SG最高峰のレース・日本選手権が開幕!
今年も日本一の選手を決めるSG日本選手権オートレースの季節がやってきた。今回は飯塚オートでナイターの戦いになる。昨今はだいぶ気温が下がってきて、各地でスピードレースが展開されているが、今回はどのようなレースが繰り広げられるのか。注目の選手を地区別に挙げていく。
まずは開催地区の飯塚から。飯塚のエースは荒尾聡。前走は浜松GIだったが、ここではしっかりと優出し4着。その前は地元で準優勝。更にその前の地元では優勝。エンジンは高い位置で安定している。日本選手権はまだ優勝したことのないタイトルだが、今の荒尾なら初優勝の可能性を十分に感じさせる。他に有力なのは篠原睦、有吉辰也、田中茂など。篠原は前走の浜松GIの2日目の故障で勝ち上がり権利を喪失。しかし、その後のレースを見る限り、その悪影響はなさそう。有吉も前走は同じだったが、3日目に被害があり落車。その後も試走タイムは出ていたので、エンジン面は心配ないか。田中茂はここ4節連続で地元での競走。エンジン自体はそこそこの位置にある。
今期の全国ランク1位は鈴木圭一郎。所属する浜松地区はタレントが豊富。鈴木圭は前走の地元GIでは初日から4連勝。優勝戦は3着だったが、試走タイムは連日出ていた。日本選手権は前年の覇者であり、今回は連覇に期待がかかる。10月23日の浜松GIで優勝したのは佐藤貴也。優勝戦ではしっかりとエンジンを仕上げてきた。スタートの切れも良く、道中の走りも落ち着いていた。今回へ向け、最高の状態で初日に臨める。そのGIで優出していたのは渡辺篤と鈴木宏和。渡辺はここ一番で勝負強さを発揮できる。鈴木宏は全国屈指のスタート巧者。全てのレースが0Mオープンで行われる日本選手権において、最も強力な武器を持っている。金子大輔、木村武之、伊藤信夫といった実力者もエンジンは高いレベルにある。
伊勢崎地区は青山周平がランクトップ。その青山は前走の地元では優出4着。このレースは重走路で、更にスーパーハンデでの競走だった。9月以降はGIを2度制覇しているように、エンジン自体は好仕上がり。今回は当然、通常のハンデに戻るので、オープン戦でスタートを決めまくるだろう。高橋貢は前走の浜松GIでは初日から4連勝で優出。優勝戦は5着だったが、初日からは負けなしだったし、その前の地元GIでは準優勝。大舞台ほど存在感を増してくる選手だ。SG初優勝を狙う早川清太郎は、3節前のプレミアムカップから調子を落としている。前走の地元では初日から連勝を決めたが、そこからエンジンが安定しなかった。A級ではあるが三浦康平が上昇中。前走の地元ではオール車券絡みで優勝を決めていた。
川口地区の今期ランクトップは若井友和。今年はすでに14回の優出があり、その内、記念レースが8つ。とにかく機力の安定感は抜群で、大きな着を取らないことが多い。前走の浜松GIでも優出しており、今回も優勝戦まで視野に入っているか。中村雅人は前々走の伊勢崎で今年の初優勝を決めていた。その後の浜松GIは準決3着で優出できなかったが、シリーズ中の走りは悪くなかった。永井大介は前走の飯塚で優出3着。今年はまだ優勝がなく、調子が上がってこない。それでも自身の勝ちパターンに持ち込めば、好走を見せる時もある。A級の佐藤摩弥は3節前のプレミアムカップで優出すると、前走の浜松GIでは準優勝。それもシリーズ中はオール連対の好成績だった。今年は不調が続いていたが、大幅な軌道修正に成功した。
山陽地区は丹村飛竜がランクトップ。近況は1着を取る日もあるが、成績としては安定していない。エンジン状態ももう一つといった所で、SGで戦うとなると底上げが必要。松尾啓史は近況、成績も悪くないが、それ以上にエンジン状態が良さそう。あとは0Mオープン戦でどこまでスタートが切れるかどうか。序盤である程度の位置に付ければ上位争いに加われる。長田恭徳、前田淳といったあたりは一発力があるので、人気薄になるようなレースでは高配当を提供するケースが多々ある。
※10月28日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-4(27期)〕
若井 友和〔川口 S-5(25期)〕
永井 大介〔川口 S-11(25期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-13(29期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-14(26期)〕
中野政則がこのまま勢いに乗るか!
