走路状態がカギになりそうな大会!
定着しつつある山陽GII小林啓二杯。昨年までは全国から選手が集結して行われていたが、今年はコロナの影響で選手の移動が制限されている。地元山陽と飯塚がメインで、他には山陽オートレース場から遠くないところに住んでいる選手が参加。どのような戦いが繰り広げられるのか。
地元山陽のトップ・佐々木啓は堅調そのもの。前走の飯塚5日間開催でもシッカリと優出し3着。シリーズ中も安定した成績でまとめ、エンジン力の高さを証明していた。1着を並べるタイプではないが、常に車券の対象となるレース運びに期待できる。山陽2番手は丹村飛竜。前走は地元GIだったが、初日と2日目は連対したものの、その後は失速。エンジン状態が試走に表れるタイプなので、そのタイムには注意を払いたい。そのGIで乱調だった松尾啓史は、その後の飯塚5日間開催では2勝を挙げ、悪いリズムは断ち切れている。
上昇中なのは岡部聡と藤岡一樹。以前は軽いスランプに入っていた岡部は、ここ数節で車券に絡むケースが増えてきた。同様に藤岡も元々のスピードが戻りつつある。一般開催より記念レースで活躍する印象が強い。岩崎亮一、浜野淳、角南一如らはエンジン状態がイマイチ。並以上になれば確かな技術で上位進出できるだけに、良化の兆しがありそうなら積極的に狙ってみたい。
山陽勢はA級にも注目の選手が多い。西村龍太郎は前走の飯塚5日間開催で優勝。これまでに14回の優勝経験があって、その内3回はGI。素質自体はかなり高いモノがあり、今回はリズムも良いので、久しぶりの記念制覇を狙う。飯塚の優勝戦で西村龍を抜けなかったが、準優勝だったのは前田淳。5走全てで車券に絡めており、状態は上向いていると言える。小林啓二杯は2018年の覇者で、同大会への意気込みも違うか。2019年の覇者は緒方浩一。攻めは淡白な面あるが、エンジン仕上がった時の爆発力はかなりのモノ。重走路が得意なので、梅雨時期の今はチャンス倍増。
飯塚トップは荒尾聡。こちらも好調が続いている。前走の地元5日間開催でも優出し5着。その前の節では優勝を決めている。エンジン状態がいいのはもちろんの事、走路状況に関係なく力を出せるのは、この時期大きな強み。鋭い速攻を炸裂させそうだ。2番手は浦田信輔。前走は地元3日間開催。初日から連勝を決めて優出。優勝戦は3着入線。後方からでも追って行ける機力はありそう。篠原睦は近況優出を逃すケースが多いものの、1着率はかなり高い。シリーズ初日から好結果を出せるタイプだ。
有吉辰也、久門徹といったあたりもエンジン状態はまずまずで、自身の走りはできている。岩見貴史の前走は地元で補充参戦。4走して全て1着。このまま連勝を重ねるか。A級では別府敬剛と水崎正二が前走の地元5日間開催で優出。どちらも雨巧者で、重走路になりがちなこの時期は更に存在感が増す。片岡賢児は、この大会2017年の覇者。この時はオール1着の完全優勝だった。相性のいい同大会で再び注目を浴びるか。
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主な出場予定選手
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佐々木 啓〔山陽 S-9(23期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-13(29期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-16(26期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-23(25期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-4(27期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-10(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-19(26期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-20(25期)〕
青山周平VS永井大介!
