陰の存在だった。3歳時は北見産駒特別の優勝はあるが、レース名のとおり北見産駒限定戦である。3歳オープンでは入着はするが勝てないレースが続く。

 しかし不思議なことに、常に人気になる馬ではあった。そのイエヤスという馬名が人気の要素だったのかもしれない。

 ばん馬の名前は昭和40年代前半までは山や河、海など出身地を思わせるものが多く、馬名で馬主さんが分かったものだったが、後半からNHK朝のドラマやコマーシャルからの馬名が多くなるのも特徴である。国民的ドラマの主人公の名をとり「オシン」、「キタノアグリ」や「アグネス」(香港出身の歌手ではなく、ハワイ出身のアグネス・ラム)にヒゲで有名な現調教師(※2)である片平俊悦騎手が乗っていたのも面白い話である。オリンピックの翌年は必ず優勝者の名前が登録馬の中に入っていて、「ルイス」や「ジョイナー」など、時代を反映した名前が見受けられたものだ。

 兄弟騎手の兄として1000勝騎手となった(※3)西弘美騎手は、その後フクイチで平成9、10年の大臣賞を制したが、初めて大臣賞を優勝したのがイエヤスだった。「デビューからずっと手綱を取りました。最初は他厩舎に所属していたのですが、すぐに私の所属の山本幸一厩舎に転厩してきたんです。普段は大人しいんですが、レースが近くなると担当の厩務員しか馬房に入れることができないほどで、馬房の壁は穴だらけでした。イエヤスの同期は本当に強い馬が多くて、騎手の仲間とよく『鳴くまで待つか』なんて話していたものです。現実に大臣賞に出走させるにも、4歳時のばんえい大賞典をひとつ勝っただけの実績しかありませんでしたからね。でも1カ月前の北見記念3着の時の手ごたえが本当に良かったんです。山本先生と相談して出走させて、苦しいレースでしたが勝って良かったです。大臣賞を勝ったあとは、あんなに強いレースをしたのが嘘のように勝てなくなりました。大臣賞で燃え尽きたんですね。でも種牡馬になってからも初仔のダイカツは現在5歳オープンで活躍していますし(※4)、4歳もパワーウルフ、レーザーエッジと続いています。楽しみですよ」

 10月10日(※5)に旭川で行われる旭川記念にイエヤスの長男ダイカツが出走を決めた。ダービー馬ハイトップレディなど実力馬を相手に、無冠のダイカツがどう立ち向かうか、楽しみである。

文/小寺雄司

(馬齢は当時の旧年齢で表記)
※1:その後、08年にトモエパワーが制したばんえい記念が5分35秒8。
※2,3,4,5:1999年当時。

イエヤス
1984年2月27日生 半血 牡 青毛
父 半血・アラミノル
母 半血・クシロホープ
母の父 ペル・2世ロッシーニ
北海道常呂郡佐呂間町・柴田秀男氏生産
競走成績/162戦17勝(1986~94年)
収得賞金/52,907,000円
主な勝鞍/87年ばんえい大賞典(旭川)、89年農林水産大臣賞典(帯広)


月刊「ハロン」1999年11月号より再掲

今週の見どころ(10/2~10/4)

2010年10月 1日(金)

 先々週には銀河賞、先週は岩見沢記念、そして来週がナナカマド賞と秋のばんえい競馬はビッグレースが目白押し。今週は重賞が組まれていませんが、3日(日)のメインには、4歳牝馬オープンによる紅バラ賞が行われます。再来週(10月17日)に実施される重賞・クインカップの前哨戦として注目です。当日、帯広競馬場では、バラフェスタが開催されます。
 また同日、Aiba札幌駅前場外では、古谷剛彦さん、太田裕士さんによる場立ち予想会も行われます。お近くの方はぜひお越しください。

 10月2日(土)のメイン第11レースは桔梗特別(A1級-1組・20:00発走予定)
 前開催の豊頃町開町130周年記念(A1級-1組)を制したナカゼンスピードがここも主役といえそうです。近5走が2、2、2、1、1着と連対継続中。その5戦で、今回のメンバー中、一度も対戦がなかったシベチャタイガーを除く8頭に先着している実績があります。ここを勝ってオープン昇級となるでしょうか。
 ナカゼンスピードの近3走で一緒に走って1、2、3着のニシキユウも有力。豊頃町開町130周年記念は3着でしたが、ナカゼンスピードをけん制し早めに仕掛ける勝ちにいく競馬をしての結果です。当時30キロだったハンデ差が35キロに広がる今回は逆転の可能性がありそうです。
 トカチタカラも侮れない1頭。前々走はオープン-1組特別でカネサブラックの6秒2差4着があります。
 7月にA1級特別で連勝している4歳馬アオノレクサスや、A2級で2連勝してここに臨むタケタカラニシキも争覇圏でしょう。

 10月3日(日)のメイン第11レースは紅バラ賞(4歳牝馬オープン・20:00発走予定)
 4歳重賞・銀河賞で牝馬最先着の6着ワタシハキレイズキに期待します。障害巧者で、最後までしっかり歩ける脚もあるタイプ。3歳牝馬三冠(当時)では、二冠目・ばんえいプリンセス賞を制し、三冠目・ばんえいオークスでも2着に入った世代上位の実力馬です。
 4戦連続連対中のホクショウマドンナ、近5走で4連対のヒマワリカツヒメが続く存在。ともにばんえいオークス以来となる同世代限定のオープン特別出走となりますが、ハンデも有利で昇り調子だけに上位進出が狙えそう。特に、ヒマワリカツヒメ(ばんえいオークス3着)は強烈な決め手があり、障害さえ無難なら一気の首位奪取も考えられます。
 コマクインは、銀河賞7着、前走A1級決勝混合6着など、このところゴール前で粘りを欠いていますが、展開次第では残り目もありそうです。

  10月4日(月)のメイン第11レースに神無月特別(オープン-1組・20:00発走予定)が行われます。ナリタボブサップ、フクイズミが回避して8頭立てとなりました。
 今季、メンバー中で唯一、古馬重賞での連対があるニシキダイジンが実力上位ですが、重賞以外ではやや安定味を欠く傾向もあります。
 前走岩見沢記念は5着も得意の負担重量に戻るホクショウダイヤ、メンバーが手薄だったとはいえ7月にオープン-1組特別制覇のギンガリュウセイ、4歳重賞・銀河賞を含め3連勝と勢いに乗るキタノタイショウらにもチャンスがありそうです。

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