今回の山陽オートは前回の昼間開催と変わり、ミッドナイトレースとなる。レースの時間帯は大きく変わるが、その時に活躍していた選手が参戦。その選手たちが今回も見せ場を作るのか、それとも他に優勝争いに名乗りを挙げる選手が現れるのか。
前回の山陽オートで優勝したのは中野政則。優勝戦は0ハン単騎で、序盤からペースを上げて誰にも交わされず先頭ゴール。上がりタイムは3・416だった。0ハンから走る選手が昼間開催でこのタイムを出されたら、追う側の立場の選手からしたら厳しいだろう。今回はミッドナイトに移行するので、もっとタイムが出るかも。
その優勝戦で準優勝だったのは古城龍之介。逃げる中野政を追い切れなかったが、道中では一つ外枠にいた山本将之を逆転しての準優勝だった。一時期は快進撃を見せていた古城。近況はやや低迷していたが、この準優勝を機に再び急成長を見せるかも。林弘明は前走が浜松GIだった。ここではレース序盤の展開作りがうまくいった時、好成績を残せていた。エンジン状態は良くレース道中の動きも良い。あとはスタートを含めて序盤をこなせれば上位争いに参加できる。
外来は川口勢に注目。その中でランクトップは掛川和人。最近は浜松で走ることが多かったが、まずまずの成績を残せている。掛川は試走タイムがそこまで出なくても、レースではしっかりと追っていけるケースが多い。人気薄にもなりやすいので車券を買う側からすれば大きな魅力。武藤博臣は前走の飯塚で優出3着。これが長期療養からの復帰戦だったが、そこでいきなり優勝戦まで進んでみせた。乗り手のレース感覚は早くも戻っているとみていいだろう。その飯塚では青木治親も気配良さそうだった。準決こそ5着だったが、それ以外の2走は共に白星。緩やかにだが良い時の走りが出てきている。君和田裕二は前走の浜松GIでそこそこの動き。車券に絡めるレースが多かった。早めに一人で走れる展開を作れれば、スピードに乗って走ることができる。
赤堀翼は前走の地元GIでは、白星こそなかったものの5走中4回の車券絡み。同期の君和田と同様に、レース序盤で独走に入れるようなら結果を残しやすい。水本竜二も近況は力走を見せている。前走の山陽では全5走して3回の連対。しかも、シリーズ後半の方に動きが良くなってきたので、今回の初日へと状態が続きやすい。他では近況、成長を見せている稲川聖也、的確な捌きがある浅野浩幸、一発力が魅力の相馬康夫、試走タイム以上に渋太い走りをする杉本雅彦などにも注目。
※10月26日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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中野 政則〔山陽 A-74(27期)〕
林 弘明〔山陽 A-113(24期)〕
古城 龍之介〔山陽 A-147(34期)〕
掛川 和人〔川口 A-51(22期)〕
青木 治親〔川口 A-68(29期)〕
武藤 博臣〔川口 A-127(28期)〕
君和田 裕二〔川口 A-134(30期)〕
赤堀 翼〔浜松 A-168(30期)〕
走路温度低下と共にスピードレースが増加!
