
山本翔が強気に攻める
本走タイム比較からは田中崇が逃げ残れる公算は十分にあるが、春本や、その春本を準決勝戦で攻略した松山の早い攻めが今節は決まっているので、今回は展開的に厳しいかも。
2日目に3.390秒で勝利している山本翔の捌きが上位とみた。小回りのイン攻めで番手を上げられるので距離のロスなく進んでいける。渡辺篤も速い時計を出しているが、複数の車が前方で重なると割っていけるかどうか。
春本が後続に対する防戦に力を注ぐような展開になれば、田中崇の逃げに有利となる。1級車と比べて強い風に影響を受けやすいとされる2級車で、風速10メートルの準決勝戦をしっかり回れていたのは、車と乗り手が充実していることの証明だ。あとはとにかくレース展開がカギとなる。
◎ 5 山本翔
○ 6 渡辺篤
△ 4 松山茂靖
▲ 3 落合巧
穴 1 田中崇太
おすすめの買い目
5-6=431
穴なら
1=4-653
木村武之が2節連続V
最重ハンのSGタイトルホルダー3名を抑えて1番人気に推されたのは阿部剛士。だがスタートは同ハン内枠の小原望に先行されて、2周回1コーナーで差して2番手に上がったが、2コーナーで外へ流れてしまい小原が反撃。
そこを一気にイン突き抜いたのが、30線の中枠から大きくスタート先行して追ってきた木村武之。そのはるか前方には、単騎0ハンの池浦一博が独走態勢を築いていたが、木村武は5周回で捕まえた。青旗(5周回ホーム線で残り1周を知らせるために振られる旗)で若井友和も池浦を差して2着浮上。
木村武は今月5日の山陽ナイターから2節連続となる、通算88度目の優勝。今後は、21日からのナイトレース、そしてSG日本選手権と、川口レース場への出走が続く。
文/鈴木
4度目の大会制覇をもくろむ荒尾聡
飯塚でのランキングトップ、『地元エース』の座は今期も有吉辰也に譲った荒尾聡だが、先ごろ史上31人目の通算1000勝に到達するなど近況のムードは上々だ。
今大会『G2オーバルチャンピオンカップ』は2015年・2019年(1月)・2023年に優勝。その『4年おき』のペースから今年は外れているが、大台達成からの2節で早くも6勝を加算している現在の勢いなら2年連続の戴冠は大いにありそう。
有吉辰也は8月『G1ダイヤモンドレース』と今月の一般開催デイレース、同ミッドナイト(4戦4勝の完全V)と、飯塚は3連続で優出して今回に臨む。今年の優出回数すでに23回。長い年月キープできている安定感は、オートレース界の全体を見渡しても高橋貢と双璧といえる。
オーバルチャンピオンカップ優勝歴は2019年(4月)の1度のみながら、昨年は『G2ミッドナイトチャンピオンカップ』(決勝は8周戦)を制して、今年は『SGオールスターオートレース』(準決勝戦は8周戦)に優出3着と、地元飯塚の長距離戦の戦い方を熟知している。
遠征勢の最大の目玉は高橋貢。8月の伊勢崎ナイター『SGオートレースグランプリ』は予選勝ち上がりポイントが次点の33位で準決勝戦入りは逸したが、続く8月下旬の伊勢崎ナイター一般開催は4日間を無敗で完全V。これで通算優勝回数は歴代ダントツでトップの218回。通算勝利数は来年にも1700勝に達する見込みで、王者の走りは円熟味を一段と増している。
中村雅人は9月山陽『特別G1プレミアムカップ』と川口2節、デイレースに3連続で優出中。直近の飯塚は8月ダイヤモンドレースに優出した他、昨年秋の飯塚デイレース『G2オートレースメモリアル』と『G1開設記念』にも優出しているので、夏~秋の飯塚にエンジンを合わせる整備のコツを会得しているか。
さきに触れたダイヤモンドレースの準決勝戦で中村雅・有吉を破って勝利したのが伊藤信夫。このレースはフライングを喫して勝ち上がり権利を失ったため翌日の優勝戦へは進めなかったが、近年の飯塚では勝ち星を多く挙げられていなかったのが、この1節は5戦して1着2回・2着1回と好走。近年は濡れた走路での上位着順がレース場を問わず急増していることも付け加えておきたい。
加賀谷建明は既得のグレード6タイトルのうち2つを、ここ飯塚で制している。2017年のオーバルチャンピオンカップ優勝は小雪舞う1月、2022年のG1開設記念の優勝は雨上がり重走路の11月と、秋~冬の飯塚に実績を残している。事実いま現在も、暑さが落ち着き始めた先月下旬から成績が急上昇中で、9月プレミアムカップ最終日から11戦7勝、オール3着以内。それ以前の11走が1勝のみだったのとはきわめて対照的だ。
