月光のように輝く青山周平
『G1ムーンライトチャンピオンカップ』に青山周平は2019年から連続で優出中。決勝戦の成績は2019年が準優勝、2020年が3着、2021年が準優勝、そして2022年と2023年に優勝して3連覇を狙うのが今回。大会初制覇となった2022年はスーパーハンデに置かれての8番手発進から追い込んで、残り1周の時点で3番手から荒尾聡と高橋貢を差して優勝し、「記憶に残るレースになると思う」と語った。『SGオートレースグランプリ』を5度制していることでも判るように、夏の伊勢崎ナイターに無類の強さを誇る。
ムーンライトとの相性の良さでは、高橋貢と早川清太郎もヒケを取らない。両者ともに過去トータル5回ずつ優勝している。先月末の伊勢崎ナイターにおいて、高橋貢は完全優勝。雨の4日間を無敗で駆け抜けた。同じ節の早川清太郎は逆に、雨続きで実力を出しきれなかった感があるものの初日は勝利し、グランプリ最終日に他落していた機力・体調の不安を払拭した。
新井恵匠は今年3度目、5か月半ぶりの優出を先週に果たした。6走中5度が着外だった前々節のグランプリよりも成績がアップし、このまま上昇カーブを描きたいところだ。
亀井政和はグランプリ初日から2連勝。4日目にハンデ重化すると成績は下がったが、翌週の伊勢崎アフター5ナイターでは重いハンデのままで悪くないレース内容の走りを見せて4戦1勝した。
新井日和はグランプリ4日目から補充選手として参加すると、出走した3戦に全勝。その前の節~グランプリの次節にかけて6連勝してみせた。
お盆の『SGオートレースグランプリ』で川口勢は3名を決勝へ送り込み、黒川京介が4着、若井友和が5着、佐藤摩弥が7着。今年5月のナイター『G2川口記念』にも3車は揃って優出し、佐藤摩は7月上旬の飯塚『G2ミッドナイトチャンピオンカップ』、黒川は同中旬の川口ナイター『G1キューポラ杯』をそれぞれ制覇した。
中村雅人はグランプリは未勝利に終わったが(それでも準決勝戦には進んだ)、6月の伊勢崎ナイター『G2稲妻賞』には加賀谷建明とともに優出。加賀谷はグランプリ最終日に落車しており、優勝争いできる実力の持ち主なだけに初日の気配に注意を払いたい。
今年4月以降の伊勢崎ナイターへ鈴木宏和は3節に出場し、全て優出した。7月の通常ナイター、連続開催のアフター5、そしてSGグランプリの3度とも決勝戦3着。依然グレードタイトル未獲得ながら、イン戦で捌く技術と雨走路の走り方を磨き続けており、今季に実績を挙げている伊勢崎ナイターの舞台で躍動するか。2022年2月の伊勢崎ナイターでは3戦3勝の完全Vも決めている。
伊藤信夫はSGグランプリ6日制の3日目からエンジン上昇。次節の飯塚ナイター『G1ダイヤモンドレース』は準決勝戦で痛恨のフライングを犯し失権してしまったが、中村雅・有吉辰也・中村杏をくだして意地の勝利を挙げた。
その有吉はグランプリ初日・2日目に連勝も節の後半は着取り下降。それでも続く地元ダイヤモンドレースには優出し、鈴木圭一郎・中村雅・青山周に先着する4着に入った。
岩見貴史はグランプリ2日目~4日目に3連勝。ダイヤモンドレース5日制も初日~4日目までオール3着以内と安定感を示した。
長田稚也はグランプリ初日1着のあとは勝てず、最終日は内線突破で失格になってしまったが、続く地元のダイヤモンドレースでは大活躍。優勝した小林瑞季との激しいデッドヒートはファンを沸かせたであろうし、自身の実力アップをアピールする機会にもなったはず。
丸山智史もグランプリ6日間で2着4度と好走。4日目の雨走路での大敗が得点に響いて準決勝戦進出を逸したが、翌5日目の一般戦から次週の山陽ミッドナイト2節6走までの8戦で2連対を継続中。その山陽ミッドは2節とも優勝を遂げた。
松尾彩が奇しくも似た軌跡を辿っている。グランプリ5日目2着、6日目1着。そして山陽ミッド1節目の初日に雨4着のあと2連勝。2節目3日間はオール2着で準優勝した。
飯塚ダイヤモンドレースには伊勢崎から青山周平と、ランキングA級車が多く参戦した。
木村享平は5日制の初日~3日目オール2連対。ハンデ重化した4日目の準決勝戦は8着に沈んだが、そのハンデのまま臨んだ最終日は10メートル後ろ最重ハンの森本優佑や中村友和をチギって圧勝した。
佐久間健光と田中賢は初日に良い着順を取れなかったため2日目以降の勝ち上がり条件が厳しくなり準決勝戦へは進めなかったが、2日目~5日目は雨1走を含めてオール3着以内に好走。
横田翔紀と石川哲也の34期コンビも、ともに準決勝戦は苦戦を強いられたものの、ほかの4走は同じくオール3着以内に入った。
