藤岡一樹が約3年ぶりの優勝!
0ハンから先行したのは外枠の永島。内枠の塚越は永島をマークする形になった。10線からは藤岡が先行し、0ハン両者を追う展開を作った。最内の松山は岩科、長田恭には行かれないスタートを切り、藤岡を追っていく。
藤岡は道中で様子を見ていたが、まずは塚越を捲って2番手に立つ。そして、最終3コーナーで永島をも捲って先頭を奪取した。上がりタイムは3・347。冬場のミッドナイトでタイムが出やすい条件ではあったが、それにしても見事な数字。快速派の藤岡にとって力を出しやすい状況だったが、それにエンジンをしっかり合わせてみせた。最後の優勝から遠ざかっていたが、今の状態なら次の優勝も近いだろう。
鈴木圭一郎と青山周平をおびやかす存在は現れるか?
昨年の王座決定戦、史上3人目の4連覇を目指していた青山周平に待ったをかけて2度目のSS王座に輝いた鈴木圭一郎が、今回は先週の山陽オートを身体不良で欠車して以来、ぶっつけで大一番に臨むことになった。4日間のトライアル4走すべてで良い成績を挙げることが重要なだけに、体調をしっかり整えられるか動向に注目したい。
青山周は消音マフラーとの折り合いをつけて車を仕上げられるかが大きなポイント。2019年~2021年の3連覇はいずれも最内1枠から早めに先頭へ立って逃げに持ち込んだのが、2022年は1枠から先行できず8番手まで後退する苦しい展開に。数年先までスーパースターが消音マフラーを用いて争われる以上、SS王座を奪還するためには消音マフラーと仲良くなり、手なずけることが大切だ。
黒川京介はレーサー5年目の弱冠23歳でSSトライアルを突破し、初めて挑んだ王座決定戦で青山周を相手に堂々の2着。何周もマークを受けた鈴木圭には1度も前へ出させなかった。
今年はG2タイトルを2つ獲得、夏の「SGオートレースグランプリ」準優勝と、2021年にヒケを取らない実績を挙げて挑戦する。
今年大きく躍進した若手の筆頭格が長田稚也。8月に地元G1「ダイヤモンドレース」を優勝して初めてのグレード制覇。その2カ月後には日本選手権の予選~準決勝戦を突破して初めてのSG優出を果たした。実戦での10周戦を経験できたことも、今回そして将来への大きな糧となるだろう。
SSトライアル初出場が今回もう1人いる。全国トップクラスのスタート力を武器にキャリアの浅い時期から頭角を現していた鈴木宏和である。
今年は自身通算2度目となるSG決勝の舞台を経験。グレード戦タイトルこそ未獲得だが、先月下旬は飯塚G1準優勝、今月中旬には川口デイレース5日間開催を初日から準決勝戦まで4連勝。決勝で名手・早川清太郎と競り合えたのは、鈴木宏の捌きが上達していることを如実に物語っている。
並行して争われる「SSシリーズ」の方は、こちらも近年の成長めざましい若手の中村杏亮が有力候補の1名。昨年はSSシリーズ決勝戦へ進出し、黒川・佐藤摩弥・金子大輔・佐藤貴也に次ぐ5着。その4名が今年はSS王座トライアルの方を走る。となれば今年のSSシリーズ王者に最も近いのは...。
開催の初日には「2023スーパースターガールズ王座決定戦」が行なわれる。近況は35期の新井日和と西翔子が活躍し話題にも多くのぼっているが、34期の松尾彩も実力をどんどん付けている。先月の飯塚G1と今月の地元山陽G1でそれぞれ1勝を挙げた。最新ランキングでは100以上も順位を上げて初のA級2ケタに。速攻派が多い女子レーサーの中では希少な、どちらかといえば追い込み型で、決定戦のレース前半は展開作りに参加できなかったとしても、後半にかけて姿を現してくるか。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
黒川 京介〔川口 S-20(33期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-17(34期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-15(32期)〕
中村 杏亮〔飯塚 S-14(33期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-6(31期)〕
松尾 彩〔山陽 A-38(34期)〕
文/鈴木
地元の藤岡一樹が先制攻撃!
4日間の走りを振り返ると、藤岡一樹は初日いきなり本走3.35秒台を計時している。すでに高い仕上がりを得ており、あとは準決勝戦~優勝戦まで状態を崩さないように維持してきたように見える。準決勝戦では長田恭徳にマークされる展開だったが、相手に攻める隙を与えなかった。優勝戦の10線4名の中で先行力が最も安定しており、0ハン2車を先に突破して同ハンの追撃を振り切ろう。
岩科鮮太や松山茂靖はスタートが決まれば好勝負できる。ただ出足の安定感は藤岡に一歩譲る感。長田恭も鋭いダッシュ力のあるタイプではなく、先述したように道中の伸びは藤岡を超えるものではなかった。
永島潤太郎も今節は普段に比べると仕掛けが早くなく、スタートが常に切れていてガードの固さに定評のある塚越浩之に苦しむ可能性もある。
◎ 4 藤岡一樹
○ 5 岩科鮮太
△ 6 長田恭徳
△ 3 松山茂靖
▲ 1 塚越浩之
おすすめの買い目
4=5631
穴なら
5=312
文/鈴木
地元勢が木村武之の侵攻を喰い止めた
試走2秒台をマークした20線2車を差し置いて桜井晴光が3連単・2連単とも1番人気に。21日に終幕した前節アフター5ナイターで見せた強烈なスピードがファンの脳裏に焼きついていたのだろう。
発走すると新井淳は前輪を浮かせながらも隣の仲田恵一朗を抑えて先手を取りきり先頭を窺う。だが桜井が豪快な捲りで一気に抜け出して後続を引き離し始めた。
ただ1人のSGホルダーである木村武之はレース序盤の位置取り争いでは松本康に勝ったが、中盤以降の動きが冴えず、試走タイムで上回っていた松本が捌いて逆転。吉田恵輔も巻き返してきて、地元ワンツースリーでフィニッシュ。2023年ラストの伊勢崎開催はファンが見守る前で地元勢が掲示板を独占して締めくくった。
牧瀬サンタが雨走路でやってきた
ホワイトクリスマス(雪)ではなく雨での優勝戦となり、ただひとり10mに位置する岩見から0ハンの越智や東小野、丹村司が人気筋も割れ気味だった。
スタートで木山が渾身のカマシ決めたが丹村司に張られてしまう。なんとか丹村を交わしたが、牧瀬が鋭い捲りで先頭へ立ち、そのまま勢いに乗ってゴール。東小野は省エネ走法で後半インから巻き返して2着。人気の岩見は圏内に入れずじまいだった。牧瀬は昨年12月7日の飯塚ミッドナイト以来、通算6度目のVは今年初優勝。人気薄の木山が3着に入り3連単は5万超。次節の年末ミッドナイト5日間はオール地元勢での開催。むろん、岩見は捲土重来を図る。