前回の伊勢崎ナイターは浜松の木村武之の優勝で幕を閉じた。今回はその木村武は参戦しておらず、代わりという訳ではないが川口から永井大介がやってくる。前回いなかった伊勢崎のエース・青山周平が今回は参戦。この両者がシリーズの中心になりそう。
青山周平は前走の川口GIIで優勝を果たした。初日からスーパーハンデで走っていたが、優勝戦もハンデはそのまま。川口勢の強豪が前に7車並んでの厳しいレースだったが、最後は永井との死闘を制し、快挙を達成した。記念レースをスーパーハンデで勝ち切るのは近年にはなかった。エンジンはもちろんの事、今の青山は乗り手も絶好調。今回のハンデ構成は気になる所だが、再びスーパーハンデに置かれても変わらず追撃を披露してくれそう。
対する永井は川口GIIの借りを返すべく、初日から激走を見せそう。青山に敗れてしまったが、エンジン自体は高い位置にある。初日からいきなり直接対決にはならないだろうが、両者とも順当に勝ち上がれば優勝戦で激突する。そこまでにどれだけエンジンを仕上げられるかが大きなポイントになる。
前回、木村武が優勝した伊勢崎ナイターでは高橋貢、渋沢憲司、西原智昭、吉田恵輔らも優勝戦に乗っていた。高橋貢は4着に終わったが、試走タイムは一番出ており、エンジン面はそれほど心配ない。渋沢はハンデが10M前からのレースで健闘していた印象。西原は最重ハンの最内からスタートはしっかり決めていた。吉田恵は未だ優勝の経験はないが、優出自体はよくしており、初優勝への機運は高まっている。
早川清太郎、新井恵匠は前走が川口GII。早川は準決3着で優勝戦には乗れなかったが、シリーズを通してみればまずまずの結果。地元に帰れば当然、いつも以上の走りに期待できる。新井恵はエンジン状態が並。少しでも底上げしたい現状。
吉原恭佑、内山高秀、田村治郎といった実力者は、前走の地元ナイターで優出していないが、3日間の開催を上位着でまとめていたので、今回もそれなりに走れるはず。
遠征のA級では、高橋義弘が前走の川口GIIで優出。優勝戦は0ハン7車の最内で、スタート包まれて見せ場を作る事はできなかった。ただ、準決などは高橋義弘らしいスピードが出ていたので、同じナイターなら楽しみはある。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-3(29期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-18(32期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-21(30期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-30(26期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-32(30期)〕
永井 大介〔川口 S-6(25期)〕
昼間5日間のロングシリーズ!
開催によってレースの時間帯が大きく変わる飯塚オート。今回は昼間の時間帯に移行し、5日間の一般開催が行われる。前回の飯塚オートは荒尾聡の優勝で幕を閉じた。今回はどのような優勝争いになるのか。
先述の荒尾は好調ムード。現在は6連続優出の内3回は優勝で、その中にはSGも含まれている。前回も優勝で終えており、乗り手のリズムは最高潮。今回も当然の優勝候補に挙げられる。
前回の優勝戦で惜しくも2着だったのは井村淳一。優勝戦では1回先頭に立つことができたが、荒尾の猛追の前に屈してしまった。それでも予選準決と1着で通過していたので、エンジン状態は上向き。一度波に乗ると好調が続くタイプなので、今回も注目の一車。また町田龍駿も前回は優勝のチャンスがあった。単独0ハンからのスタートとなった優勝戦では、準決のようにペースを上げる事ができなかったが、近況は1着率が高まっているように好調をキープ。中村杏亮は前々走の優勝戦で落車していたが、前走ではその悪影響はなく優出。近況は優出ラッシュが続いている。田中進、藤川幸宏も前回は優出しており流れは良い。
篠原睦、久門徹、田中茂の飯塚26期三羽烏は前走で優出とはならなかったが、エンジンレベルとしては中堅上位。戦える状態には十分ある。有吉辰也は前走が山陽GIで、ここではしっかりと優出していた。シリーズ中も安定した成績を残しており、巧腕を活かした追い込みが決まりそう。桝崎陽介、重富大輔はもう少しエンジンの底上げが必要か。
山陽勢のランク筆頭は佐々木啓。前走の飯塚ナイターでは優出できなかったが、その前の地元GIでは優出し4着。松尾啓史は前々走の地元GIでは反妨2回と乱調だったが、前走の飯塚ナイターでは冷静な走りができていた。岡部聡は近況の動きがまずまず。岩崎亮一は軽いスランプに入っている。最近は連対が少なくなっている。
山陽A級では、33期の青木隆浩が前走の地元GIで嬉しい優出。結果は8着だったが、優出した経験が今後の走りに活きてくるはず。そのGIで優勝したのが長田恭徳。その後の飯塚ナイターはイマイチだったが、まだまだ成長の余地を大きく残しているので今後が楽しみ。丸山智史も前走の地元GIでは良い走りが見られていた。
B級では丹村司がハンデを活かし快走を披露している。花元初美は渋太い走りで成績を残す事が多い。磯部真樹はスタートに良化が見られ、前走の飯塚ナイターでは3走して全て連対と要警戒だ。
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主な出場予定選手
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荒尾 聡〔飯塚 S-4(27期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-19(26期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-20(25期)〕
久門 徹〔飯塚 S-28(26期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-9(23期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-16(26期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-23(25期)〕
岡部 聡〔山陽 S-41(19期)〕
青山周平が川口オートで夜の死闘を制した!
