遠征勢を迎え撃つ絶好調の丹村飛竜
今月5日の浜松デイレース決勝で鈴木宏和・青山周平の後塵を拝したS1鈴木圭一郎が、ここは最高の成績を上げて年末のSS王座トライアルへ臨みたいはず。
高橋貢も地元G2レジェンドカップは準決進出を逸する不本意な形に。ただ5日間のうち3日目を除く4走すべて本走3・3秒台で快勝といえる内容のレースをしており、エンジンは決して悪くない。豊富なキャリアを活用して、他者よりも早く走路状態を掴んで整備を合わせてくるか。
そのレジェンドカップ、飯塚勢は浦田信輔(と今回は不在の有吉辰也)が優出したものの荒尾聡、篠原睦は活躍できず。川口勢は決勝に森且行を含む4名も送り込んだが、若井友和や永井大介はそれぞれ5戦1勝にとどまった。
今回出場する川口車で最も勢いがあるのは佐藤励だ。10月以降7節に出場して優出6度、V4回に準優勝2回と素晴らしい戦績を挙げている。前節の飯塚ミッドナイトで本走3・34秒が出ており、速いタイムが求められる新走路の山陽にも対応できる可能性は十分。
夜開催のスピード勝負を得意としている中山光は、新走路にマッチすれば相当に速いタイムを出せる能力の持ち主。スタートで遅れることがあっても、加速力が上がる走路なら伸び返すことが可能だ。
今回の大きなポイントは、さきに少し触れたが舞台となる山陽オートレース場が走路改修を経て今月1日に再開したばかりである点。そのため新しいコースで実戦を経験していない選手が多く、新走路との相性や慣れるまでの時間差は選手ごとに異なるはずで、そのことが各選手の成績そして優勝タイトルのゆくえに多大な影響を及ぼす。
走路リニューアル後すでに3つの開催が行われて、今回出場する地元S級選手の中では丹村飛竜と長田恭徳が新走路の3節すべてを経験済み。丹村は1・2節目を連続優勝。長田も走路の感触を掴めていた様子で、この両名が先頭に立ち地元勢をリードするか。S級に匹敵する実力を持つ丸山智史や藤岡一樹にも新走路を経験したアドバンテージがある。
山本将之と山本翔が調子と実力を上げてきて、前者は1度、後者は2度、新走路で優出を果たした。古城龍之介や矢野正剛は新走路にマッチしたおかげもあってか復調してきて、この勢いを大舞台で発揮したい。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-7(22期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-25(29期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-16(26期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-6(31期)〕
若井 友和〔川口 S-9(25期)〕
永井 大介〔川口 S-12(25期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-10(27期)〕
森 且行〔川口 A-16(25期)〕
山本 将之〔山陽 A-6(33期)〕
文/鈴木
鈴木宏和が今節も完全優勝を狙う!
一般開催では珍しく5日間開催だが、ついに優勝戦の日を迎える。ここまで負けなしの4連勝で優出したのは鈴木宏。前節の浜松では初日からオール1着の完全優勝を決めていた。今節も同ハンから先行して速攻を決める。前節に続いて完全優勝を果たしそうだ。
それを食い止めたいのは地元川口の黒川。鈴木宏に先行できればチャンス倍増だし、そうでなくても鈴木宏のスタートに乗っていければ道中で差し込む場面はある。エンジンの仕上がりは負けていない。実績では早川が上位で、早川が勝つとなれば、外の2車よりも先行した場合。そうなれば先攻めを決めて先着も十分。展開的に絶好となりそうなのは広瀬勝。序盤からどこまでペースを上げられるかがカギ。青木治もだいぶエンジンは上向いてきた。
◎鈴木宏和
○黒川京介
△早川清太郎
△広瀬勝光
▲青木治親
7-68-2468
齊藤隆充が必死の粘りでVゴール!
20線の最内から飛び出した齊藤は、0ハン単騎の野上をあっさり交わして先頭を奪取。すぐ後ろでは番田がマーク追走していた。更にその後ろでは西が様子をうかがっていたが、前の2車が重なって走っていたので仕掛けどころを掴めないでいた。
動きがあったのは5周3コーナー。番田が齊藤のインに強引に突っ込んだが大きく流れてしまう。齊藤は落ち着いて切り返し、再び先頭に立ってゴール。その流れに山本翔が続いて準優勝。
齊藤はスタートでしっかりと枠なり発進を決め、その後もインコースを冷静に走れていた。齊藤の特徴は丁寧なライン取り。後続を封じ込む走りでこれからもレースを盛り上げるだろう。
西がスタート決めて野上を追う!
20線のスタートは枠ナリ発進も考えられるが、3連勝中でリズム良い西が飛び出しそう。0ハン単騎の野上は重走路で好走を見せているが、良走路となるとスピード不足。西が野上との差を徐々に詰めて捕えるとみた。
齊藤隆はスタート先行すれば好展開になる。仮に西に行かれても2番手発進はできそうで、悪くない流れでレースができる。番田はエンジン上昇気配。スタートがうまく行けば優勝争いにも参加できる。単独40線の山本翔は展開的に厳しくなるが、優出メンバーの中では車速上位。レース中盤で車群に追い付けば勝負になる。大駆けの一発があれば矢野か。スタートで内枠勢を何車か置いて出れば、いくらか展開は楽になる。
◎西翔子
○齊藤隆充
△番田隆弘
△山本翔
▲矢野正剛
4-236-2356
長田稚が今年V5! 無念...佐藤励
オートレース表彰の10連勝がかかる優勝戦で試走3・25秒でオッズを支配した佐藤励。3・29秒の長田稚は30m大外からの一戦で最インの佐藤励が絶対的に有利と思われた。先行は佐藤励だったが、長田稚もカマシ決めて直後へ付ける。この後、佐藤励にとってオートレースは簡単ではないことを知ることになる。佐藤励は師匠である10m前の阿部剛の外を回され、その間に長田稚にイン突かれたのが明暗を分けた。長田稚は本田を交わして大きく差を拡げ圧勝。佐藤励が2番手へ上がった時には、大差が付いてしまい10連勝の夢は途絶えた。さらにラストラップ凄かった中山光に危うく追い付かれそうになりゴール。これだからオートレースは面白い!
長田稚はダイヤモンドレースを獲ってからSG選手権では優勝戦4着と一段とたくましさUP。
年末のスーパースターでも台風の目となってくれそうな雰囲気がある。