雨ニモマケズ、風ニモマケズ
今回は文学の薫り高く始めるのである。
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
ホンメイノトキハナミダヲナガシ
オオアナノトキハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
セケンニモアイテニサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナッテシマッタ
最近、ようやくオッズパークを利用するようになった小生である。すでに利用されている方々は先刻ご承知だろうが、オッズパークには「マイページ」という、まことにもって余計なお世話なページが設けられている。自分の投票行動がちゃんと集計されて表示されるのである。まことにもって余計なお世話なのであるが、これがけっこう面白いのである。なんせ、小生、実は集計マニアである。今を去る30年ほど前、小生は毎日毎日パチンコ屋に入り浸っていた。月曜から金曜はパチンコ、土日は中央競馬という生活だったのである。中央競馬の馬券収支を記録しなかったのが不思議だが、パチンコの方はちゃんと記録していた。後から見ると何ともアホらしく涙が出てくる、そういう意味で「涙の記録」でもある。
小生、何かを記録するというのが本質的に好きなのであろう。ここらがスタリオンブックを作成したイギリス貴族に通じる小生の貴族的な資質といえよう。21世紀になった頃からは競輪・競馬の収支を記録し続けている。ところが、オッズパークのマイページは自分がこつこつ記録しなくてもちゃんと記録してくれているのである。競馬場別や月別、さらには式別の収支なんぞも教えてくれる。ありがたいことだ。ありがたいことだが、自分で集計したものなら、記録をながめて「ワシもアホやなあ」と苦笑するだけで済む。ところが、アカの他人がつくった自分に関するデータを見せつけられると、「オマエはホンマにアホやなあ」と笑われているような気がするのである。ここいらが「余計なお世話」と感じてしまう部分なのである。
これは健康診断に通じるものがある。健康診断書を毎年もらう度に、「オマエはぐうたら暮らしとるから、中性脂肪が高いんじゃ。だいたいが太り過ぎなんぞというのは、オマエが自己管理も出来ないアホやからや」などと、アカの他人に説教喰らっている気がするのである。「アカの他人のてめえにつべこべ言われたくはねえ」と思うのだが、いわれる通りであるから黙るしかない。
わが家には1匹の妖怪が長年棲み着いている。この妖怪が棲み着いた経緯については、なんせ古いことなので忘れてしまったが、なんでも、この妖怪、日本国の法律用語では「ハイグウシャ」というのだそうだ。
小生が、ごろんと寝転がり、機嫌良く新聞を眺め、赤ペンで印をつけていると、この妖怪が頭の上から「毎日、毎日、当たりもせんのにアホちゃうか? よう飽きんなあ」なんぞとほざくのである。まことにもって余計なお世話である。そのたびに「ああ、ワシはアホじゃ。アホに決まっとるわい。賢かったらおめえなんぞと所帯持ってないわい!」と、心の中でつぶやくのである。「心の中で」というのがキモである。口に出したら最後、妖怪ハイグウシャの祟りが炸裂すること必至である。
われらが文豪・旋丸巴先生には、ご自身のmixi日記の中で、小生を「競馬・競輪・競艇と、日々、身銭を切って研究されているような立派な教授」と誉めていただいたが、決して切りたくて身銭を切っているわけじゃないところが悲しい。出来ることなら身銭は太らせたいのである。
今週のメインレースはウインターカップ。帯広記念こそ期待を裏切ったが、いずれはばんえい記念クラスでは?と、小生、密かに期待しているタケタカラニシキが細った身銭を太らせてくれはしないだろうか。前回見捨てて大失敗してしまったプリンセスサクラコにもあらためて期待。
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
ゴールニマッサキニカケツケル
サウイフウマニ
ワタシハカケタイ