川口オートで行われていたGII川口記念は、伊勢崎の31期・青山周平が怒涛の追い込みで制してみせた。青山はこの大会、初めての制覇。記念レースのタイトル数をまた一つ増やした。
試走タイムは永井大介と青山周平が一番時計で31。次いで森且行が33。高橋義弘と中村雅人が34、鈴木清と大木光が35、若井友和が36でワースト。
レース展開は3枠の鈴木清がトップスタート。これに7号車の永井が乗って行く。森も悪くない位置に付けたが自落により戦線離脱。青山は前を叩く事ができず8番手発進になる。
2番手発進の永井は早々と鈴木清と交わして先頭に踊り出る。青山は1周目の展開が厳しかったが、中団をまとめ差しで好位置に躍り出る。割りと早い段階で永井と一対一に持ち込んだ。まず動いたのは青山。しっかりと抜く態勢を作る前に永井のインに突っ込んでいく。これにより先頭に立った青山だが、永井の逆襲に遭う。際どい突っ込みに対し永井が反撃の差しを決めていく。これも綺麗に決まったわけではなく、青山がやり返していく。この攻防はしばらく続いたが、最後に決闘を制したのは青山。このままゴールを迎える。
今回の優勝戦は0ハンに7車並び、単独10Mに1車。完全にスーパーハンデの厳しさを背負った青山だが、きっちりと跳ね返してみせた。GII競争ではあったが、この勝利はSGで勝ち切るより難しい。この後のSGでこのハンデ構成が組まれるかは疑問だが、青山がそれでも栄冠をもぎ取った時、また新たなオートレースの新時代が幕を開けるだろう。
青山周平不在で優勝争いは混沌!
前回の伊勢崎オートは、スーパーハンデに置かれた青山周平が全車を捌いて優勝を決めた。その青山は今回不在。前回の優勝戦で悔しい思いをした選手にとってはウサ晴らしの戦い。他にも優勝を狙っている選手は多くおり、その結末は簡単には決まらないだろう。
前回の優勝戦に乗った中で、今回出場するのは高橋貢、田村治郎、吉原恭佑、福田勝則の4人。高橋貢は3着だった。レース序盤は外回りの展開でどうかなるかと思ったが、インに切り替えて進撃していた。しかし、道中はタイヤが何度も滑り、ペースを上げることができなかった様子。エンジン面はそこまで悪くなさそうなので、タイヤさえしっかり見つかれば大丈夫。
準優勝だったのは田村治郎。レース序盤から仕掛けが早く、1回は先頭にまで踊り出た。最後は青山に強引に差し込まれてしまったが、そこまでの動きは良かった。青山はこの突っ込みで戒告を取られているように、無理にでも攻めなければ田村を抜けないぐらい、田村の仕上がりはいい。優勝戦4着は吉原恭佑。レース序盤から中盤にかけては、密集していた車群を攻略できていたので、乗り手もエンジンもそこそこ良い。福田勝は優勝戦のスタートで空回り。一気に番手を下げてしまったが、今年の初優出を決めた勢いを持続させたい。
外来S級は浜松から2者。木村武之と青島正樹だ。木村は今年、まだ調子が上がっていない。優勝がないどころか、優出も2回だけ。それでもずっとエンジン不調というわけではなく、いい時と悪い時があり安定していないだけ。エンジンが良くなった状態を長く保つ事ができれば、優勝争いにまで参加できるだろう。青島は今年まだ優出がない。約3ヶ月ほど戦線離脱していた関係もあるが、そろそろ調子を上げたいところ。
A級は浜松勢に伏兵が多い。鈴木静二は変わらぬスタート力で速攻を武器に奮闘している。落合巧と花田一輝の33期コンビは成長盛り。1走ごとに総合戦力が上がっており、節間にも成長を見せている。藤波直也も持ち味である思い切り良い走りができている。鈴木辰己も往年のスタート力は健在。道中のスピードこそ落ちたが、先頭に立ってからは巧みにコースを抑えて着を拾う。
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主な出場予定選手
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高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-18(32期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-30(26期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-32(30期)〕
森村 亮〔伊勢崎 S-43(29期)〕
松本 やすし〔伊勢崎 S-46(32期)〕
木村 武之〔浜松 S-17(26期)〕
青島 正樹〔浜松 S-38(22期)〕