別路線を歩んできた選手では
岩田行雄は6月下旬から伊勢崎ナイターのみ6節に出走し続けており、雨続きだった8月28日~31日の1節で途切れるまで3連続優出していた。
8月19日~22日の伊勢崎アフター5では三浦康平と野本佳章が決勝戦ワンツーフィニッシュ。中山光が優出5着で、高橋義弘も節間を通して好走した。
消音マフラー開催ながら、押田和也が飯塚ナイター、谷津圭治は山陽ミッドナイトに、それぞれ8月上旬に優出した。
田中茂と牧瀬嘉葵もこの夏は西日本の消音・夜開催で活躍している。木山優輝は7月の落車からぶっつけ本番になるが、今年は飯塚ミッドナイトで3度も優勝している。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-9(29期)〕
岩田 行雄〔伊勢崎 A-7(15期)〕
黒川 京介〔川口 S-3(33期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-4(32期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-8(25期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-16(24期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-17(29期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-18(34期)〕
丸山 智史〔山陽 S-36(31期)〕
松尾 彩〔山陽 A-37(34期)〕
文/鈴木
競って初優勝を狙う37期2名
優出回数ともに通算2度、切磋琢磨しながら実力を身につけてきた村田光希と田中崇太が後続の先輩たちを引き離そう。現状のハンデが田中崇の10メートル前と有利で、近況の1着量産で通算勝利数も田中崇に追いついてきた村田を本命視。
準決勝戦で10メートル前の2車を叩く鋭い出足を放った山本将之が再び3.37秒台の高速で追い上げる。山田真弘は準決勝戦の動きがやや折り合いを欠いたのが不安点。藤岡一樹は準決勝戦のように車群が固まれば進めるが、軽ハンのペースが速く縦長の隊列になると追えない恐れが。
◎ 1 村田光希
○ 2 田中崇太
△ 4 山本将之
▲ 3 米里崇徳
穴 6 藤岡一樹
おすすめの買い目
1=2-436
穴なら 37期が競り合うと共倒れになるケースもある
6=5-43
文/鈴木
荒尾聡の総合力が一枚上だ
準決勝戦は速攻の石本圭耶に押し切られたが、最後は荒尾聡がキッチリ締めくくるとみた。車群が混み合った際の柔軟な対応力は、同じSGレーサーである篠原睦や久門徹よりも優勢だ。
今節ただひとり無敗を保ってきた吉川麻季が、区切りの通算50勝目とともに初優勝を狙う。ただ、エンジン完調に仕上がった印象の中尾貴志や石本が早めに追いついてくるケースも考えられる。
◎ 8 荒尾聡
○ 1 吉川麻季
△ 7 篠原睦
▲ 5 石本圭耶
穴 3 中尾貴志
おすすめの買い目
8=1-753
穴なら
3=8-7516
文/鈴木
高橋貢が完全V
初日の第1レースを除いて4日間すべての競走が雨で実施された今シリーズ。高橋貢が4戦4勝で無敵の強さを見せ付けた。
単独0ハン北渡瀬充が逃げ態勢。マークした清水卓がイン飛び込んだがコーナー回りきれず、再び北渡瀬が先頭へ。3番手で仕掛けるチャンスをうかがっていた竹本修の内へ突っ込んだのが高橋貢。そしてあっさり首位に立つと、通算218回目の優勝ゴールを決めた。
上位人気に推された新井恵匠はレース後半に番手を上げたが離れた3番手まで。松本康は武器のスタートが決まらず後方のままで終わった。
文/鈴木
高橋貢が無敗の完全Vへ
初日から3日間続いた雨を危なげなく全勝してきた高橋貢が決勝戦も制して無敗で今節の頂点に立つ。最終日4日目は曇りときどき雨の予報だが、高橋貢は天候によるプラスマイナスなどない。どんな条件でも王者の走りを見せる。
30線の先行争いは松本康が飛び出すか。10メートル前が不在なので前に詰まる心配がなく、発走直後からスピードを上げて進めそうだ。
意外性があるのは北渡瀬充。ハンデが通常より20メートルも重かった前節とは見違える走りをできている。清水卓が同ハンを抑えるような形になれば一段と有利な展開になる。
◎ 8 高橋貢
○ 7 松本康
△ 1 北渡瀬充
▲ 2 清水卓
穴 4 竹本修
おすすめの買い目
8-7=124
穴なら
4=7-812
文/鈴木