今回の開催は、直後にSG日本選手権が控えている関係で、主力選手はごっそり不在。A級が主なメイン層になるが、B級の中にも優勝を狙える選手はいる。気になる選手を挙げていく。
出場するS級は鐘ヶ江将平だけ。前走は今回と同じ浜松で、GIスピード王決定戦に出場していた。この時は白星はなかったが準決は3着だったし、成績としてはある程度でまとまっていた。エンジン状態は並か、その少し上。今回は出場メンバーが手薄なので、S級としての活躍を期待したい。
地元浜松勢では前走のGIで見せ場を作っていた選手が何人かいる。山浦博幸はシリーズ中に3回の車券絡みがあった。レース道中はスピードある走りを見せており、特にアウトコースを回る時に車速を増してくる。和田健吾は初日に8着を取ったが、そこからはオール連対。ハンデ位置的に軽い印象はあるが、エンジンの仕上がりも良さそうだった。今回も前の方から走る展開なら好成績を収められる。関口隆広も同様にハンデ位置が魅力。一時的にハンデが重くなった準決は5着だったが、それ以外は2勝を含むオール車券絡みの好内容。スタートはやや不安な面があるが、ハンデが後ろの選手に叩かれなければハイスピードの走りを披露できる。
伊勢崎の渋沢憲司と戸塚尚起も前走は浜松のGIだった。渋沢はシリーズを通して大きな着を取っておらず、武器とするスタート力を発揮して上位着でまとめられていた。今回もその速攻力は見もの。戸塚も同様に大きな着を取ることがなかった。エンジンが良い時は安定した走りと結果を出せる選手。今は絶好の狙い時だ。
川口の佐藤励は前々走の山陽GIIで優勝。その後は浜松GIに走っていて2日目まで連対できていた。3日目からは後続にやられてしまったが、今は大きな成長を見せている時。1走ごとにパワーアップしてくるだろう。その1期先輩の早津康介も走りが良くなっている。前走の山陽では準決こそ6着だったが、それ以外の3走は全て連対。だいぶスピードに乗せて走ることができるようになっている。
山陽の山本将之も好調。前走の地元4日間開催ではオール車券絡みの優出3着だった。スピードだけではなく、レース道中で前を走る車を抜く技術も上がっている。同じ開催では飯塚の藤川幸宏も目立っていた。レース序盤の動きは鋭く、それを最後まで保つことができれば上位着を取れる。
※10月25日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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鐘ヶ江 将平〔飯塚 S-44(31期)〕
山浦 博幸〔浜松 A-59(29期)〕
和田 健吾〔浜松 A-149(28期)〕
関口 隆広〔浜松 A-174(29期)〕
渋沢 憲司〔伊勢崎 A-16(29期)〕
山本 将之〔山陽 A-130(33期)〕
佐藤 励〔川口 A-109(35期)〕
早津 康介〔川口 A-159(34期)〕
地元の佐藤貴也がスピード王決定戦を制した!
浜松オートで行われていたGIスピード王決定戦は、地元の29期・佐藤貴也が制した。同大会は2007年にも勝っており、今回が2度目の制覇。GIは通算6度目の勝利となった。
良走路で行われた優勝戦。試走タイムは鈴木圭一郎が一番で28。次いで佐藤貴也と若井友和が30、荒尾聡が31、鈴木宏和が32、渡辺篤と高橋貢が33、佐藤摩弥が35だった。
10Mオープンのスタート争いは最内の佐藤摩が先行。これに鈴木宏が乗って出て佐藤貴が続いていく。高橋貢と荒尾もまずまずのスタートを切った。
まずは逃げに入った佐藤摩。試走タイムこそ劣勢だったが、コースを外さずペースも落とさず軽快に逃げていく。鈴木宏は仕掛ける機会をうかがっていたが、コーナーでふくらみ後退してしまう。そして、2番手に立ったのは佐藤貴。そこからは2人の一騎打ちになった。佐藤摩は変わらず丁寧にコースを守って走っていたが、7周目3コーナーで佐藤貴が渾身の突っ込み。これが綺麗に決まり、佐藤貴が先頭を奪取。するとそのままゴールを決めてみせた。準優勝は佐藤摩。3着は序盤の展開作りがうまくいかなかった鈴木圭が追い込んでなんとか車券に絡んでみせた。
佐藤貴は万全のレース運びだった。トップスタートを切れればその方が展開は楽だったが、しっかりと3番手発進を確保すると、そこからはチャンスをじっくり待ち勝利をものにした。今回は試走2番時計タイだったので、エンジン的にも余裕があっただろう。そういった時は更に乗り手は落ち着いて走れるもの。佐藤貴はこれまでSG1V、GI5V、GII5Vの実績を誇っていたが、今回で更にGIの優勝回数を増やしてみせた。今回のようなエンジン作りができれば、これらの数字はもっと増すだろう。乗り手の技量は最上位グループ。今後も記念レースで活躍を見せてくれるはず。
次の日本選手権をも視野に有力選手が仕上げる!
