トモエパワー頭の馬単流し
さぁみなさん、いよいよばんえい記念です。世界でただ一つのばんえい競馬にあって、正真正銘の最高峰レース。去年、私は「ワールドカップ・オブ・ばんえい」というサブタイトルをつけましたが、今年は「WBC」=「ワールド・ばんえい・クラシック」と命名させていただきます。トモエパワーの3連覇か、それとも他の馬がこれに待ったをかけて初優勝を果たすか。興味津々、全競馬ファン必見の大一番です!
97年以降のばんえい記念では、“連覇”がキーワードになっています。97、98年はフクイチ、99、2000年はシマヅショウリキ、01、02年はサカノタイソンが2連覇。03年から06年まではスーパーペガサスが4連覇。そして07、08年はトモエパワーが2連覇。ということは、2連覇の次、3連覇が一つの壁とも言えるわけです。
そこで、2連覇にとどまったフクイチ、シマヅショウリキ、サカノタイソンの“3年目”を調べてみました。まず、97、98年を連覇したフクイチは、99年のばんえい記念に出走。シマヅショウリキの2着に敗れ、惜しくも3連覇を逃します。そのシマヅショウリキ。99、2000年を連覇した後、01年のばんえい記念に駒を進めますが、今度はサカノタイソンの5着となり、これも3連覇を逃しました。そして、サカノタイソンは01、02年を連覇し、3連覇を目指すことになりますが、道半ばの02年12月に引退、3年目のばんえい記念には出走できませんでした。
実は、フクイチの3連覇を阻んだシマヅショウリキと、シマヅショウリキの3連覇を阻止したサカノタイソンは、どちらも当時7歳。しかも、ばんえい記念は初挑戦でした。
すると今年は? そう、7歳でばんえい記念初挑戦という馬がいるじゃないですか。カネサブラックですよ! トモエパワーの3連覇に待ったをかけられるのは、この馬しかいない、ってことになるはずです。
でも、ちょっと心配なところがあります。カネサブラックの成績をよく見ると、800kg以上のソリを曳いて勝ったのは、前走のチャンピオンカップ(800kg)が初めて。それまでは、ことごとく何かに負けていたんです。そのうちのほとんどが、同馬よりも軽い荷物の馬に先着を許したもの。なので、牡馬同士なら同重量となる今回は心配無用なのかもしれません。とはいえ、去年の帯広記念では同重量のナリタボブサップ、今年の帯広記念では同重量のニシキダイジンに先着されています。こうした高重量戦での詰めの甘さは何とも気になります。今回のレースを勝てば、そういう部分も払拭されるんでしょうが……。
前述したシマヅショウリキは、99年にばんえい記念初出走で初制覇を果たす前に、98年のチャンピオンカップで830kgを曳いて優勝。サカノタイソンも、01年のばんえい記念を制する前、00年の帯広記念で900kgを曳いて1着になっています。それに比べると、直前のレースでようやく800kgを曳いて優勝したカネサブラックの実績は、ばんえい記念初挑戦初制覇を果たすには、今ひとつ物足りないような気がしてなりません。
今回は、トモエパワーの3連覇濃厚と見るのが無難のようですね。去年のばんえい記念以来、勝ち星から遠ざかっている同馬ですが、常にレースに出続けているのは、体調に問題のない証しでしょう。さらに言えば、ばんえい記念の1着賞金は500万円。今季ここまで、旭川記念、北斗賞、ばんえいグランプリ、岩見沢記念、北見記念、帯広記念、チャンピオンカップをすべて勝ったとして、1着賞金の総額は560万円。つまり、この大一番を一つ勝つだけで、その他の主要重賞を独り勝ちするのとほぼ同じ金額をゲットできるわけです。2年続けてばんえい記念を制したトモエパワーが、ばんえい記念だけに目標を絞って1年間走り続けてきたとしても、何の不思議もありません。2連覇の実績を素直に信用しようと思います。トモエパワー頭の馬単流しで行きます!
相手は、7歳牡馬トリオとミサイルテンリュウ、ニシキダイジンの5頭。オッズ次第ですが、スーパークリントン、カネサブラック、ニシキダイジン、ミサイルテンリュウ、ナリタボブサップの順に配分します。
どうかみなさん、馬券を買って、この大一番にご声援をお送り下さい。もし周りに馬券が買えそうなところにいる方をご存知でしたら、ぜひその方もお誘い下さい。なにとぞよろしくお願いします。
では、およそ5分の感動のドラマを大いに楽しみましょう。全馬無事に完走することを祈って……!