今週14日に閉幕したばかりの山陽デイレース『G2若獅子杯』から、31期以降の若手が数多く転戦してくる。
今年デビューしたばかりの新人37期ながら最重ハンデの20メートル前で戦った福岡鷹は開催3日目の準々決勝戦、1級車の角貝拓海を並ぶ間もなく捲って快勝し、翌4日目の準決勝戦入りを果たした。
同じく最重ハンデの20メートル前に置かれたデビュー2年目36期の村瀬月乃丞は、準決勝戦には進めなかったが4日目の一般戦、今期ランキングA-125の米里崇徳にスタート叩かれる試練の展開から道中で捲って逆転すると、残り1周半で稲原瑞穂・本田仁恵・桝崎星名の1級車3名を次々と捲り、ゴールでは10メートルの差をつけて圧勝した。
いま挙げた2個レースとも出走して後方に沈んだ中村杏亮は、当開催は初日から車券に絡めないレースが続いたが、最終日5日目は5日間で最高の試走タイム33秒を計時し、レースでも強い足色を見せた。オーバルチャンピオンカップは昨年3月の前々回大会、雨走路で鈴木圭一郎を大差でくだして優勝した。
長田稚也は4日目の準決勝戦、レース中盤まで福岡鷹に抵抗されてスピードアップできなかったのと、2番手を走る佐藤摩弥へ迫った5周回4コーナーで滑って車間が開き優出は逸したが、開催初日から好気配を維持し続けた。
森本優佑も初日から好調をキープし、8月『SGオートレースグランプリ』以来のグレードレース優出。その決勝戦は2周回1コーナーやや外へ張り気味になり、ちょうど後ろにいた佐藤励の進む道を空ける形になってしまったが、優勝した佐藤励と前日の準決勝戦で接戦できたのだから、エンジンは状態はかなり高いハズだ。
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主な出場予定選手
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有吉 辰也〔飯塚 S-4(25期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-5(27期)〕
中村 杏亮〔飯塚 S-31(33期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-32(34期)〕
森本 優佑〔飯塚 S-46(31期)〕
福岡 鷹〔飯塚 A-101(37期)〕
村瀬 月乃丞〔飯塚 A-226(36期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-6(22期)〕
中村 雅人〔川口 S-9(28期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-14(27期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-19(24期)〕
文/鈴木
佐久間健光が今年2度目の優勝!
伊勢崎のアフター5ナイターは地元の26期・佐久間健光が優勝した。試走は29で一番時計を叩き出した。レースは0ハン単騎の竹内が軽快に逃げ、10線から先行した谷川がマーク追走していたが、佐久間が好エンジンをバックに車を押し上げていった。先頭に立ってからは三浦が追い上げてきたが、射程内に入らせることもさせず逃げ切ってみせた。完全優勝がかかっていた青島は、試走タイムから物足りず、レースでも全く番手を上げることができなかった。
佐久間は今年1月以来の優勝。通算優勝回数は11となった。今年は3回優出し優勝が2回、準優勝が1回。優勝戦に乗れば好成績を残すことができている。8月下旬あたりからエンジンが上向き、気候が変わりつつある現在でも高水準で保てている。元々は、スピードが出る冬場で活躍するイメージがあるので、この勢いのまま次の地元戦でも好走しそうだ。
森且行が最内枠から速攻
20線の27期2名の攻めが早くなく、30メートルの角度ならイン先行が有望な森且行が素早く突破する。
木村武之が離れず付いて行くと道中で仕掛ける場面も。若井友和は準決勝戦で同ハンを交わすのに2周かかっており、決勝戦でも攻撃が後手になる恐れあり。
準決勝戦で永井大介を苦戦させた山田徹が、8年ぶりの優勝を飾った昨年4月の川口デイレースのように逃げ展開へ持ち込むと激走十分。
◎ 6 森且行
○ 7 木村武之
△ 3 小原望
▲ 8 若井友和
穴 2 山田徹
おすすめの買い目
6=7-382
穴なら
2=7-681
スタート位置