今回の飯塚オートは3日間の短期決戦。この直後に飯塚オートでSG日本選手権が控えており、そこに出場する選手にとっては最終調整の意味合いもある。良い流れに乗れるのは誰か。
今回出場する中で地元のランクトップは田中茂。前走は地元だったが、ここではしっかりと優出。優勝戦では追い込みが効かず5着だった。試走タイムから物足りない数字だったので、まずは試走タイムが出るようにしておきたい。周りと同じぐらいの数字をマークすれば、強烈なイン攻めで車群を切り裂いていける。他に地元S級で有力なのは滝下隼平と辻大樹。滝下は前走の伊勢崎では初日に白星。その後は成績が悪くなっていったが、この時は不安定な走路でやりづらいレースも少なくなかった。良走路では試走タイムが出ていたので、エンジン面はそんなに心配ないか。辻はこのところ地元でのレースが多い。前走の初日に白星を挙げており、エンジン的にはまずまずの状態にある。
外来S級で最も注目なのは永井大介。ここ3週間はレースがなく久々の実戦になる。それまではエンジン状態が日替わりだった。安定はしていないが、好結果を出せる日もあったので、それを継続して出したいところ。乗り手の実力は確かなので、エンジン面の後押しがあれば優勝争いにまで参加できるだろう。川口勢のS級は他に黒川京介と中山光。黒川は夏場から調子が上がってこないが、元々はスピードある選手なので、走路温度が下がってくるこの時期に復調の兆しが出るかも。中山光は前走も今回と同じ飯塚オート。ここでは初日から連勝を決め、優勝戦でも2着に入り準優勝だった。試走タイムは連日3・2秒台。エンジンは仕上がっている。
来場する中の山陽S級では佐々木啓がランクトップ。前走から以前のエンジンに乗り戻り、調子が上向いた様子。準決こそ4着だったが、それ以外は連対するシーンが多く見られた。ここから高位安定を目指したい。岡部聡は前走の2日目に反則妨害があったが、それ以外の4走は全て車券に絡めていた。エンジン自体は悪くない。
A級では鈴木清が前走の飯塚で完全優勝を果たしていた。ミッドナイトから昼間の開催になり、レースの時間帯は変わってくるが、優勝した勢いは軽視できない。良い流れで今回に臨める。その優勝戦で4着だったのは田中正樹。その前も優出しており、エンジンはある程度の位置で推移している。岩崎亮一は現在、連続優出中。今はA級に甘んじているが、実力的にはS級となんらそん色ない。
B級では井上智詞が前走の地元で優出。序盤で独走に入れればスピードに乗せることができる。新人35期では永島潤太郎が成長中。前々走の若獅子杯争奪戦では見せ場を作っていたし、前走の地元でも4走中3回の連対があった。
※10月22日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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田中 茂〔飯塚 S-21(26期)〕
永井 大介〔川口 S-11(25期)〕
黒川 京介〔川口 S-12(33期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-28(23期)〕
中山 光〔川口 S-38(32期)〕
岡部 聡〔山陽 S-39(19期)〕
岩崎 亮一〔山陽 A-12(25期)〕
鈴木 清〔川口 A-25(23期)〕